シチリア産レモンとベルガモット、青リンゴが鮮やかに立ち上がり、中盤でブルガリアンローズが芯を通してくる香りです。終盤に残るのはパチュリとバーチ、ムスクで、パイナップルの甘さは果実より花の方向へ引っ張られていきます。名前のとおり本家アバントゥスと土台を共有しているので、あの系統が好きで、なおかつバラが平気な人に向く一本。
アバントゥスの名前が付いた女性向けの香りです。まったく別物だと説明されることが多いのですが、公式の原料表を並べると、実際には共通している部分がかなりあります。
この記事でわかること
- 本家アバントゥスとどこが同じで、どこが違うのか
- 容量の選び分けと、日本での価格の目安
- 正規と並行輸入で変わること(価格・保証・保管)
- つける量と場所、贈り物に選ぶときの注意
結論:土台は本家と同じ、方向を変えるのはローズ
本家とはまったく別物だと説明されがちな香りですが、公式の原料表を並べるとベースは3つとも同じです。ミドルもパイナップルとピンクペッパーが重なり、土台はほぼ共通。差を作っているのは、あとから加わったブルガリアンローズと青リンゴのほうになります。
そのローズが効くぶん、名前から本家の女性版を思い浮かべると印象が変わります。バラが苦手なら中盤で引っかかるはずで、そこは買う前に知っておいたほうがいい。逆に本家の骨格が好きでバラも平気なら、ペアで使っても喧嘩しにくい相手になります。
総合評価:3.3 / 5.0 ★★★★★
クリード アバントゥス フォーハーの基本情報
| ブランド | クリード(国内の正規代理店はインターモード川辺) |
| 商品名 | アバントゥス フォーハー |
| 香調(公式) | トップ:シチリア産レモン・カラブリア産ベルガモット・青リンゴ / ミドル:ブルガリアンローズ・ピンクペッパー・パイナップル / ベース:パチュリ・バーチ・ムスク |
| 容量 | 30mL・75mL・240mL・500mL・1000mL(240mL以上は詰め替え用でスプレーなし) |
| 価格の目安 | 正規の取扱で3万円台〜6万円台が中心 |
| 日本での取扱 | 2023年8月に新宿伊勢丹で再上陸。取扱店はごく限られる |
男性向けアバントゥスとの関係
公式が公開している原料はこの通りです。
| 公式が挙げている原料 | |
|---|---|
| トップ | シチリア産レモン・カラブリア産ベルガモット・青リンゴの層 |
| ミドル | ブルガリアンローズ・ピンクペッパー・パイナップルの層 |
| ベース | パチュリ・バーチ・ムスクの層 |
香水の紹介記事には、公式と違う原料が書かれていることがあります。古い処方の情報がそのまま引き継がれていたり、他の媒体の記述が写されていたりするためです。ここに載せているのは公式が現在公開している内容です。
公式は、力を与える鮮やかな香りで、シチリアのレモンとブルガリアンローズ、パチュリで現代的な個性を表現したと説明しています。
| アバントゥス | アバントゥス フォーハー | |
|---|---|---|
| トップ | カラブリア産ベルガモット・シチリア産レモン・カシス | シチリア産レモン・カラブリア産ベルガモット・青リンゴの層 |
| ミドル | パイナップルの層・ピンクペッパー | ブルガリアンローズ・ピンクペッパー・パイナップルの層 |
| ベース | バーチ・パチュリ・ムスクの層 | パチュリ・バーチ・ムスクの層 |

ベースは3つとも同じです。ミドルもパイナップルとピンクペッパーが共通しています。つまり骨格は本家と同じもので、そこにブルガリアンローズと青リンゴが加わった形になっている。
違いを作っているのはローズです。本家にはない花が中盤に入ることで、パイナップルの甘さが果実ではなく花の方向へ引っ張られます。
ペアで使う想定なら、同じ土台を共有しているぶん喧嘩しにくい組み合わせではあります。ただし同じ香りに揃うわけではありません。
容量と価格の目安
公式が出している容量はこの通りです。
| 容量 | 使いどころ |
|---|---|
| 30mL | 試す・持ち歩く |
| 75mL | 日常の主軸 |
| 240mL | 詰め替え用の大容量 |
| 500mL | 詰め替え用の大容量 |
| 1000mL | 業務用に近い大容量 |
大容量は詰め替え用のボトルで、スプレーが付きません。使い続けると決めた香りに移るときの選択肢です。まず1本目を選ぶ段階なら、スプレー付きの容量から。
クリードは日本で買うと高いブランドです。正規の取扱では、容量にもよりますが3万円台から6万円台が中心の帯になります。50mLで4万円前後、100mLで5万円台という見当をしておくと大きくは外れません。香水としては最上位の価格帯で、ニッチ系と呼ばれるブランドの中でも高いほうに入ります。
贈り物として考えるなら
香水を贈り物にするのは、本来かなり難しい選択です。身につけるものの中でも好みの幅が狭く、しかも受け取った側は合わなくても言い出しにくい。
贈る前に確かめておくこと
- 普段どんな香りを使っているか。系統が分かれば外しにくい
- 香水を日常的に使う人か。使わない人に贈ると置物になる
- 職場で香りを制限されていないか。医療や飲食では使えないことがある
- 容量は小さめでいい。30mLでも使い切るには1年以上かかる
クリードを贈り物に選ぶ理由があるとすれば、箱とボトルの作りがしっかりしていることです。正規で買えば刻印を入れられる場合もあり、そこは既製品との差になります。
ただし価格が価格なので、関係によっては相手を困らせます。4万円の香水を受け取ると、返礼を考えさせてしまう。贈る相手との距離を、香りの好み以上に先に考えたほうがいい。
日本で買うときに知っておくこと
クリードは2023年8月に新宿伊勢丹で日本へ再上陸しました。国内の代理店はインターモード川辺で、正規品はここを通ったものになります。ただし取扱店はごく限られていて、地方では現物に触れる機会がほとんどありません。
そのため、日本で流通しているクリードの多くは並行輸入品です。個人や業者が海外から仕入れたもので、これ自体は違法ではない。ただ、正規と並行では扱いが変わります。
| 正規(伊勢丹など) | 並行輸入 | |
|---|---|---|
| 価格 | 定価。3〜6万円台 | 2〜4割安いことが多い |
| 保証 | 国内の窓口がある | 販売店ごと |
| 保管 | 管理されている | 経路が読めない |
| 刻印サービス | 受けられる | 対象外 |
価格差は小さくありません。ただし香水は熱と光で変わるので、輸送と保管の経路が読めないことは実質的なリスクです。極端に安いものには理由があると考えたほうがいい。
偽造品も存在します。クリードは世界的に模造の多いブランドで、ボトルの作り込みまで似せたものが出回っています。定価の半額を大きく下回るような値付けは、まず疑ってかかったほうがいい。
つけ方ともち
クリードは香料の濃度が高く、少量で足ります。普段どおりの感覚で3プッシュも4プッシュも使うと、確実に多すぎます。
つける量と場所
- 1〜2プッシュから始める。足りなければ次の日に増やす
- 首すじ・耳の後ろ:人に届きやすい。仕事の場では控えめに
- 手首・肘の内側:動くたびに立ち上がる
- 腰まわり・膝の裏:下から穏やかに上がってくる。量を間違えにくい
つけた直後の30分は、自分でも強く感じます。そこで判断せず、1時間後の残り方で量を決めるといい。
香りが弱いと感じたときに足すのは、たいてい間違いです。人は自分の匂いに数分で慣れるので、自分に届かなくなった時点でも周りにはまだ届いています。「弱くなった気がする」で足していくと、外から見た量は倍になっている。自分の鼻を基準にしないことが、この価格帯の香水では特に大事になります。
肌が乾いていると持ちが落ちます。無香料のクリームを薄く塗ってからつけると、同じ量でも残り方が変わる。量を増やす前に、こちらを試したほうが安全です。
持続は香りによって差が大きい。柑橘が主役のものは3〜4時間で輪郭がぼやけ、木や樹脂が土台にあるものは半日以上残ります。外出前に一度だけつけて持たせたいなら、後者を選んだほうが現実的です。
惜しいところ
まず値段です。3万円を超える買い物になるので、香りが合わなかったときの損失が大きい。この価格帯は「なんとなく良さそう」で買っていい額ではありません。
試せる場所が限られます。国内の正規取扱は都市部の百貨店が中心で、地方だと現物を嗅がずに買うことになりがちです。香水を嗅がずに買うのは、本来いちばん避けたい買い方になります。
ロット差もあります。天然原料の比率が高いぶん、同じ名前でも製造時期で印象が変わることがある。「前に買ったものと違う」という声が出るのは、この作りの裏返しです。
名前から「アバントゥスの女性版」を期待すると、ローズの存在で印象が変わります。
ローズが苦手な人には向きません。中盤ではっきりバラが出ます。
買う前に試す
4万円前後の買い物です。しかも国内で試せる場所が限られている。この2つが重なると、嗅がずに買って外す確率が上がります。少量から試す手段を持っておくと、失敗したときの損失が桁で変わります。
あわせて読みたい
- クリードで最初に名前が挙がる1本を知りたいなら、クリード アバントゥスの徹底検証もどうぞ。
- 同じブランドのクリード ロイヤル ウォーターの香りもどうぞ。
まとめ:本家の骨格が好きで、バラが平気な人へ
香りの中身をもう一度並べると、ベースは本家と3つとも同じで、方向を変えているのは中盤のブルガリアンローズだけです。だからバラが苦手な人には合いません。そこさえ引っかからなければ、本家の系統をそのまま持ち込める一本。
買い方の面では、正規と並行輸入で価格・保証・保管が変わります。安さだけで選ぶと、輸送と保管の経路が読めない部分を引き受けることになる。まずは少量を肌に乗せて、それから容量を決める順番が堅い。
クリード アバントゥス フォーハー は4万円前後です。国内で現物に触れる機会が少ないぶん、嗅がずに買う人が多い香りになります。
贈り物にするなら、相手の好みを確かめる手段を先に持っておくほうが確実です。
※本記事はプロモーションを含みます

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