甘さと辛さが同時に来る、アンバーの香りです。中心にあるのは岩薔薇から採るシストラブダナムで、バニラとアンバーの層が温かさを作り、そこにシナモンの木が香辛料の辛さを重ねる。ラベンダーの清涼感が樹脂の重さに隙間を空けているので、菓子のような甘さを避けたい人に向く1本です。
公式が挙げている原料は4つだけで、その少なさでどうやって厚みを出しているかが、この香水の見どころになります。
この記事でわかること
- 公式が挙げている4つの原料と、アンバーという層の組み立て方
- 35mL・70mL・200mLの使い分けと、価格に幅が出る理由
- 少量で足りる理由と、つける場所ごとの届き方
- 正規と並行輸入の違い、そして試してから買う順序
結論:甘さと辛さが同時に来る、嗅いでから決めたい1本
総合評価:4.0 / 5.0 ★★★★★
樹脂とバニラが作る温かい甘さに、シナモンの木の辛さが重なります。だから菓子のような甘さにはならない。ラベンダーの薬草めいた清涼感が重さに隙間を作っていて、原料が4つしかないぶん一つひとつの輪郭がはっきり出ます。
国内では3万5千円前後の買い物。原料を絞った作りなので、合わない材料が1つあると逃げ場がありません。ただし裏を返せば、輪郭がはっきりしているぶん少量で足り、合った人には秋冬の軸として長く使えます。だから、肌の上で試してから買う順序を守りたい。
グラン ソワールの基本情報
| ブランド | メゾン フランシス クルジャン(2009年設立) |
| 商品名 | グラン ソワール |
| 種類 | オードパルファン |
| 容量 | 35mL/70mL/200mL |
| 価格 | 205ユーロ(70mL・公式のヨーロッパ向け表示)/国内は3万5千円前後 |
| 香調 | アンバー(樹脂と甘さ) |
| 主な原料 | シナモンの木・バニラとアンバーの層・シストラブダナム・ラベンダー |
4つでアンバーを作る
公式が公開している内容はこの通りです。
| 公式の表記 | |
|---|---|
| 香調の分類 | アンバー(樹脂と甘さ) |
| 主な原料 | シナモンの木・バニラとアンバーの層・シストラブダナム・ラベンダー |
| 種類 | オードパルファン |
クルジャンはトップ・ミドル・ベースという分け方で公開していません。香調の分類と主要な原料だけを出す方針です。時間による変化を細かく説明しない代わりに、何でできているかは正確に示す、という考え方だと思います。
香水の紹介記事には、公式と違う原料が書かれていることがあります。他の媒体の記述が写し継がれていたり、古い情報が残っていたりするためです。ここに載せているのは公式が現在公開している内容です。
公式が挙げているのは4つ。シナモンの木、バニラとアンバーの層、シストラブダナム、ラベンダー。
アンバーというのは特定の原料の名前ではありません。樹脂とバニラを組み合わせて作る温かく甘い層の総称で、ブランドによって中身が違います。
この香りの場合、その中心にあるのがシストラブダナムです。岩薔薇という低木から採る樹脂で、革のような重さと甘さを併せ持つ。アンバーを作るときの定番の材料です。
シナモンの木が加わることで、香辛料の温かさが足されます。甘さと辛さが同時に来るので、菓子のような甘さにはなりません。
ラベンダーが唯一の軽い要素です。薬草のような清涼感が、樹脂の重さに隙間を作っている。これがなければ息苦しい香りになっていたはずです。
いくらで買えるか
公式が出している容量はこの通りです。
| 容量 | 使いどころ |
|---|---|
| 35mL | 試す・持ち歩く |
| 70mL | 日常の主軸 |
| 200mL | 定番として使い込む |
価格は、公式のヨーロッパ向け表示で205ユーロ(70mL)。日本での実売は、為替と関税、そして正規か並行かで幅が出ます。1つの数字では言い切れないのが実情です。
詰め替え用のレフィルが用意されている香りもあります。本体を買った後の2本目からは、そちらのほうが安くなります。
この調香師の来歴
メゾン フランシス クルジャンは、調香師のフランシス・クルジャンが2009年に立ち上げたブランドです。ニッチ系の中では新しいほうに入ります。
クルジャンはこのブランドを作る前から知られた調香師でした。1995年、25歳のときに手がけたジャン ポール ゴルチエの「ル マル」が世界的に売れて、そこから他社向けの仕事を続けている。他人の名前で売られる香水を作ってきた人が、自分の名前で始めた店という成り立ちです。
2017年にLVMHが過半数の株式を取得しました。資本が入ったことで流通が広がり、日本でも買いやすくなっています。一方で、小さな工房だったころを知る人からは「大きくなりすぎた」という声も出ています。
香りの作り方には一貫した特徴があります。原料の数を絞って、少ない材料をはっきり立たせる。バカラ ルージュ 540が公式には3つの原料しか挙げていないのが象徴的で、複雑さより輪郭で勝負する作りです。
つけるときのこつ
クルジャンの香りは輪郭がはっきりしているので、少量で足ります。原料を絞って作っているぶん、多くつけるとその少ない材料が全部強く出ることになる。
つける量と場所
- 1〜2プッシュから始める。足りなければ翌日に増やす
- 首すじ・耳の後ろ:人に届きやすい。仕事の場では控えめに
- 手首・肘の内側:動くたびに立ち上がる
- 腰まわり・膝の裏:下から穏やかに上がってくる。量を間違えにくい
香りが弱いと感じたときに足すのは、たいてい間違いです。人は自分の匂いに数分で慣れるので、自分に届かなくなった時点でも周りにはまだ届いています。自分の鼻を基準にしないことが、この価格帯の香水では特に大事になります。
肌が乾いていると持ちが落ちます。無香料のクリームを薄く塗ってからつけると、同じ量でも残り方が変わる。量を増やす前に、こちらを試したほうが安全です。
オードパルファンとオードトワレでは持続が変わります。香料の濃度が違うためで、トワレのほうが軽く、そのぶん短い。同じ香りで両方ある場合、日中の使い方で選び分けるといいと思います。
弱いところも書いておく
まず値段です。3万円を超える買い物になるので、香りが合わなかったときの損失が大きい。この価格帯は「なんとなく良さそう」で買っていい額ではありません。
原料を絞る作り方には裏返しがあります。少ない材料で構成されているぶん、合わない材料が1つあると逃げ場がない。複雑な香水なら他の要素で紛れるところが、ここでは紛れません。
樹脂とバニラが軸なので、夏場は膨らみます。季節を選ぶ香りです。
甘い香りが苦手な人には最初から向きません。原料が4つしかないぶん、逃げ場がない。
裏を返せば、樹脂の甘さを楽しめる人には迷いのない1本です。輪郭がはっきりしているぶん少量で足りるので、秋冬に軸として置く香りを探しているなら、価格に見合う使い方ができます。
買う場所が決まったなら、あとは選ぶだけです。
国内での買い方
日本では公式ブティックと百貨店で買えます。路面店は表参道と銀座にあり、伊勢丹などの百貨店にも入っている。クリードのように取扱が極端に少ないブランドではありません。
ただし日本の公式サイトは存在しません。かつて使われていたドメインは第三者に売却されていて、今アクセスしても無関係なページに飛びます。検索で出てくる「公式」を名乗るページには注意が要ります。
| 正規(ブティック・百貨店) | 並行輸入 | |
|---|---|---|
| 価格 | 定価 | 1〜3割安いことが多い |
| 保証 | 国内の窓口がある | 販売店ごと |
| 保管 | 管理されている | 経路が読めない |
| 刻印・ギフト包装 | 受けられる | 対象外 |
並行輸入品も多く流通しています。香水は熱と光で変わるので、輸送と保管の経路が読めないことは実質的なリスクです。定価を大きく下回るものには理由があると考えたほうがいい。
嗅がずに買わない
3万5千円前後の買い物です。原料を絞った作りなので、合わない材料が1つあると全体が駄目になる。この構造は、試さずに買うことのリスクを普通の香水より大きくします。
あわせて読みたい
- クルジャンで最初に名前が挙がる1本を知りたいなら、バカラ ルージュ 540の徹底解説もどうぞ。
- 同じブランドのクルジャン アブソリュ プール ル ソワールの香りもどうぞ。
まとめ:甘さと辛さが同時に来る、秋冬の軸になる1本
メゾン フランシス クルジャン グラン ソワール は3万5千円前後の買い物になります。原料を絞った作りなので、合わない材料が1つあると全体が駄目になります。
だからこそ、買う前に肌の上で試す順序を崩さないほうがいい。
合ったときの見返りは大きい香りです。シストラブダナムの樹脂にバニラとアンバーの層が重なり、そこへシナモンの木が辛さを足す。ラベンダーが隙間を作っているので、甘い香りにありがちな重たさだけで終わりません。
樹脂とバニラが軸なので夏場は膨らみますが、季節を選ぶぶん秋冬の軸としては長く使えます。少量で足りる香りなので、1〜2プッシュから始めて自分の量を決めるといいと思います。まずは肌の上で数時間置いてみて、それから容量を選んでください。
※本記事はプロモーションを含みます

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