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「今の仕事、10年後も続けている自分が想像できない」——そう思いながら求人サイトを開いて、結局そっと閉じる。エンジニア転職を調べ始めた人の多くが、一度は通る場面だと思います。
しかも検索すると出てくるのは「未経験エンジニアはやめとけ」「もう遅い」「地獄」。せっかく前を向きかけた気持ちが、他人の断言でしぼんでいく。かなりしんどい状況ですよね。
最初に立場をはっきりさせておきます。僕自身はエンジニアではありません。だからこの記事に「僕はこうして未経験から転職しました」という武勇伝は出てきません。あくまでメディア運営者として、公的な統計と各社が公開しているデータ、そして実際にサービスを比較して調べた内容を並べます。煽らないぶん、良い話も悪い話もそのまま書くつもりです。
この記事でわかること
- 「未経験エンジニアはやめとけ」と言われる、根拠のある理由
- それでも未経験から通る人に共通する5つのポイント
- 20代と30代で「戦い方」がどう変わるのか(年代別の一覧表)
- 独学・スクール・エージェント相談、どこから手をつけるべきか
- キャリア相談を使うデメリットと、向いていない人の条件
「未経験エンジニアはやめとけ」と言われる本当の理由
まず、否定的な意見のほうから片づけます。ここを飛ばして良い話だけ読むと、判断を誤りますので。
理由1:市場が「数を採る」から「選ぶ」に切り替わった
IT人材が足りていないのは事実です。経済産業省の「IT人材需給に関する調査」(平成31年4月公表)では、2030年に最大約79万人のIT人材が不足すると試算されました。ただ、この79万人という数字には注意が必要でして、IT需要の伸びが最も大きい「高位シナリオ」での最大値にあたります。同じ調査では中位シナリオで約45万人、低位シナリオなら約16万人。ネット記事が好んで引用する79万人だけを信じると、市場を過大評価することになります。
そして直近の温度感はもう少しシビア。転職メディアtype(エンジニアtype)が公表しているITエンジニアの新規求人倍率は、2026年4月に2.6倍まで下がったあと、5月は3.2倍へ戻しました。とはいえ前年同月の3.4倍と比べれば0.2ポイントの減少。企業の採用意欲そのものは底堅い一方、「頭数を揃える」フェーズから「スキルを見極める」フェーズへ移りつつある、と読むのが妥当でしょう。
理由2:ポートフォリオの水準が上がりすぎた
数年前なら「自作アプリを1つ作った」だけで目立てました。今は違います。プログラミングスクールが普及した結果、ポートフォリオを持って面接に来る未経験者が当たり前になりました。採用担当が見る作品のレベルも当然上がる。スクールの課題をほぼそのまま提出したような成果物は、書類選考の段階で埋もれてしまうケースが増えています。
理由3:入り口の多くがSESで、配属先を選べない
「未経験歓迎」の求人には、SES(客先常駐)の企業が多く含まれます。SESが一律に悪いわけではありません。良い現場に入れば実務経験を最短で積めますし、そこから自社開発企業へ移る人もいます。
問題は配属先を自分で選びにくいこと。テスト作業だけで2〜3年、あるいはExcelでの仕様書整理ばかり、といった配属を引くと、経歴上は「エンジニア」でも中身のない期間が積み上がります。「やめとけ」と言う人の多くは、この現場ガチャを指しているのだと思います。
理由4:学習時間の壁が想像より高い
実務レベルに届くまで、一般的に最低500時間、現実的には1,000時間程度の学習が必要と言われます。働きながら平日2時間・休日5時間を積んでも、到達には半年以上。挫折する人の大半は、技術の難しさではなくこの時間確保で脱落します。
ここまで読んで「やっぱり無理か」と感じたなら、その感覚は正常です。ただ、これらは全部平均値の話でもある。対策した個人にそのまま当てはまるとは限りません。
それでも未経験から通る人の共通点5つ
各社の公開している成功事例や、未経験採用に関わる人の発信を横断して読むと、通る人の傾向はわりとはっきりしています。
- 1. 前職の業務知識とITを掛け算している——「未経験」で勝負せず「元・物流/元・経理/元・製造」として勝負する人。業界の課題を語れる人材は、ゼロベースの若手より重宝される場面があります
- 2. 学習が”継続”として可視化されている——GitHubの草、技術ブログ、資格。完成度より、半年間止まらなかった事実のほうが評価されやすい
- 3. ポートフォリオに「なぜ作ったか」がある——課題の再現ではなく、自分や身近な人の困りごとを解いた作品。技術レベルが平凡でも、意図が語れると印象が変わります
- 4. 最初の1社を”踏み台”と割り切れている——年収も職種も、いったん下げてでも実務経験を取りにいく判断ができる人
- 5. 独学の限界を早めに認めて人に聞いている——ひとりで抱えず、現在地を第三者に見てもらった人ほど回り道が短い傾向
特に2と5は、才能ではなく行動の話。今日から変えられる部分です。
僕の知り合いにも、まったく別の業種からIT側へ移っていった人が何人かいます。話を聞くと、飛び抜けた才能というより、前の仕事で得た知識を持ち込めた人や、学習を途中で止めなかった人が結果的に残っている——さっきの共通点そのままだな、と妙に納得しました。
年代別のリアル|20代と30代では戦い方が変わる
「未経験エンジニア転職」とひと括りにされがちですが、20代と30代では採用側の見方がまるで別物です。ここを混同したまま20代向けの記事を参考にすると、30代の人は苦戦します。
| 年代 | 採用側の見方 | 武器になるもの | 現実的な着地点 |
|---|---|---|---|
| 20代前半〜半ば | ポテンシャル重視。伸びしろで採る | 学習量・素直さ・吸収の速さ | 開発/インフラの入り口。選択肢は最も広い |
| 20代後半 | ポテンシャル+基礎スキルの両にらみ | 学習成果+前職での再現性ある実績 | 条件次第で自社開発も射程に入る |
| 30代前半 | 即戦力寄りの目線が強まる | 前職の業務知識 × IT の掛け算 | 業界知識を活かせる領域、社内SE、上流の補佐 |
| 30代後半〜 | 完全未経験の枠はかなり絞られる | マネジメント経験や専門領域との掛け算 | まっさらな転職より「隣接職種からの染み出し」が現実的 |
年収についても、期待値を先に調整しておきましょう。30代未経験でスタートする場合、初年度は280〜350万円前後のレンジに着地することが多いようです。未経験者が任されやすい「運用/監視/保守」の平均年収は378万円というデータもあります。一方でITエンジニア全体の平均年収は469万円(全職種平均429万円)。つまり入り口では一度下がり、実務経験2〜3年で追い上げていく構造です。ここを知らずに飛び込むと、最初の1年でメンタルが折れます。
なお、30代以降のキャリア設計全般についてはキャリア・転職 完全ガイドのほうで、年代別・業界別に整理しています。エンジニア以外の選択肢も含めて比較したい人は、そちらも覗いてみてください。
自分がどの位置にいるか、まず把握する
年齢・前職・学習状況で、狙える領域はまるで変わります。明光キャリアパートナーズは東証プライム上場・明光ネットワークジャパンのグループ会社で、エンジニア領域に特化した転職支援サービス。求職者側の利用は無料です。転職するかどうか決めていない段階でも、現在地の棚卸しから相談できます。
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独学・スクール・エージェント、どれから始めるべきか
この3つは「どれが正解か」ではなく順番の問題だと僕は考えています。いきなり数十万円のスクールに申し込む前に、比較しておきましょう。
| 手段 | 費用の目安 | 向いている人 | 弱点・注意点 |
|---|---|---|---|
| 独学 | ほぼ0〜数万円 | 自走でき、週20時間を半年確保できる人 | 完走率が低い。方向性がズレたまま進むリスク |
| プログラミングスクール | 数十万円(給付金対象なら負担減) | 強制力と伴走者が欲しい人 | 費用が重い。課題そのままの作品では差別化しづらい |
| キャリア相談・エージェント | 無料 | 現在地と勝ち筋を先に知りたい人 | 求人紹介ありきの提案になる場合がある |
おすすめしたい順番はシンプルで、「無料のキャリア相談 → 必要なら学習投資 → 応募」です。理由は2つ。ひとつは、自分の年齢・前職で本当に未経験枠が残っているのかを、先に第三者から聞けること。もうひとつは、必要な学習範囲が絞れること。無駄に広く勉強してから「その言語、うちの求人にはあまり無いです」と言われるのが、いちばん時間をロスするパターンでしょう。
ちなみに、すでにIT業界内にいて年収を上げたい人は入り口が別です。その場合はITエンジニアのハイクラス転職のほうが役に立つはずです。
正直な注意点|キャリア相談のデメリットも書いておく
ここは書かないと不誠実になるので、はっきり載せます。無料相談にも弱点はあります。
- 完全未経験だと紹介求人が限られる可能性がある——明光キャリアパートナーズの主な支援対象は20〜30代のエンジニア経験者です。職歴やIT関連の経験が薄い場合、紹介できる求人が少なくなるという口コミも見られました。「登録すれば必ず求人が出てくる」サービスではありません
- 地方求人は多くない——首都圏中心の傾向があります。地方在住でフルリモート以外を希望する人は、期待値を下げておいたほうが良いでしょう
- エージェントは企業側から報酬を受け取る——構造上、決まりやすい求人を勧められる可能性はあります。提案を鵜呑みにせず、自分の軸で判断する姿勢が要ります
- 連絡が来る——無料である以上、メールや電話でのフォローは発生します。今は情報収集だけ、という人はその旨を最初に伝えておくとお互いに楽です
それでも僕が「まず相談」を推す理由は、紹介を受けるためではなく、現実を知るためだからです。「30代後半・完全未経験だと厳しいですね」と言われたなら、それも大きな収穫。1年かけて独学してから同じことを言われるより、はるかにダメージが小さい。無料で聞ける現実確認、くらいの温度感で使うのが健全だと思います。
僕自身、キャリアの方向を考えたときに無料相談の類を調べたことがありますが、いきなり求人を押し込まれるより先に、経歴や希望を棚卸しされる形が多いようでした。だから「話を聞く=転職が確定する」ではないと分かっているだけで、最初の一歩はだいぶ軽くなる気がします。
よくある質問
Q1. 30代未経験でもエンジニア転職はできますか?
「できる人もいる」が正確な答えです。ただし20代と同じ戦い方だと厳しい。30代は前職の業務知識とITを掛け合わせて、業界特化の領域や社内SEを狙うほうが現実的でしょう。年齢が上がるほど未経験枠は絞られるため、迷っている期間そのものがコストになります。
Q2. 文系・非IT出身でも大丈夫ですか?
学部よりも、継続して学べているかを見られる場面が多いようです。文系出身のエンジニアは珍しくありません。ただ「文系だから配慮してもらえる」ということはないので、評価軸は理系出身者と同じだと思っておきましょう。
Q3. プログラミングスクールに通わないと無理ですか?
必須ではありません。独学で転職した人もいます。判断基準は「週20時間を半年、ひとりで続けられるか」。続けられる自信があるなら独学で十分。続かなかった経験があるなら、強制力にお金を払う価値はあるはずです。なお、スクールの転職保証がSES中心になりやすい点は、契約前に確認しておいてください。
Q4. まだ転職するか決めていませんが、相談していいですか?
問題ありません。むしろ決める前のほうが向いています。明光キャリアパートナーズはオンライン面談に対応しており、面談・書類添削・面接対策・年収交渉まで求職者側は無料。「情報収集の段階です」と最初に伝えておけば、急かされる展開は避けやすくなります。
まとめ|「無理か」を悩む時間を、確認する時間に変える
最後に整理します。未経験からのエンジニア転職は、数年前より確実に難易度が上がりました。市場は「数」から「質」へ移り、ポートフォリオの水準も上がっている。30代なら年収が一度下がる前提も要ります。ここを甘く見積もる記事は信用しないほうがいい。
一方で、通っている人がいるのも事実です。共通点は、前職との掛け算・学習の継続・そして早い段階で第三者に現在地を見てもらったこと。逆に最も分が悪いのは、ネットの「やめとけ」を読んで動かないまま1年が過ぎるパターンでしょう。
誰にでも当てはまる正解はありません。でも「自分の年齢と経歴で、いま何が狙えるのか」は、無料で確かめられます。悩む時間を、確認する時間に置き換えてみてください。
「自分はまだ間に合うのか」を確かめる
エンジニア領域に特化したキャリア相談。スキルの棚卸しと市場価値の整理から話せます。まだ転職を決めていない段階でも利用でき、相談したうえで「今は動かない」という結論を選んでも構いません。まずは現実の温度感を聞いてみるところから。
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※本記事の求人倍率・年収データは、経済産業省「IT人材需給に関する調査」(平成31年4月)、エンジニアtypeおよびdodaが公表する各種調査をもとに執筆時点の情報を整理したものです。数値は調査時期により変動します。転職の成否や年収は個人の経歴・スキル・応募先により異なり、成果を保証するものではありません。
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