レモンの明るさで始まり、乾いた木に着地する香りです。出だしはバーベナのレモンとピンクペッパーの刺激、中盤はシダーウッドが香りの中心に据わり、最後はビターアーモンドの香ばしい甘さが肌の近くに残ります。木の香水を夏には重いと感じてきた人に向く1本です。
レバノン杉は、国旗に描かれるほどその国の象徴になっている木です。古代から神殿や船に使われ、いまでは希少になりました。ビュリーのオー・トリプル セードル・デュ・リバンは、その木を題材にしています。
この記事でわかること
- 香りの流れ(レモンの明るさ→乾いた木→香ばしい甘さ)
- アルコールを使わない水性という作りと、持続への影響
- 容量と価格、買える場所と名入れのこと
- 向いている場面と、向かない人
結論:持ちを捨てて、刺激を消した乾いた木
総合評価:3.8 / 5.0 ★★★★★
| 香りの良さ | ★★★★★ | 乾いた木に杏仁の香ばしさが温度を足す |
| ユニセックス度 | ★★★★★ | 甘さは香ばしさどまりで、中心は木と土 |
| 持続時間 | ★★★★★ | 3〜4時間と短いが、刺激がなく人前でつけ直せる |
| 被りにくさ | ★★★★★ | 水性香水そのものが少なく、売り場も限られる |
この香水の答えは、アルコールを使わない水性という作りにあります。つけた瞬間のツンとした刺激がなく、出だしから完成した形で香り始める。そのかわり持続は3〜4時間の目安で、5〜8時間ほど続く一般的な香水には届きません。ただ、刺激がないぶん人前でもつけ直せるので、短さは昼の一回で埋められます。
香りそのものは、バーベナのレモンで明るく立ち上がり、シダーウッドとベチバーで重心が低く沈み、終盤はビターアーモンドの香ばしい甘さで閉じる。木だけで組むと単調になるところに、杏仁に近い甘さが温度を足しています。拡散は穏やかで、香りで存在を主張したい人には物足りない。逆に、隣との距離が近い席で気を使いたくない人には、この控えめさがそのまま利点になります。
ビュリー セードル・デュ・リバンの基本情報
| ブランド | オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(1803年のパリ/2014年に復刻) |
| 商品名 | オー・トリプル セードル・デュ・リバン |
| 容量 / 価格 | 75mL:23,210円 |
| 香調 | トップ:バーベナ、ピンクペッパー / ミドル:シダーウッド、ベチバー / ラスト:オレンジブロッサム、ビターアーモンド |
| 系統 | ウッディ(アルコールを使わない水性) |
| 題材 | レバノン杉(国旗に描かれる、その国の象徴) |
香りの変化:レモンの明るさから、乾いた木の香ばしさへ
公式はこの香りを「荘厳なヒマラヤ杉が山頂に君臨する王国」と説明しています。香水で使われるシダーウッドの多くはバージニア産やアトラス産で、レバノン杉そのものを指すことは多くありません。その名をあえて掲げた木は、肌の上でどう動くのか。
トップ:バーベナのレモンが明るく立つ
最初に立つのは、バーベナのレモンに似た明るさです。水性でアルコールの刺激がないぶん、ツンとした数十秒を待たずに、出だしから完成した形で香り始める。そこへピンクペッパーの弾ける刺激が重なり、木が現れる前の場を整えます。
ミドル:シダーウッドが香りの中心に据わる
明るさが引くと、シダーウッドの乾いた木が香りの中心に据わります。その下でベチバーの土と根が深さを作り、重心は低く沈む。公式が「フェニキアの宮殿と山々の風景」と呼ぶ光景がいちばん重なるのは、この落ち着いた時間帯でしょう。
ラスト:ビターアーモンドの香ばしい甘さ
終盤は、オレンジブロッサムとビターアーモンドが木の硬さを抜いていきます。杏仁に近い香ばしい甘さが、乾いた質感に温度を足す。木だけで組むと単調になるところを、この香ばしさが救っています。目安の3〜4時間で引くまで、最後は肌のすぐ近くに甘い木の匂いだけが残る。
原料と役割の一覧
並びを一枚にまとめると次のとおりです。
| 原料 | 役割 |
|---|---|
| バーベナ | レモンに似た明るさ。入り口 |
| ピンクペッパー | 弾ける刺激。木の前に置く |
| ベチバー | 土と根。深さを作る |
| シダーウッド | 香りの中心。乾いた木 |
| オレンジブロッサム、ビターアーモンド | 花と香ばしさ。硬さを抜く |
水性香水という作り
オー・トリプルの特徴はアルコールを使っていないことです。公式は2年をかけて開発した混和性水溶液だと説明しています。香料は本来アルコールに溶かすもので、水には溶けません。そこを技術で解いた、というのがこの香水の売りです。
| 観点 | 一般的な香水 | オー・トリプル |
|---|---|---|
| 溶媒 | アルコール | 水 |
| つけた瞬間 | アルコールのツンとした刺激 | 刺激がなく、最初から香りが立つ |
| 肌への負担 | 乾燥を感じることがある | 刺激が出にくい |
| 持続 | 5〜8時間ほど | 短い。3〜4時間が目安 |
アルコールは香りを飛ばす力も持っています。それが無いぶん、拡散と持続では不利になる。肌へのやさしさと引き換えに持ちを捨てている、というのがこの香水の設計です。
香料は油に近い性質を持つため、水とは本来混ざりません。ドレッシングが分離するのと同じ理屈です。そこを混ぜたまま安定させる技術が、この香水の中身にあたります。公式が2年という開発期間をわざわざ書いているのも、そこが商品の核だからでしょう。
つけた瞬間の刺激がないという点は、実際に使う場面で効いてきます。一般的な香水は最初の数十秒がアルコールの匂いに支配されるので、人前でつけ直すのがためらわれる。その制約がありません。
つけ方と付き合い方
アルコールの刺激がないので、つけた直後から完成した香りが立ちます。一般的な香水のように「最初の数分は様子を見る」必要がありません。
持ちの短さと付き合う
- 朝と昼の2回に分けてつける
- 拡散が穏やかなので、首すじなど上半身でも失礼になりにくい
- 服より肌のほうが本来の出方をする
すれ違いざまに気づかせる種類の香りではありません。近い距離にいる人にだけ届く、と考えておくと期待を外しません。
使いどころ
いちばん出番が多いのは、ジャケットを羽織るようなきちんとした席です。重心の低い木は騒がず、拡散が穏やかなので、隣との距離が近い席でも気を使わずに済む。朝のうちに首すじなど上半身へ乗せておけば、昼の席までは香りが持ちます。
| 場面 | 向き | 理由 |
|---|---|---|
| 秋冬 | ◎ | 木と樹脂が気温の低い時期に整う |
| きちんとした席 | ◎ | 重心が低く落ち着く |
| 職場 | ◎ | 拡散が穏やか。木は嫌われにくい |
| 夏の日中 | ○ | 水性なので重くなりにくい |
アルコールを使う香水でウッディ系を選ぶと、夏は重く出がちです。水性で拡散が穏やかなぶん、この香りは季節をまたぎやすい。秋冬は木と樹脂が低い気温に整い、夏の日中でも重さが顔を出しにくい。夕方まで香らせたい日は、昼に一度つけ直してください。
ブランドの話
オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーは、1803年のパリで生まれた美容薬局を2014年に復刻したブランドです。創業者ジャン=ヴァンサン・ビュリーの名前と処方を引き継ぎ、内装から包装まで19世紀の意匠で統一しています。
注意点まで読んだうえで納得できるなら、こちらです。
正直な注意点:持続の短さと価格
持続が短いのは避けようがありません。アルコールを使わない以上、構造的な制約です。
価格も安くない。75mLで23,210円は、同容量の一般的な香水と比べても高い部類に入ります。
拡散も穏やかです。香りで存在を主張したい人には向きません。
試せる場所も限られます。国内の売り場は数が少なく、地方だと現物に触れる機会がほぼありません。水性香水は比較対象そのものが少ないジャンルなので、想像で買うことになりがちです。
木の香水は数が多く、この価格帯でなくても選択肢が豊富にあります。レバノン杉という題材に惹かれるかどうかが分かれ目になります。
何mLを選ぶか
日本では公式オンラインと直営店で買えます。国内に路面店と百貨店の売り場があります。
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 75mL | 23,210円 |
オー・トリプルは香りの種類にかかわらず同じ価格です。選ぶ基準が値段ではなく香りだけになるので、そこは分かりやすい。
| 買う場所 | 価格 | 注意 |
|---|---|---|
| 直営店・公式 | 定価 | 試してから買える。名入れにも対応 |
| 百貨店の売り場 | 定価 | 取扱店舗は限られる |
| 通販の転売品 | 上下する | 保管状態が読めない |
ビュリーには、ボトルにカリグラフィーで名入れをするサービスがあります。店頭でその場で書いてもらう形で、贈り物にする人が多い。同じ価格でも、この一手間があるかどうかで買い物の性格が変わります。
買う前に確かめる
2万3千円を超える買い物になります。しかも水性香水は数が少なく、比較対象を持っている人のほうが稀です。少量から試す方法を持っておくと、この価格帯でも踏み出しやすくなります。
あわせて読みたい
- 水性香水の使用感を知りたいなら、ベルカンヌを実際に使ったレビューもどうぞ。
- 同じブランドのビュリー ヘリオトロープ・デュ・ペルーはホテルの香りもどうぞ。
まとめ:レバノン杉を、刺激のない水で着る一本
セードル・デュ・リバンは、歴史を背負った木を題材にした香りです。ビターアーモンドの香ばしさが、木の乾いた質感に温度を足しています。
水性なので夏でも重くなりにくく、ウッディを季節をまたいで使いたい人には合います。
弱点ははっきりしています。持続は3〜4時間で短く、75mLで23,210円という価格も軽くはない。ただ、つけた瞬間の刺激がないので人前でもつけ直せますし、朝と昼の2回に分ければ夕方まで持たせられる。拡散が穏やかなことも、隣との距離が近い席ではそのまま使いやすさに変わります。
決め手になるのは、レバノン杉という題材に惹かれるかどうか。木の香水は数が多く、この価格帯でなくても選択肢は豊富にあります。それでも国の象徴になっている木をあえて名指しした香りは多くないので、そこに価値を感じるなら、直営店や百貨店の売り場で一度試してみてください。名入れのカリグラフィーまで頼めるのは、その場に足を運んだ人だけです。
※本記事はプロモーションを含みます









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