主役は、使い込まれた革の密度です。出だしは紅茶の渋みとビロードのような柔らかさ、中盤からタバコの葉と革が前に出て、最後は白樺の煙と湿った苔が残ります。刺激で押す革が苦手だった人にこそ向く1本。
セリエは馬具職人を意味します。鞍や馬具に使われる革の質感を題材にした1本です。革の香水の中でも、乾いて落ち着いた方向にあります。
この記事でわかること
- キュイール セリエの香りの正体(乾いた革・紅茶・白樺の煙)
- 馬具の革の経年変化という題材の意味
- トップからラストまでの移り変わりと、余韻の長さ
- 70mLで52,250円という価格の考え方と、買える場所
結論:刺激で押さない、使い込まれた革の落ち着き
総合評価:4.5 / 5.0 ★★★★☆
| 香りの良さ | ★★★★★ | 密度のある革。変化は穏やかで長く続く |
| ユニセックス度 | ★★★★★ | 甘さで寄せない乾いた革 |
| 持続時間 | ★★★★★ | 高い濃度で余韻が長く残る |
| 被りにくさ | ★★★★★ | このブランドで最も高い価格帯 |
答えを先に書くと、これは革の香水でも穏やかな側にある1本です。鞍や馬具の革が使い込まれて艶を持つ、その経年変化が題材になっています。温かく乾いた出だしから、冷めて湿った余韻へ静かに下りていく設計。
難点は価格です。70mLで52,250円、このブランドで最も高い価格帯にあたります。変化も劇的ではなく、同じ表情のまま静かに進む。ただし濃度が高いぶん1回の量は少なくて済み、余韻は長く続きます。毎日つけ替える香りというより、秋冬の夜に一本だけ選ぶ人に向く1本。
キュイール セリエの基本情報:馬具の革が題材
| ブランド | バイレード(2006年・ストックホルム) |
| 商品名 | ナイト ヴェールズ キュイール セリエ |
| 濃度 | パフュームエクストラクト(高濃度) |
| 容量 / 価格 | 70mL:52,250円 |
| 香調 | トップ:カシュメラン、ブラックティー / ミドル:タバコの葉、レザーアコード / ラスト:バーチウッド(白樺)、オークモス |
| 系統 | レザー(乾いて落ち着いた方向) |
| 題材 | 馬具の革と、その経年変化 |
ナイト ヴェールズは、10年前に登場したコレクションを作り直したものです。高い濃度で作られたパフュームエクストラクトで、夜という時間を題材にしています。70mLで52,250円と、このブランドで最も高い価格帯です。
公式は、時間をかけて熟成した革の静かな強さを題材にしていると書いています。
自分が何者かを深く理解している状態、という抽象的な表現も添えられています。
馬具の革は、使い込むほど艶と柔らかさが出ます。その経年変化が題材です。
バイレードは2006年、ベン ゴーラムがストックホルムで立ち上げたブランドです。母がインド人で父がカナダ人という背景を持ち、北欧の簡素さとインドの記憶を混ぜたところに、このブランドの出発点があります。
香りの構成
| 段階 | 原料 | 役割 |
|---|---|---|
| 最初 | カシュメラン | ビロードのような質感 |
| 最初 | ブラックティー | 乾いた葉の渋み |
| 中盤 | タバコの葉 | 甘く乾いた厚み |
| 中盤 | レザーアコード | 密度のある革 |
| 最後 | バーチウッド(白樺) | 煙のある木 |
| 最後 | オークモス | 湿った苔 |

表の名前を全部覚える必要はありません。密度のある革を真ん中に置き、手前に紅茶の渋み、奥に白樺の煙と湿った苔。カシュメランという合成香料が、全体をビロードのような柔らかさで包みます。
バイレードの香水は、香りそのものより先に「何の記憶か」が決まっています。だから原料の説明を読むより、何を題材にしたかを知ってから嗅ぐほうが腑に落ちる。他のブランドとは順番が逆です。
香りの変化:紅茶の温かさから、白樺の煙へ
時間の変化
- 最初:カシュメランと紅茶の穏やかな温かさ
- 1〜3時間:タバコの葉と革が中心に
- 3時間以降:白樺の煙とオークモスの湿った余韻
トップ:革ではなくカシュメランが立つ
吹きつけた直後に立つのは、革ではなくカシュメランです。ムスクと木の中間のような柔らかい質感が、ぬるい温度で肌にのります。
そこへ紅茶が重なります。乾いた葉の渋みが革の重さに軽さを足すので、出だしに圧迫感がありません。
ミドル:主役はタバコの葉と密度のある革
時間が経つと、タバコの葉の甘く乾いた厚みが前に出ます。そこにレザーアコードが重なって、密度のある革がようやく主役になる。刺激で押す革ではなく、使い込まれた革の落ち着きです。
といっても、劇的に変わる場面はありません。革そのものは香料にならないので、この革らしさは複数の香りを組んで作られたものですが、その継ぎ目を見せないままゆっくり動きます。
ラスト:白樺の煙とオークモスが残る
最後は白樺の煙です。白樺は革のなめしに使われてきた木で、燻したような乾いた煙が、使い込んだ革の古さを描きます。
その足元をオークモスが湿らせます。樫の木につく地衣類から採る香料で、古典的な香水の土台だったものです。アレルギーの報告で使用量が制限され、いまは基準内でしか使えませんが、古びた質感を出すには少量で足ります。
公式は最後を「煙の影と熟成した素材」と表現しています。乾いた温かさで始まり、冷めて湿った余韻で終わる。この温度の下がり方が、この1本の設計です。
濃度が高いぶん、この余韻は長く続きます。
向いている人
| こういう人 | 相性 |
|---|---|
| 革の香りが好き | ◎ |
| 落ち着いた香りが好き | ◎ |
| 秋冬に使いたい | ◎ |
| 爽やかな香りが好み | × |
| 職場で使いたい | △ |
革の香水の中では穏やかな部類です。
刺激的な革ではなく、使い込まれた革の落ち着きを狙っています。
革が苦手なら最初から候補外です。
服との合わせ方
| 場面 | おすすめ度 |
|---|---|
| 秋冬の夜 | ◎ |
| 休日 | ◎ |
| フォーマルな場 | ○ |
| 職場 | △ |
| 夏 | △ |
合わせやすい服
- レザー
- ツイード
- 茶系の色
- 秋冬の素材
革製品と合わせると、香りと見た目の印象が揃います。
季節でいえば、空気が乾いて冷えた秋冬の夜がいちばん映えます。日中の職場や夏の湿った空気では重さが先に立つので、使うなら量を絞ってからです。
その量は、いつもより控えめで足ります。濃度が高い香水なので、首すじにたっぷり乗せるより、上着の内側や腰まわりに少量を置くほうが落ち着きが生きる。強い香りを顔の近くに置かない、それだけで印象が変わります。
難点
| 短所 | 程度 |
|---|---|
| 価格が非常に高い | 大 |
| 革が苦手だと使えない | 大 |
| 夏には重い | 中 |
| 変化が乏しい | 小 |
70mLで52,250円。
革の香水は好みがはっきり分かれます。
動物的だと感じる人もいれば、上質な鞄を思い出す人もいる。
この差は理屈では埋まりません。実際に嗅いで確かめるしかない。
分かれるということは、合った人には深く刺さるということでもあります。変化の乏しさも、同じ表情が長く続くと読み替えれば利点になる。休日や秋冬の夜にゆっくり纏いたい人には、むしろ都合のいい性格です。
肌で確かめる前に、いまの在庫と価格だけ見ておくと動きやすくなります。
容量の選び方
ナイト ヴェールズは70mLで52,250円。1プッシュを約0.1mLとすると700回分あります。
濃度が高いので1回の使用量が少なくて済みます。毎日使っても2年近くもつ計算です。
ただし開封後1〜3年で香りは変わり始めるので、使い切る前に劣化する可能性はあります。
買える場所
日本では公式オンラインと、伊勢丹などの百貨店で買えます。ナイト ヴェールズの価格はこの通りです。
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 70mL | 52,250円 |
| 買う場所 | 価格 | 注意 |
|---|---|---|
| 公式・百貨店 | 定価 | 試してから買える |
| 正規取扱の通販 | 定価 | 扱う香りが限られる |
| 並行輸入 | 上下する | 保管状態が読めない |
通販に出ているものには並行輸入品が混ざります。香水は熱と光で劣化するので、輸送と保管の条件が見えない点は許容が要ります。
定価より極端に安いものは、中身と状態を確認できないと考えたほうがいい。
5万円を超える買い物です。必ず試してから決めてください。
革の香りは肌の油分で出方が変わります。
他人がつけているのを嗅いで良いと思っても、自分の肌では違う香りになる可能性があります。
あわせて読みたい
- 同じコレクションを見るならナイト ヴェールズ カサブランカ リリーもどうぞ。
- 同じブランドのバイレード ヴェルベット ヘイズもどうぞ。
まとめ:使い込んだ革の落ち着きを、秋冬の夜に
セリエは馬具職人の意味で、使い込まれた革の経年変化が題材です。
紅茶の葉が乾いた渋みを足し、革の重さに軽さを与えています。
白樺は革のなめしに使われてきた素材で、歴史的にも革と結びついています。
70mLで52,250円。革が苦手なら最初から候補外です。
革が苦手なら候補外、という条件のきつさは裏返しでもあります。乾いた革の落ち着きを探していた人にとっては、代わりの見つけにくい1本ということ。刺激で押さないぶん、長く同じ表情のまま隣にいてくれます。
濃度が高いので、つける量は少なめで足ります。上着の内側や腰まわりに置くくらいでちょうどいい。日本では公式オンラインと百貨店で試せるので、肌にのせてから決めてください。革の出方は肌の油分で変わるので、店頭で確かめる価値があります。
※本記事はプロモーションを含みます









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