マッサージガンは強さより当てる場所で決まる|効く部位と避けるべき部位

マッサージガンの売り文句はだいたい振動数です。ところが各社の仕様表を9,900円から33,000円まで並べてみると、毎分の回数は3,000回前後にほぼ揃っていて、いちばん高い機種がいちばん遅いという逆転まで起きていました。違いが出るのはストローク幅と、付いてくるアタッチメントの形のほう。この記事ではドクターエア・マイトレックス・シックスパッドが公表している数字と、メーカー自身が「ここには使わないでください」と書いている部位を並べて、どこに何を当てる道具なのかを整理します。

目次

振動数はもう頭打ちになっている

強さの指標として真っ先に出てくるのが毎分の振動回数です。数字が大きいほど強く感じるはず、と思って比べにいくと拍子抜けする。

9,900円のドクターエア リカバリーガンが最大約3,500回/分、33,000円のシックスパッド パワーガンプラスが約2,850回/分。3倍以上の価格差で、回数はむしろ下位機種のほうが多いという結果でした。

製品(税込)質量ストローク幅最大振動数強さの段階
ドクターエア リカバリーガン 9,900円約620g5mm約3,500回/分3段階
シックスパッド パワーガンポケット 13,750円約195g6mm約3,000回/分3段階
マイトレックス リバイブ ミニ 14,960円約370g7mm3,000回/分5段階
シックスパッド パワーガンアクティブ 19,800円約425g7mm約3,000回/分5段階
マイトレックス リバイブ イーエックス プロ 23,430円約690g10mm約3,200回/分5段階
シックスパッド パワーガンプラス 33,000円約750g12mm約2,850回/分10段階

きれいに右肩上がりになっている列がひとつだけあります。ストローク幅、つまり先端が前後に動く距離です。5mmから12mmまで、価格に沿って2.4倍まで広がっている。回数が同じで振れ幅が倍なら、1往復で押し込む深さが変わります。高い機種が売っているのは速さではなく、この深さのほうだと考えたほうが実態に近い。

段階数も上がっていきます。3段階から10段階へ。細かく刻めるということは、強くする方向より、弱くする方向に自由が増えるということでもある。

アタッチメントは形で役割が違う|球形・平型・U字型をどこに当てるか

本体より先に見たほうがいいのが、付属するアタッチメントです。同じ本体でも、当てる先端が変われば刺激の入り方はまるで違う。各社が自社の製品ページに用途を書いているので、そのまま並べます。

メーカーが挙げている用途
球形肩、太もも、背中など面積の大きい筋肉
平形・円形ふくらはぎなど、広く浅く当てたいところ
円柱形・円錐形足裏など、狭い範囲を点で狙うところ
U字形・コの字形前腕やアキレス腱。はさむように当てて流す
緩衝形・ソフト顔や肩など、刺激を抑えたいところ
扇形鼠径部や、細長い筋肉に沿わせるところ

ここで注意したいのが、U字形は「はさむ」ための形であって、骨をまたぐための形ではないということ。背骨の左右にある筋肉へ当てる使い方が想定されていて、背骨そのものに乗せる道具ではありません。この区別を取り違えると、いちばん硬いところに振動をぶつけることになる。

温める先端まで用意されている機種もある

マイトレックス リバイブ イーエックス プロには、約43度まで上がる平形温熱アタッチメントが入っています。6種類の先端が最初から付いてくる構成で、振幅も10mm。先端を買い足す前提で安い本体を選ぶより、必要な形が最初から揃っているものを選んだほうが、結果として散らからずに済みます。

6種類の先端が付く上位機

MYTREX REBIVE EX PRO(マイトレックス リバイブ イーエックス プロ)

メーカーが名指しで止めている部位がある

ここがこの記事でいちばん書きたかったところです。マイトレックスは自社のサポートページに、使ってはいけない部位をはっきり列挙しています。

「頭部、腹部、胸部、また頸部、ひじ、ひざ、背骨などの骨部には使用しないでください」。首がまるごと入っていて、ひじとひざも入っている。腹と胸も外されています。

当てないほうがいい場所の考え方

  • 首は前も横も外す。頸部そのものがメーカーの禁止対象に入っている
  • ひじ・ひざ・背骨は、皮膚のすぐ下に骨がある。筋肉ではなく骨に振動が入る
  • 腹部と胸部は、その下に守るものが無い。硬い先端で押し込む場所ではない
  • 頭部は本体付属の先端では対象外。頭に使う専用品を別に用意しているメーカーもある

頭については、ドクターエアが別売でシリコン製のスカルプアタッチメントを出しています。1,540円という価格より目を引くのが条件のほうで、振動レベル1のみ、使用時間は3分以内と指定されている。専用の先端を作ってなお、これだけ絞っているわけです。

顔も同じ扱いでした。マイトレックスは顔に使う場合、レベル1で緩衝形アタッチメントを使うこと、そのうえで「目の周りや骨部への使用を避け、顔全体で3分以内を目安としてください」と書いています。強くも長くもできない、と読むのが正確なところ。

なお、ここに挙げたのはいずれも各社が自社製品について書いている注意書きで、僕が医学的な判断を足したものではありません。痛みが続いている、腫れている、治療を受けている、といった状態でどうするかは、製品ページではなく医師に聞くべき領域です。メーカー各社もその旨を注意書きに入れています。

時間の上限が短い

当てる場所と同じくらい、当てている時間も決められています。しかも思っているより短い。

マイトレックスの目安は1回10分以内、同一箇所への連続使用は3分以内、1日2回まで。ドクターエアのリカバリーガンにいたっては、タイマーで約10分たつと本体が勝手に止まります。使う側の裁量ではなく、機械の側で切っている。

この数字を知ると、連続使用時間の長さの意味が変わります。リバイブ ミニは約4時間、リバイブ イーエックス プロはレベル1で約8時間30分もつ。1回10分の使い方なら、どちらも充電の心配をする場面がほぼ無いということ。電池もちは長く当てるための性能ではなく、充電器を探さずに済むための性能でした。

静かさも同じ理屈で効いてきます。リバイブ ミニの動作音は約40dB。夜に10分だけ当てるという使い方なら、この静かさは連続稼働時間より実用的です。

約370gで5段階の小型機

MYTREX REBIVE MINI(マイトレックス リバイブ ミニ)

重さは持ち方を決める

質量の幅も大きい。約195gから約1kgまで、5倍の開きがあります。

軽さがそのまま正解にならないのが、この道具の面倒なところです。自分の肩や背中に当てるとき、腕を回した姿勢のまま本体を支えることになる。10分と決められた使い方なら、200gと700gの差は腕の疲れとしてはっきり出ます

一方で、押し当てる力は本体を通して伝わります。マイトレックスはリバイブ イーエックス プロの耐圧力を約19kgと公表していて、これは体重をかけて押しても本体が止まりにくいという意味。軽い機種はここで先に負けます。

背中は本体の長さで決まる

自分では届きにくいのが背中です。ここは振動の強さより、本体をどれだけ長く持てるかで決まる。リバイブ イーエックス プロは折りたたんだ状態で約239mm、パワーガンプラスは高さ207mm。対してポケットは116.5mmしかありません。手首の角度を作れるかどうかが、届く届かないの分かれ目になります。

買う前に知っておきたい弱点

良いところばかり並べても仕方ないので、引っかかった点も書いておく。

まず、価格が上がると重くなること。パワーガンプラスは約750g、ドクターエアの上位機は約1kgあります。振幅の広い機種はモーターも構造も大きくなるので、ここは避けようがない。深く効かせる機種ほど、自分の腕では扱いにくくなるという関係になっています。

次に、当てられる場所が思ったより少ないこと。首も、ひじも、ひざも、背骨も、腹も胸も外すと、残るのは太もも・ふくらはぎ・前腕・肩の周り・足裏あたり。肩こりに使いたくて買う人が多い道具ですが、首そのものは対象外だと先に知っておかないと、買ってから使いどころに困ります。

そして時間。1回10分、同一箇所3分、1日2回。テレビを見ながら好きなだけ当てる、という使い方は最初から想定されていません。

音についても正直に書いておくと、静音をうたう機種でも無音ではない。リバイブ ミニの約40dBは図書館の中くらいの水準ですが、振動が体や床に伝わる音は別に出ます。集合住宅で深夜に使うなら、時間帯は選んだほうがいい。

最後にひとつ。これは体に当てる道具なので、「効く」と断言できるのは筋肉に振動を与えるところまでです。症状が良くなるかどうかは製品の仕様表には書かれていませんし、僕にも判断できません。

予算と使う場所から逆算する

以上を踏まえて、価格帯ごとの向き不向きを整理してみる。

こういう人向いている水準理由
外に持ち出す/出張先で使う1万円台前半・約200g前後ストローク6mmでも足やふくらはぎには届く
家で脚と肩の周りに使う1万5千円前後・約370〜425g5段階あると弱くする方向に余裕が出る
背中まで自分で届かせたい2万円台・本体が長いもの振動より本体長と耐圧力で決まる
押し当てて深く入れたい3万円台・振幅10mm以上回数ではなくストローク幅を見る

迷ったら真ん中を選ぶのが外れにくいと思います。5段階あって、400g前後で、先端が4つ以上。この条件を満たすのが2万円前後の帯で、シックスパッド パワーガンアクティブが19,800円、振幅7mm、約425g、5段階でちょうどここに入ります。

5段階・約425gの中位機

SIXPAD Power Gun Active(シックスパッド パワーガン アクティブ)

先端の形を買い足せるかどうかも、買う前に見ておくといい点です。後から欲しくなるのは決まって緩衝形か扇形で、この2つは最初から付いている機種と付いていない機種が分かれます。

まとめ

マッサージガンは、毎分の振動数で選ぶと差が出ませんでした。9,900円の機種が約3,500回/分で、33,000円の機種が約2,850回/分。価格に沿って伸びていたのはストローク幅のほうで、5mmから12mmまで開いています。

そして、この道具のいちばん重要な仕様は数字ではなく注意書きのほうでした。メーカーが名指しで外している部位は頭部・腹部・胸部・頸部・ひじ・ひざ・背骨などの骨部。時間も1回10分以内、同一箇所は3分以内、1日2回までが目安として示されています。

つまり、当てられる場所も時間も限られた道具です。そこを分かったうえで、太ももやふくらはぎに10分だけ使うと決めれば、選ぶ基準は「先端の形が足りているか」と「その姿勢で持てる重さか」の2つに絞れます。

この記事の数字はドクターエア、マイトレックス、シックスパッドの製品ページと仕様表から引きました。価格も仕様も改定されるので、注文の前に各社の該当ページをもう一度開いてください。体調に不安があるとき、治療を受けているときは、製品の説明書より先に医師に相談を。

※本記事はプロモーションを含みます

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「かっこよくなりたい」を、ファッション・香水・美容・ガジェット・インテリア・仕事・健康まで丸ごと。大事にしているのは、実際に自分で買って使った"本音レビュー"——良い点も悪い点も包み隠さずお伝えします。テーマは「人生を豊かに生き抜く」。MEN'S EDIT を運営、YouTubeでも動画で発信中です。

コメント

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次