制汗剤を変えても効かない、という人がいます。その場合、抑えようとしている汗の種類が違っているかもしれません。脇には性質の違う汗腺が2つあり、どちらが強いかで有効な対策が変わります。
汗腺が2種類ある
全身にあるものと、脇などに限られるもの。この2つは出るものが違います。
| 全身にあるもの | 脇などにあるもの | |
|---|---|---|
| 出るもの | ほぼ水分 | 脂質やたんぱく質を含む |
| ニオイ | 出たては無臭 | 分解されると強い |
| 役割 | 体温を下げる | はっきりしない |
| 量 | 多い | 少ない |
| 場所 | 全身 | 脇・耳・陰部など |
後者から出る汗は量こそ少ないものの、細菌に分解されると特有のニオイになります。
つまり「汗をかく量が多い」ことと「ニオイが強い」ことは、必ずしも一致しません。
自分がどちら寄りかの目安
医療的な判断ではありませんが、傾向を知る手がかりはあります。
後者が強い人に見られる傾向
- 耳垢が湿っている
- 衣類の脇が黄色くなる
- 汗をかいた直後からニオう
- 家族にも同じ傾向がある
1つ目はよく知られた目安です。同じ種類の腺が耳にもあるためです。
3つ目も分かりやすい。水分中心の汗なら、出たては無臭で時間が経ってからニオい始めます。
ただしこれらは目安であって、当てはまるから必ずそうだとは限りません。
どちらかで有効な対策が変わる
ここが実用上の分かれ目です。
| タイプ | 効く対策 | 効きにくい対策 |
|---|---|---|
| 水分の汗が多い | 汗を抑える。吸わせる | 殺菌だけ |
| 脂質を含む汗が強い | 殺菌する。こまめに拭く | 汗を抑えるだけ |
| 両方 | 組み合わせる | 片方だけ |
制汗剤には「汗を止める成分」と「細菌を抑える成分」があり、製品によって配合が違います。
汗を止める成分だけの製品を使っても、後者が強い人には効きが弱い。逆も同じです。
効かないと感じたら、同じ種類を買い替えるより、成分の違うものを試してください。
日常でできること
どちらのタイプでも共通して効くことがあります。
共通して効くこと
- こまめに拭く。分解される前に
- 脇毛を減らす。ニオイがこもりにくくなる
- 服の素材を替える。乾きやすいものに
- 同じ服を続けて着ない
1つ目が最も確実です。汗そのものは無臭に近いので、分解される前に取ってしまえばニオイません。
2つ目は面積と通気の問題です。毛があると汗が留まりやすく、細菌が増える時間が延びます。全部剃る必要はなく、短くするだけでも変わります。
製品を選ぶときの見方
成分表示を見れば、どちらを狙った製品か分かります。
汗を止める働きのものと、細菌を抑える働きのものが両方入った製品もあります。どちらか分からないうちは、そちらから試すのが無難です。
塗るタイプは密着するので持続が長い。スプレーは手軽ですが、汗をかいてからだと流れます。朝の乾いた状態で塗るのが基本です。
服の側でできること
肌の対策だけでは足りない部分があります。
| 対策 | 効き方 |
|---|---|
| 脇に汗取りを挟む | 汗が服に届かない |
| 乾きやすい素材にする | こもる時間が減る |
| 色を選ぶ | 染みが目立ちにくい |
| その日のうちに洗う | 蓄積を防ぐ |
最後が長期的には効きます。服に残った成分が蓄積すると、洗っても落ちにくいニオイになります。
一度そうなると、その服を着るだけでニオうようになるので早いうちに対処してください。
食事と生活の影響
体の側の条件でもニオイは変わります。
| 要因 | 影響 | 対処 |
|---|---|---|
| 脂質の多い食事 | 皮脂が増える | 量を調整する |
| 睡眠不足 | 代謝が乱れる | 休息を取る |
| ストレス | 汗の質が変わる | 避けられないが自覚する |
| 飲酒 | 体臭に出る | 翌日に響く |
急に強くなったと感じるときは、生活が変わっていないか振り返ってみてください。
劇的に変わるものではありませんが、対策と組み合わせると差が出ます。
塗るタイミングで効きが変わる
同じ製品でも、いつ塗るかで結果が変わります。
効かせる塗り方
- 入浴後、肌が乾いてから塗る
- 朝ではなく夜に塗ると定着しやすい
- 汗をかいてからでは流れる
- 塗ったあとすぐ服を着ない
2つ目は知られていませんが、夜のほうが汗が少なく、成分が届きやすい。
朝に塗るなら、出発の直前ではなく支度の最初に塗ってください。
対策で追いつかない場合
市販のもので対処できる範囲には限りがあります。
一日に何度も塗り直しても足りない、周囲に指摘されるほど強い、服の脇が短期間で変色する。こうした状態が続くなら、医療的な対処の選択肢があります。
自分で判断せずに相談したほうがいいのは、程度が生活に影響しているときです。人と会うのを避けるようになっているなら、それは対策の範囲を超えています。
それと、急にニオイが変わった場合は体調の変化が背景にあることもあります。食生活や薬の影響で変わることもあるので、思い当たることがあれば併せて見直してください。
あわせて読みたい
- 製品から選ぶなら制汗剤の記事もどうぞ。
- 強めの対策ならワキ用クリームの記事もどうぞ。
まとめ
脇には性質の違う汗腺が2つあり、どちらが強いかで効く対策が変わります。
汗を止める成分と細菌を抑える成分は別物。効かないなら成分を変えてください。
汗そのものは無臭に近い。分解される前に拭くのが最も確実です。
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