甘さのない、煙と革の香りです。出だしはナツメグとジンジャーの乾いた刺激、中盤からカシュメランの粉っぽい煙が中心に立ち、最後はベチバーとインセンスの土っぽさが長く残ります。革の香水は硬いと感じて避けてきた人に向く1本。
SHIRO PERFUMEのスモーク レザー(SMOKED LEATHER)が写しているのは、革製品ではなく、革をなめしている最中の情景です。SHIROの中でははっきり男性側に寄った、秋冬の夜向きの1本。僕はこれを持っていないので、公式が公開している原料と背景から読める話を書きます。
この記事でわかること
- 題材が革製品ではなく革をなめす工程だということ
- ナツメグからカシュメラン、ベチバーへと動く香りの流れ
- 秋冬の夜に向き、夏の日中には向かない理由
- 50mLで11,203円という値段と、4,180円のフレグランスシリーズとの差
結論:スモーク レザーは革ではなく「なめす工程」を写した1本
総合評価:3.3 / 5.0 ★★★☆☆
| 香りの良さ | ★★★★★ | 好みは割れるが、刺さる人には深い煙 |
| ユニセックス度 | ★★★★★ | 男性側に寄るぶん、男は迷わず選べる |
| 持続時間 | ★★★★★ | 公式で約5〜6時間。昼に足せば夕方まで |
| 被りにくさ | ★★★★★ | パフュームは置いていない店もある |
公式の説明は「レザーを丁寧になめす情景をイメージした、スモーキーであたたかみのあるセクシーな香り」。
ここが肝心なところです。完成した革製品の匂いではなく、革を作っている最中を題材にしている。だから煙と熱が入ります。革の香水が硬くなりがちなところに、工程の温度が加わっている。
公式はさらに「視界に広がる煙立つ火山の力強さとたくましさを感じながら、革素材を丁寧になめしていく情景」と書いています。火山という言葉が出てくるあたりに、この香りの重心が見えます。
SHIRO スモーク レザーの基本情報
| ブランド | SHIRO(1989年に北海道の砂川で始まった会社) |
| 商品名 | スモーク レザー(SMOKED LEATHER) |
| ライン | SHIRO PERFUME(調香師の作家性を出したライン) |
| 容量 / 価格 | 50mL:11,203円 / 100mL:16,005円 |
| 調香師 | スペイン人と日本人の男性2人 |
| 香調 | 最初:ナツメグ、ジンジャー / 中盤:カシュメラン / 最後:ベチバー、インセンス |
| 系統 | スモーキーなレザー(SHIROの中では男性側) |
| 題材 | 革をなめす工程。煙立つ火山の情景 |
| 持続時間 | 公式の公表値で約5〜6時間 |
香りの構成:乾いたスパイスから、煙と土へ
| 段階 | 原料 | 役割 |
|---|---|---|
| 最初 | ナツメグ、ジンジャー | スパイスの刺激。乾いた入り口 |
| 中盤 | カシュメラン | スモーキーさ。この香りの中心 |
| 最後 | ベチバー、インセンス | 土と香煙。長く残る部分 |

カシュメランは合成香料で、ムスクとウッディの中間のような粉っぽく温かい質感を持ちます。煙を表現するときによく使われる素材で、天然の煙のような刺すきつさがない。
ベチバーはイネ科の植物の根から採る原料です。土や煙のような匂いを持ち、香水では下支えとして重宝されます。ここにインセンスが重なることで、工房の中の空気のような密度が出る。
2人の男性調香師が組んだ香り
公式は、スペイン人と日本人の男性調香師が2人で手掛けたと明かしています。
誰が作ったかを公開しているのも、このラインの特徴です。国籍や性別、着想の元まで書かれている香りがあり、香水を作品として扱う姿勢が見えます。
革やスモーキーな方向は、伝統的に男性向けとされてきた領域です。そこを男性2人が組んだという事実は、この香りの狙いを説明しています。SHIRO PERFUMEの中では、はっきり男性側に寄った1本だといえます。
使える場面と、避けたほうがいい場面
| 場面 | 向き | 理由 |
|---|---|---|
| 秋冬の夜 | ◎ | 樹脂と煙が気温の低い時期に整う |
| きちんとした席 | ○ | 重心が低く大人びて働く |
| 職場 | △ | 煙の要素は好みが割れる。量の管理が要る |
| 夏の日中 | × | 汗と混ざると重さだけが残る |
量の目安
- 1プッシュで足りる。煙系は増やすと飽和する
- 首すじより腰から下のほうが穏やかに出る
- 狭い室内に入る前は時間を置く
つけ方と持続時間
公式は、肌から15センチほど離して1〜2プッシュと案内しています。
つける場所と出方
- 首すじ・耳の後ろ:最も届く。人に伝えたいとき
- 手首:動くたびに香る
- 足首・内もも:自分だけが感じる程度
- ウエストまわり:下から穏やかに立ち上がる
公式が「しっかり香らせたいなら上半身、穏やかに楽しみたいなら下半身」とはっきり書いているのは親切です。同じ1プッシュでも、場所を変えるだけで印象が変わります。
公式が公表している持続時間は、どの香りも約5〜6時間です。
朝につけて昼過ぎに薄くなる計算になります。夕方まで残したいなら、昼に一度足す前提で考えておくと外しません。
SHIRO PERFUMEというライン
SHIRO PERFUMEは、テーマやコンセプトを設けず、世界各地の調香師がそれぞれの世界観を自由に表現したラインです。だから香りの名前が抽象的で、何の匂いなのかは名前から読み取れません。フレグランスシリーズが「サボン」「キンモクセイ」と中身をそのまま名乗るのとは逆の作りになっています。
SHIROの香水には2つのラインがあります。値段が4倍近く違うので、先に整理しておいたほうがいい。
| ライン | 容量と価格 | 性格 |
|---|---|---|
| フレグランス | 40mL・4,180円 | サボンなど。日常に置く価格帯 |
| パフューム | 50mL・11,203円/100mL・16,005円 | 調香師の作家性を出したライン |
サボンやキンモクセイが4,180円で買えることを知っていると、1万円を超えるこちらは同じブランドとは思えないかもしれません。実際、容量も40mLと50mL以上で違い、狙っている場所が別です。
SHIROは1989年に北海道の砂川で始まった会社です。もともとは化粧品の受託製造をしていて、自社ブランドを立ち上げたのは2009年。ガゴメ昆布や酒かすなど、日本の素材を使うことで知られています。
SHIROの香水は、水の代わりに植物の抽出液を使っています。香りによって使う素材が違い、北海道愛別町のヨモギ、北海道江丹別町の白樺、徳島県の木頭ゆずが使い分けられている。香料以外の部分に産地を持たせているのは、この会社らしいところです。
手放しには勧められない点
革と煙は好みがはっきり割れます。慣れていない人には薬品のように感じられることもある。
季節も限られます。真夏に使うと汗と混ざって重さだけが前に出ます。
価格も上がります。同じSHIROのフレグランスシリーズが4,180円で買えることを考えると、1万円を超えるこの香りに踏み切れるかは判断が要ります。
ひとつ注意があります。公式はアトマイザーへの詰め替えを「吐出不良の原因になる」として控えるよう案内しています。小分けして持ち歩く使い方は想定されていません。
裏から読むと、向く人ははっきりします。秋冬の夜ときちんとした席に絞って使える人、香りを1本で1年通そうとしない人。この2つが当てはまるなら、好みの割れやすさはむしろ強みで、置いていない店もあるぶん人とも重なりにくい。詰め替えができない点も、家に据えて出かける前に1プッシュ、と決めてしまえば困りません。
容量と値段の目安
日本では公式オンラインと直営店で買えます。
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 50mL | 11,203円 |
| 100mL | 16,005円 |
フレグランスシリーズの40mLが4,180円であることを考えると、この価格差は小さくありません。同じSHIROでも、別の買い物だと考えたほうがいい。
| 買う場所 | 価格 | 注意 |
|---|---|---|
| 直営店・公式 | 定価 | 試してから買える。返金・交換の対象 |
| 取扱のある店舗 | 定価 | パフュームは置いていない店もある |
| 通販の転売品 | 上下する | 保管状態が読めない |
買う前に:テスターは紙より肌で試す
1万円を超える買い物になります。店頭のテスターは紙に吹いたものが多く、肌の上でどう出るかまでは分かりません。
まとめ:煙と土に寄せた、SHIROで最も男性的な1本
スモーク レザーは、革ではなく革をなめす工程を写した香りです。カシュメランとベチバーが煙と土を作り、そこにナツメグとジンジャーが乾いた刺激を足しています。
SHIRO PERFUMEの中では最も男性的な方向です。秋冬の夜に絞って使うなら、1万円を超える価格に見合う個性があります。
迷ったら、まず直営店か公式で試すのが確実です。返金・交換の対象になり、肌の上でどう出るかも確かめられます。1万円を超える買い物で、しかも詰め替えを想定していない香り。最初の1本は50mL、気に入ってから100mLに移るのが安全な順番です。
この記事のまとめ
- ✓ 題材は革製品ではなく革をなめす工程。だから煙と熱が入る
- ✓ カシュメランの煙とベチバーの土が芯。総合評価3.3
- ✓ 好みは割れるが、秋冬の夜に絞れる人には強く効く
- ✓ 50mLで11,203円。フレグランスシリーズとは別の買い物
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