バッグは軽いほどいい、と単純に考えていた時期がありました。実際に軽いものを使ってみると、軽さと引き換えに失うものがはっきりある。どこまで軽くすると何が壊れるのか、境目を整理しておきます。
空の重さで見るべき数字
通勤バッグの空の重さは、だいたい0.5キロから1.5キロの間に収まります。0.5キロを切るものは布一枚に近く、1.5キロを超えると中身より本体が重くなります。
| 空の重さ | 作りの傾向 | 向く人 |
|---|---|---|
| 0.5キロ未満 | 芯なし・薄い生地 | 荷物が少なく徒歩が長い |
| 0.6〜0.9キロ | 軽い芯・ナイロン主体 | 毎日パソコンを運ぶ |
| 1.0〜1.3キロ | 底板と革の部分使い | 見た目も両立したい |
| 1.4キロ以上 | 総革・箱型 | 荷物が軽く、印象を優先する |
パソコンを毎日運ぶなら、0.6〜0.9キロの帯が一番扱いやすいです。パソコン本体が1.2キロ前後、充電器と書類で0.5キロ。ここにバッグ1.4キロが乗ると、合計3キロを超えて明らかに重く感じます。
軽さと引き換えに失うもの
軽くするには、削る場所が決まっています。芯、底板、金具、裏地。この四つを削ると軽くなりますが、同時に形が崩れて自立しなくなります。
肩紐の幅も削られます。細い紐は軽いのですが、重い荷物を入れると肩に食い込んで、結果的に重く感じます。
つまり「本体の軽さ」と「持ったときの軽さ」は別物です。紐が広くてクッションのあるバッグは、本体が重くても楽に感じます。数字だけを見て選ぶと、この落とし穴にはまります。
裏地がないバッグも要注意です。軽くはなりますが、中で鍵やペンが引っかかって生地を傷めます。薄くてもいいので裏地があるほうが、長く使うには有利です。
体感を決めているのは重心の位置
同じ重さでも、背中や体に近いほど軽く感じます。リュックが楽なのはこのためで、トートで重い荷物を持つと、重心が体から離れて腕にかかる負担が増えます。
重く感じにくくする入れ方
- 重いものは背中側・体に近い側へ
- 下のほうに寄せず、腰の高さに置く
- 左右に振り分けて偏らせない
- 中で動くと重心がずれるので仕切りで固定する
この入れ方を変えるだけで、同じバッグでも体感がかなり変わります。買い替える前に試す価値はあります。
特に効くのは「下に寄せない」ことです。重いものが底にあると、バッグ全体が下に引っ張られて肩から落ちようとします。腰の高さに重心が来るように入れると、支える力が少なくて済みます。
軽いバッグが早く壊れる場所
軽量バッグで最初に壊れるのは、持ち手の付け根です。生地が薄く、補強が少ないので、荷重が一点に集まって裂けます。
次がファスナーの端。左右に引っ張られる力が逃げず、金具が生地から外れます。
買うときに見るなら、持ち手の付け根に当て布か金具があるか。ここに補強があるものは、多少重くても長持ちします。
底の四隅も傷みやすい場所です。床に置くたびに擦れるので、四隅だけ別素材で補強されているものは設計した人が実用を分かっていると判断できます。
探すときの手がかり
検索するなら、重量の数字を条件に入れるのが確実です。「軽量」の語だけでは、実際に何グラムなのかが分かりません。
バッグを軽くするより中身を減らすほうが効く
本体で200グラム削るのは大変ですが、中身なら簡単に500グラム減ります。毎日持ち歩いているものを一度全部出してみると、一週間使わなかったものが必ず二つ三つ出てきます。
置いてきても困らないことが多いもの
- 予備の充電器(会社に一つ置いておけばいい)
- 読み終わった書類(その日のうちに処理する)
- 使っていない手帳やノート
- 折りたたみ傘(天気予報を見て判断する)
特に効くのが充電器です。会社と自宅に一つずつ置いておけば、持ち歩く必要がなくなります。これだけで200〜300グラム減ります。
水筒も重いのですが、これは健康面の利点があるので一概には言えません。500ミリリットルを350ミリリットルにするといった中間の解もあります。
軽いバッグを買う前に、この作業を一度やってみてください。買い替えずに解決してしまうことも珍しくありません。
ここは我慢がいる
軽いバッグは、置いたときの見た目が弱いです。芯がないので中身の形が出て、机の上でくたっとします。来客や商談の場に置くと、そこだけ生活感が出ます。
耐久性も正直に言えば劣ります。毎日詰め込んで3年使うと、生地の擦れと持ち手の伸びが目に見えて出ます。
だから僕は、軽量バッグは「消耗品として2〜3年で買い替えるもの」だと割り切っています。一生ものを求める買い方とは、根本的に相性が悪いです。
そのぶん価格帯は低いので、2〜3年で買い替えても総額では高級バッグ一つより安く収まることが多い。そう考えると、悪い選択ではありません。
あわせて読みたい
- 薄さで選ぶなら薄型ビジネスリュックの記事もどうぞ。
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素材で3年後の差を見るなら、ナイロンと本革の比較記事もあわせてどうぞ。
締めくくりに
パソコンを運ぶなら空0.6〜0.9キロが基準。軽すぎると形が崩れ、重すぎると中身が入りません。
体感の軽さは重心と肩紐の幅で決まります。入れ方を変えるだけでも変わります。
軽いものは持ち手の付け根から壊れます。2〜3年の消耗品と割り切ると納得しやすいです。
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