腕に一吹きして、そのまま出かけた日のことをよく覚えています。ナーゾマット (Nasomatto) のアブサンは、「何が入っているか知らないまま」僕が使い続けている香水です。結論から言うと、名前も成分表も手がかりにならない代わりに、量の加減さえ掴めば長く付き合える一本でした。この記事では、どのくらい濃く香ってどこまで届くのか、僕が何時間後にどこへ足しているのか、買う前に知っておきたい弱点はどこかまで、使ってきた側の実感で書いていきます。
この記事でわかること
- アブサンがどのくらい濃く香って、どこまで届くのか
- 僕が何時間後に、どこへつけ直しているのか
- 買う前に知っておきたい弱点が2つ
- 30mLで22,700円という単価を、僕がどう受け止めたか
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
結論:アブサン は「量で性格が変わる一本」
使い始めて半年、この瓶との付き合い方はだいたい固まりました。アブサンは、押す回数ひとつで別の香水になるタイプです。一吹きなら自分の周りで収まります。二吹きすると部屋じゅうに広がります。
そう感じる理由は濃度にあります。表記は「Extrait de Parfum」で、剤形はスプレー。ノズルを一回押した時点で、僕の腕では十分すぎるくらい出ていました。買った週にいつもの調子で二回押してしまい、その日の午後じゅう自分の香りに囲まれて過ごすはめになったのを覚えています。
売り手の説明文も、そこを隠していません。公式ページにはこう書かれています。「The fragrance aims to evoke degrees of hysteria. It is the result of a quest to stimulate irresponsible behaviour.」──ヒステリーの度合いを呼び起こすことを狙い、無責任なふるまいを促すための探求の結果である、と。ここまで自分から名乗っている以上、加減を買い手に預けてくる作りなのは想像がつきます。
だから僕は、この香水を「今日はどれくらい出すか」から決めるようになりました。一吹きに収めた日は一日おとなしく付き合ってくれますし、外した日は夜まで振り回されます。性格が固定されていないところが、そのまま面白さになっている一本です。
総合評価:4.5 / 5.0 ★★★★☆
ナーゾマット アブサン の基本情報
届いた箱を開けて最初にやったのは、置き場所を決めることでした。僕は仕事机の引き出しの奥に、箱ごと入れています。見えるところに出していないのは、目に入らなくても存在を忘れない濃さだからです。取りに行くひと手間があるくらいで、ちょうどいい距離感になりました。
引き出しにしまってみて分かったのは、思っていたより小ぶりだということです。容量は30mL。手のひらに収まるので、棚に並べても存在感は出ませんし、しまい込んでも場所を取りません。値段は22,700円で、30mLで割ると1mLあたり756円ほどになります。それでも減り方は遅く、半年つけてきて瓶はまだ半分に届いていません。
濃度の表記は「Extrait de Parfum」、商品名そのものが「Absinth Extrait de Parfum」です。発売は2007年、作られているのはイタリア。表に出ている成分は、変性アルコールと水と香料の三つだけになります。
そして、この瓶でいちばん引っかかるのが香調の扱いです。ナーゾマットは、それを公表していません。ブランドのサイトにノートの記載がなく、日本の正規代理店であるNOSE SHOPの商品ページにも「非公開」と明記されています。うっかり抜け落ちているわけではありません。方針としてそうしている、ということです。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | NASOMATTO(ナーゾマット) |
| 商品名 | ABSINTH(アブサン) Extrait de Parfum 30mL |
| 香調 | 公式に開示なし(日本の正規代理店の商品ページにも「非公開」と明記) |
| 濃度 | 公式表記は「Extrait de Parfum」 |
| 容量 | 30mL |
| 参考価格 | 22,700円 |
| 剤形 | スプレー |
| 成分 | 変性アルコール、水、香料 |
| 原産国 | イタリア |
| 発売 | 2007年 |
| 体感の持続 | 6〜7時間 |
どこまで届いて、どのくらい残るのか
中身の一覧が出ていないので、ここから先は濃さと届く距離と残り方の話だけになります。半年ぶん、自分の腕で起きたことを書きます。何が香っているかを言い当てる材料は、買った僕の側にも渡されていません。
一吹きの届く範囲は、思っていたより広い
押してから三十分ほどは、この一本がいちばん自己主張する時間です。手首の内側につけて腕を下ろしていても、顔の高さまでは平気で上がってきます。向かい合って座れば相手にはまず届きますし、狭い部屋なら空気の側が先に気づく感じでした。玄関で押すと強すぎるので、僕は身支度の最初に一吹きして、上着を着るころに合わせるようにしています。
昼を回ると、肌の近くにたたまれる
いちばん濃い時間を過ぎると、香りは体に貼りつくくらいになります。正午を回るころには、袖口を持ち上げれば分かるけれど机を挟んだ相手には届かない、という距離で落ち着きました。肌の上での持ちは体感で六時間から七時間といったところ。帰宅して着替えるころには肌の側はほぼ空になっていますが、脱いだシャツのほうにはまだ残っていて、翌朝ハンガーから外すときに気づく日もあります。
つけ直しは七時間後、シャツの裾の内側へ
僕の一日はこうです。朝八時に手首の内側へ一吹き。昼のあいだは何もしません。午後三時を回ったあたりで肌からは分からなくなるので、そこから先に人と会う予定があるかどうかで対応が分かれます。
予定がない日は足しません。一日一吹きで終わりで、それで不足を感じたことはないんです。人に会う日だけ、七時間後をめどにもう一度押します。このとき足す場所は手首ではなく、シャツの裾の内側です。肌に重ねると濃さが朝の水準まで戻ってしまい、夕方の場には過剰になるからでした。布へ一回入れておくと、動いたときだけ立ち上がるくらいの出方に収まります。
瓶を持ち歩けば済む話なのですが、僕はそうしていません。30mLは鞄に入る大きさでも、鞄の中は一日じゅう温度が動きます。出先で足したい日は、朝のうちに裾へ先に一回入れておく。この段取りに落ち着いてから、つけ直しで迷うことはなくなりました。
Ryo
この香水の答えが出るのは、足すかどうかを決める夕方です。最初の三十分だけで結論を出すと、読み違えます。
STEP 1|0〜30分
いちばん濃い時間帯
腕を下ろしていても顔の高さまで上がってくる
STEP 2|〜3時間
濃さが一段落ちる
袖口を持ち上げれば分かるくらいの距離
STEP 3|それ以降
肌の近くだけ
体感6〜7時間。足すなら七時間後に一回
正直な注意点
買う前に知っておいたほうがいい点が二つあります。どちらも僕は飲み込んだうえで使い続けていますが、あとから気づくと気分の悪い種類の話です。
ひとつめは単価です。30mLで22,700円、1mLあたりに直すと756円ほど。この数字はノズルを押すたびに頭をよぎります。僕はこの割り算を買った日にやってしまって、しばらく一吹きが妙に慎重になりました。減りが遅いので年単位では折り合いがつくのですが、支払う瞬間の重さはそれとは別勘定です。
ふたつめは、中身が公表されていないことです。香調の記載がなく、日本の正規代理店の商品ページにも「非公開」と書かれています。表に出ているのは変性アルコール、水、香料という三語だけ。苦手な素材がはっきりしている人にとっては、判断材料が一行も残らない売り方です。商品名はアブサンですが、ブランドが香調を出していない以上、名前から中身を推し量ることもできません。嗅いでから決めてくれ、という作り方なのだと僕は受け取っています。
もう一点だけ足すと、量を外した日の戻しが利きません。濃いので、多く出してしまったあとにできるのは洗い流すくらいで、出かける直前だと打つ手がなくなります。僕は手首を構えてから一度息を吐く、という間抜けな手順を挟むようになりました。それだけで、二吹き目に手が伸びる回数はずいぶん減りました。
注意
① 30mLで22,700円。1mLあたり756円ほどで、ひと吹きの重さが頭に残る
② 香調が非公開。商品名のほかに中身の手がかりが無く、買う前に情報で判断できない
合う人・合わない人
向き不向きははっきり分かれます。自分で量を決められる人ほど、この一本は手元に長く残ります。
ひとつは、嗅いだ手応えだけで買うかどうかを決められる人です。ここまで書いてきたとおり、香調は公表されていません。売り場で試して、それが自分に合うかどうかだけで判断を終わらせられるなら、この不親切さは問題になりません。
もうひとつは、一日の途中で足す前提の使い方をしたい人。体感で六時間から七時間なので、朝つけて夜まで一回で通し切る設計ではありません。夕方に押すかどうかを自分で選べる人にとっては、この長さがむしろ扱いやすいところです。
逆に、席の近い職場で毎日つけたい人にはまず向きません。押した直後の届く距離が長いので、隣の人が気づかないということが起きないからです。整えるための道具として毎朝使うには、はっきり過剰だと思います。
こんな人に合う
- ✓ 嗅いだ手応えだけで買うかどうかを決められる人
- ✓ 夕方に足すかどうかを自分で選びたい人
合わないかも
- × 席の近い職場で毎日つけて、無難に整えたい人
使う場所と時間
いちばんはまったのは、十月の日曜の昼過ぎでした。古い建物の中をいくつも歩き回るような予定の日で、着ていたのはコーデュロイのジャケットと厚手の綿シャツ。生地に厚みのある服のほうが、この香りの立ち方は落ち着きます。家を出る前の一吹きだけで、夕方まで足さずに済みました。
人と食事に行く日は、席の形で決めています。テーブルを挟んで向かい合うなら手首でも問題ありません。肩が触れるような並びの席になりそうな日は、朝のうちに裾へ入れておいて、肌には乗せないようにしています。相手が先に気づく香りではないほうが、その日の会話は楽です。

平日の仕事では、僕はほとんど使いません。押した直後の届く距離が長いので、席の近い相手に気づかれないということがないからです。真夏も引き出しから出していません。気温が高い日は立ち上がりが速く、一吹きに収めたつもりでも二吹き分の顔をするので、加減の勝負に勝てないんです。涼しくなるほど扱いやすくなる、というのが半年つけてきての実感になります。
使う場面
| 仕事・オフィス | △ | 押した直後の届く距離が長く、席が近いと確実に気づかれる |
| 夜デート | ○ | 席の形次第。並びの席なら朝のうちに裾へ入れておく |
| 休日 | ◎ | 歩き回る予定の日に、一吹きで夕方まで通せる |
| 真夏 | × | 立ち上がりが速く、一吹きでも二吹き分の顔をする |
保管で中身は変わる
いまアブサンが入っているのは、仕事机の引き出しの、いちばん奥です。手前には文房具が詰まっているので、取り出すには引き出しを最後まで引き切ることになります。不便な置き方をわざわざ選んだのには、理由がふたつあります。
ひとつは減りの遅さです。一日一吹き、しかも足さない日のほうが多い使い方だと、30mLでも何年か手元に残る計算になります。年単位で置くものですから、置き方の差は確実に積み上がっていきます。もうひとつは、見えるところに出しておくと、この濃さの香水は手が伸びすぎるということでした。箱は取ってあって、瓶はその中へ立てて戻しています。引き出しを閉めてしまえば、光も入りませんし温度もほとんど動きません。
避けているのは、浴室と洗面所、それに暖房の吹き出し口の近くです。湿気と温度差がかかり続ける場所は、置き場所の候補から外しています。それからもうひとつ、鞄に入れて持ち歩くこともしていません。30mLは持ち出せる大きさですが、鞄の中は屋外と店内を行き来するあいだじゅう温度が動きます。つけ直しを朝の段取りへ寄せているのは、半分はこの理由からでした。
置き場所と影響
| 直射日光の当たる窓際 | × | 光が当たり続けると中身が傷む |
| 浴室・洗面所 | × | 湿気と温度差がかかり続ける |
| 暖房の近く | × | 熱で中身が傷む |
| 鞄に入れて持ち歩く | × | 30mLは持ち出せる大きさだが、鞄の中は一日じゅう温度が動く |
注文ボタンの前で止まった理由
買う前に、この一本については三度ほど手を止めました。名前のこと、値段のこと、そして主張の強さのことです。同じところで止まる方がいそうなので、いまの答えを先に置いておきます。
買う前に迷った点
| 名前が香りの説明だと思っていた | ブランドは香調を一行も出していない。名前から中身を推し量る読み方は成立しない | |
| 30mLで22,700円を出せるか | 一日一吹きなので減りは遅く、半年つけても瓶は半分に届いていない | |
| 主張が強すぎないか | 売り手が hysteria と書いているとおり。ただし押す回数を一回に収めれば騒がない |
まず名前です。商品名を見た時点で、そこに中身の説明が書かれているものだと思い込んでいました。そう読ませる形をしているので、無理もなかったと今でも思います。ただ、ブランドは香調を一行も出していません。日本の正規代理店の商品ページでも「非公開」と明記されています。名前から中身を推し量る読み方は、この一本では最初から成立しないんです。
値段でも止まりました。30mLで22,700円という額は、決済の瞬間には確かに重い。ただ、僕の使い方だと一日に押す回数は一回か二回で、半年つけても瓶はまだ半分に届いていません。年単位で見たときの一回あたりの感覚は、額面から想像するものとはずいぶん違ってきます。痛いのは買うときの一回で、そのあとは静かなものでした。
最後が主張の強さです。公式ページには hysteria や irresponsible behaviour といった語がそのまま並んでいて、穏やかに整える目的で作られていないことは売り手が自分で書いています。使ってみて分かったのは、差が出るのは強さそのものよりも押す回数のほうだ、ということでした。一吹きに収め、足す先をシャツの裾の内側にしてからは、僕の周りでこの香りが騒いだことはありません。
まとめ
アブサンは、押す回数を自分で決められるかどうかで評価が変わる一本でした。一吹きなら最初の三十分だけ濃く、そのあとは肌の近くで体感六時間から七時間。足すのは人と会う予定がある日の夕方だけで、足す先はシャツの裾の内側にしています。この段取りに落ち着いてから、扱いにくいと感じたことはありません。
一方で、30mLで22,700円という単価は最初の一度が重く、香調が公表されていないので買う前に中身で判断する手立てもありません。席の近い職場で毎日つけたい人や、真夏に一本で通したい人へは勧めない一本です。名前でも成分表でもなく自分の腕で決めていい、という人になら、僕はこの瓶を引き出しに置いておく価値があったと思っています。
この記事のまとめ
- ✓ 一吹きなら最初の三十分だけ濃く、そのあとは肌の近くで体感6〜7時間
- ✓ 足すのは人と会う日の夕方に一回だけ。場所はシャツの裾の内側
- ✓ 香調はブランドが非公開。30mLで22,700円という単価も先に知っておきたい
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