押した翌朝、椅子の背にかけたままのジャケットから、まだ木と煙の匂いが返ってきました。ディプティック オルフェオン は、肌の上で静かになったあとに服のほうで続く香水です。結論から言うと、これは香りをまとうというより、木の匂いが染みた部屋をひとつ持ち歩く一本でした。僕の腕での香り方、残り香のクセ、買う前に知っておきたい弱点まで正直に書きます。
この記事でわかること
- 僕の鼻が受け取った四つの素材と、煙の匂いが灰っぽくならない理由
- 僕の腕での体感の持続と、肌より服のほうが長く覚えているというクセ
- 上着とマフラーと枕に残った匂いの話、そして薄着の季節に出る弱点
- 七十五ミリリットルの瓶を、秋冬に毎朝押しながら長く持たせる使い方
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
結論:オルフェオン は「人がいなくなったあとの部屋」
一年ほど押し続けて、僕の手元に残った言葉は「部屋」でした。香りをまとっているという感覚が、この一本にはあまりありません。肌の上に何かを乗せるというより、木の匂いが染みついた小さな部屋ごと持ち歩いている、という感じに近いです。誰かがさっきまでそこにいて、いまは出ていったあと。そういう空気が腕から立ち上がります。
ブランドが出している説明文も、その空気をそのまま言葉にしていました。「ディプティックの創業者たちが愛したジャズクラブ「オルフェオン」を香りで描いたスモーキーなポートレート。」とあって、1960年代初めのパリ、サン・ジェルマン地区の夜が出どころだと書かれています。煙とおしろいが店内の木に痕跡を残す、という一行を実際に嗅いだあとで読み返すと、腕の上で起きていることとぴたりと重なりました。
なぜ部屋という言い方になるのか、脱いだ服を見れば早いと思います。肌の上では夕方に静かになるのに、ジャケットの襟やマフラーの内側では翌日もまだ続いていました。自分がその場を離れたあとも、匂いのほうは居残っているわけです。この居残り方こそが、僕がこの一本を手放さない理由でした。
総合評価:4.5 / 5.0 ★★★★☆
ディプティック オルフェオン の基本情報
三万円台の瓶を一本、香水に払えるかどうか。買う前の僕が引っかかっていたのは、そこでした。答えを先に書くと、一日あたりに直した時点で気にならなくなりました。秋から冬にかけては朝に一回だけ押す日がほとんどで、手が伸びる回数そのものが少ないからです。財布の話をするなら、瓶に貼られた額よりも、自分が一日に何回押す人なのかを先に数えたほうが早いと思います。
七十五ミリリットルという容量は、その押し方だとかなり長い付き合いになります。一年ほど使って、水位はまだ肩より上です。買った直後は多すぎるかと身構えていたのですが、結果としては置き場所さえ間違えなければ困りませんでした。減りの遅い瓶ほど、あとになって保管の話が響いてきます。
濃度の表記はオードパルファンです。この一語を軽く見て普段どおり三回押したときは、僕の場合は確実にやりすぎました。いま落ち着いているのは、シャツの上から胸へ一回だけ置く押し方。布の内側で温まって、襟元からゆっくり上がってきます。首筋に直接置くのは、この香りだと自分の鼻に近すぎました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | diptyque(ディプティック) |
| 商品名 | Orphéon(オルフェオン) |
| 型番 | ORPHP75C |
| 濃度 | オードパルファン |
| 剤形 | スプレー |
| 容量 | 75mL |
| 価格 | 31,460円(税込) |
| 香調 | シダー、トンカビーン、ジュニパーベリー、ジャスミン |
| 原産国 | フランス |
Ryo
これは香水というより、木の匂いが染みた部屋をひとつ持ち歩く道具です。

香りをつくっている素材
公式が挙げている素材は四つです。シダー、トンカビーン、ジュニパーベリー、ジャスミン。層の分け方は出ていないので、順番として読むものではありません。僕の腕でも、この四つが同時に鳴っている感じでした。どれかが引っ込んでどれかが顔を出す、という動き方をしないんです。
時間が変えるのは全体の濃さのほうで、顔ぶれは動きませんでした。押した直後がいちばん濃くて、そこから角が少しずつ落ちていきます。夕方には自分から嗅ぎにいかないと見失うくらいまで下がるのに、服の上ではまったく別の時間が流れていました。
STEP 1|0〜30分
押した直後がいちばん濃い時間
腕を上げなくても自分の鼻に届いて、部屋の空気が一段暗くなります
STEP 2|〜3時間
濃さが一段落ちて肩のあたりで止まる
向かいに座った人が気づくくらいの範囲に収まります
STEP 3|それ以降
肌の近くだけに薄く残る
自分では見失うのに、脱いだ服からはまだ返ってきます
シダー:削りたての鉛筆に近い乾いた木
腕の上のシダーは、削りたての鉛筆にとても近い匂いをしています。木と聞いて僕が想像していたのは湿った森のほうでしたが、こちらは完全に乾いた側でした。家具屋の奥に立てかけてある板へ顔を寄せたときの、あの粉っぽさに近いと思います。説明文にある「磨き上げられた木」という一語は、嗅いでみるとかなり正確でした。
この匂いだけ取り出して部屋に置いておきたい、と思ったことが何度もあります。押した日の夕方に自分の左腕へ顔を寄せるのが、すっかり癖になりました。乾いた木は嗅いでいて疲れないんです。鼻が飽きる感じが来ないので、朝に押して夜まで同じ腕を嗅いでいられます。
トンカビーン:砂糖ではないほうの甘さでした
甘いのに、砂糖の甘さではありません。腕の上のトンカビーンは、粉っぽくて少し香ばしい甘さとして届きました。焼き菓子というより、おしろいに近い方向です。日が暮れるころには、この粉っぽさだけが薄く腕に残っていました。鼻の奥に甘さが溜まる感じは来ません。
甘さの出方が穏やかなので、夜に人と会う日はこの一本で通しています。近づいたときにだけ丸くなる種類の甘さで、離れた場所から甘い香水だと気づかれることはありません。甘さが苦手で香水を遠ざけてきた人にも、ここは試す値打ちがあると思います。
ジュニパーベリーとジャスミン:花と実なのに、甘く匂わないんです
名前だけ見ると、この二つは華やかそうに聞こえます。ところが腕の上では、どちらもまったく甘く咲きません。ジュニパーベリーのほうは、青くて少しだけ苦い匂いとして届きます。ジャスミンは、花屋の店先というより、白い花が散ったあとの水の匂いに近い受け取り方になりました。
花の香水が苦手な僕でも、この二つが気になったことは一度もありません。甘くならない花と、青いのに刺さらない実。腕に鼻を近づけて探さないと見つからないくらいの出方なので、離れた場所にいる人にはたぶん届いていないと思います。四つの中で言葉にしづらいのは、この二つのほうでした。
正直な注意点
いいところばかり書いてきたので、使って分かった弱点も二つ置いておきます。どちらも値札を見る前に知っておいたほうがいい話です。
ひとつめは、薄着の季節に香りだけが浮くことでした。半袖のTシャツ一枚で押した日は、匂いと自分の見た目がまるで噛み合いません。乾いた木と煙という組み合わせが、素肌とつるりとした化繊の上ではどうにも落ち着かないんです。ウールやコーデュロイのような、表面に毛羽のある布へ乗せたときとは別物になりました。
ふたつめは、寝具にまで匂いが移ることです。夜に押した日は枕カバーがしっかり覚えていて、翌朝に顔を上げた瞬間もまだ香っています。僕は気に入っているので放っていますが、寝るときに匂いがあると眠れない人には相当な邪魔になるはずです。寝室で押すなら、枕から離れた場所に立ってから手を動かしたほうが安全でした。
注意
① 薄着の季節は香りだけが浮く。乾いた木と煙が、素肌とつるりとした夏物の上では落ち着かず、匂いと見た目が噛み合いません
② 寝具に移る。夜に押すと枕カバーが覚えていて、翌朝まで顔のすぐそばで香り続けます
合う人・合わない人
勧める相手と勧めない相手は、使ううちにはっきり分かれてきました。境目は好みというより、香水に何をさせたいかのほうにあります。
向いているのは、甘いだけの香りに飽きてしまった人です。甘さはちゃんとあるのに、砂糖の方向へは行きません。それから、秋冬にウールやコーデュロイを着る日が多い人。布が匂いを覚えてくれるので、朝に一回押せば夜まで切れずにつながります。
勧めにくいのは、香りを日替わりで楽しみたい人です。マフラーやコートに一度入ると、しばらくはそちらが勝ってしまいます。それと、真夏をメインの出番にするつもりの人。汗と混ざったときの膨らみ方は、僕の腕ではかなり手強いものでした。
こんな人に合う
- ✓ 甘いだけの香りに飽きて、甘さの方向から一度離れたい人
- ✓ 秋冬にウールやコーデュロイを着る日が多く、残り香まで込みで選びたい人
合わないかも
- × その日の気分で香りを取り替えたい人
使う場所と時間
いちばん噛み合ったのは、十月の雨上がりの夕方でした。チャコールのコーデュロイのジャケットに生成りのシャツ、足元はスエードのローファー。濡れたアスファルトの匂いが立っている時間に外を歩くと、乾いた木と煙がその湿り気とちょうど釣り合います。同じ量を夏の昼に押した日とは、本当に別の香水でした。
仕事の日も使いますが、押す場所を変えています。シャツの上から胸へ一回だけで、手首と首筋には置きません。机を挟んだ距離で止まってくれるので、向かいの席の人が気づくかどうかというあたりに収まります。人と至近距離で話す予定が入っている日は、朝の時点で押さないでおくくらいがちょうどよかったです。
夜に人と会う日は、迷わずこれを選んでいます。甘さの角が近づいたときだけ丸くなるので、距離が縮まった瞬間の落差がそのまま効きます。表面に毛羽のある上着とは相性がよくて、つるりとした素材へ乗せると匂いだけが宙に浮いて聞こえました。服のほうを香りに寄せると、一気にまとまります。
使う場面
| 仕事・オフィス | ○ | オードパルファンの濃さがあるので、シャツの上から胸へ一回で止めています |
| 夜デート | ◎ | 近づいた距離でだけ甘さが丸くなるので、そこが効きどころになります |
| 休日 | ◎ | 秋冬の上着に乗ると、七十五ミリリットルの瓶が毎朝出番をもらえます |
| 真夏 | △ | 汗と混ざると膨らみ方が大きくなって、量を減らしても持て余しました |

保管で中身は変わる
いま瓶が座っているのは、寝室のチェストの下段の引き出しです。買ったときの箱は、とっくに捨ててしまいました。秋冬は毎朝のように手が伸びるので、しまい込むより開けやすい場所に置いたほうが結局は続きます。引き出しなら、閉めているあいだは光も温度もほとんど動きません。
窓際に出しておくのは、この瓶についてはあきらめました。七十五ミリリットルは、僕の押し方だと季節を何周もします。つまり、日に当たった日数がそのまま何年ぶんも溜まっていく計算になるわけです。一日ぶんの影響が小さくても、付き合う期間のほうが長すぎました。
浴室と洗面所も同じ理由で外しています。歯を磨くついでに押せる距離は確かに魅力的なのですが、あの部屋は一日に何度も湯気と温度差が行き来する場所です。暖房の近くも避けました。冬に毎朝押す一本だからこそ、暖房と同じ部屋で過ごす期間がそのまま長くなってしまいます。
置き場所と影響
| 直射日光の当たる窓際 | × | 七十五ミリリットルを季節何周ぶんもかけて使うので、日に当たった日数だけが積み上がります |
| 浴室・洗面所 | × | 押しやすい距離ですが、一日に何度も湯気と温度差が行き来する部屋です |
| 暖房の近く | × | 冬に毎朝押す一本なので、暖房と同じ部屋で過ごす期間がそのまま長くなります |
口コミの読み方
「それ、古い本屋みたいな匂いがするね」。この一本を押していた日に、友人から真顔でそう言われました。褒め言葉かどうか一瞬迷ったのですが、当人としては的を射ていると思います。
タバコの煙という一語だけで、僕は灰皿の匂いを想像していました。これが買う前からずっと引っかかっていたところです。腕に乗せてみると、来たのは灰ではなく、火をつける前の葉と乾いた木のほうでした。煙たさはあるのに不潔さが出ないので、上着に残っても嫌な感じにはなりません。
三万円台を一本に払って、自分が何回押すのかという計算も止まりませんでした。答えは、秋から冬にかけてほぼ毎日です。夏のあいだは棚で眠っているので年間を通せば波がありますが、着るものが厚くなる季節には完全に定位置になっています。買う前の計算は、僕の場合はいい方向に外れました。
大人びすぎて自分から浮かないか、というのも買う前の心配でした。実際に浮いたのはTシャツ一枚の日だけです。上着を羽織る季節なら、年齢の話にはならないと思います。歳よりも、着ているものの素材のほうがずっと大きかったです。
買う前に迷った点
| タバコの煙と書いてあるのが怖かった | 腕に来たのは灰ではなく、火をつける前の葉と乾いた木でした | |
| 三万円台を自分が使い切れるのか | 秋から冬はほぼ毎日押していて、着るものが厚い季節には定位置になりました | |
| 大人びすぎて浮かないか | 浮いたのはTシャツ一枚の日だけで、上着を着る季節なら気になりませんでした |
まとめ
ディプティック オルフェオン は、乾いた木と煙と粉っぽい甘さで、人がいなくなったあとの部屋を作る一本です。四つの素材が同時に鳴っていて、どれかが引っ込む瞬間がありません。香りをまとうというより、空気ごと持ち歩く感覚に近いと思います。
僕の腕での体感は六〜七時間ほどで、そこから先は服の担当になります。ジャケットの襟、マフラーの内側、そして枕カバー。翌朝に返ってくるこの匂いまで込みで一本ぶんだと考えると、三万円台の見え方はかなり変わりました。
苦手なのは薄着の季節です。逆に十月の雨上がりの夕方、コーデュロイのジャケットで外を歩く日には、これ以上に噛み合う一本が僕の棚には見つかっていません。七十五ミリリットルを朝一回で回していけば、その季節を何度も繰り返せます。
この記事のまとめ
- 乾いた木と煙と粉っぽい甘さで、人がいなくなったあとの部屋を作る一本です
- 僕の腕で体感六〜七時間。肌が静かになったあとも、上着とマフラーと枕には翌朝まで残っています
- 薄着の季節だけは浮きますが、上着を着る季節には手放せなくなりました
※本記事はプロモーションを含みます

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