熟れたイチジクで始まり、最後は肌に近い甘さで終わる香りです。出だしはフィグと韓国産ペアの水気、中盤はシダーウッドが果実の甘さを下から受け止め、終盤はアンバーとバニラが肌の上に残ります。名前の挑発的な響きだけで敬遠してきた人にこそ、中身を確かめてほしい一本です。
イチジクの香水は数多くありますが、この名前を付けたものは他にありません。ボーントゥスタンドアウトのFIG PORNを、公式の情報から読み解きます。僕はこれを持っていないので、公表されている内容から読み取れることを整理します。
この記事でわかること
- FIG PORNの香りの正体(果実で始まり、肌に近い甘さで終わる)
- 挑発的な商品名と、調香師名まで公開する作りの落差
- 1〜2プッシュで6〜8時間という、量と時間の目安
- 50mLで33,000円という価格を、どう考えるか
結論:名前で身構えるほど、中身は端正なイチジク
総合評価:4.3 / 5.0 ★★★★☆
入口が果実で、出口が肌に近い甘さの一本です。フィグと韓国産ペアの水気から始まり、シダーウッドで重心が下がり、最後にアンバーとバニラが残る。名前どおりの顔が出るのは終盤の数時間だけで、最初のひと吹きは健全な果実の香水として通ります。
判断が割れるのは香りではなく商品名のほうです。人に見せる場面や贈り物には向かず、そこを越えられないなら別の一本を選ぶほうがいい。逆に名前を受け入れられるなら、調香師名まで公開する作りの真面目さと、日本では被りにくいという利点がそのまま手に入ります。
ボーントゥスタンドアウト FIG PORNの基本情報
| ブランド | ボーントゥスタンドアウト(2019年・ソウル発/日本上陸は2023年7月) |
| 商品名 | FIG PORN(オードパルファン) |
| 容量 / 価格 | 50mL:33,000円 |
| 香調 | トップ:フィグ、韓国産ペア、ベルガモット / ハート:シダーウッド、ピオニー、ターキッシュローズ / ベース:アンバー、バニラ、ムスク、サンダルウッド |
| 調香師 | フロリアン |
| 処方 | ヴィーガン処方(動物由来の原料を使わず、動物実験も行わない) |
| 持続の目安 | 1〜2プッシュで6〜8時間 |
香調:公式が出しているノート三段
公式が出しているノートは三段です。果実で始まり、花と木を通り、最後は甘さと白檀に落ち着く。
| 段階 | 原料 |
|---|---|
| トップ | フィグ 韓国産ペア ベルガモット |
| ハート | シダーウッド ピオニー ターキッシュローズ |
| ベース | アンバー バニラ ムスク サンダルウッド |

トップ・ハート・ベースまで公開されているのは、このブランドの誠実なところです。
香りの変化をレビュー:果実の水気から、アンバーの密度へ
公式の説明は「フィグのジューシーさと韓国産ペアの瑞々しさに誘惑されるがままに引き込まれます」という一文で始まります。入口と出口で香りの性格がはっきり入れ替わる一本で、名前を見て身構えた人ほど、最初のひと吹きで拍子抜けするはずです。
トップ:フィグと韓国産ペアが水気で立つ
最初に届くのはフィグと韓国産ペア、そこにベルガモットが輪郭を引きます。青くも重くもない、果肉と果汁の側のイチジク。公式が「ジューシーさ」と「瑞々しさ」を並べているとおりの立ち上がりです。商品名を知らずにこの段階だけ嗅いだら、健全な果実の香水として通る。
ミドル:主役は花ではなくシダーウッド
果実が引くと、シダーウッドとピオニー、ターキッシュローズが前に出ます。公式がここを「調和した奥行き」と書いているとおり、この段で香りの重心が下がる。花が主役に立つというより、果実の甘さを木が下から受け止める形です。花の輪郭が強く出ないので、フローラルが得意でない人でも身構えずに済みます。
ラスト:アンバーとバニラは肌に近い甘さ
終盤はアンバーとバニラ、それを支えるムスクとサンダルウッド。公式が「センシュアル」「官能的」という言葉を置いているのは、この区間です。バニラが入っていても、向いているのは菓子的な甘さではなく肌に近い方向。名前どおりの顔が出るのは、つけてから何時間も経ったあとだと読めます。
入口は果実、出口は肌に近い甘さ。名前が指しているのは、この最後の数時間だけです。
誰が作ったか
公式が公開している調香師はフロリアンです。
このブランドは調香師の名前を全種類で公開しています。しかも起用しているのは欧州の第一線で仕事をしてきた人たちで、名前だけで売るブランドではないことが分かります。
挑発的な名前をどう受け取るか
名前を見て驚く人は多いはずです。汚れ、不潔、罪。どれも普通の香水ブランドが避ける言葉ばかりで、意図的にそうしています。言いにくいものに名前を付けるという姿勢が、このブランドの中心にある。香りそのものは丁寧に作られていて、名前の粗さと中身の精度が食い違っているのが面白いところです。
ヴィーガン処方であることも公表しています。動物由来の原料を使わず、動物実験も行わない。挑発的な見た目とは裏腹に、作り方は現代的です。
つけ方と持続:1〜2プッシュで6〜8時間
オードパルファンなので1〜2プッシュで足ります。持続は6〜8時間ほど。
つける場所の目安
- 首すじ・耳の後ろ:最も届く
- 手首:動作のたびに香る
- 腰まわり:下から穏やかに立ち上がる
このブランドは香りの密度が高い部類です。同じ1プッシュでも、一般的なオードパルファンより存在感が出ます。初めて使うときはいつもの半分から始めるほうが安全です。
つけ直すなら昼過ぎが目安です。ただし自分の鼻は最初の30分で慣れるので、「消えた」と感じても他人にはまだ届いていることがあります。足す前に袖などで一度確かめるほうが安全です。
合う場面と、外す場面
時間をかけて重心が下がる香りなので、日が落ちてからのほうが収まります。空気が冷たいほど輪郭が保たれる。
| 場面 | 向き | 理由 |
|---|---|---|
| 夜の外出 | ◎ | 密度が高く場面に合う |
| 秋冬 | ◎ | 重心の低さが整う |
| 職場 | △ | 存在感が出やすい。量の管理が要る |
| 夏の日中 | △ | 汗と混ざると重い |
いちばん噛み合うのは秋冬の夜です。厚手の上着を着る季節なら、首すじに一度で十分に届きます。薄着の時期は位置を腰まわりまで下げると、立ち上がる量が減って扱いやすくなる。
職場に連れて行くなら、量を半分にして朝いちばんに一度だけ。手首に留めておけば、閉じた会議室でも過剰になりにくい。外すとしたら夏の日中で、汗と混ざると重さだけが前に出ます。
このブランドのこと
ボーントゥスタンドアウトは、2019年にソウルで始まったフレグランスブランドです。掲げているのは「社会の規範に抑え込まれた欲望を解放する」というコンセプトで、商品名もそれに沿って挑発的なものが多い。日本には2023年7月に上陸し、いくつかのセレクトショップと専門店が扱っています。
引っかかるところ
試せる場所が限られます。日本での取扱は数店舗で、地方だと現物に触れる機会がほぼありません。
価格も高い。50mLで33,000円という設定は、欧州の老舗ニッチブランドと同じ帯です。
商品名も人を選びます。人に見せる場面や、贈り物にする場面では名前そのものが障壁になることがあります。
その代わり、被る心配はほぼありません。日本での流通量が限られているので、同じ香りの人と居合わせる確率は極めて低い。人と違うものを持ちたいなら利点になります。
ボトルも黒を基調にした重い作りで、棚に置くと存在感があります。香りだけでなく、モノとしての性格もはっきりしているブランドです。
容量と値段の目安
日本では正規取扱店のオンラインストアと、いくつかのセレクトショップで買えます。
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 50mL | 33,000円 |
並行輸入や個人輸入の品も出回りますが、保管状態が読めません。香りは熱と光で変わるので、正規の流通で買うほうが確実です。
買う前に確かめる
3万円を超える買い物になります。しかも日本で試せる場所が限られていて、実物に触れずに買う人が多い。
まとめ:名前を越えられるなら、他にない一本
FIG PORNは、名前の粗さと中身の精度が食い違っている一本です。調香師名まで公開されていて、作り方は真面目です。
名前を受け入れられるかどうかが最大の分かれ目になります。そこを越えられるなら、他にない個性を持っています。
使いどころは秋冬の夜に寄せるのが正解でしょう。密度が高い香りなので、空気が冷たいほど輪郭が保たれます。職場に連れて行くなら量を半分にして手首だけに留めれば、閉じた会議室でも過剰になりにくい。
引っかかるのは価格と、試せる場所の少なさです。50mLで33,000円は欧州の老舗ニッチと同じ帯で、日本の取扱も数店舗にとどまります。ただしその流通の細さが、そのまま被りにくさになっている。人と同じものを持ちたくない人には、そこが利点として返ってきます。
あわせて読みたい
- 同じブランドのボーントゥスタンドアウト MARY JANEという名前の由来もどうぞ。
※本記事はプロモーションを含みます

コメント