歯列矯正のマウスピース、歯ぎしり用のナイトガード、スポーツ用。いずれも毎日口に入れるのに、手入れの情報は驚くほど少ない。しかも間違った洗い方をすると、変形したり匂いが出たりします。この記事では、種類ごとの扱い方と、清潔に保つ方法を整理します。
マウスピースは3種類ある
目的が違うので、扱いも変わります。
| 種類 | 目的 | 装着時間 |
|---|---|---|
| 矯正用(アライナー) | 歯を動かす | 1日20時間以上 |
| ナイトガード | 歯ぎしり・食いしばりから歯を守る | 就寝中 |
| スポーツ用 | 衝撃から歯と顎を守る | 競技中 |
| ホワイトニング用 | 薬剤を歯に密着させる | 指定時間 |
装着時間が長いほど、汚れも溜まります。矯正用は1日20時間以上つけるので、手入れを怠るとすぐ匂いと着色が出ます。
ナイトガードは就寝中だけですが、睡眠中は唾液が減るので細菌が増えやすいという別の問題があります。
お湯で洗ってはいけない
最も多い失敗がこれです。清潔にしようとして、逆効果になります。
マウスピースの多くは樹脂でできており、熱で変形します。40度を超えるお湯で洗うと、わずかに形が変わって合わなくなることがあります。
矯正用の場合、形が変われば治療計画にも影響します。作り直しになれば費用も時間もかかる。
洗うときの原則
- 必ず水かぬるま湯(体温以下)で洗う
- 煮沸消毒は絶対にしない
- 食洗機に入れない。高温で変形する
- 熱湯消毒したくなる気持ちは分かるが、専用の洗浄剤を使う
歯磨き粉も使わないほうがいい
意外に知られていない注意点です。
多くの歯磨き粉には研磨剤が入っています。これでマウスピースを磨くと、表面に細かい傷がつく。
傷がつくと2つの問題が起きます。そこに細菌と着色が入り込み、透明なものは曇って見えます。そして一度曇ると、元には戻りません。
洗うときは、水と柔らかい歯ブラシで優しく。それ以上の洗浄が必要なら、マウスピース専用の洗浄剤を使ってください。
毎日の手入れの手順
難しいことはありません。外すたびにやるのが基本です。
外したらすぐやる3つ
- 水で流す。唾液と食べかすを落とす
- 柔らかい歯ブラシで、水だけで優しくこする
- 水気を切って乾かしてからケースに入れる
3つ目が見落とされがちです。濡れたままケースに入れると、その中で細菌が増えます。軽く拭くか、少し乾かしてからしまってください。
そして週に1〜2回、専用の洗浄剤でつけ置きする。毎日の水洗いだけでは落ちない汚れが蓄積するので、定期的なリセットが要ります。
匂いが出たときの原因
使っているうちに匂いが気になるのは、原因がはっきりしています。
| 原因 | 起きていること | 対処 |
|---|---|---|
| 洗浄不足 | 唾液のたんぱく質が付着して分解される | 毎日の水洗いと週1の洗浄剤 |
| 乾かさずに保管 | ケース内で細菌が増える | 乾かしてからしまう |
| ケースが汚れている | 本体を洗ってもケースから移る | ケースも洗う |
| 装着前に歯を磨いていない | 食べかすごと密閉している | つける前に歯磨き |
ケースを洗っていない人は多い。本体だけきれいにしても、汚れたケースに入れれば元に戻ります。ケースも週1回は洗ってください。
4つ目も重要です。矯正用の場合、食後に歯を磨かずに装着すると、食べかすを歯に密着させた状態で20時間過ごすことになります。虫歯のリスクが上がるので、ここは省けません。
着色を防ぐ
透明なマウスピースは、着色すると目立ちます。
| 着色しやすいもの | 対処 |
|---|---|
| コーヒー・紅茶 | 外して飲む。飲んだあとに口をすすぐ |
| カレー・ミートソース | 外して食べる |
| 赤ワイン | 同上 |
| 喫煙 | 着色が非常に強い。外しても影響がある |
矯正用マウスピースは、水以外を飲むときは外すのが原則です。色だけでなく、糖分が入り込むと虫歯のリスクも上がります。
水も、冷たすぎるものや熱いものは避けてください。熱いものは変形、冷たすぎるものは知覚過敏の原因になることがあります。
保管とトラブル対応
使っていないときの扱いも決めておくと安心です。
保管の原則
- 必ずケースに入れる。ティッシュに包むと捨てられる
- 高温になる場所に置かない。車内は特に危険
- ペットの届く場所に置かない。噛まれる事故が多い
- 予備のケースを持ち歩く。外食時に必要になる
1つ目は本当に多い事故です。ティッシュに包んでテーブルに置くと、ほぼ確実に捨てられます。外食のときは必ずケースを持参してください。
紛失や破損した場合は、自己判断で使い続けず早めに歯科に連絡してください。特に矯正用は、装着しない期間が長引くと後戻りが起きます。
交換の目安を知っておく
マウスピースは消耗品です。永久に使えるものではありません。
| 種類 | 交換の目安 | 劣化のサイン |
|---|---|---|
| 矯正用(アライナー) | 1〜2週間ごと(治療計画による) | 指示に従う |
| ナイトガード | 1〜3年 | 薄くなる・穴があく・変形 |
| スポーツ用 | 1シーズン〜1年 | 噛み跡が深い・割れ |
ナイトガードは、噛みしめの強い人ほど早く消耗します。穴があいた状態で使い続けても効果がありませんし、破片を飲み込むリスクもあります。
そして薄くなったものは、歯を守る役割を果たしていません。「まだ使える」と思っても、機能としては終わっていることがある。定期検診のときに見てもらうのが確実です。
ここが引っかかるなら見送る
この記事で扱える範囲を明確にしておきます。
| こういう場合 | 考え方 |
|---|---|
| 痛みがある・合わない感じがする | 歯科に相談。自分で削らない |
| 割れた・変形した | 使用を中止して連絡する |
| どの洗浄剤を使うべきか | 歯科の指示が最優先。製品によって指定がある |
| 矯正の効果や期間 | 個人差が大きい。担当医に確認する |
この記事は手入れの話であって、治療の話ではありません。矯正の内容や進み方については、必ず担当の歯科医に確認してください。
そして装着時間は、指示どおりに守るのを最優先にしてください。手入れをどれだけ丁寧にやっても、つけている時間が足りなければ結果は出ません。
費用の話も少しだけ。専用の洗浄剤は、1か月あたり数百円から千円程度で収まるものが多い。矯正費用の総額を考えれば、ここをケチる意味はありません。
そしてケースは複数持っておくと便利です。職場用と自宅用、それに鞄に入れっぱなしの予備。外食のときに「ケースがない」という状況を作らないのが、紛失を防ぐ最も確実な方法です。
あわせて読みたい
- 毎日の歯のケアは、歯間ケアの記事もどうぞ。
- 口臭対策なら、マウスウォッシュのレビュー記事もどうぞ。
- 着色が気になるなら、ステインケア歯磨き粉の記事もどうぞ。
読み終えたあとに
マウスピースはお湯で洗ってはいけません。樹脂なので熱で変形し、矯正用なら治療計画にも影響します。そして歯磨き粉も研磨剤で傷がつくので使わない。水と柔らかい歯ブラシが基本です。
外したらすぐ水で流し、乾かしてからケースへ。ケース自体も週1回は洗ってください。そして外食時はケースを持参すること。ティッシュに包むと、ほぼ確実に捨てられます。
※本記事はプロモーションを含みます

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