スカルプシャンプーの棚には、力強い言葉が並んでいます。ただ、洗い流すものにできることには限りがある。何が期待できて何が期待できないのか、切り分けます。
できること・できないこと
最初に線を引いておきます。
| こういう悩み | シャンプーで |
|---|---|
| かゆみ・フケ | ◎ 改善が期待できる |
| 頭皮のベタつき | ◎ 洗浄力を合わせれば |
| においが気になる | ◎ |
| 髪のハリ・コシの感触 | ○ 変わることがある |
| 毛の本数を増やす | × 目的が違う |
| 進行を止める | × 同上 |
上の3つは、シャンプーを変えると実際に変わります。頭皮環境の問題なら、洗うもので改善する。
ただし毛の本数は別の話です。洗い流すものに発毛の作用を求めるのは、そもそも役割が違います。
この線引きをしておかないと、高いものを何本も試して落胆することになります。
洗浄成分で選ぶ
価格より、洗浄力の強さのほうが重要です。
| タイプ | 洗浄力 | 向く人 |
|---|---|---|
| 高級アルコール系 | 強い | 皮脂が多く、しっかり落としたい |
| アミノ酸系 | 穏やか | 乾燥・かゆみが出やすい |
| ベタイン系 | とても穏やか | 敏感な状態 |
| 石けん系 | 強め | さっぱり感を求める |
強ければいいわけではありません。必要な皮脂まで落とすと、肌が補おうとしてかえって脂っぽくなります。
乾燥やかゆみが出ているなら、洗浄力を落とすほうが改善することが多い。
逆に夕方にベタつくなら、穏やかすぎる可能性もあります。自分の頭皮の状態で選んでください。
洗い方のほうが効く
製品を変えるより、洗い方を直すほうが早いことがあります。
洗い方の4つ
- お湯で1分すすぐ。これだけで汚れの大半は落ちる
- シャンプーは手で泡立ててからつける
- 指の腹で頭皮を動かす。爪を立てない
- すすぎは洗う時間の倍。生え際と後頭部に残りやすい
1つ目を省いている人が非常に多い。予洗いをしっかりやると、シャンプーの量も減らせます。
そしてすすぎ残し。後頭部と耳の後ろに残りやすく、それがかゆみやフケの原因になっていることがあります。
洗い方を直してから、それでも改善しないなら製品を変える。この順番のほうが無駄がありません。
乾かし方で見た目が変わる
ここは即効性があります。
乾かすときの3つ
- タオルで水気を取ってから。ドライヤーの時間が短くなる
- 根元から乾かす。毛先は最後
- 根元を起こす方向に風を当てる
根元が寝ているだけで、地肌が透けて見えます。毛量が同じでも、根元が立っているかどうかで印象がかなり違う。
自然乾燥は避けてください。濡れたまま放置すると菌が増えやすく、根元も寝たまま固まります。
薄く見えることに悩んでいるなら、まずここを直すのが最も費用対効果が高い。
シャンプーを変えるタイミング
何本も試すより、判断の基準を決めておきます。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 1〜2か月使って、かゆみやフケが改善 | ◎ 続ける |
| 使い始めて頭皮が荒れた | × すぐやめる |
| 1か月で何も変わらない | △ もう1か月見る |
| 2か月使って変化なし | 洗浄力の系統を変えてみる |
| 季節が変わって合わなくなった | ○ 季節で使い分ける |
頭皮の状態が変わるには1〜2か月かかります。2週間で判断すると、合っているものまで捨てることになります。
そして変えるときは系統ごと変える。同じアミノ酸系の別ブランドに移っても、傾向は近いので変化が出にくい。
コンディショナーの扱い
つける場所を間違えている人が多い。
つけかたの3つ
- 頭皮につけない。毛先と中間だけ
- つけたあとはしっかりすすぐ
- 髪が短いなら、必ずしも要らない
頭皮につけると毛穴に残りやすい。油分を補うものなので、頭皮に必要なものではありません。
そして短髪なら省いても問題ないことが多い。パサつきが気になるなら使う、という程度で十分です。
工程を増やすほど、すすぎ残しのリスクも上がります。
頭皮のにおい対策
別の悩みですが、洗い方で改善します。
| 原因 | 対処 |
|---|---|
| 皮脂の酸化 | その日のうちに洗う |
| すすぎ残し | すすぎ時間を倍にする |
| 濡れたまま放置 | すぐ乾かす |
| 枕カバーの汚れ | こまめに替える |
| 帽子の蒸れ | 時々脱いで通気させる |
枕カバーは盲点になりやすい。頭皮をどれだけ洗っても、毎晩汚れた面に頭を乗せていれば戻ります。
週1〜2回替えるだけで、においも肌荒れも変わります。
費用がかからず、効果が分かりやすい対策です。
ドライヤーの当て方
距離と時間で結果が変わります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 距離 | 15〜20cm離す |
| 温風の時間 | 8割乾いたら冷風に切り替える |
| 当てる向き | 根元に、下から上へ |
| 仕上げ | 冷風で形を固定する |
近すぎると頭皮が乾燥します。手をかざして熱いと感じる距離なら、近すぎる。
そして最後の冷風。温風で立ち上げた形は、冷えるときに固定されます。
ここを省くと、せっかく立ち上げた根元がすぐ寝ます。
詰め替えと大容量の使い分け
続けるものなので、コストも見ておきます。
| 買い方 | 単価 | 注意点 |
|---|---|---|
| ボトル(都度) | 高い | 手軽 |
| 詰め替え | 安い | 容器を洗って乾かす |
| 大容量 | 最も安い | 開封後の劣化 |
| 定期購入 | 安いことが多い | 解約条件を確認 |
詰め替えるときは、容器を洗って完全に乾かしてください。残った中身に継ぎ足すと、雑菌が増える条件がそろいます。
大容量は単価が下がりますが、使い切るのに何か月もかかるなら劣化のほうが問題になります。
1〜2か月で使い切る量を目安に選ぶといいです。
この記事の立ち位置
期待の範囲をもう一度確認します。
| こう思っているなら | 実際のところ |
|---|---|
| 高いシャンプーで生える | 洗うものの役割ではない |
| これ1本で解決したい | 頭皮環境は整うが、それだけでは |
| 1本使えば分かる | 頭皮の変化は1〜2か月 |
| 何を使っても変わらない | 洗い方が原因のことも |
シャンプーは土台を整えるものです。土台が荒れていると他の対策も効きにくいので、無意味ではありません。
ただしそれ自体が解決策ではない。この区別ができていると、何本も買い替える出費を減らせます。
あわせて読みたい
- つけるものについては、育毛剤と発毛剤の記事もどうぞ。
- 頭皮の状態を見るなら、初期症状の記事もどうぞ。
- 見た目を変えるなら、髪型でカバーする記事もどうぞ。
頭皮の状態別の選び方
自分の頭皮がどれかで、選ぶものが変わります。
| 状態 | 選ぶ方向 |
|---|---|
| 夕方にベタつく | 洗浄力のあるもの。ただし洗いすぎない |
| 乾燥してかゆい | 洗浄力を落とす。保湿系 |
| フケが出る | 原因で変わる。乾性か脂性か |
| 赤みがある | 低刺激のもの。改善しなければ受診 |
| 特に問題はない | 今のものを変えなくていい |
最後の項目が大事です。問題がないなら変える必要はありません。変えることで崩れるリスクのほうが大きい。
そしてフケ。白く細かいなら乾燥、黄色っぽくべたつくなら皮脂と菌が関わっていることも。
対処が逆になるので、見分けてから選んでください。
洗う頻度
多すぎても少なすぎても問題が出ます。
| 頻度 | 向く場合 | リスク |
|---|---|---|
| 1日2回 | 汗を大量にかく日 | 洗いすぎで乾燥 |
| 1日1回 | 一般的 | — |
| 2日に1回 | 極端に乾燥する人 | 皮脂と菌が増える |
| 洗わない日を作る | △ | においとフケの原因 |
基本は1日1回で足ります。汗をかいた日は増やしてもいいですが、毎日2回はやりすぎです。
そして洗う時間帯。朝ではなく夜に洗うほうが、その日の汚れを残さずに眠れます。
朝しか洗わないと、皮脂と汚れがついたまま8時間過ごすことになります。
製品を選び直すなら、洗浄成分の見分け方の記事もあわせてどうぞ。
ここまでの整理
シャンプーで改善が期待できるのは、かゆみ・フケ・ベタつき・においです。毛の本数を増やすのは役割が違います。この線引きをしておかないと、高いものを何本も試して落胆することになります。
そして製品を変える前に洗い方を直すこと。予洗い1分とすすぎの徹底だけで変わることがあります。見た目のボリュームなら、根元から乾かすのが最も費用対効果が高い対策です。
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