土の匂いが立つ、暗いウッディです。出だしはパチョリの湿った落ち葉とシプリオルの乾いた根。一時間ほどでカブリューバの樹脂が甘さを添え、三時間を過ぎると肌に沈んで夜まで動きません。秋冬に一日つけていられる1本を探している人向けの香りです。
名前は黒檀を意味しますが、黒檀そのものは香料として使われていません。では何がこの名前を支えているのか。公式が挙げている3つの原料を見ると、狙っている方向がはっきりします。
この記事でわかること
- 黒檀が香料として使われていない理由と、この名前が指しているもの
- パチョリ・シプリオル・カブリューバ、3つの原料が作る暗さ
- トップからラストまでの流れと、夜まで動かない持続
- 50mLと100mLの選び方、正規と並行輸入の違い
結論:土の重さで組み立てた「黒檀」
総合評価:4.3 / 5.0 ★★★★☆
一言でいえば、土の重さで作った黒檀です。パチョリの土、シプリオルの乾いた根、カブリューバの樹脂。実在しない香料の質感を、この3つの重い素材で組み立てている。爽やかに始まる瞬間は無く、暗さが最初から最後まで居座ります。
変化の乏しさは弱点に見えますが、裏返せば朝につけた香りが夜までぶれないということ。重さの分だけ量の調整は要るものの、1プッシュから始めれば場を占領することもない。秋冬に一日連れて歩く1本を探している人には、素直に勧められる出来です。
ボワ デベーヌの基本情報
| ブランド | マティエール プルミエール(2019年設立・オーレリアン ギシャール) |
| 商品名 | ボワ デベーヌ |
| 容量 / 価格 | 50mL:31,350円 / 100mL:45,980円 |
| 香調 | トップ:パチョリ(インドネシア産)、シプリオル(インド産) / ミドル〜ラスト:カブリューバ(ブラジル産)の樹脂 |
| 系統 | ウッディ(土に近い木) |
| 名前の題材 | 黒檀。香料としては使われず、質感を指す名前 |
黒檀は香らない
黒檀は硬くて重い木で、家具や楽器に使われます。
ただし香料としてはほとんど流通していません。香りの成分が乏しいためです。
だからこの名前は、実在する原料ではなく「そういう質感の香り」を指しています。
重く、暗く、密度がある。その印象を別の素材で作っているということです。
マティエール プルミエールは、グラースの調香師一家に育ったオーレリアン ギシャールが2019年に立ち上げたブランドです。名前はフランス語で「原料」を意味します。
原料は3つ:パチョリ・シプリオル・カブリューバ
| 原料 | 役割 |
|---|---|
| パチョリ(インドネシア産) | 土と木の深み |
| シプリオル(インド産) | 乾いた根の香り |
| カブリューバ(ブラジル産) | アンバーのような甘い樹脂感 |
土の深み、乾いた根、樹脂の甘さ。この3つの重なりが、香り全体の暗さを作っています。産地まで公開された重い素材だけを積み上げて、黒檀という質感に寄せているわけです。
香りの変化をレビュー:乾いた木と土から、樹脂の甘さへ
トップ:パチョリの土とシプリオルの乾いた根
最初に出るのは、乾いた木と土の印象です。パチョリの湿った落ち葉のような重さに、シプリオルの乾いた根が重なる。軽い柑橘も花もほとんど入っていないので、爽やかに始まる瞬間はありません。
パチョリは日本で敬遠されやすい素材で、古い衣類や防虫剤を思い出す人もいます。ただし印象を決めるのは質と精製の度合いで、安価な製品に入っている粗いものとは別物。この1本は土の要素を残したまま、不快な方向には振れていません。
ミドル:一時間でカブリューバの樹脂が顔を出す
一時間ほど過ぎると、カブリューバの樹脂が顔を出します。南米の樹木から採る精油で、アンバーのような甘さを持つ素材。菓子の甘さではなく、木の切り口ににじむ樹液に近い甘さです。
ここで土と木の輪郭が少しゆるみます。とはいえ方向そのものが変わるわけではなく、暗さは最初から最後まで居座る。同じブランドのサンタル オーストラルが持つクリーミーな甘さとは、出どころが違う甘さです。
ラスト:三時間で肌に沈み、夜まで動かない
三時間を過ぎたあたりから、香りは肌に沈みます。強く主張する段階が終わり、立ち上がる高さが下がる。ここから先はほとんど動かず、そのまま夜まで続きます。
持ちがいいのは、木や樹脂の分子が重く、揮発しにくいからです。朝につけた1本を夜まで連れて歩きたいなら、この系統がいちばん現実的だと言えます。
この重さを一日連れて歩けそうなら、こちらです。
どんな人に向くか
| こういう人 | 相性 |
|---|---|
| 落ち着いた香りが好き | ◎ |
| 秋冬に使う1本が欲しい | ◎ |
| 長く香ってほしい | ◎ |
| 爽やかな香りを探している | × |
| 職場で軽くつけたい | △ |
重い香りなので、量を間違えると場を占領します。
1プッシュから始めて、足りなければ次回増やす。この順番が安全です。
軽さを求めているなら方向が違うので、コローニュ セドラかネロリ オランジェを見たほうが早い。
場面と服装
| 場面 | おすすめ度 |
|---|---|
| 秋冬の外出 | ◎ |
| 夜の食事 | ◎ |
| 職場 | △ |
| 夏 | △ |
| フォーマルな場 | ○ |
いちばん強いのは、気温が下がってからの外出です。上着を着る季節に入ると、香りの重さと空気の重さが釣り合う。日が落ちてからの食事なら、暗さがそのまま席の雰囲気になります。
夏は肌の温度で重さが増します。汗と混ざると印象が変わることもある。半袖で肌が出ている日は、同じ1プッシュでも思ったより広がると考えておいてください。
合わせやすい服
- ウールのジャケット
- レザー
- 濃い色の服
- フランネル
厚い素材との相性がいい。薄い夏物には重すぎます。ウールやフランネルのように厚みのある生地なら、香りだけが浮くことはありません。
ただし、吹くのは服ではなく肌のほうです。襟や袖口に直接乗せると生地の側に残り続けるので、順番としては肌に置いてから服を着る。この一手間で、翌日まで匂いを引きずる事故が減ります。
難点
| 短所 | 程度 |
|---|---|
| 重い。量の調整が要る | 大 |
| 夏には向かない | 中 |
| 服に残りやすい | 中 |
| 価格が高い | 大 |
| 変化が乏しい | 小 |
パチョリは服につくと長く残ります。一度洗っても匂うことがある。
変化が少ないのは、好みによって長所にも短所にもなります。
つけた瞬間から最後まで同じ方向なので、香りの移り変わりを楽しみたい人には向きません。
同じ方向が続くことは、裏返せば朝に決めた香りが夜まで崩れないということ。途中の移り変わりより、一日ぶれない1本が欲しい人には、この単調さがそのまま利点になります。
ウッディの4方向:この1本は「土に近い木」
| 方向 | 代表的な素材 | 印象 |
|---|---|---|
| 乾いた木 | シダー・ベチバー | 硬質で清潔 |
| 甘い木 | サンダルウッド | クリーミー |
| 土に近い木 | パチョリ | 重く暗い |
| 煙の木 | ガイアック・パロサント | 焚き火のよう |
この1本は3番目に近い。土と樹脂の方向です。
同じブランドなら、サンタル オーストラルが2番目、バニラ パウダーが4番目に近い。
ウッディが好きでも、どの方向が好きかで選ぶものが変わります。
買い方と容量
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 50mL | 31,350円 |
| 100mL | 45,980円 |
1回の使用量が少なくて済むので、50mLでも1年以上もちます。
秋冬中心の香りなら、使う期間も限られます。50mLで十分です。
正規で買えるのは公式サイトと一部の百貨店です。通販に出ているものには並行輸入品が混ざります。
| 買う場所 | 価格 | 注意 |
|---|---|---|
| 公式・百貨店 | 定価 | 確実だが店舗が限られる |
| 正規取扱の通販 | 定価 | 取扱の香りが限られることがある |
| 並行輸入 | 定価前後〜高い | 保管状態が分からない |
香水は熱と光で劣化します。並行輸入は輸送と保管の条件が見えないので、そこを許容できるかどうかです。
定価より極端に安いものは、中身や状態を確認できないと考えたほうがいい。
まとめ:土に近い木を、秋冬に一日
黒檀は香料として使われません。名前は質感を指しています。
パチョリ・シプリオル・カブリューバの3つで重さと樹脂感を作っています。
持続が長く、変化は乏しい。1日つけていられる香りです。
秋冬向き。服につくと長く残るので肌につけてください。
価格は50mLで31,350円と高く、気軽に試せる金額ではありません。ただ1回の使用量が少なくて済むので、50mLでも1年以上もつ。使う季節が秋冬に寄るぶん減りも遅く、1シーズンあたりで見ると負担はもう少し軽くなります。
買う場所は公式サイトか百貨店が確実です。通販には並行輸入が混ざり、輸送と保管の条件までは見えない。定価より極端に安いものだけ避けておけば、あとは50mLか100mLかを決めるだけになります。
※本記事はプロモーションを含みます

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