クリード アバントゥス コロンは、柑橘に塩気を効かせた明るい香りです。ベルガモットとマンダリンで軽く立ち上がり、ジンジャーとパイナップルの層を抜けて、ムスクとパチュリ、バーチの土台へ落ちていきます。本家アバントゥスの重さが苦手だった人に向く一本です。
アバントゥスの名前が付いた別の香りです。まったく違うものだと説明されることが多いのですが、公式の原料表を並べると、実際にはかなり近い。違いは足されたものにあります。
この記事でわかること
- 本家アバントゥスとの違いは足された3つ(マンダリン・塩気のある海の層・ジンジャー)
- 国内の価格帯と、容量ごとの選び分け
- 正規と並行輸入で何が変わるか、偽造品を避ける目安
- 買う前に知っておきたい弱いところ
結論:本家を軽くした、塩気のあるアバントゥス
骨格は本家アバントゥスとほとんど同じです。ベースは3つとも同一で、ミドルもパイナップルの層とピンクペッパーが重なる。そこへマンダリン、塩気のある海の層、ジンジャーが足されて、全体が軽く明るいほうへ寄りました。まったくの別物ではなく、本家を軽くした側の一本と考えるほうが近い。
向く人ははっきりしています。本家の重さが苦手だった人、日中に軽く使いたい人。逆に本家の煙たさが目当てなら物足りません。価格は3万円台からで、名前だけで選ぶと落胆しやすい香りでもあります。だからこそ、嗅いでから決めたい。
総合評価:3.4 / 5.0 ★★★★★
クリード アバントゥス コロンの基本情報
| ブランド | クリード |
| 商品名 | クリード アバントゥス コロン |
| 容量 | 50mL / 100mL / 240mL / 500mL / 1000mL(240mL以上は詰め替え用) |
| 価格帯 | 3万円台〜6万円台が中心(50mLで4万円前後、100mLで5万円台) |
| 香調 | トップ:カラブリア産ベルガモット・マンダリン・塩気のある海の層 / ミドル:ジンジャー・パイナップルの層・ピンクペッパー / ベース:ムスクの層・パチュリ・バーチ |
| 公式の説明 | 明るく切れがあり、活力を与える香り |
| 日本での取扱 | 2023年8月に新宿伊勢丹で再上陸。国内代理店はインターモード川辺 |
本家アバントゥスと何が違うか
公式が公開している原料はこの通りです。
| 公式が挙げている原料 | |
|---|---|
| トップ | カラブリア産ベルガモット・マンダリン・塩気のある海の層 |
| ミドル | ジンジャー・パイナップルの層・ピンクペッパー |
| ベース | ムスクの層・パチュリ・バーチ |
香水の原料は、調べる先によって答えが変わります。リニューアル前の記述が生き残り、それを写した記事がさらに増えるため。ここではブランドが現在出している内容に合わせています。
公式は、明るく切れがあり活力を与える香りだと説明しています。カラブリア産ベルガモット、ジンジャー、柔らかいムスクの層を組み合わせた、と。
本家と並べると、共通している部分の多さが分かります。
| アバントゥス | アバントゥス コロン | |
|---|---|---|
| トップ | カラブリア産ベルガモット・シチリア産レモン・カシス | カラブリア産ベルガモット・マンダリン・塩気のある海の層 |
| ミドル | パイナップルの層・ピンクペッパー | ジンジャー・パイナップルの層・ピンクペッパー |
| ベース | バーチ・パチュリ・ムスクの層 | ムスクの層・パチュリ・バーチ |

ベースは3つとも同じで、ミドルもパイナップルとピンクペッパーが共通しています。つまり骨格は本家と同じもので、そこにマンダリン、塩気のある海の層、ジンジャーが加わった形です。
本家との違いを「パイナップルとバーチが無い」と説明する記述を見かけますが、公式の原料表ではどちらも入っています。実際の違いは、加えられた塩気とジンジャーによって全体が軽く明るいほうへ寄っていることです。
本家が重すぎた人には、こちらが合う可能性があります。逆に本家の煙たさが目当てなら、こちらは物足りません。
いくらで買えるか
公式が出している容量はこの通りです。
| 容量 | 使いどころ |
|---|---|
| 50mL | 日常の主軸 |
| 100mL | 定番として使い込む |
| 240mL | 詰め替え用の大容量 |
| 500mL | 詰め替え用の大容量 |
| 1000mL | 業務用に近い大容量 |
大容量は詰め替え用のボトルで、スプレーが付きません。使い続けると決めた香りに移るときの選択肢です。まず1本目を選ぶ段階なら、スプレー付きの容量から。
クリードは日本で買うと高いブランドです。正規の取扱では、容量にもよりますが3万円台から6万円台が中心の帯になります。50mLで4万円前後、100mLで5万円台という見当をしておくと大きくは外れません。香水としては最上位の価格帯で、ニッチ系と呼ばれるブランドの中でも高いほうに入ります。
この家の歴史をどう見るか
クリードは公式の説明によれば1760年にロンドンで始まった家の名前です。もともとは仕立て屋で、手袋に香りを移す仕事から香水へ移っていったとされています。現在まで一族が経営を続けてきたことを掲げていて、そこがこのブランドの語り方の中心になっています。
ただしこの歴史については異論もあります。香水を本格的に作り始めたのは20世紀後半からではないか、という指摘が香水研究の側から出ている。買う前に知っておいて損はない話です。香り自体の質と、掲げている物語は別のものとして見たほうがいい。
作りそのものは評価が定まっています。天然原料の比率が高く、同じ名前の香りでも製造ロットによって微妙に違う。工業製品として完全に均一ではないところを、欠点と取るか個性と取るかで評価が割れます。
吹き付け方
クリードは香料の濃度が高く、少量で足ります。普段どおりの感覚で3プッシュも4プッシュも使うと、確実に多すぎます。
つける量と場所
- 1〜2プッシュから始める。足りなければ次の日に増やす
- 首すじ・耳の後ろ:人に届きやすい。仕事の場では控えめに
- 手首・肘の内側:動くたびに立ち上がる
- 腰まわり・膝の裏:下から穏やかに上がってくる。量を間違えにくい
つけた直後の30分は、自分でも強く感じます。そこで判断せず、1時間後の残り方で量を決めるといい。
香りが弱いと感じたときに足すのは、たいてい間違いです。人は自分の匂いに数分で慣れるので、自分に届かなくなった時点でも周りにはまだ届いています。「弱くなった気がする」で足していくと、外から見た量は倍になっている。自分の鼻を基準にしないことが、この価格帯の香水では特に大事になります。
肌が乾いていると持ちが落ちます。無香料のクリームを薄く塗ってからつけると、同じ量でも残り方が変わる。量を増やす前に、こちらを試したほうが安全です。
持続は香りによって差が大きい。柑橘が主役のものは3〜4時間で輪郭がぼやけ、木や樹脂が土台にあるものは半日以上残ります。外出前に一度だけつけて持たせたいなら、後者を選んだほうが現実的です。
弱いところも書いておく
まず値段です。3万円を超える買い物になるので、香りが合わなかったときの損失が大きい。この価格帯は「なんとなく良さそう」で買っていい額ではありません。
試せる場所が限られます。国内の正規取扱は都市部の百貨店が中心で、地方だと現物を嗅がずに買うことになりがちです。香水を嗅がずに買うのは、本来いちばん避けたい買い方になります。
名前による誤解が最大の問題です。本家を期待して買った人の落胆が、そのままこの香りの評価を下げている面があります。
コロンと名乗る通り軽いので、持続は短めです。本家と同じ感覚で使うと物足りません。
買う場所が決まったなら、あとは選ぶだけです。
国内流通の状況
クリードは2023年8月に新宿伊勢丹で日本へ再上陸しました。国内の代理店はインターモード川辺で、正規品はここを通ったものになります。ただし取扱店はごく限られていて、地方では現物に触れる機会がほとんどありません。
そのため、日本で流通しているクリードの多くは並行輸入品です。個人や業者が海外から仕入れたもので、これ自体は違法ではない。ただ、正規と並行では扱いが変わります。
| 正規(伊勢丹など) | 並行輸入 | |
|---|---|---|
| 価格 | 定価。3〜6万円台 | 2〜4割安いことが多い |
| 保証 | 国内の窓口がある | 販売店ごと |
| 保管 | 管理されている | 経路が読めない |
| 刻印サービス | 受けられる | 対象外 |
価格差は小さくありません。ただし香水は熱と光で変わるので、輸送と保管の経路が読めないことは実質的なリスクです。極端に安いものには理由があると考えたほうがいい。
偽造品も存在します。クリードは世界的に模造の多いブランドで、ボトルの作り込みまで似せたものが出回っています。定価の半額を大きく下回るような値付けは、まず疑ってかかったほうがいい。
嗅がずに買わない
4万円前後の買い物です。しかも国内で試せる場所が限られている。この2つが重なると、嗅がずに買って外す確率が上がります。少量から試す手段を持っておくと、失敗したときの損失が桁で変わります。
あわせて読みたい
- クリードで最初に名前が挙がる1本を知りたいなら、クリード アバントゥスの徹底検証もどうぞ。
- 同じブランドのクリード ウィンド フラワーズの香りもどうぞ。
まとめ:名前で選ばず、軽さで選ぶ一本
アバントゥス コロンは、本家と骨格を共有しながら軽さに振った香りです。ベースは3つとも同じで、そこへマンダリンと塩気のある海の層、ジンジャーが加わっている。本家が重いと感じた人ほど、こちらのほうが日常に置きやすい。
逆に、本家の煙たさを期待して買うと落胆します。名前は同じでも狙いが別で、その誤解がこの香りの評価を下げてきました。並べて嗅いでから決められるなら、外す確率はかなり下がります。
クリード アバントゥス コロン は4万円前後の買い物になります。国内で試せる場所が限られるぶん、嗅がずに買う人が多い香りです。
少量から試す手段を先に確保しておくと、合わなかったときの損失が小さくなります。
※本記事はプロモーションを含みます

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