ラニマルは、ラム酒の温かさで始まり、スエードの革っぽさを経て、サンダルウッドとバニラの甘さに着地する濃厚な香りです。ナツメグのスパイスとアーモンドのクリーミーさが序盤を支え、時間が経つほど重心が下がる。夜の外出や秋冬のように、濃さが邪魔にならない場面に向く一本です。
ラニマルはフランス語で動物のこと。香水の世界で動物という言葉は、ムスクやアンバーグリスといった動物由来の素材を指してきました。僕はこれを持っていないので、公表されている内容から読み取れることを整理します。
この記事でわかること
- ラニマルの香りの流れ(ラム酒の温かさから、スエードを経てバニラへ)
- 原料がトップからベースまで全段階公開されていること
- つける量と持続の目安、向く場面と向かない場面
- 価格と入手のしにくさ、挑発的な商品名という引っかかり
結論:挑発的な名前の下に、濃厚で丁寧な一本がある
ラニマルを一言でいうなら、ラム酒の温かさから始まる濃厚な夜の香りです。公式の説明でも、ラム酒、ナツメグ、アーモンドの順に温かさと甘さが並びます。花や柑橘の軽さを期待して選ぶ香りではありません。
もう一つの答えは、名前と中身の落差にあります。トップからベースまでの原料が全段階そろって公開され、調香師のセシル・マトンの名前も明かされている。挑発的な商品名で驚かせるだけのブランドではない、と読み取れる作りです。
総合評価:4.0 / 5.0 ★★★★★
ボーントゥスタンドアウト ラニマルの基本情報
| ブランド | ボーントゥスタンドアウト(2019年にソウルで創業) |
| 商品名 | ラニマル(フランス語で動物の意味) |
| 発売 | 2025年4月9日 |
| 種類 | オードパルファン |
| 容量 / 価格 | 50mL:33,000円 |
| 調香師 | セシル・マトン |
| 香調 | トップ:ラム、ナツメグオイル、アーモンドペースト / ハート:スエード、ヘリオトローブ、ムガーヌ / ベース:ガイアックウッドオイル、ダーティーハニー、サンダルウッド、エロティックバニラ |
| 処方 | ヴィーガン処方(動物由来の原料を使わず、動物実験も行わない) |
| 持続の目安 | 6〜8時間(1〜2プッシュ) |
| 日本での展開 | 2023年7月に上陸。取扱は数店舗 |
動物という言葉が指すもの
公式の説明はこうです。「【2025年4月9日発売】 – L’プリミティブな本能を解き放ち、野生を受け入れて。 香りは濃厚なラム酒の温かさで始まり、恋人の愛撫のように肌の上で広がります。ス パイシーなナツメグが魅惑的な香りを添え、クリーミーなアーモンドが柔らかく心地 よい抱擁を演出します。 L’は、人間の欲望と荒々しい自然の本質をとらえた香りの旅であり、挑発的 でありながら洗練されたブレンドで表現された力強く、美しい香りです」
香りの説明に情景と感情を持ち込むのが、このブランドの書き方です。何の匂いかを列挙するのではなく、どういう状態かを先に示す。
ノート構成
| 段階 | 原料 |
|---|---|
| トップ | ラム ナツメグオイル アーモンドペースト |
| ハート | スエード ヘリオトローブ ムガーヌ |
| ベース | ガイアックウッドオイル ダーティーハニー サンダルウッド エロティックバニラ |
トップ・ハート・ベースまで公開されているのは、このブランドの誠実なところです。名前の粗さとは裏腹に、中身は普通のニッチブランドと同じ精度で作られています。
誰が作ったか
公式が公開している調香師はセシル・マトンです。
このブランドは調香師の名前を全種類で公開しています。しかも起用しているのは欧州の第一線で仕事をしてきた人たちで、名前だけで売るブランドではないことが分かります。
挑発的な名前をどう受け取るか
名前を見て驚く人は多いはずです。汚れ、不潔、罪。どれも普通の香水ブランドが避ける言葉ばかりで、意図的にそうしています。言いにくいものに名前を付けるという姿勢が、このブランドの中心にある。香りそのものは丁寧に作られていて、名前の粗さと中身の精度が食い違っているのが面白いところです。
ヴィーガン処方であることも公表しています。動物由来の原料を使わず、動物実験も行わない。挑発的な見た目とは裏腹に、作り方は現代的です。ムスクやアンバーグリスといった動物由来の素材は、現在では合成で再現されるのが主流になっていて、そこを明示するブランドが増えています。
どうつけて、どれくらいもつか
オードパルファンなので1〜2プッシュで足ります。持続は6〜8時間ほど。
つける場所の目安
- 首すじ・耳の後ろ:最も届く
- 手首:動作のたびに香る
- 腰まわり:下から穏やかに立ち上がる
このブランドは香りの密度が高い部類です。同じ1プッシュでも、一般的なオードパルファンより存在感が出ます。初めて使うときはいつもの半分から始めるほうが安全です。
つけ直すなら昼過ぎが目安です。ただし自分の鼻は最初の30分で慣れるので、「消えた」と感じても他人にはまだ届いていることがあります。足す前に袖などで一度確かめるほうが安全です。
このブランドは日本語のレビューがまだ少ない部類です。他人の評価を当てにできないぶん、自分の鼻で判断するしかありません。試す手段を先に用意しておく意味が、他のブランドより大きくなります。
使う場面
| 場面 | 向き | 理由 |
|---|---|---|
| 夜の外出 | ◎ | 密度が高く場面に合う |
| 秋冬 | ◎ | 重心の低さが整う |
| 職場 | △ | 存在感が出やすい。量の管理が要る |
| 夏の日中 | △ | 汗と混ざると重い |
このブランドのこと
ボーントゥスタンドアウトは、2019年にソウルで始まったフレグランスブランドです。掲げているのは「社会の規範に抑え込まれた欲望を解放する」というコンセプトで、商品名もそれに沿って挑発的なものが多い。日本には2023年7月に上陸し、いくつかのセレクトショップと専門店が扱っています。
惜しいと感じたところ
試せる場所が限られます。日本での取扱は数店舗で、地方だと現物に触れる機会がほぼありません。
価格も高い。50mLで33,000円という設定は、欧州の老舗ニッチブランドと同じ帯です。
商品名も人を選びます。人に見せる場面や、贈り物にする場面では名前そのものが障壁になることがあります。
その代わり、被る心配はほぼありません。日本での流通量が限られているので、同じ香りの人と居合わせる確率は極めて低い。人と違うものを持ちたいなら利点になります。
ボトルも黒を基調にした重い作りで、棚に置くと存在感があります。香りだけでなく、モノとしての性格もはっきりしているブランドです。
動物的な方向は好みがはっきり割れます。
容量と値段の目安
日本では正規取扱店のオンラインストアと、いくつかのセレクトショップで買えます。路面店は限られるので、実物を試せる場所は多くありません。
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 50mL | 33,000円 |
並行輸入や個人輸入の品も出回りますが、保管状態が読めません。香りは熱と光で変わるので、正規の流通で買うほうが確実です。
買う前に確かめる
3万円を超える買い物になります。しかも日本で試せる場所が限られていて、実物に触れずに買う人が多い。少量から試す方法を持っておくと、失敗の幅が小さくなります。
まとめ:名前を越えられるなら、他にない一本
L’ANIMALは、名前の粗さと中身の精度が食い違っている一本です。調香師名まで公開されていて、作り方は真面目です。
名前を受け入れられるかどうかが最大の分かれ目になります。そこを越えられるなら、他にない個性を持っています。
香りは、ラム酒とナツメグとアーモンドで始まり、スエードのハートを通って、ダーティーハニーとサンダルウッドとバニラに落ちる。原料は全段階が公開されているので、どういう順で何が来るかを買う前に読み取れます。
引っかかるのは価格と、試せる場所の少なさです。50mLで33,000円、日本の取扱は数店舗にとどまります。ただし流通量が限られているぶん、人と被る心配はほとんどない。少量から試す手段を先に用意しておけば、3万円を超える買い物の失敗の幅は小さくなります。
あわせて読みたい
- 同じブランドのボーントゥスタンドアウト NAKED LAUNDRY、洗濯物と裸もどうぞ。
ボーントゥスタンドアウト ラニマルに近い方向で探すなら
似た方向で探すなら、この3本が候補になります。同じ香りではないぶん、何が近くて何が違うのかを書いておきます。
| 銘柄 | 価格の目安 | 近いところ | 違うところ |
|---|---|---|---|
| メゾン マルジェラ レプリカ アフタヌーン デライト | 12,210円〜 | サンダルウッド・バニラが重なる | ムスクが入り、柔らかい残り香になる |
| タンバリンズ パンキニ | 18,600円〜 | サンダルウッドが重なる | ココナッツが入り、甘さが丸くなる |
| バイレード アルト アストラル オードパルファム | 29,150円〜 | サンダルウッドが重なる | ココナッツが入り、甘さが丸くなる |
どれも代わりにはなりません。「近い方向をもう1本持ちたい」のか「これの代わりを安く済ませたい」のかで、選ぶ先が変わります。
※本記事はプロモーションを含みます

コメント