秋の休みの日、家を出る前にニットの襟元へ一度だけ。ズーロジストのキャメルは、この一年でその位置に落ち着いた香水です。結論から言うと、名前から想像する獣っぽさより先に、乾いた果実と焼き菓子のような甘さが来ます。この記事では、香りがどう動くのか、僕の腕で何時間残るのか、どこで扱いに困ったのか、そして誰に向く一本なのかまで書いていきます。
この記事でわかること
- キャメルの香りが、つけてから消えるまでにどう流れるか
- 僕の腕での体感の持続と、香りが人に届く距離
- 買う前に知っておきたい弱点2つと、60mLという容量の重さ
- 秋冬の休日・夜の食事・オフィス・真夏で、それぞれどう出るか
ZOOLOGIST(ズーロジスト)Camel(キャメル)Extrait de Parfum 60mL
参考価格 40,700円前後
デーツやミルラ、琥珀、革が重なる甘く乾いた香りをまといたい人向け。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
結論:ズーロジスト キャメルは「甘い入口から獣へ降りていく一本」
一年ほど手元に置いて、ようやくこの香水が分かってきました。キャメルは、入口が甘くて、出口が獣になる香水です。ラクダの名を冠していると聞いて、最初から動物っぽい重さが来るものだと身構えていたのですが、鼻に届く順番はまるで逆でした。
順番が逆になるのは、香調の積み方のせいです。トップに置かれているのはドライフルーツ、フランキンセンス、パームデート、ローズ。ハートがアンバー、シダー、シナモン、インセンス、ジャスミン、ミルラ、オレンジブロッサム。ベースまで下りて、ようやくシベット、ムスク、ウード、サンダルウッド、トンカビーン、バニラ、ベチバーが顔を出します。獣っぽさが出てくるのは、いちばん最後です。ひとつ付け足しておくと、シベットとムスクには合成である旨の注記が付いていて、動物由来の原料は使っていないと明記されています。名前から想像するほど、生々しい成り立ちの香水ではありません。
はっきり気づかされた日があります。休日の夕方、リビングで本を読んでいたら、台所にいた家族が急に振り返って「お香、焚いた?」と聞いてきたんです。その日つけたのは家を出る前の一度きりで、部屋では何も焚いていません。お香が、何時間も経ってからでも残っていたのだと思います。自分の鼻は甘さのほうを追いかけているのに、外から見えていたのは煙のほうでした。
つけている本人が受け取る印象と、同じ部屋にいる人が受け取る印象がずれる。この一本の性格は、その一点によく出ていると思っています。
Ryo
甘い菓子の匂いで近づいてきて、乾いた獣の気配で去っていく香水です。
総合評価:4.5 / 5.0 ★★★★☆
ズーロジスト キャメル の基本情報
買うとき、60mLの瓶とトラベルスプレーの枠を並べて、ずいぶん長いこと迷いました。小さいほうから入れば失敗しても傷は浅い、大きいほうを選べば毎日の手数が減る。さんざん考えて60mLにしたのですが、いまの実感を書くと、この容量は「使い切る」ためのものではありません。僕の使い方は週に2〜3回、1プッシュ。この減り方だと、一年まわしても瓶は肩から少し下がった程度で止まっています。
先に額の話をしておきます。容量は60mLで、税込40,700円という値付けです。1mLに直すと、およそ680円かかる計算になります。ひと吹きが軽い買い物にならない一本なので、僕は出かける直前まで手に取るかどうかを決めません。着ていく服と行き先が固まってから、ようやく瓶へ手を伸ばすという順番です。日本での正規の取扱はNOSE SHOPなので、探すときは商品名よりブランド名から入るほうが早いと思います。
中身の条件も、ここで並べておきたいところです。濃度の表記はExtrait de Parfumで、20%と明記されています。剤形はスプレー。作られているのはカナダで、調香を担当したのはChristian Carbonnelです。20%という数字は、あとで書く「室内での扱いにくさ」に直結してくるので、頭に置いておいてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | ZOOLOGIST(ズーロジスト) |
| 商品名 | Camel(キャメル) |
| 濃度 | Extrait de Parfum・20% |
| 剤形 | スプレー |
| 容量 | 60mL |
| 香調 | トップ:ドライフルーツ、フランキンセンス、パームデート、ローズ/ミドル:アンバー、シダー、シナモン、インセンス、ジャスミン、ミルラ、オレンジブロッサム/ベース:シベット、ムスク、ウード、サンダルウッド、トンカビーン、バニラ、ベチバー |
| 調香師 | Christian Carbonnel |
| 原産国 | カナダ |
| 体感の持続 | 8〜10時間 |
| 価格 | 税込40,700円 |
ブランドが商品ページに置いている文章は、砂漠を渡るキャラバンの話です。宝物を積んだラクダが、水を夢に見ながら遠くの市へ向かって歩き続ける。読んだ時点では大げさな比喩だと思っていました。ところが肌に乗せてみると、甘さと乾きが同時に来る感じは確かにその情景と地続きでした。
ZOOLOGIST(ズーロジスト)Camel(キャメル)Extrait de Parfum 60mL
参考価格 40,700円前後
デーツやミルラ、琥珀、革が重なる甘く乾いた香りをまといたい人向け。
香りの変化

肌に乗せてから消えるまでに、この香水は三回ほど顔を変えます。甘い、辛い、獣っぽい。同じ一本とは思えない振れ方をするので、段階ごとに分けて書いていきます。
トップ
つけて最初の30分は、乾いた甘さが前に来ます。ドライフルーツ、パームデート、ローズ、フランキンセンス。この四つが同じ面から立ち上がってきます。ねっとりした濃い干し果物に、火をつける前のお香の粉をひとつまみ落としたような、甘さと乾きが一緒に来る立ち上がり方です。
ここだけを嗅いだ人に「これはラクダの名前の香水です」と説明しても、たぶん通じません。甘い菓子を焼いている台所のほうが、よほど近いと思います。僕はこの30分がかなり好きです。身支度をしながら、手首の匂いを何度も確かめてしまいました。
ミドル
一時間を過ぎるころから、香りの重心が下がってきます。アンバー、シダー、シナモン、インセンス、ジャスミン、ミルラ、オレンジブロッサム。公式の表記ではハートと書かれている層で、甘さの上にスパイスと樹脂と白い花が同時に乗ってきます。七つが同じところに並びます。だから僕の鼻には、辛さと煙と花がいっしょに届きました。
人が反応するのは、僕の場合この時間帯でした。会議室で隣に座った同僚が、資料をめくる途中でふっと動きを止めて、それから椅子を半歩ぶんこちらへ寄せたことがあります。何か言われたわけではありません。ただ、言葉にならない反応が返ってきたのはこのときが初めてで、この香りは会話より先に届くんだなと実感しました。
ベース
そこから先は、削った木に獣の気配が同じ温度で並ぶ時間になります。シベット、ムスク、ウード、サンダルウッド、トンカビーン、バニラ、ベチバー。甘さも乾きも同じ面に置かれていて、時間が経つほど全体が肌のほうへ寄っていきます。
僕の腕での体感は8〜10時間です。夕方には自分の鼻で拾いにくくなりますが、消えたわけではありません。翌朝、脱いだニットを持ち上げるとまだ残っていて、洗うまで香りが付き合ってくれます。冒頭で家族に「お香、焚いた?」と聞かれたのも、この残り方があってのことでした。
STEP 1|0〜30分
ドライフルーツ、パームデート、ローズ、フランキンセンス
干し果物にお香の粉を落としたような乾いた甘さ
STEP 2|〜3時間
アンバー、シダー、シナモン、インセンス、ジャスミン、ミルラ、オレンジブロッサム
甘さの上にスパイスと樹脂と白い花が同時に乗る
STEP 3|それ以降
シベット、ムスク、ウード、サンダルウッド、トンカビーン、バニラ、ベチバー
肌に寄って、乾いた木と獣の気配が同じ面に残る
正直な注意点
買ってから気づいた困りごとが二つあります。先に読んでおくほど、後悔は小さくなるはずです。
ひとつめは、濃さの扱いにくさです。表記は20%のExtrait de Parfumで、室内だと1プッシュを超えた時点ではっきり出すぎます。僕は一度、朝に二回吹いて電車に乗り、途中の駅で降りて手首を洗いました。それ以来、屋内で人と会う日は一回まで。首より下、シャツやニットの内側に落として、肌の露出した場所には置かないようにしています。ここを守れるかどうかで、この香水の印象は大きく変わります。
ふたつめは、値段と容量が同時にのしかかってくることです。60mLで税込40,700円、1mLでおよそ680円という一本を、僕は週に2〜3回しか使っていません。一年経っても肩から少し下がった程度なので、使い切るのは何年も先の話になります。手を出す前に、この瓶と何年付き合うのかを考えておいたほうがいいというのが正直な感想です。香りの傾向がはっきりしているぶん、肌に合わなかったときの損も大きくなります。
真夏についても書いておきます。僕は最初から候補に入れていません。スパイスと樹脂と木がいくつもの層に入っています。だから気温が上がるとぼやけて、重さだけが残ります。これは気温が下がってからの持ち物です。
注意
① 室内では1プッシュが上限。表記20%のExtrait de Parfumで、朝に二回吹いた日は途中の駅で手首を洗うことになった
② 60mLを何年もかけて使うことになる。税込40,700円で1mLおよそ680円。週に2〜3回の使い方だと一年で肩から少し下がる程度
合う人・合わない人
探しているものが決まっている人には、この香水はよく刺さります。逆に「高いから間違いないだろう」で選ぶと、入口の甘さと出口の獣っぽさのどちらかで引っかかると思います。
向いているのは、甘さと乾きが同居した香りを探している人です。干し果物とスパイスから始まって、最後にウードと白檀へ落ちる流れをおもしろがれるなら、長く付き合える相手になります。それから、香りを近い距離だけに置きたい人にも合います。1プッシュに抑えると、同じテーブルに着いてようやく気づかれるくらいの出方になるからです。
季節を問わず一本で通したい人には、勧めにくい香りです。気温が上がると重さのほうが勝ってしまうので、夏の枠には入れづらいと感じています。季節の担当をはっきり決められる人向けの香水です。
こんな人に合う
- ✓ 干し果物とスパイスの甘さから、乾いた獣っぽさへ落ちる流れを楽しめる人
- ✓ 同じテーブルに着いた人にだけ届けばいいと思っている人
合わないかも
- × 季節を問わず一本で通したい人
使う場所と時間

僕がよく手を伸ばすのは、気温の落ちた休日の昼過ぎです。ウールのコートを羽織って、古本屋をのぞいてから展示を見て帰る、といった歩き回る日。外の空気が冷えているほど長く香ります。店に入って上着を脱ぐころに、ちょうどスパイスと樹脂が出てきます。
夜に人と食事へ出る日にも合いますが、席の作りを先に考えます。個室でテーブルが近い店なら、家を出る二時間前に一回吹いて、香りが立ち上がりを終えてから席に着く。この段取りにしてから、相手に「強いね」と言われることがなくなりました。
オフィスは正直むずかしい枠です。席の間隔が狭い日は、そもそも持ち出しません。休日と夜に寄せて、平日は別の香りへ任せています。使う場所を絞ってしまったほうが、この一本は気持ちよく働いてくれました。
使う場面
| 仕事・オフィス | △ | 席の間隔が狭い日は持ち出さない。使うなら1プッシュを首より下に |
| 夜デート | ◎ | 二時間前に吹いて立ち上がりを終えてから席に着くと収まりがいい |
| 休日 | ◎ | 気温の落ちた昼過ぎ、コートを羽織って歩き回る日に強い |
| 真夏 | × | 気温が上がるとぼやけて、重さだけが残る |
保管で中身は変わる
瓶を光にかざすと、液面はまだ肩のあたりにあります。この減り方だと、底が見えるのは何年も先です。つまりこの香水は、買ったらそのまま長く置いておくことになる一本です。だから僕は、置き場所を買う前に決めました。いまは箱に入れたまま、部屋のなかで温度が動かない引き出しの奥にしまっています。
飾って眺めたい気持ちはありました。ラベルの絵が良いので、棚に出しておけば毎日目に入ります。ただ、出しておけば光と熱がかかり続けるわけで、何年もかけて使う瓶にそれをやるのは分が悪すぎます。瓶の中身を変えてしまうのは、光と熱と温度差です。窓際も浴室も暖房の近くも、その条件がそろってしまう場所でした。
中身が変われば、香りの出方も変わります。40,700円を払ったものを数年かけて落としていくのは、単純にもったいない話だと思っています。
置き場所と影響
| 直射日光の当たる窓際 | × | 光が当たり続けて中身が変わる |
| 浴室・洗面所 | × | 湿気と温度差がかかり続ける |
| 暖房の近く | × | 熱がかかって香りの出方が変わる |
| 箱ごと引き出しの奥 | ○ | 60mLを何年もかけて使うので、温度が動かない場所に置く |
口コミの読み方
買う前、僕が検索窓に打ち込んだのは「ズーロジスト キャメル 甘い」でした。甘い香水が苦手なわけではないのに、四万円を超える一本が甘いだけだったら困る、という不安があったからです。実際に使ってみると、甘さは確かに入口にあります。ただ、そこで止まりません。入口の甘さはスパイスと樹脂に乾かされて、最後は乾いた木と獣の気配へ落ちていきます。甘すぎると感じた人が見ているのは、たぶん最初の30分だけの顔です。
値段への不満も、同じくらい目につきました。書いてあるとおりの額なので、そこを言い返すつもりはありません。1mLでおよそ680円かかりますし、60mLの瓶を週に2〜3回の使い方で消化するとなれば、何年もの付き合いになります。それでも僕がこの瓶を手放していないのは、一年経っても飽きが来ていないからです。安いと続く、高いと続かない、という単純な話ではありませんでした。
動物っぽくて苦手そう、という反応もよく見ます。ベースにシベットとムスクが並んでいるので、身構える気持ちはわかります。ただ、この二つには合成である旨の注記が付いていて、動物由来の原料は使われていません。実際に肌の上で出てくるのも、生々しさより「乾いた獣の気配」に近いものでした。ラクダの名前から想像する重さを求めて買うと、むしろ拍子抜けするかもしれません。
口コミの読み方
| 甘すぎる | 甘いのは最初の30分。そこからスパイスと樹脂に乾かされて、乾いた木と獣の気配へ落ちる | |
| 高すぎる | 1mLでおよそ680円かかるのは事実。一年経っても飽きが来ていないので手放していない | |
| 動物っぽくて苦手そう | シベットとムスクは合成の注記付きで、動物由来の原料は使われていない |
まとめ
ズーロジストのキャメルは、ひと吹きした瞬間の印象だけで決めると読み違えます。乾いた果実とお香の甘さから始まって、スパイスと白い花を抜けて、最後に乾いた木と獣の気配へ着地する。この移り変わりを込みで気に入れるなら、秋から冬のあいだ棚の手前に置くことになる一本です。
この香水を残すと決めたのは、台所から振り返った家族の一言があったからでした。自分では甘さを聞いているつもりだったのに、外からは煙が見えていた。そのずれを知ってから、扱い方が自然と決まりました。1プッシュ、首より下、気温が落ちてからの休日。この三つを守れば、失敗する日はほとんどありません。
手を出すかどうかは、瓶と何年付き合えるかで決めてみてください。60mLで税込40,700円という一本は、勢いで棚に足せる買い物ではありません。そこを納得してから手に取ると、届いた日から迷いなく使えます。
この記事のまとめ
- ✓ 入口は干し果物とお香の甘さ。獣っぽさが出るのはベースまで下りてから
- ✓ 僕の腕で体感8〜10時間。翌朝のニットにも残るので、室内では1プッシュまで
- ✓ 60mLで税込40,700円、1mLでおよそ680円。日本での正規の取扱はNOSE SHOP
ZOOLOGIST(ズーロジスト)Camel(キャメル)Extrait de Parfum 60mL
参考価格 40,700円前後
デーツやミルラ、琥珀、革が重なる甘く乾いた香りをまといたい人向け。
※本記事はプロモーションを含みます

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