アーモンドとミルクの包容力で幕を開ける、甘くもほろ苦い1本です。中盤ではチョコレートにターキッシュローズとプラムが重なり、最後は雨の日の泥濘んだ大地を思わせるアンバーやバニラが低く残る。夜と秋冬に寄る香りなので、人と被らないものを探している人に向きます。
泥を香りにする。汚れの象徴のような素材ですが、香水では土や苔として昔から使われてきました。僕はこれを持っていないので、公表されている内容から読み取れることを整理します。
この記事でわかること
- MUDの香りの正体(アーモンドとミルクの甘さから、アンバーとバニラの余韻へ)
- トップからベースまで公開された原料と、ナタリーという調香師名
- 挑発的な商品名と、ヴィーガン処方という中身のずれ
- 夜と秋冬に寄る使いどころ、50mL・33,000円という価格と買い方
結論:甘くもほろ苦い泥の香りで、夜と秋冬に効く1本
選ぶ価値があるのは、甘さの奥に暗さを求める人でしょう。公式の説明では、包容力のあるアーモンドとミルクで始まり、儚くたたずむチョコレートにターキッシュローズとプラムが重なる。最後は雨が降る日の泥濘んだ大地を思わせるアンバーやバニラで、切なくて美しい香りだと書かれています。
分かれ目は商品名と土の匂いです。汚れや罪といった言葉を並べる名前は人を選び、泥を思わせる重心の低さも好みが割れる。ただ日本での流通量が限られているぶん、同じ香りの人と居合わせる確率は極めて低い。そこを越えられるなら、人と違うものを持ちたい人には利点になります。
総合評価:3.8 / 5.0 ★★★★★
ボーントゥスタンドアウト MUDの基本情報
| ブランド | ボーントゥスタンドアウト(2019年・ソウル発) |
| 商品名 | MUD |
| 日本上陸 | 2023年7月 |
| 容量 / 価格 | 50mL:33,000円 |
| 濃度 / 持続 | オードパルファン・6〜8時間ほど |
| 調香師 | ナタリー |
| 香調 | トップ:アーモンド、ミルク / ハート:チョコレート、ターキッシュローズ、プラム / ベース:アンバー、エレミ、サンダルウッド、バニラ |
| 処方 | ヴィーガン処方(動物由来の原料を使わず、動物実験も行わない) |
| 題材 | 社会の規範に抑え込まれた欲望を解放する |
| 買える場所 | 正規取扱店のオンラインストアと、いくつかのセレクトショップ |
泥と土の違い
公式の説明はこうです。「雨の中で不意に蘇る恋人との別れ。 包容力のあるアーモンドとミルクが恋人と過ごした記憶を芽生えさせます。喪失感を癒すかのように儚くたたずむチョコレートを添えてターキッシュローズとプラムが甘くもほろ苦い感情を呼び覚まします。雨が降る日の泥濘んだ大地を思わせるアンバーやバニラ。マッドは慰めてくれるかのように切なくて美しい香りです」
香りの説明に情景と感情を持ち込むのが、このブランドの書き方です。何の匂いかを列挙するのではなく、どういう状態かを先に示す。
ノート構成
| 段階 | 原料 |
|---|---|
| トップ | アーモンド ミルク |
| ハート | チョコレート ターキッシュローズ プラム |
| ベース | アンバー エレミ サンダルウッド バニラ |

トップ・ハート・ベースまで公開されているのは、このブランドの誠実なところです。名前の粗さとは裏腹に、中身は普通のニッチブランドと同じ精度で作られています。
誰が作ったか
公式が公開している調香師はナタリーです。
このブランドは調香師の名前を全種類で公開しています。しかも起用しているのは欧州の第一線で仕事をしてきた人たちで、名前だけで売るブランドではないことが分かります。
挑発的な名前をどう受け取るか
名前を見て驚く人は多いはずです。汚れ、不潔、罪。どれも普通の香水ブランドが避ける言葉ばかりで、意図的にそうしています。言いにくいものに名前を付けるという姿勢が、このブランドの中心にある。香りそのものは丁寧に作られていて、名前の粗さと中身の精度が食い違っているのが面白いところです。
ヴィーガン処方であることも公表しています。動物由来の原料を使わず、動物実験も行わない。挑発的な見た目とは裏腹に、作り方は現代的です。ムスクやアンバーグリスといった動物由来の素材は、現在では合成で再現されるのが主流になっていて、そこを明示するブランドが増えています。
つけ方と持続
オードパルファンなので1〜2プッシュで足ります。持続は6〜8時間ほど。
つける場所の目安
- 首すじ・耳の後ろ:最も届く
- 手首:動作のたびに香る
- 腰まわり:下から穏やかに立ち上がる
このブランドは香りの密度が高い部類です。同じ1プッシュでも、一般的なオードパルファンより存在感が出ます。初めて使うときはいつもの半分から始めるほうが安全です。
つけ直すなら昼過ぎが目安です。ただし自分の鼻は最初の30分で慣れるので、「消えた」と感じても他人にはまだ届いていることがあります。足す前に袖などで一度確かめるほうが安全です。
このブランドは日本語のレビューがまだ少ない部類です。他人の評価を当てにできないぶん、自分の鼻で判断するしかありません。試す手段を先に用意しておく意味が、他のブランドより大きくなります。
生きる場面
| 場面 | 向き | 理由 |
|---|---|---|
| 夜の外出 | ◎ | 密度が高く場面に合う |
| 秋冬 | ◎ | 重心の低さが整う |
| 職場 | △ | 存在感が出やすい。量の管理が要る |
| 夏の日中 | △ | 汗と混ざると重い |
ブランドの話
ボーントゥスタンドアウトは、2019年にソウルで始まったフレグランスブランドです。掲げているのは「社会の規範に抑え込まれた欲望を解放する」というコンセプトで、商品名もそれに沿って挑発的なものが多い。日本には2023年7月に上陸し、いくつかのセレクトショップと専門店が扱っています。
先に知っておきたい短所
試せる場所が限られます。日本での取扱は数店舗で、地方だと現物に触れる機会がほぼありません。
価格も高い。50mLで33,000円という設定は、欧州の老舗ニッチブランドと同じ帯です。
商品名も人を選びます。人に見せる場面や、贈り物にする場面では名前そのものが障壁になることがあります。
その代わり、被る心配はほぼありません。日本での流通量が限られているので、同じ香りの人と居合わせる確率は極めて低い。人と違うものを持ちたいなら利点になります。
ボトルも黒を基調にした重い作りで、棚に置くと存在感があります。香りだけでなく、モノとしての性格もはっきりしているブランドです。
土の匂いが苦手なら成立しません。
ただしこれは相性の話で、出来の良し悪しとは別です。泥や土は香水で昔から使われてきた素材で、その重心の低さに惹かれる人には正面から応える1本になります。
容量と値段の目安
日本では正規取扱店のオンラインストアと、いくつかのセレクトショップで買えます。路面店は限られるので、実物を試せる場所は多くありません。
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 50mL | 33,000円 |
並行輸入や個人輸入の品も出回りますが、保管状態が読めません。香りは熱と光で変わるので、正規の流通で買うほうが確実です。
買う前に確かめる
3万円を超える買い物になります。しかも日本で試せる場所が限られていて、実物に触れずに買う人が多い。少量から試す方法を持っておくと、失敗の幅が小さくなります。
まとめ:土の匂いを受け入れられるなら、他にない1本
MUDは、名前の粗さと中身の精度が食い違っている一本です。調香師名まで公開されていて、作り方は真面目です。
名前を受け入れられるかどうかが最大の分かれ目になります。そこを越えられるなら、他にない個性を持っています。
軸になるのは秋冬の夜です。密度が高い部類なので1〜2プッシュで足り、初めてならいつもの半分から始めるほうが安全。職場では存在感が出やすいので量を絞り、夏の日中は汗と混ざるため夜に回すと収まります。
50mLで33,000円は軽い買い物ではありません。日本で試せる場所も数店舗に限られ、日本語のレビューもまだ少ない。それでもトップからベースまで原料を公開し、調香師の名前まで出しているブランドです。雨の日の土の匂いを香りとして置きたいなら、選ぶ価値のある一本でしょう。
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※本記事はプロモーションを含みます

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