粉っぽく温かい、乾いた木の香りです。出だしはカルダモンの涼しい明るさ、中盤は乾かしたタバコの葉の甘さと苦み、最後は樹脂と琥珀の温かさだけが肌に残ります。アルコールを使わない水性なので、タバコや樹脂という重い方向を職場でも使いたい人に向く1本。
19世紀のヨーロッパで、マカッサル油という整髪料が流行しました。椅子の背に油染みが付くのを防ぐため、専用のカバーまで作られたほどです。ビュリーのオー・トリプル マカサーは、その名を持つ香りです。
この記事でわかること
- マカサーの香りの正体(カルダモンとタバコと樹脂の、粉っぽく温かいウッディ)
- アルコールを使わない水性という作りと、持続が3〜4時間にとどまる理由
- 秋冬の夜と職場、噛み合う場面と外したい場面
- 75mLで23,210円という価格と、名入れまで含めた買い方
結論:粉っぽく温かいタバコを、水性でつける香り
総合評価:3.8 / 5.0 ★★★☆★
マカサーを一言でいうなら、乾かしたタバコの葉と樹脂を、粉っぽい温かさでまとめた香りです。カルダモンの明るい入口から始まり、重心が下がって肌の近くにとどまり、最後は琥珀の甘さが薄い膜のように残る。整髪油の名を持つ商品ですが、油っぽさではなく乾いた木の質感が中心にあります。
作りの核は、アルコールを使わない水性であることです。持続は3〜4時間と短めですが、つけ直しに刺激が伴わないぶん、回数で濃さを調整できます。拡散も穏やかなので、タバコと樹脂という重い方向でも職場へ持ち込める。価格は75mLで23,210円と高い部類に入る一方、香りの種類が変わっても値段は同じなので、選ぶ基準は香りだけに絞られます。
ビュリー オー・トリプル マカサーの基本情報
| ブランド | オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(1803年創業・2014年に復刻) |
| 商品名 | オー・トリプル マカサー |
| 容量 / 価格 | 75mL:23,210円 |
| 香調 | カルダモン、ブロンズタバコ、樹脂、琥珀(アンバー) |
| 系統 | パウダリー・ウッディ |
| 作り | アルコール不使用の水性(混和性水溶液) |
| 持続 | 3〜4時間が目安 |
| 題材 | 19世紀に流行した整髪料マカッサル油と、インドネシア・スラウェシ島の港町マカッサル |
マカッサルという地名
マカッサルはインドネシア・スラウェシ島の港町です。19世紀のヨーロッパでは、ここから来たとされる整髪油が大流行しました。
1803年創業のビュリーにとって、この名前は自分たちの時代の言葉でもあります。美容薬局として営業していた当時、マカッサル油は最先端の商品だった。
香りの中身が現地の産物というより、19世紀パリの美容文化を指していると読むほうが自然でしょう。
香りの変化:カルダモンの明るさから、樹脂の温かさへ
公式の説明は「カルダモンとブロンズタバコのタッチを添え、魅惑的な樹脂と琥珀の暖かみが輝きをもたらすパウダリーでウッディな香り」です。粉っぽさと乾いた木が中心にあるぶん、湿った空気より冷えて乾いた空気のほうが形をはっきり結びます。骨格は次の四つ。
| 原料 | 役割 |
|---|---|
| カルダモン | スパイス。柑橘に近い明るさも持つ |
| ブロンズタバコ | 乾いた葉。甘さと苦み |
| 樹脂 | 厚みと持続 |
| 琥珀(アンバー) | 温かさ。粉っぽい甘さ |
トップ:カルダモンが涼しい入口をつくる
先に前へ出るのはカルダモンです。スパイスでありながら柑橘に近い明るさを持つので、整髪油という名前から想像するより涼しい入口になります。粉っぽさはまだ奥にいて、輪郭だけが見えている状態。冷えた朝ほどこの明るさがきれいに出ます。
ミドル:タバコは葉巻の煙ではなく「乾かした葉」
中心がブロンズタバコへ移ります。ここでのタバコは葉巻の煙ではなく乾かした葉そのもので、干し草に近い甘さと裏側の苦みが同時に来る。明るさが引いたぶん重心が下がり、肌に近い高さでとどまります。好き嫌いが分かれるのはこの区間。
ラスト:樹脂と琥珀の温かさだけが残る
最後まで残るのは樹脂と琥珀の温かさです。粉っぽい甘さが薄い膜のように肌へ残り、そこで静かに終わります。輪郭が先にほどけて温度だけが残る消え方なので、外気が冷たい日ほど最後が長く感じられる。
水性香水という作り
オー・トリプルの特徴はアルコールを使っていないことです。香料は本来アルコールに溶かすもので、水には溶けません。公式は2年をかけて開発した混和性水溶液だと説明しています。そこを技術で解いた点が商品の核。
| 観点 | 一般的な香水 | オー・トリプル |
|---|---|---|
| 溶媒 | アルコール | 水 |
| つけた瞬間 | アルコールのツンとした刺激 | 刺激がなく、最初から香りが立つ |
| 肌への負担 | 乾燥を感じることがある | 刺激が出にくい |
| 持続 | 5〜8時間ほど | 短い。3〜4時間が目安 |
アルコールは香りを飛ばす力も持っています。それが無いぶん、拡散と持続では不利になる。肌へのやさしさと引き換えに持ちを捨てている、というのがこの香水の設計です。
つけ方と付き合い方
一般的な香水は最初の数十秒がアルコールの匂いに支配されるので、人前でつけ直しにくい。この香水にその制約はありません。持ちの短さを回数で補えるのは水性の利点です。
持ちの短さと付き合う
- 朝と昼の2回に分けてつける
- 拡散が穏やかなので、首すじなど上半身でも失礼になりにくい
- 服より肌のほうが本来の出方をする
すれ違いざまに気づかせる種類の香りではありません。近い距離にいる人にだけ届く、と考えておくと期待を外しません。
使う場面
季節と時間帯で、同じ量でも印象が変わります。
| 場面 | 向き | 理由 |
|---|---|---|
| 秋冬の夜 | ◎ | 樹脂と琥珀が整う |
| きちんとした席 | ◎ | 重心が低く大人びる |
| 職場 | ○ | 水性で拡散が穏やか |
| 夏の日中 | △ | 汗と混ざると甘さが立つ |
いちばん噛み合うのは、空気が冷えて乾く時期の夜です。暖まった室内だと甘さのほうが勝ち、冷たい外気では輪郭が立つ。上着を着る季節なら、襟に移すのではなく内側の首すじへ。肌の温度で持ち上げたほうが、樹脂の温かさまで素直に出ます。
夏の日中を外したい理由もはっきりしています。汗と混ざると粉っぽい甘さだけが前へ出て、乾いた木の質感が引っ込む。暑い時期は昼のつけ直しを控え、朝の一回にとどめるのが無難です。
アルコールを使う香水でタバコや樹脂を選ぶと、閉じた空間で持て余すことがあります。水性で拡散が穏やかなぶん、この方向でも職場へ持ち込める。席が詰まる日だけ量を減らせば十分です。
このブランドのこと
オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーは、1803年のパリで生まれた美容薬局を2014年に復刻したブランドです。創業者ジャン=ヴァンサン・ビュリーの名前と処方を引き継ぎ、内装から包装まで19世紀の意匠で統一しています。
引っかかるところ
持続が短いのは避けようがありません。アルコールを使わない以上、構造的な制約です。
価格も安くない。75mLで23,210円は、同容量の一般的な香水と比べても高い部類に入ります。
拡散も穏やかです。香りで存在を主張したい人には向きません。
試せる場所も限られます。国内の売り場は数が少なく、地方だと現物に触れる機会がほぼありません。水性香水は比較対象そのものが少ないジャンルなので、想像で買うことになりがちです。
タバコと樹脂は好みが割れます。甘さと苦みが同時に来るので、すっきりした香りを求める人には向きません。
ここまでの短所は、そのまま裏返せます。持続が短いぶん、刺激なしでつけ直して濃さを自分で決められる。拡散が穏やかだから、タバコと樹脂という重い方向でも席が詰まる場所へ持ち込めます。好みが割れる香りは、その分ハマった人にとって代わりが見つかりにくい。数を売る香りではなく、合う人が長く使う香りです。
どの容量を買うか
日本では公式オンラインと直営店で買えます。国内に路面店と百貨店の売り場があります。
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 75mL | 23,210円 |
オー・トリプルは香りの種類にかかわらず同じ価格です。選ぶ基準が値段ではなく香りだけになるので、そこは分かりやすい。
| 買う場所 | 価格 | 注意 |
|---|---|---|
| 直営店・公式 | 定価 | 試してから買える。名入れにも対応 |
| 百貨店の売り場 | 定価 | 取扱店舗は限られる |
| 通販の転売品 | 上下する | 保管状態が読めない |
ビュリーには、ボトルにカリグラフィーで名入れをするサービスがあります。店頭でその場で書いてもらう形で、贈り物にする人が多い。同じ価格でも、この一手間があるかどうかで買い物の性格が変わります。
買う前に確かめる
2万3千円を超える買い物になります。しかも水性香水は数が少なく、比較対象を持っている人のほうが稀です。少量から試す方法を持っておくと、この価格帯でも踏み出しやすくなります。
あわせて読みたい
- 水性香水の使用感を知りたいなら、ベルカンヌを実際に使ったレビューもどうぞ。
- 同じブランドのビュリー ウード・ドゥ・メディンヌ、サフランとバラのウードもどうぞ。
まとめ:水性だから職場にも置ける、粉っぽいタバコの1本
マカサーは、19世紀の整髪油の記憶を持つ名前の香りです。カルダモンとタバコと樹脂で、粉っぽく温かい方向にまとめられています。
重い方向でありながら水性なので、閉じた空間でも持て余しにくい。そこが一般的なタバコ系との違いになります。
向くのは、乾いた葉と樹脂の温かさを、近い距離だけで楽しみたい人です。すれ違いざまに気づかせる力はありませんが、そのぶん席が詰まる場所でも使えます。空気が冷えて乾く時期の夜がいちばん噛み合い、暑い時期は朝の一回にとどめるのが無難。
価格は75mLで23,210円と軽くありません。ただしオー・トリプルは香りの種類が変わっても同じ値段で、選ぶ基準は香りだけに絞られる。売り場が限られていて現物に触れにくいぶん、少量から試す方法を用意してから決めたい。想像だけで踏み切るより、確かめてから決めたほうが結局は安く付きます。
このブランドを一覧で見るならビュリーの選び方へ。
オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー オー・トリプル マカサーに近い方向で探すなら
この香りが気に入ったなら、次に試す候補も挙げておきます。同じ香りではありません。価格も方向も違うので、どこが近くてどこが違うかを先に書きます。
| 銘柄 | 価格の目安 | 近いところ | 違うところ |
|---|---|---|---|
| SHIRO ボン ウッド | 11,203円〜 | 同じウッディの方向 | シダーが入り、乾いた木の芯が通る |
| ル ラボ ヴァニラ44 | 22,990円〜 | アンバーが重なる | インセンスが入り、香の煙が混じる |
| ボーントゥスタンドアウト DIRTY RICE | 33,000円〜 | 同じウッディの方向 | アーモンドが入り、ナッツの甘さが出る |
香りは重ねる相手でも印象が変わります。手持ちと並べて、いちばん出番が無さそうな方向を埋めるのが結局いちばん使えます。
※本記事はプロモーションを含みます

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