冷たく湿った青さから始まり、最後は輪郭がぼやけたまま消えていく香りです。明るいベルガモットで幕が開き、中盤は茶の渋みが湿り気を締め、終盤に残るのはムスクとサンダルウッドだけ。香りで自分を説明したくない人に向く1本になります。
アルプスの雪解け水から発想された香りです。クリードの中では珍しく、押しの弱い部類に入ります。存在を主張しない香りを探している人が、最後に行き着くことが多い1本です。
この記事でわかること
- 水を香りにした中身(カシスとガルバナムの青さ、茶とオゾンの層)
- 正規と並行輸入で価格と保証がどう変わるか
- つける量の決め方と、持続時間の見当
- 手放しでは勧めない理由と、それでも向く人
結論:存在を主張しないことが目的の香り
一言でいえば、香りで存在を主張しないための1本です。カシスとガルバナムの青さに茶とオゾンの層を重ねて、湿った冷たさを作る。ベースはムスクとサンダルウッドの2つだけなので土台が薄く、輪郭はぼんやりしたまま終わります。
多めにつけても暴力的にならないので、香水に慣れていない人でも扱いやすい香りです。裏を返すと「香水をつけている」という手応えは薄く、印象を残したい場面では物足りない。正規の取扱は3万円台から6万円台が中心の帯なので、嗅がずに買って外したときの損失は大きくなります。
総合評価:3.3 / 5.0 ★★★★★
クリード シルバー マウンテン ウォーターの基本情報
| ブランド | クリード |
| 商品名 | シルバー マウンテン ウォーター |
| 容量 | 30mL / 50mL / 100mL / 240mL / 500mL / 1000mL |
| 価格の目安 | 正規で3万円台〜6万円台(50mLで4万円前後、100mLで5万円台) |
| 香調 | トップ:ベルガモット・カシス・ガルバナム・オレンジ / ミドル:茶・オゾンの層 / ベース:ムスク・サンダルウッド |
| 国内の取扱 | 代理店はインターモード川辺。2023年8月に新宿伊勢丹で再上陸 |
水を香りにするという発想
公式が公開している原料はこの通りです。
| 公式が挙げている原料 | |
|---|---|
| トップ | ベルガモット・カシス・ガルバナム・オレンジ |
| ミドル | 茶・オゾンの層 |
| ベース | ムスク・サンダルウッド |

ネット上の原料の話は、公式と違っていることが多い。古い処方がそのまま引き継がれるためです。この記事はブランドが今出している記述に限って書いています。
公式はこれを、現代のミニマリストのための香りだと説明しています。アルプスの美しさから発想され、明るいベルガモットで幕を開ける、と。
水そのものに匂いはないので、水を香りにするというのは矛盾した試みです。この香りが使っているのはカシスとガルバナムの青さ、それに茶とオゾンの層でした。オゾンというのは雷雨の後の空気のような、金属的で冷たい印象を作る香調の呼び名です。
カシスは黒すぐりの実で、果実でありながら葉のような青臭さを持ちます。この青さが、甘くならずに湿った印象を作っている。中盤の茶が、その湿り気に渋みを足します。
ベースはムスクとサンダルウッドの2つだけ。土台が薄いので、全体として輪郭がぼんやりしたまま終わります。これは欠点ではなく設計で、存在を主張しないことがこの香りの目的だからです。
着ける量を間違えにくい香りでもあります。多めにつけても暴力的にならないので、香水に慣れていない人でも扱いやすい。ただし、その分だけ「香水をつけている」という手応えは薄いです。
どの容量を選ぶか
公式が出している容量はこの通りです。
| 容量 | 使いどころ |
|---|---|
| 30mL | 試す・持ち歩く |
| 50mL | 日常の主軸 |
| 100mL | 定番として使い込む |
| 240mL | 詰め替え用の大容量 |
| 500mL | 詰め替え用の大容量 |
| 1000mL | 業務用に近い大容量 |
大容量は詰め替え用のボトルで、スプレーが付きません。使い続けると決めた香りに移るときの選択肢です。まず1本目を選ぶ段階なら、スプレー付きの容量から。
クリードは日本で買うと高いブランドです。正規の取扱では、容量にもよりますが3万円台から6万円台が中心の帯になります。50mLで4万円前後、100mLで5万円台という見当をしておくと大きくは外れません。香水としては最上位の価格帯で、ニッチ系と呼ばれるブランドの中でも高いほうに入ります。
正規と並行輸入の違い
クリードは2023年8月に新宿伊勢丹で日本へ再上陸しました。国内の代理店はインターモード川辺で、正規品はここを通ったものになります。ただし取扱店はごく限られていて、地方では現物に触れる機会がほとんどありません。
そのため、日本で流通しているクリードの多くは並行輸入品です。個人や業者が海外から仕入れたもので、これ自体は違法ではない。ただ、正規と並行では扱いが変わります。
| 正規(伊勢丹など) | 並行輸入 | |
|---|---|---|
| 価格 | 定価。3〜6万円台 | 2〜4割安いことが多い |
| 保証 | 国内の窓口がある | 販売店ごと |
| 保管 | 管理されている | 経路が読めない |
| 刻印サービス | 受けられる | 対象外 |
価格差は小さくありません。ただし香水は熱と光で変わるので、輸送と保管の経路が読めないことは実質的なリスクです。極端に安いものには理由があると考えたほうがいい。
偽造品も存在します。クリードは世界的に模造の多いブランドで、ボトルの作り込みまで似せたものが出回っています。定価の半額を大きく下回るような値付けは、まず疑ってかかったほうがいい。
量と持続時間
クリードは香料の濃度が高く、少量で足ります。普段どおりの感覚で3プッシュも4プッシュも使うと、確実に多すぎます。
つける量と場所
- 1〜2プッシュから始める。足りなければ次の日に増やす
- 首すじ・耳の後ろ:人に届きやすい。仕事の場では控えめに
- 手首・肘の内側:動くたびに立ち上がる
- 腰まわり・膝の裏:下から穏やかに上がってくる。量を間違えにくい
つけた直後の30分は、自分でも強く感じます。そこで判断せず、1時間後の残り方で量を決めるといい。
香りが弱いと感じたときに足すのは、たいてい間違いです。人は自分の匂いに数分で慣れるので、自分に届かなくなった時点でも周りにはまだ届いています。「弱くなった気がする」で足していくと、外から見た量は倍になっている。自分の鼻を基準にしないことが、この価格帯の香水では特に大事になります。
肌が乾いていると持ちが落ちます。無香料のクリームを薄く塗ってからつけると、同じ量でも残り方が変わる。量を増やす前に、こちらを試したほうが安全です。
手放しでは勧めない理由
まず値段です。3万円を超える買い物になるので、香りが合わなかったときの損失が大きい。この価格帯は「なんとなく良さそう」で買っていい額ではありません。
試せる場所が限られます。国内の正規取扱は都市部の百貨店が中心で、地方だと現物を嗅がずに買うことになりがちです。香水を嗅がずに買うのは、本来いちばん避けたい買い方になります。
ロット差もあります。天然原料の比率が高いぶん、同じ名前でも製造時期で印象が変わることがある。「前に買ったものと違う」という声が出るのは、この作りの裏返しです。
主張が弱いことは長所でも短所でもあります。香りで印象を残したい場面では、物足りなく感じるはずです。
ベースがムスクとサンダルウッドだけなので、持続も長くありません。半日つけっぱなしにできる種類の香りではなく、つけ直しが前提になります。
嗅がずに買わない
4万円前後の買い物です。しかも国内で試せる場所が限られている。この2つが重なると、嗅がずに買って外す確率が上がります。少量から試す手段を持っておくと、失敗したときの損失が桁で変わります。
あわせて読みたい
- クリードで最初に名前が挙がる1本を知りたいなら、クリード アバントゥスの徹底検証もどうぞ。
- 同じブランドのクリード スプリング フラワーの香りもどうぞ。
まとめ:主張しない香りを探しているなら
クリード シルバー マウンテン ウォーター は4万円前後の買い物になります。国内で試せる場所が限られるぶん、嗅がずに買う人が多い香りです。
値段の高さより、試さずに買うことのほうがリスクとしては大きい。順序を逆にしないことをすすめます。
香りの中身は、カシスとガルバナムの青さに茶とオゾンの層を重ねたもの。ベースがムスクとサンダルウッドの2つだけなので、輪郭はぼやけたまま終わります。印象を残したい場面には向きませんが、香りで自分を語りたくない人には、この薄さがそのまま長所になる。
買う段階では、正規と並行輸入の差を先に確認しておきたいところです。並行は2〜4割安いかわりに、輸送と保管の経路が読めません。定価の半額を大きく下回る値付けは疑う。そのくらいの線引きを持っておけば、大きく外す買い方は避けられます。
※本記事はプロモーションを含みます

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