苦い柑橘から始まる、重くないウードです。出だしはグレープフルーツの皮の苦みとカルダモンの乾いた辛さ、中盤で木の層が近づき、最後はウードが突出しないまま乾いた木として残る。ウードは中東の香木で、香水に使うと重く濃くなるのが普通ですが、この香りはそこを外してきました。名前に身構えて嗅ぐと、濃さを覚悟していた人ほど拍子抜けするはず。濃いウードを探している人ではなく、木の香りを軽く着たい人に向く1本です。
この記事でわかること
- 名前ほど重くならない理由(公式が挙げる原料の少なさ)
- トップからラストまでの香りの移り変わり
- 50mLから500mLまでの容量と、価格の目安
- 正規と並行輸入で何が変わるか
結論:名前ほど重くない、乾いた木のウード
総合評価:4.3 / 5.0 ★★★★☆
ロイヤル ウードは、名前から想像する濃さを持っていません。出だしはグレープフルーツの皮の苦みとカルダモンの辛さ。中盤でアンジェリカとゼラニウムが引くと、下に敷かれた木の層が近づいてきます。最後まで樹脂の粘りも動物的な匂いも出ず、乾いた木として肌に残る。
濃いウードを探している人には物足りない香りです。ただ重さが無いぶん、普通のウードなら手が出ない夏の夜にも着られるし、日中の仕事着とも喧嘩しない。名前で選ぶと外しますが、木の香りを軽く着たい人には、この薄さがそのまま使い道になります。
クリード ロイヤル ウードの基本情報
| ブランド | クリード(国内の代理店はインターモード川辺) |
| 商品名 | ロイヤル ウード |
| 容量 | 50mL / 100mL / 240mL / 500mL(240mLと500mLは詰め替え用でスプレーなし) |
| 価格の目安 | 正規の取扱で3万円台〜6万円台。50mLで4万円前後、100mLで5万円台 |
| 香調 | トップ:グレープフルーツ、カルダモン / ミドル:アンジェリカ、ゼラニウム / ベース:ウード、インセンスの層、ベンゾイン、シダーウッド |
| 系統 | ウードを軸にした乾いた木。樹脂の粘りや動物的な匂いは出ない |
| 国内取扱 | 2023年8月に新宿伊勢丹で再上陸。取扱店はごくわずか |
香りの構成と変化:苦い柑橘から、乾いた木へ
ロイヤル ウードという名前は、いかにも重そうに見えます。ところが肌に乗せると、その予想はほとんど当たらない。公式はこれを、ウードの別の着こなし方だと説明しています。
公式が挙げている原料は、他のクリードと比べても驚くほど少ない。香りの見取り図はこうなっています。
| 公式が挙げている原料 | |
|---|---|
| トップ | グレープフルーツ・カルダモン |
| ミドル | アンジェリカ・ゼラニウム |
| ベース | ウード・インセンスの層・ベンゾイン・シダーウッド |

トップが2つ、中盤も2つ。5つも6つも並べる銘柄が多いなかで、ここは絞り込まれています。原料が少ないと輪郭が単純になり、そのぶん一つひとつが見えやすくなる。
ここに載せたのは公式が現在公開している内容です。古い処方の原料がそのまま書かれた紹介記事もあります。
トップ:グレープフルーツの苦みとカルダモンの辛さ
最初に立ち上がるのはグレープフルーツとカルダモンの2つだけです。甘さはありません。果汁の明るさでもなく、皮を割ったときの苦みと、粒を噛んだときの乾いた辛さが同時に来る。ここだけを嗅いで、ウードの香水だと当てられる人はまずいないはずです。
ミドル:アンジェリカとゼラニウムから木の層へ
中盤に控えているのはアンジェリカとゼラニウムの2つ。ここでも数は増えないので、香りが厚くなる瞬間は来ません。柑橘の勢いが落ちるのと入れ替わりに、下に敷かれた木の層がだんだん近づいてくる。香りの中心が、鼻先から肌の側へ移っていく時間です。
ラスト:ウードは突出せず、乾いた木として残る
ウードが顔を出すのはここからです。とはいえインセンスの層とベンゾイン、シダーウッドと横並びに置かれていて、ウードだけが突出しません。一般的なウードの香水にある樹脂の粘りや動物的な匂いは、最後まで出てこない。公式の言う光のある木は、この乾いた質感のことだと思います。
どの季節の、どの時間に効くか
重さを抜いてある香りなので、気温が上がっても崩れにくい。樹脂の粘りが前に出ないぶん、普通のウードなら手が出ない夏の夜でも着られます。寒い時期がだめなわけではないものの、いちばん生きるのは汗ばむ季節のほうだと思う。
日中の仕事着とも喧嘩しません。出だしの苦い柑橘は、シャツやジャケットのような硬い服とよく釣り合います。腰まわりに1プッシュだけ置いておくと、動いたときに下から立ち上がる程度で収まる。
夕方から先は木とインセンスだけが残るので、そのまま食事の席へ持っていけます。濃いウードを探している人には物足りませんが、木の香りを軽く着たい人には収まりがいい。
価格と容量を整理する
公式が出している容量はこの通りです。
| 容量 | 使いどころ |
|---|---|
| 50mL | 日常の主軸 |
| 100mL | 定番として使い込む |
| 240mL | 詰め替え用の大容量 |
| 500mL | 詰め替え用の大容量 |
大容量は詰め替え用のボトルで、スプレーが付きません。使い続けると決めた香りに移るときの選択肢です。まず1本目を選ぶ段階なら、スプレー付きの容量から。
クリードは日本で買うと高いブランドです。正規の取扱では、容量にもよりますが3万円台から6万円台が中心の帯になります。50mLで4万円前後、100mLで5万円台という見当をしておくと大きくは外れません。香水としては最上位の価格帯で、ニッチ系と呼ばれるブランドの中でも高いほうに入ります。
つける量を間違えないために
クリードは香料の濃度が高く、少量で足ります。普段どおりの感覚で3プッシュも4プッシュも使うと、確実に多すぎます。
つける量と場所
- 1〜2プッシュから始める。足りなければ次の日に増やす
- 首すじ・耳の後ろ:人に届きやすい。仕事の場では控えめに
- 手首・肘の内側:動くたびに立ち上がる
- 腰まわり・膝の裏:下から穏やかに上がってくる。量を間違えにくい
つけた直後の30分は、自分でも強く感じます。そこで判断せず、1時間後の残り方で量を決めるといい。
香りが弱いと感じて足すのは、たいてい間違いです。人は自分の匂いに数分で慣れるので、自分に届かなくなった時点でも周りにはまだ届いています。自分の鼻を基準にしないことが、この価格帯の香水では特に大事になる。
肌が乾いていると持ちが落ちます。無香料のクリームを薄く塗ってからつけると、同じ量でも残り方が変わる。量を増やす前に、こちらを試したほうが安全です。
買う前に引っかかる点
試せる場所が限られます。国内の正規取扱は都市部の百貨店が中心で、地方だと現物を嗅がずに買うことになりがちです。香水を嗅がずに買うのは、本来いちばん避けたい買い方になります。
ロット差もあります。天然原料の比率が高いぶん、同じ名前でも製造時期で印象が変わることがある。「前に買ったものと違う」という声が出るのは、この作りの裏返しです。
ウードを期待して買うと外します。名前から想像する濃さはありません。
クリードの中でも価格が高い部類に入ります。原料の性質上どうしても上がるのですが、軽い香りに最上位の値段を払うことになるので、納得できるかは分かれます。
買う経路で何が変わるか
クリードは2023年8月に新宿伊勢丹で日本へ再上陸しました。国内の代理店はインターモード川辺で、正規品はここを通ったものになります。ただし取扱店はごくわずかです。
そのため、日本で流通しているクリードの多くは並行輸入品です。個人や業者が海外から仕入れたもので、これ自体は違法ではない。ただ、正規と並行では扱いが変わります。
| 正規(伊勢丹など) | 並行輸入 | |
|---|---|---|
| 価格 | 定価。3〜6万円台 | 2〜4割安いことが多い |
| 保証 | 国内の窓口がある | 販売店ごと |
| 保管 | 管理されている | 経路が読めない |
| 刻印サービス | 受けられる | 対象外 |
価格差は小さくありません。ただし香水は熱と光で変わるので、輸送と保管の経路が読めないことは実質的なリスクです。極端に安いものには理由があると考えたほうがいい。
偽造品も存在します。クリードは世界的に模造の多いブランドで、ボトルの作り込みまで似せたものが出回っています。定価の半額を大きく下回るような値付けは、まず疑ってかかったほうがいい。
買う前に試す
4万5千円前後の買い物です。しかも国内で試せる場所が限られている。この2つが重なると、嗅がずに買って外す確率が上がります。少量から試す手段を持っておくと、失敗したときの損失が桁で変わります。
あわせて読みたい
- クリードで最初に名前が挙がる1本を知りたいなら、クリード アバントゥスの徹底検証もどうぞ。
- 同じブランドのクリード ヒマラヤの香りを解説もどうぞ。
まとめ:名前ではなく、乾いた木で選ぶ一本
クリード ロイヤル ウード は4万5千円前後の買い物になります。国内で試せる場所が限られるぶん、嗅がずに買う人が多い香りです。
値段の高さより、試さずに買うことのほうがリスクとしては大きい。順序を逆にしないことをすすめます。
香りそのものは、苦い柑橘で始まって乾いた木で終わる一本道です。公式が挙げる原料が絞り込まれているぶん輪郭がはっきりしていて、途中で表情が入れ替わる場面もない。濃いウードを期待すると肩透かしを食いますが、木の香りを軽く着たい人には最後まで扱いやすい。
買う経路も見ておきたいところ。正規は定価で国内に窓口があり、並行輸入は2〜4割安いかわりに輸送と保管が読めません。安さを取るなら、極端に安いものを避けて販売店を選ぶこと。1本目はスプレーの付く50mLか100mLから入るのが無難です。
このブランドを一覧で見るならクリード香水の選び方へ。
※本記事はプロモーションを含みます

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