スパイスの熱から始まり、甘い蜜を通って、煙るウッドへ沈んでいく香りです。立ち上がりはサフランとシナモンの温かさ。中盤にオレンジブロッサムとキャラメルの甘さが乗り、終盤はウードとパチュリの深いところへ落ちます。密度が高く、夜と秋冬に重心が寄る一本。人と被らない香りで強い印象を残したい人に向きます。
染みを香りにする。ボーントゥスタンドアウトのPURPLE STAINは、高濃度ラインのなかでも特に抽象的な名前を持っています。僕はこれを持っていないので、公表されている内容から読み取れることを整理します。
この記事でわかること
- PURPLE STAINの香りの流れ(スパイス→甘さ→ウード)
- 調香師の名前とヴィーガン処方という背景
- つける量と持続、向く場面と向かない場面
- 価格と入手のしにくさという弱点
結論:スパイスと甘さを、煙るウッドで締める一本
公式の説明をたどると、この香りの骨格ははっきりしています。サフラン、シナモン、ナツメグの温かいスパイスで始まり、マンダリンとベルガモットが明るさを添える。中盤はオレンジブロッサムとキャラメル、バニラの甘さ。終盤にウードとパチュリ、シプリオールの煙が出てきて、シスタスの樹脂とアキガラウッドが角を丸めます。甘さを甘いまま終わらせないのが、この一本の設計です。
作り手も隠していません。調香師はジョルディ・フェルナンデスで、トップからベースまで原料が公開され、ヴィーガン処方であることも明かされています。名前の粗さだけを見て雑な香水だと決めつけると、中身の精度を見落とします。
総合評価:4.0 / 5.0 ★★★★★
ボーントゥスタンドアウト PURPLE STAINの基本情報
| ブランド | ボーントゥスタンドアウト(2019年 ソウル発/日本上陸は2023年7月) |
| 商品名 | PURPLE STAIN |
| 分類 | オードパルファン |
| 容量 / 価格 | 50mL 33,000円 |
| 調香師 | ジョルディ・フェルナンデス |
| 主な香調 | トップ:サフラン、シナモン、ナツメグ / ハート:オレンジブロッサム、キャラメル、バニラ / ベース:ウード、パチュリ、アキガラウッド |
| 持続の目安 | 6〜8時間 |
| 処方 | ヴィーガン処方。動物実験は行わない |
染みという題材
公式の説明はこうです。「パープル ステインは、サフラン、シナモン、ナツメグの温かみのあるスパイスで始まり、マンダリンとベルガモットの新鮮な皮で明るさを与えます。 ミドルノートはリッチで贅沢なオレンジブロッサムの輝くような甘さとクリーミーなキャラメルとバニラがブレンドされています。 ベースノートはウード、パチョリ、シプリオールの深くスモーキーなブレンドが現れ、 シスタスの樹脂の豊かさとアキガラウッドがウッディな優雅さで和らげられます。 ベルベットのようになめらかで大胆なパープル ステインは、長く続く香りで、力強く忘れられない印象を残してくれます」
香りの説明に情景と感情を持ち込むのが、このブランドの書き方です。何の匂いかを列挙するのではなく、どういう状態かを先に示す。
ノート構成
| 段階 | 原料 |
|---|---|
| トップ | サフラン シナモン ナツメグ ジンジャー マンダリン ベルガモット |
| ハート | オレンジブロッサム キャラメル ハチミツ ペルーバルサム バニラ |
| ベース | アキガラウッド ウード パチュリ シプリオール アンブロフィックス シスタスコンクリート |
トップ・ハート・ベースまで公開されているのは、このブランドの誠実なところです。名前の粗さとは裏腹に、中身は普通のニッチブランドと同じ精度で作られています。
誰が作ったか
公式が公開している調香師はジョルディ・フェルナンデスです。
このブランドは調香師の名前を全種類で公開しています。しかも起用しているのは欧州の第一線で仕事をしてきた人たちで、名前だけで売るブランドではないことが分かります。
挑発的な名前をどう受け取るか
名前を見て驚く人は多いはずです。汚れ、不潔、罪。どれも普通の香水ブランドが避ける言葉ばかりで、意図的にそうしています。言いにくいものに名前を付けるという姿勢が、このブランドの中心にある。香りそのものは丁寧に作られていて、名前の粗さと中身の精度が食い違っているのが面白いところです。
ヴィーガン処方であることも公表しています。動物由来の原料を使わず、動物実験も行わない。挑発的な見た目とは裏腹に、作り方は現代的です。ムスクやアンバーグリスといった動物由来の素材は、現在では合成で再現されるのが主流になっていて、そこを明示するブランドが増えています。
つけ方ともち
オードパルファンなので1〜2プッシュで足ります。持続は6〜8時間ほど。
つける場所の目安
- 首すじ・耳の後ろ:最も届く
- 手首:動作のたびに香る
- 腰まわり:下から穏やかに立ち上がる
このブランドは香りの密度が高い部類です。同じ1プッシュでも、一般的なオードパルファンより存在感が出ます。初めて使うときはいつもの半分から始めるほうが安全です。
つけ直すなら昼過ぎが目安です。ただし自分の鼻は最初の30分で慣れるので、「消えた」と感じても他人にはまだ届いていることがあります。足す前に袖などで一度確かめるほうが安全です。
このブランドは日本語のレビューがまだ少ない部類です。他人の評価を当てにできないぶん、自分の鼻で判断するしかありません。試す手段を先に用意しておく意味が、他のブランドより大きくなります。
どこで効くか
| 場面 | 向き | 理由 |
|---|---|---|
| 夜の外出 | ◎ | 密度が高く場面に合う |
| 秋冬 | ◎ | 重心の低さが整う |
| 職場 | △ | 存在感が出やすい。量の管理が要る |
| 夏の日中 | △ | 汗と混ざると重い |
ブランドの話
ボーントゥスタンドアウトは、2019年にソウルで始まったフレグランスブランドです。掲げているのは「社会の規範に抑え込まれた欲望を解放する」というコンセプトで、商品名もそれに沿って挑発的なものが多い。日本には2023年7月に上陸し、いくつかのセレクトショップと専門店が扱っています。
残念なところ
試せる場所が限られます。日本での取扱は数店舗で、地方だと現物に触れる機会がほぼありません。
価格も高い。50mLで33,000円という設定は、欧州の老舗ニッチブランドと同じ帯です。
商品名も人を選びます。人に見せる場面や、贈り物にする場面では名前そのものが障壁になることがあります。
その代わり、被る心配はほぼありません。日本での流通量が限られているので、同じ香りの人と居合わせる確率は極めて低い。人と違うものを持ちたいなら利点になります。
ボトルも黒を基調にした重い作りで、棚に置くと存在感があります。香りだけでなく、モノとしての性格もはっきりしているブランドです。
抽象的すぎて、香りの想像がつきません。
何mLを選ぶか
日本では正規取扱店のオンラインストアと、いくつかのセレクトショップで買えます。路面店は限られるので、実物を試せる場所は多くありません。
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 取扱サイズ | 50,600円〜 |
並行輸入や個人輸入の品も出回りますが、保管状態が読めません。香りは熱と光で変わるので、正規の流通で買うほうが確実です。
買う前に確かめる
3万円を超える買い物になります。しかも日本で試せる場所が限られていて、実物に触れずに買う人が多い。
まとめ:名前を越えられるなら、代わりのない一本
PURPLE STAINは、名前の粗さと中身の精度が食い違っている一本です。調香師名まで公開されていて、作り方は真面目です。
名前を受け入れられるかどうかが最大の分かれ目になります。そこを越えられるなら、他にない個性を持っています。
香りの流れをもう一度なぞると、サフランとシナモンの熱、オレンジブロッサムとキャラメルの甘さ、そしてウードとパチュリの煙。甘いだけで終わらない組み立てなので、夜の外出や秋冬と相性が良い。職場や夏の日中に持ち出すなら、量をいつもの半分に落とすところから始めてください。
引っかかるのは価格と入手のしにくさです。50mLで33,000円、しかも試せる店は数えるほどしかありません。ただし流通が細いということは、同じ香りの人と居合わせないということでもある。人と違うものを持ちたいなら、その細さは弱点であると同時に強みになります。
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※本記事はプロモーションを含みます

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