メンズニットの選び方|素材で決まる暖かさと、安く見えない条件

秋冬のトップスでいちばん出番が多いのがニットです。ただ、同じように見えて1万円のものと3,000円のものでは、着たときの差がはっきり出る。しかも差が出るのは主に素材と編み方で、デザインではありません。アパレルにいた頃、ここを説明すると納得してもらえることが多かったので、順に整理します。

目次

素材で暖かさも見え方も決まる

ニットの価格差の大部分は素材です。ここを知っておくと、値段の理由が分かります。

素材暖かさ見え方扱いやすさ
ウール◎ 空気を含んで暖かい定番。適度な膨らみがある△ 手入れが要る
カシミヤ◎ 薄くても暖かい光沢があり上品△ 毛玉ができやすい
メリノウール○ 薄手で暖かいきめが細かく上品○ チクチクしにくい
綿(コットン)△ 保温性は低いカジュアル。春秋向き◎ 洗える
アクリル△ 風を通しやすい光沢が人工的に見えやすい◎ 安く、洗える

安く見える最大の原因はアクリル100%です。悪い素材ではないのですが、光の反射の仕方が独特で、遠目にも「化繊だな」と分かってしまう。

予算を抑えるなら、アクリル100%ではなくウール混を探してください。ウールが30%も入れば見え方はかなり変わりますし、価格も跳ね上がりません。

編みの細かさ(ゲージ)で用途が変わる

素材の次に効くのが編み目の細かさです。ゲージという言い方をします。

編み特徴向いている場面
ハイゲージ(細かい)薄く、表面がなめらかジャケットの下・きれいめ。ビジネス可
ミドルゲージ中間。1枚でも様になる最も汎用的。迷ったらここ
ローゲージ(粗い)厚く、ざっくりした表情カジュアル。アウターの下は着ぶくれする

ジャケットやコートの下に着るならハイゲージ一択です。ローゲージは厚みがあるので、上に何か羽織ると肩まわりが窮屈になり、シルエットが崩れます。

1枚目に買うならミドルゲージが無難です。1枚で着ても薄っぺらく見えず、薄手のアウターなら中に着られる。汎用性が高い。

首の形で印象が決まる

同じニットでも、襟の形で用途がまったく変わります。

印象使いどころ
クルーネック(丸首)定番。誰にでも似合う1枚目。シャツの上にも着られる
Vネック首元が開いて縦に見えるシャツ+ネクタイの上。ビジネス寄り
モックネック首が少し立つ。上品1枚で完成する。ジャケットの下にも
タートルネック最も暖かく、大人びる顔まわりが強調される。別記事で詳しく

1枚目に選ぶならクルーネックで問題ありません。シャツを中に着ても、1枚で着ても成立する。

Vネックは、中にシャツを着る前提の形です。素肌やTシャツの上に着ると、首元が寂しく見えることがあります。

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メンズニット・セーター(ウール混)

サイズは肩と着丈で決まる

ニットは伸びる素材なので、サイズが曖昧になりがちです。基準を決めておくと迷いません。

試着で見る3点

  • 肩の縫い目が肩先に来ているか。落ちていると全体がだらしなく見える
  • 着丈はベルトが隠れるくらい。長すぎると脚が短く見える
  • 袖丈は手首の骨が隠れる程度。長いと子どもっぽくなる

近年は肩を落としたデザインも多いのですが、それは意図的に落としているのか、単にサイズが大きいのかを見分ける必要があります。意図的なものは身幅や袖丈もそれに合わせて設計されています。

迷ったら、いま持っている服でいちばん体に合うものを平置きして測り、商品ページの実寸と比べるのが確実です。

安く見えないための3つの条件

価格を抑えつつ良く見せるなら、押さえるべき点は限られています。

これを満たせば十分

  • アクリル100%を避ける。ウールが少しでも入っているものを
  • 色は無彩色か暗めの落ち着いた色。明るい色ほど素材の差が出る
  • 毛玉を作らない。できたらブラシで整える

2つ目は効果が大きいわりに意識されていません。明るい色や鮮やかな色ほど、素材の質感が目立ちます。同じ価格帯なら、ネイビー・チャコール・生成りといった色のほうが上質に見えます。

3つ目については、毛玉があるだけで一気に古びて見えます。これは価格に関係なく起きるので、ブラシか毛玉取り器を1つ持っておく価値があります。

チクチクするのは体質ではなく繊維の太さ

ウールが苦手という人の多くは、繊維の太さの問題です。

ウールは繊維が太いほどチクチクしやすく、メリノウールやカシミヤは繊維が細いのでチクチクしにくい。「ウールが合わない」のではなく「太い繊維のウールが合わない」というのが正確です。

それでも気になる場合は、中に薄手のインナーを1枚着るだけで解決します。首元だけが当たるなら、モックネックやタートルではなくクルーネックにするという手もあります。

アレルギーではない限り、素材選びと着方でほぼ回避できる問題です。ウールを諦める前に、メリノを一度試してみる価値はあります。

手入れで寿命が数年変わる

ニットは扱いで持ちが大きく変わるアイテムです。

守るべき3つ

  • ハンガーに吊るさない。肩が伸びる。たたんでしまう
  • 毎日連続で着ない。1日着たら休ませて形を戻す
  • シーズン後は洗ってからしまう。汚れは虫を呼ぶ

1つ目がいちばん多い失敗です。ニットは自重で伸びるので、吊るして保管すると肩に角が出ます。一度出た角は戻りません。畳んで棚に置くのが正解です。

洗濯については、手洗い可の表示があるものは家で洗えます。ぬるま湯で押し洗いし、脱水は短く、平らに広げて干す。ハンガー干しをすると、そこで伸びます。

見送ったほうがいい場合

ニット全般の弱点も挙げておきます。

デメリット現実的な対処
毛玉ができる摩擦で必ずできる。ブラシで整える前提で考える
伸びる・型崩れする畳んで保管。連日着ない
虫に食われる洗ってからしまう。防虫剤を入れる
雨に弱いウールは濡れると重くなる。雨の日は化繊のほうが向く

3つ目は、しまい方を間違えると一晩で穴が開くこともあります。虫は皮脂や食べこぼしのある繊維を好むので、きれいに見えても洗ってからしまうのが基本です。

4つ目については、季節の変わり目に困る点でもあります。秋口の雨の日にウールニットを着ていくと、乾くまで重く冷たいまま過ごすことになる。雨予報の日は綿か化繊のニットに切り替えるという運用が現実的です。

あわせて読みたい

首元が詰まった形なら、タートルネックの記事もあわせてどうぞ。

羽織りものなら、カーディガンの記事もあわせてどうぞ。

真冬のアウターは、ダウンジャケットの記事もあわせてどうぞ。

ニット以外の選択肢は、パーカーの記事もあわせてどうぞ。

編み方で見え方と暖かさが変わる

素材だけでなく、編みの違いも押さえておきたい。

編み方見え方暖かさ向く場面
ハイゲージ(細かい)上品・すっきりビジネス・きれいめ
ミドルゲージ標準的汎用
ローゲージ(粗い)カジュアル・厚手私服・アウター代わり
ケーブル編み凹凸があり厚く見える私服

ジャケットの下に着るならハイゲージ一択です。厚みがあると、袖が通らず肩も窮屈になります。

ローゲージは1枚で着る前提。上に何か羽織ると、確実に着膨れします。

同じウールでも、編み方が違えば別の服だと考えてください。使う場面から逆算して選ぶのが確実です。

毛玉を防ぐ着方と手入れ

ニットが安く見える最大の原因です。

毛玉を減らす4つ

  • 連続で着ない。1日着たら2日休ませる
  • 摩擦の多い部分(脇・袖)を意識する
  • 洗濯はネットに入れて裏返す
  • できた毛玉は早めに取る。放置すると増える

1つ目が最も効きます。繊維が回復する時間を与えると、毛玉のできる速度がはっきり落ちます。

そして取るときは道具を使う。手で引っ張ると繊維ごと抜けて、そこから穴になります。

毛玉取り器か、目の細かいブラシで。1回数分の作業で、見た目が数段変わります。

保管で寿命が決まる

シーズンオフの扱いが翌年に出ます。

保管の3原則

  • 洗ってから仕舞う。汚れが虫を呼ぶ
  • ハンガーに吊るさない。肩が伸びる
  • 防虫剤を入れる。ウールは食われる

2つ目を守っていない人が多い。ニットは自重で伸びるので、吊るしたまま数か月置くと肩が落ちます。

畳んで平置きが基本です。収納ケースに入れるなら、重いものを上に載せないこと。

そして皮脂汚れは虫を呼びます。見た目がきれいでも、一度着たなら洗ってから仕舞ってください。

買ったあと縮ませたくないなら、家でニットを洗う手順の記事もあわせてどうぞ。

締めくくりに

ニットの価格差は主に素材です。安く見える原因はアクリル100%なので、ウール混を探すだけで印象が変わります。編みの細かさは、ジャケットの下ならハイゲージ、1枚目ならミドルゲージ。

サイズは肩の縫い目が肩先に来ているかで判断します。そして色は暗めのほうが素材の差が出ません。保管は必ず畳んで。吊るすと肩に角が出て、それは戻りません。

※本記事はプロモーションを含みます

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この記事を書いた人

「かっこよくなりたい」を、ファッション・香水・美容・ガジェット・インテリア・仕事・健康まで丸ごと。大事にしているのは、実際に自分で買って使った"本音レビュー"——良い点も悪い点も包み隠さずお伝えします。テーマは「人生を豊かに生き抜く」。MEN'S EDIT を運営、YouTubeでも動画で発信中です。

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