メンズ向けのスキンケアを何本か並べて全成分を見ると、同じ名前が繰り返し出てきます。グリチルリチン酸2K、あるいはグリチルリチン酸ジカリウム。
手元にある4ブランド149品の全成分を数えたところ、45品にこの成分が入っていました。そのうち35品では有効成分として使われています。なぜこれほど多いのかを整理します。
この記事でわかること
- グリチルリチン酸2Kがどこから来た成分か
- 有効成分として承認されている効能の範囲
- 同じ成分でも「有効成分」と「その他」で意味が違うこと
- 4ブランドでの配合状況
甘草から来た成分
グリチルリチン酸は、甘草(カンゾウ)という植物の根に含まれる成分です。漢方でも使われてきた歴史があり、化粧品や医薬部外品では扱いやすい形に加工して使われます。
表示名がいくつかあって紛らわしいので、先に整理します。
| 表示名 | 同じものか |
| グリチルリチン酸2K | 同じ |
| グリチルリチン酸ジカリウム | 同じ(医薬部外品ではこの書き方が多い) |
| グリチルリチン酸ジカリウム* | *は有効成分の印。医薬部外品の表示 |
| グリチルレチン酸ステアリル | 別の成分。油に溶けるタイプ |
最後の1つだけは別物です。グリチルレチン酸ステアリルは油溶性で、リップクリームや日焼け止めのような油分の多い製品に入ります。名前が似ているので混同しやすいところです。
承認されている効能の範囲
医薬部外品の有効成分として使われるとき、この成分が担うのは肌荒れを防ぐ方向です。
具体的には「肌あれ」「あれ性」「にきびを防ぐ」「かみそりまけを防ぐ」といった効能表示に使われます。髭剃りをする男性向けの製品に入りやすいのは、この「かみそりまけを防ぐ」が効いてくるからでしょう。
ここで大事なのは、治すのではなく防ぐという点です。いま出ているニキビをどうこうする成分ではありません。医薬品ではないので、そこは期待の範囲外になります。
入っていても効能を書けない製品がある
数えた45品のうち、有効成分として使われているのは35品。残り10品は化粧品として配合されています。
全成分から読めること
| 有効成分として(35品) | 医薬部外品。表示に「*」や「有効成分」の記載がある。「肌荒れを防ぐ」といった効能を表示できる |
| 化粧品として(10品) | 成分としては入っているが、承認を取っていないので効能の表示は付かない。資生堂メンの化粧水2本はこちらにあたる |
| 見分け方 | パッケージの「医薬部外品」表記と、成分表示に「有効成分」の欄があるかどうか。成分表を見るだけでは判断できない |
149品を走査した実測。同じ成分が入っていても、区分によって表示できることが変わる。
成分は各社公式の表示の表示による(化粧品と医薬部外品)
4ブランドでどう使われているか
| ブランド | 使われ方 |
| キュレル | 皮脂トラブルケアの洗顔・化粧水など。有効成分として |
| オルビス ミスター | 洗顔・化粧水・クリームの基本3品すべてで有効成分 |
| バルクオム | 薬用化粧水・ボディの2枠で有効成分 |
| 資生堂メン | 化粧水2本に配合。ただし化粧品なので効能表示は無し |
メンズ向けで採用が多い理由は、髭剃りという毎日の刺激があるからだと思います。剃った直後の肌荒れを防ぐ方向は、そのまま男性の悩みに重なります。
物足りない点と、期待しすぎないほうがいい範囲
この成分は「防ぐ」ための成分です。すでに炎症を起こしているニキビや、赤く腫れている状態には力不足でしょう。
それと、配合量は表示から読めません。医薬部外品の有効成分は承認された量が入っているはずですが、化粧品配合の場合は微量ということもありえます。入っているかどうかと、効くかどうかは別だという前提は要ります。
繰り返すニキビや慢性的な肌荒れなら、化粧品や医薬部外品で粘るより皮膚科で相談したほうが早いこともあります。
この成分が向く場面、向かない場面
効能の方向が「防ぐ」に限られているので、使いどころははっきりしています。
向いているのは、毎日の髭剃りで肌が荒れる人、季節の変わり目に赤みが出る人、マスクや衣類の擦れで荒れやすい人。どれも刺激が繰り返し入る場面で、荒れる前に手を打つ意味があります。
向いていないのは、すでに炎症が起きている状態と、乾燥そのものが原因の荒れ。後者は保湿の話なので、この成分を足しても方向が違います。
| 状況 | この成分が噛み合うか |
| 毎日髭を剃る | 噛み合う。「かみそりまけを防ぐ」の枠 |
| 繰り返すニキビ | 噛み合う。ただし出ているものには効かない |
| 乾燥で粉を吹く | 方向が違う。保湿を優先 |
| 赤く腫れている | 化粧品・医薬部外品の範囲外。皮膚科へ |
選ぶときの手順
まずパッケージで「医薬部外品」を確認する。次に有効成分の欄にこの成分の名前があるかを見る。この2つが揃って初めて、効能の表示を根拠にできます。
逆に、化粧品でこの成分名だけを見つけても、それは選ぶ決め手にはなりません。使用感や他の成分で判断することになります。
名前を見つけたら区分も見る
グリチルリチン酸2Kは、メンズコスメで最もよく使われている有効成分でした。肌荒れを防ぐ方向で承認されていて、髭剃りをする人の悩みと重なります。
ただし、入っていることと効能を表示できることは別です。スキンケア全体の組み立てについてはメンズ美容の基本ガイドにまとめてあります。
成分名を覚えることが目的ではありません。覚えておくと便利なのは、パッケージのどこを見れば根拠が分かるかのほう。「医薬部外品」の4文字と、有効成分の欄。この2つだけで、広告の言葉に振り回されずに済みます。
※本記事はプロモーションを含みます









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