湿り気のない、乾いたウードです。出だしはブラック ペッパーの粗い辛さ、中盤はシダーウッドの骨格に土と煙のシプリオールが重なり、最後はラブダナムとなめした革が残り火のように居座ります。ウードは重くて苦手だと構えてきた人にこそ向く1本。
ウードを使った香水は、たいてい重い。中東発の濃厚な香りという印象を持っている人も多いはずです。マルジェラのアンダー ザ スターズは、そのウードをレプリカの文脈に持ち込んだ一本になります。僕はこれを持っていないので、公式が公開している原料構成から読み取れることを整理します。
この記事でわかること
- アンダー ザ スターズの香りの正体(乾いたウードと革)
- 「ナミビア, 2022」という表記が指しているもの
- 重い原料が並ぶのに息が詰まらない理由
- 30mLと100mL、どちらから入るか
結論:アンダー ザ スターズは「重くならないウード」
総合評価:4.3 / 5.0 ★★★★☆
| 香りの良さ | ★★★★★ | 乾いた夜の砂漠を一本に収めた設計 |
| ユニセックス度 | ★★★★★ | 性別より気温と時間帯で決まる香り |
| 持続時間 | ★★★★★ | 樹脂と革が最後まで居座る |
| 被りにくさ | ★★★★★ | アフリカが舞台のレプリカは珍しい |
アンダー ザ スターズを一言で言うなら、湿度を抜いたウードです。ウードとラブダナムとレザーという重い原料が並ぶのに、息が詰まらない。飛びやすいスパイスが入口を軽くしていることと、舞台が砂漠、つまり湿度のない場所であることが効いています。
好みが割れる原料であることは変わりません。ただ、割れる香りだからこそ、合った人には代わりが見つかりにくい。使える季節が秋冬の夜に寄るのも、その時期の主役を一本だけ決めたい人には都合がいい。まず30mLで様子を見る、という入り方が現実的でしょう。
アンダー ザ スターズの基本情報:香調と舞台
| ブランド | メゾン マルジェラ(レプリカ) |
| 商品名 | レプリカ アンダー ザ スターズ |
| 容量 / 価格 | 30mL:12,210円 / 100mL:24,970円 |
| 香調 | ウッディーアンバー |
| 主要な原料 | ウード インフュージョン、ラブダナム レジノイド、レザー アコード、ブラック ペッパー |
| 題材 | ナミビア、2022年(ナミブ砂漠の夜) |
| 公式の説明 | ウードの幻想と乾いたレザーの香り |
香調はウッディーアンバー。説明は「ウードの幻想と乾いたレザーの香り」です。舞台はアフリカ南西部のナミビア、年号は2022年。レプリカの中では新しい部類に入ります。
公式の描写に出てくるのは、満天の星空、暖かい風、砂の海、薪の燃えさし、揺らめく残り火。昼の砂漠ではなく夜の砂漠です。日中に熱せられた砂が夜に冷えていく、あの時間帯を狙っています。
「ナミビア, 2022」の意味:ナミブ砂漠と再現の年
| 表記 | 指しているもの |
|---|---|
| ナミビア | アフリカ南西部。世界最古とされるナミブ砂漠がある |
| 2022 | 再現の対象になった年 |
| ウード | 沈香。樹木が傷を負ったときに作る樹脂が原料 |
レプリカがアフリカを舞台にすることはあまりありません。ヨーロッパの都市が中心のシリーズにおいて、砂漠という選択は異質です。それだけこの香りが、他のレプリカとは別の場所を狙っていることになります。
香りの変化:スパイスの熱から、樹脂と革へ
| 段階 | 原料 | 役割 |
|---|---|---|
| 最初 | ブラック ペッパー、シナモン リーフ | 乾いた刺激。砂の熱に当たる |
| 中盤 | シプリオール、バージニア シダーウッド | 木の骨格。土っぽさもここ |
| 最後 | ラブダナム、ウード、レザー | 樹脂と革。残り火の部分 |

公式が主要な香りとして挙げるのはウード インフュージョン・ラブダナム レジノイド・レザー アコード・ブラック ペッパーの4つ。肌の上ではこの並びの逆で、ブラック ペッパーの乾いた刺激から始まり、砂の熱が引いた後の残り火のような樹脂と革に着地します。
トップ:ブラック ペッパーが甘さより先に乾きを出す
入口はブラック ペッパーとシナモン リーフ。粗い粒の辛さが鼻先で弾けて、甘さより先に乾きが来ます。日中に熱せられた砂が、熱を手放しはじめる側の温度。スパイスは軽いぶん、この明るさは長く居座りません。
ミドル:シダーウッドの骨格に、土と煙のシプリオール
刺激が薄れたあとに骨格として残るのがバージニア シダーウッドで、そこへシプリオールが重なります。インドの草の根から採るこの原料は土と煙の中間のような匂いで、木の乾いた輪郭に地面のざらつきを足す役目。ここで香りは明から暗へ移ります。
ラスト:ラブダナムとウード、なめした革の残り火
最後まで居座るのはラブダナムとレザー、そしてウードです。ラブダナムはシスタスから採る樹脂で、琥珀のような甘さと革のニュアンスを同時に持つ。そこへなめした革の乾いた質感が重なります。ウードは沈香とも呼ばれ、天然のものは金より高価とされるほど得がたい素材。公式が挙げる薪の燃えさしや揺らめく残り火は、この層のことでしょう。
息が詰まらない理由:スパイスと湿度のない舞台
ウードとラブダナムとレザーが重なれば、普通は濃厚で息苦しい香りになります。中東系の香水が日本で敬遠されがちなのはこの重さのためです。
逃げ道は2つ。飛びやすいスパイスが入口を軽くしていることと、舞台が砂漠、つまり湿度のない場所であること。湿った甘さではなく乾いた甘さで、重心が低いのに息が詰まらないのは、この明暗の配分によるものです。
向く場面
使いどころは気温と時間帯でだいたい決まります。日が落ちて空気が冷えたあと、ウールのコートやジャケットに袖を通す季節がいちばん素直。樹脂と革の重心は、暖房の効いた室内より、外気に触れる場面のほうが景色と噛み合います。
| 場面 | 向き | 理由 |
|---|---|---|
| 秋冬の夜 | ◎ | 樹脂系は気温が低いほど整って出る |
| フォーマルな席 | ○ | 重心が低く、大人びて働く |
| 職場 | △ | ウードは好みが割れる。量の管理が要る |
| 真夏の日中 | × | 汗と混ざると重さが際立つ |
逆に真夏の日中は避けたほうが無難。汗の湿り気が加わると、乾いていたはずの樹脂が肌に貼りついてしまう。職場なら朝に一度だけ、腰から下に置く程度の量に留めます。
つけ方の目安
- 1プッシュで十分。ウード系は増やすと一気に飽和する
- 首すじより腰から下のほうが穏やかに出る
- 狭い室内では時間を置いてから移動する
レプリカの他の重い香りと比べる
| 銘柄 | 重心 | 質感 |
|---|---|---|
| アンダー ザ スターズ | ウードと革 | 乾いた夜。砂漠 |
| バイ ザ ファイヤープレイス | 栗とバニラ | 甘い室内。暖炉 |
| ジャズ クラブ | ラム酒とタバコ | 人工的な夜。酒場 |
3本とも夜向きですが、甘さの出方が違います。バイ ザ ファイヤープレイスがいちばん甘く、アンダー ザ スターズがいちばん乾いている。この違いは、そのまま好みの分かれ目になります。
引っかかるところ
ウードは香りの好みがはっきり割れる原料です。慣れていない人には薬品のように感じられることもあり、万人向けとは言えません。
季節も限られます。真夏に使うと汗と混ざって重さだけが残る場面が出てきます。
もうひとつ、レプリカの中では性格が浮いています。日常の場面を写すというシリーズの方向に対して、この香りは非日常を扱っている。レプリカらしさを期待して買うと、想像と違うと感じるかもしれません。
どれも裏返せば、向く人がはっきりしているということでもあります。好みが割れる原料だからこそ、ハマった人には他で代えが利かない。季節が秋冬の夜に寄るぶん、その時期の主役を一本だけ決めたい人には迷いがない。非日常寄りの性格も、普段づかいではなくここぞという日の切り札として持つなら噛み合います。
30mLと100mL、どちらを買うか
| 容量 | 価格 | 向く人 |
|---|---|---|
| 30mL | 12,210円 | 秋冬だけ使う人・初めてウードに触れる人 |
| 100mL | 24,970円 | この方向を主軸にする人 |
ウードに慣れていないなら30mLから入るのが無難です。1プッシュ0.1mLで300回ぶん。秋冬の数か月を毎日使ってもまだ残ります。合わなかったときの損失も半分以下で済みます。
ウードは肌の上で出方が大きく変わる原料でもあります。店頭で紙に吹いた印象と、自分の肌にのせた印象が別物になることも珍しくない。
まとめ:ウードに構えていた人ほど、乾きに驚く
アンダー ザ スターズは、ウードを乾いた方向に振ったレプリカです。砂漠の夜という設定が、湿った甘さを排除する役目を果たしています。
ウードに構えていた人ほど、想像より軽いと感じるかもしれません。ただし好みが割れる原料であることに変わりはない。まず30mLで様子を見る、という入り方が現実的です。
取扱の有無と在庫は店によって分かれます。まとめて確認しておくと早い。
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※本記事はプロモーションを含みます









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