ボーントゥスタンドアウトの香水は、名前で損をしています。DIRTY MILK、SUGAR ADDICT、MAD HONEY、DGAF。棚で見ると悪ふざけに見えるし、実際そう思われている。
ただ29本すべてをレビューして分かったのは、中身がかなり真面目だということです。高い賦香率で原料を押し出す作りで、香りそのものは技術的に丁寧。名前と中身のギャップが、このブランドの正体です。
だからこのページでは、名前の印象を一度外して、香りの方向だけで並べ直します。名前で敬遠していた人ほど、読む価値があるはず。
先に、このブランドの前提を3つ
ひとつ、濃い。賦香率が高い銘柄が多く、1プッシュでも十分に香ります。普段の感覚でつけると確実に多すぎる。
ふたつ、甘い方向が主戦場です。グルマン(食べ物を思わせる甘さ)が得意なブランドなので、爽やか一辺倒を探している人には選択肢が少ない。
みっつ、名前は挑発でありながら、たいてい中身を正確に説明しています。DIRTY MILKは本当にこぼしたミルクの匂いを狙っているし、MUDは泥です。冗談ではなく題材の宣言と受け取ってください。
甘い方向で選ぶなら
このブランドの本命。デートや夜、距離の近い場面で効きます。ただし量は本当に控えめに。
- SUGAR ADDICT。砂糖中毒という名前の中身
- CANDY DUST。綿菓子とネオン
- MAD HONEY。狂った蜂蜜という毒
- OUD CANDY。ウードと砂糖菓子
- DRUNK MAPLE。メープルと酔い
- ANGEL POWDER。天使の粉という比喩
- INDECENT CHERRY。さくらんぼの甘さ
- HAPPY NUTS。ナッツの香ばしさ
果実で選ぶなら
甘いけれど重くない列。夏でも使えて、甘い系の入り口としても向きます。
- GOLD JUICE。果実を金色に喩えた1本
- BLACK MANGO。高濃度のマンゴー
- BLACK GUAVA。グアバの高濃度
- NANATOPIA。バナナの楽園
- FIG PORN。イチジクの香り
- PURPLE STAIN。紫の染みという題材
ムスク・肌の匂いで選ぶなら
人工的な甘さが苦手なら、この列から入ってください。肌に馴染む方向で、日常使いしやすい銘柄が揃います。
- MUSC X。ムスクだけで組んだ香り
- FILTHY MUSK。汚れたムスクという設計
- NAKED LAUNDRY。洗濯物と裸
- WARM AIR。温かい空気という題材
- DIRTY MILK。こぼすミルクの香り
- DIRTY RICE。米を香りにする
- L’ANIMAL。動物という名前の香り
癖の強い方向で選ぶなら
人と絶対に被りたくないならここ。ただし試さずに買うのは勧めません。
- SMOKIN GUN。硝煙の香り
- MUD。泥の香り、その意味
- CUVÉE SK。ワインと肌
- DRUNK LOVERS。酔った恋人たち
- DIRTY HEAVEN。汚れた天国
- SIN & PLEASURE。罪と快楽
- MARY JANE。名前の由来から読む
- DGAF。この名前をどう受け取るか
賦香率が高いということの意味
このブランドは、公式が賦香率の高さを前面に出しています。数字が高いほど香料の濃度が高く、少量で長く香る。つまり同じ1プッシュでも、一般的なオードトワレとは届く距離がまるで違います。
容量あたりの価格だけを見ると高く感じますが、1回に使う量が少なくて済むので、実際の消費は緩やかです。2mLや5mLのアトマイザーで買って試す人が多いのも、この濃さが理由。まずは小容量で肌に乗せて、自分の適量を知るところから始めてください。
逆に言えば、控えめに香らせたい人には扱いが難しいブランドでもある。香水を「わずかに漂わせる」使い方をしたいなら、他のブランドのほうが素直です。
季節と場面で決める
甘い系は気温が高いと膨らみます。夏に使うなら、果実かムスクの列から選ぶほうが安全。甘さの強い銘柄は、涼しくなってからのほうが本領を発揮します。
場面で言えば、このブランドは屋外や広い場所に向いています。香りが届く範囲が広いので、狭い部屋や車内では負担になりやすい。使う場所を想像してから銘柄を決めると、失敗がぐっと減ります。
最初の1本をどう選ぶか
甘い系に抵抗がないならSUGAR ADDICT。ブランドの性格が一番よく出ています。甘さが苦手ならMUSC Xから。ムスクだけの構成なので、癖がほとんどありません。
果実で軽く始めたい場合はGOLD JUICEが扱いやすい。どれを選ぶにせよ、1プッシュから始めてください。このブランドで失敗する原因のほとんどは、香りの好みではなく量です。
弱点は名前と、濃さと、扱い
名前が挑発的すぎて、人前で見せにくい銘柄があります。ボトルを机に置いておくブランドではない。プレゼントにも向きません。
濃さも扱いを選びます。職場や電車のように距離が詰まる場所では、迷惑になる銘柄がいくつもある。使う場面を選べる人向けです。
そして流通。取り扱い店舗が多くないので、試せる機会が限られます。通販で買う場合は、レビューで香りの方向を確かめてからにしてください。
もうひとつ、好みがはっきり分かれること。29本のうち万人受けする銘柄は多くありません。それは欠点でもあり、このブランドを選ぶ理由でもある。無難を求めるなら、そもそも別のブランドを見たほうが早いです。
名前を外して読めば、選びやすい
甘さ、果実、ムスク、癖。この4つで絞れば、29本は現実的な数になります。名前の挑発は、そのあとで楽しめばいい。
気になる銘柄が決まったら、各レビューで短所まで確かめてください。このページはレビューが増えるたびに更新します。
名前で敬遠していた人にこそ、一度は肌で試してほしいブランドです。棚で見たときの印象と、肌に乗せて時間を置いたあとの印象が、これほど食い違うブランドは他にあまりありません。
※本記事はプロモーションを含みます

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