夏の靴の中は、想像以上に湿度が上がります。そこにニオイの原因があるわけですが、多くの人は靴そのものを疑って買い替えを考えます。実際は中の環境を変えるほうが早いことが多い。
蒸れの正体は汗の逃げ場がないこと
足の裏は体の中でも汗腺が多い場所です。一日でコップ一杯分の汗をかくと言われますが、靴を履いていると逃げ場がありません。
つまり問題は「汗をかくこと」ではなく「留まること」です。ここが分かると、対策の順番が変わります。
逃がすための順番
- 靴下で吸わせる
- 靴の中で拡散させる
- 脱いだあとに乾かす
- 翌日は別の靴を履く
最後の一つが最も効きます。同じ靴を毎日履くと、中が完全に乾く時間がありません。
素材ごとの通気の実際
「革は蒸れる、布は涼しい」と言われますが、実際はもう少し細かい差があります。
| 素材 | 通気 | 乾きやすさ | 夏の実用度 |
|---|---|---|---|
| 布(帆布など) | 高い | 速い | 高い |
| メッシュ | 最も高い | 速い | 高い |
| 本革 | 低いが吸湿する | 遅い | 中くらい |
| 合成皮革 | ほぼ通さない | 遅い | 低い |
本革は通気こそ低いものの、湿気を吸います。その分、脱いだあとに乾かせば翌日は回復する。
一番下は夏には向きません。水を通さないということは、汗も逃がさないということです。
中敷きで環境は変えられる
靴を買い替えなくても、中を替えれば体感は変わります。費用も一桁違います。
| 中敷きの種類 | 効き方 | 替える頻度 |
|---|---|---|
| 吸湿する素材 | 汗を吸って拡散する | 1〜2か月 |
| 炭入り | ニオイを吸着する | 2〜3か月 |
| メッシュ状の立体 | 足裏に空間を作る | 半年 |
| 使い捨て | 毎日新しくできる | 毎日〜数日 |
一番効くのは3番目です。足裏と靴底の間に隙間ができるので、汗が広がって蒸発しやすくなります。
使い捨ては手間がかかりますが、毎日リセットされるので確実ではあります。
脱いだあとの乾かし方
一晩置けば乾くと思われがちですが、梅雨から夏は部屋の湿度も高いので乾きません。
乾かすときのコツ
- 脱いだらすぐ中敷きを外す
- 新聞紙などを詰めて水分を吸わせる
- 風を当てる。扇風機で足りる
- 直射日光は避ける。革が硬くなる
2番目は昔からの方法ですが、実際に効きます。紙が水分を吸うので、朝には手触りが変わります。
4番目は見落とされがちです。早く乾かしたくて日に当てると、革は縮んで硬くなります。陰干しで風を当てるのが正解です。
探すときの手がかり
買い足すなら、まず中敷きから試すのが安上がりです。
靴そのものを買うなら、夏用は一足あれば十分です。毎日同じものを履かないための2足目、という考え方でいい。
靴下との組み合わせで変わる
靴だけ替えても、靴下が汗を抱えたままだと意味が薄れます。組み合わせで考えたほうが効きます。
| 靴下の素材 | 汗の扱い | 夏の靴との相性 |
|---|---|---|
| 綿100% | 吸うが乾かない | 布の靴とは相性が悪い |
| 化学繊維の混紡 | 吸って乾く | どの靴とも合う |
| 麻や竹 | 吸って乾く | 革靴と好相性 |
| 厚手のパイル地 | たくさん吸う | 歩く距離が長い日 |
一番上は夏には向きません。汗を抱えたまま靴の中に留まるので、蒸れが加速します。
替えの靴下を持ち歩くという手もあります。昼に一度替えるだけで、午後の状態がかなり変わる。
雨の日をどう乗り切るか
夏の雨は気温が高いぶん、乾きにくく臭いが出やすい。濡れた日の処理が翌日以降に効いてきます。
濡れた日にやること
- 帰宅したらすぐ中敷きを外す
- 新聞紙を詰めて水分を吸わせる
- 翌日は絶対に履かない
- 2日たっても湿っていたら風を当てる
3つ目が守れないと、そこから一気に臭いが出ます。雨の日用にもう一足あると、この問題は解決します。
革靴が濡れた場合は、乾いてから革用の乳液を薄く塗ってください。水分と一緒に油分も抜けているので、そのままだとひび割れます。
これでも解決しないとき
対策をしてもニオイが強い場合、原因が足の側にあることがあります。
皮膚に問題が起きていると、靴を替えても中敷きを替えても収まりません。かゆみや皮のむけを伴うなら、そちらの対処が先です。
それと、汗の量が明らかに多い場合も別の話になります。靴下が数時間で絞れるほど濡れるなら、生活の工夫だけでは追いつきません。
道具でどうにかなる範囲と、そうでない範囲があります。1か月やって変わらないなら、皮膚科で相談したほうが早いです。
それと、対策には順番があります。靴を買い替えるのは最後で、中敷きと靴下と乾かし方を先に試したほうが費用は安く済みます。それでも駄目なら靴を疑ってください。
毎日同じ靴を履かない。これだけで多くの問題は減ります。2足を交互に履くだけなので、費用も手間もほとんどかかりません。まずここから始めてみてください。
まとめ
問題は汗をかくことではなく留まることです。逃がす順番で考えてください。
靴を買い替える前に中敷きを替えるほうが安く、効きも大きいです。
翌日は別の靴を履く。これが一番効く対策で、費用もかかりません。
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