タンバリンズのレイトオータム(LATE AUTUMN)は、甘さより青さが立つサトウキビの香りです。出だしはガルバナムとブチュの苦いとがり、中盤ではビターオレンジとともに温度のある甘さが顔を出す。終盤に残るのは、肌の近くのムスクだけ。甘い香りが苦手で敬遠してきた人にも持てる、秋向きの一本です。
サトウキビの香水、というのは聞き慣れません。この香りが写しているのは、砂糖ではなく収穫前の畑の草の匂いです。
この記事でわかること
- 砂糖ではなく草としてのサトウキビという香りの正体
- とがりを作っている珍しい原料・ブチュの役割
- 秋のどの場面で使えるか、持続と拡散の実際
- 50mLの値段と、買う前に確かめておくこと
結論:レイトオータムのサトウキビは砂糖ではなく草
総合評価:4.3 / 5.0 ★★★★☆
公式の説明は「風に巻かれてゆっくり群舞を繰り広げるサトウキビ畑のかすかな草の香りが晩秋の穏やかな気分を高めます」。
砂糖の甘さではなく、草としてのサトウキビを扱っている。青く、わずかに甘い。イネ科の植物なので、稲や麦にも近い匂いです。
タンバリンズ レイトオータムの基本情報
| ブランド | タンバリンズ(2017年・韓国) |
| 商品名 | レイトオータム オードパルファン |
| 容量 / 価格 | 50mL:18,600円 |
| 香調 | トップ:ガルバナム、ブチュ / ミドル:ビターオレンジ、サトウキビ / ラスト:ムスク |
| 系統 | 緑系。青く苦い草の香り |
| 題材 | 収穫前のサトウキビ畑の草 |
香りの変化:とがった青から、肌に残るムスクへ
トップ:ガルバナムとブチュが青く苦く立ち上がる
吹きかけた直後に前へ出るのは、ガルバナムとブチュです。ガルバナムは樹脂で、青いというより青くて苦い。ブチュは南アフリカ原産の低木で、硫黄を含む成分が独特のとがりを作ります。草を折ったときの断面のような、水気のある青さ。ここに甘さはほとんど出てきません。
ミドル:ビターオレンジが混ざり、サトウキビが顔を出す
とがりが落ち着いてくると、ビターオレンジのほろ苦さが青に混ざります。ここでサトウキビが顔を出す。乾いた草に日が当たっているような、温度のある甘さです。青と甘さが半々になるこの状態がいちばん長く、昼をはさんで夕方近くまで続く。
ラスト:畑の景色は消え、残るのはムスク
終盤を引き受けるのはムスクです。畑の景色はもう薄れていて、肌の温度に混ざった穏やかな余韻だけが続きます。ここだけを嗅いだ人は、これがサトウキビだとは思わない。青さも苦さも角が取れて、人と近い距離で話す時間帯にちょうどよく落ち着いています。
使われている原料:とがりを作っているのはブチュ
| 原料 | 役割 |
|---|---|
| サトウキビ | 草の青さとほのかな甘さ |
| ガルバナム | 樹脂。青くとがった苦み |
| ブチュ | 南アフリカのハーブ。独特の青さ |
| ビターオレンジ | ほろ苦い柑橘 |
| ムスク | 優しい余韻 |
ブチュは香水でほとんど見かけない素材で、この香りのとがりはほぼここから来ています。公式が「広々とした大地を連想させる」と書いているのはガルバナムとブチュのことで、そこへほろ苦いビターオレンジが重なる。
秋のどこで使うか
いちばん似合うのは、上着を一枚羽織る季節の日中です。屋外では風に流れて景色の側へ寄り、会議室のような閉じた場所でも角が立たない。青さは香りというより清潔感として届くので、仕事の場でも使えます。逆に冬の夜だと、厚い上着や暗い店内にこの軽さが釣り合いません。
| 場面 | 向き | 理由 |
|---|---|---|
| 秋 | ◎ | 設計そのものがこの季節 |
| 屋外 | ◎ | 自然のなかで浮かない |
| 職場 | ◎ | 青さは清潔感として届く |
| 冬の夜 | △ | 軽さが場面から浮く |
量は控えめにしすぎないほうがいい。緑の香りは、少ないと弱く香るのではなく存在ごと消えます。肌に直接というのも大事で、服にかけると最初の青さだけが残って甘さまで進みません。
量の目安
- 2プッシュ。緑系は少ないと存在が消える
- 日中に使うほうが設計に沿う
- 肌に直接。服だと青さが立ちすぎる
つけ方ともち
オードパルファンなので、1〜2プッシュで足ります。
つける場所の目安
- 首すじ・耳の後ろ:最も届く。人に伝えたいとき
- 手首:動作のたびに香る
- 腰まわり:下から穏やかに立ち上がる
- 服:残りやすいが、本来の出方はしない
オードパルファンの持続はおおむね5〜7時間です。朝につければ夕方まで残る計算になります。
韓国のブランドは、欧州の老舗に比べて拡散が穏やかに作られている傾向があります。満員電車や会議室で持て余しにくい反面、すれ違いざまに気づかせる力は弱い。近い距離にいる人にだけ届く、と考えておくと期待を外しません。
つけ直すなら昼過ぎが目安です。ただし自分の鼻は最初の30分で慣れてしまうので、「消えた」と感じても他人にはまだ届いていることがあります。足す前に一度、服の袖などで確かめるほうが安全です。
このブランドのこと
タンバリンズは2017年に始まった韓国のブランドです。アイウェアのジェントルモンスターと同じグループが手掛けていて、店舗も展示空間のような作りをしています。
香水のボトルが彫刻のような形をしていることでも知られます。中身と同じくらい外側に予算をかけているブランドで、そこを気に入るかどうかが評価を分けます。
香りの説明も三つの言葉だけです。ビターオレンジ、サトウキビの香り、ムスク。何の匂いかを厳密には説明せず、受け取る側の解釈に委ねます。
価格帯は欧州のニッチ系と並ぶところまで上がっています。1万円台後半から2万円台という設定は、ジョー マローンやディプティックと同じ帯です。つまり価格で選ばれることを前提にしていない。世界観と香りそのもので勝負する、という立ち位置になります。
惜しいと感じたところ
試せる場所が限られます。日本での取扱店舗はまだ少なく、地方では現物に触れる機会がほぼありません。
情報も少ない。欧州の老舗と違って、原料の産地や調香師まで公開されている香りは限られます。
転売品にも注意が要ります。韓国から個人輸入した品が国内で流通していますが、輸送中の温度も保管状態も読めません。香りは熱と光で変わるので、定価より極端に安いものは理由を確認したほうがいい。
青くとがった素材が多いので、華やかさを求める人には向きません。
季節も秋に寄ります。通年の主軸にするには軽い。
容量と値段の目安
日本では公式オンラインと直営店で買えます。
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 50mL | 18,600円 |
小容量(11mL・14mL)が用意されている香りもあります。全種類にあるわけではないので、試したい香りに小さいサイズがあるかは先に確認したほうがいい。
サトウキビの甘さは、菓子のような甘さを想像していると印象が外れます。枯れた景色を含んだ甘さなので、甘い香りが苦手な人でも持てることがある。この「甘いのに甘ったるくない」という距離感こそ試香で確かめるべき部分で、そこが自分に合うと分かれば、50mLは秋冬の主役として順当に減っていきます。合うかどうかの見極めが先で、大きさの判断は後です。
買う前に確かめる
2万円近い買い物です。
まとめ:秋の日中に効く、甘くないサトウキビ
レイトオータムは、サトウキビを砂糖ではなく草として扱った香りです。ガルバナムとブチュという青い素材が、甘さに流れるのを防いでいます。
秋に使う一本として狙いが明確。緑の香りが平気なら、外しません。
使いどころは、上着を一枚羽織る季節の日中です。屋外では風に流れて景色の側へ寄り、会議室のような閉じた場所でも角が立たない。オードパルファンなので1〜2プッシュ、持続はおおむね5〜7時間。ただし緑の香りは量を控えすぎると存在ごと消えるので、服ではなく肌に直接、少なめにしすぎないほうが本来の出方になります。
弱点もはっきりしています。日本の取扱店舗が少なく試せる場所が限られること、青くとがった素材が多いぶん華やかさには寄らないこと。ただし裏返せば人と被りにくく、甘ったるさが苦手な人ほど手に取りやすい香りでもあります。50mLで18,600円は軽い買い物ではないので、小容量が用意されているかを先に確認する、あるいは公式オンラインと直営店で現物を確かめるところから入るのが順当です。
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※本記事はプロモーションを含みます

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