ユーカリの清涼感で立ち上がり、中盤で白と赤の花が濃く出て、最後は乾いた木に着地する香りです。緑の香水を想像して手に取ると、真ん中の花で印象が変わります。爽やかさと濃さを1本の中で持たせたい人に向く構成といえる。
ロンドンのメイフェア地区から発想された香りです。緑の香りとして紹介されますが、公式の原料表を見ると、中盤には花が3つ並んでいます。緑だけの香りではありません。
この記事でわかること
- 公式が挙げている原料と、緑から花へ移る流れ
- 3万円台から6万円台という価格の目安
- 正規と並行輸入で何が変わるか
- 買う前に少量から試す方法
結論:緑の香りではなく、緑から花へ動く1本
ロイヤル メイフェアは緑の香りとして紹介されます。ただし公式が挙げている原料を見ると、中盤にチュベローズ、ジャスミン、ローズが並んでいる。出だしのユーカリだけで判断すると、途中から出てくる花の濃さで印象がずれます。
価格は3万円台から6万円台で、公式が出している容量は100mLだけ。国内の正規取扱も都市部の百貨店が中心です。少量から試す手段を先に持っておくと、この1本は外しにくくなります。
総合評価:4.0 / 5.0 ★★★★★
クリード ロイヤル メイフェアの基本情報
| ブランド | クリード(公式の説明では1760年にロンドンで創業) |
| 商品名 | ロイヤル メイフェア |
| 容量 | 100mL(公式が出している容量はこの1種類) |
| 価格の目安 | 3万円台から6万円台。100mLで5万円台が見当 |
| 香調 | トップ:ユーカリ・ベルガモット・オレンジ・芳香性のエッセンス / ミドル:チュベローズ・ジャスミン・ローズ / ベース:シダーウッド・アンブロキサン・ムスク・ベチバー |
| 国内の代理店 | インターモード川辺(2023年8月に新宿伊勢丹で再上陸) |
緑から花へ移る構成
公式が公開している原料はこの通りです。
| 公式が挙げている原料 | |
|---|---|
| トップ | ユーカリ・ベルガモット・オレンジ・芳香性のエッセンス |
| ミドル | チュベローズ・ジャスミン・ローズ |
| ベース | シダーウッド・アンブロキサン・ムスク・ベチバー |

原料の食い違いは、この分野では日常茶飯事です。処方変更の反映漏れと、他媒体からの孫引きが積み重なった結果。ここに書いたのは公式が今公開している内容だけ。
公式は、緑があって爽快で、力みなく英国的だと説明しています。処方庫から復活させた香りで、メイフェアという街の独特の魅力を捉えた、と。
トップはユーカリ、ベルガモット、オレンジ、芳香性のエッセンス。ユーカリが最初に来るのがこの香りの個性です。湿布に近い清涼感を持つ葉で、香水の出だしに使われることは多くありません。
中盤で印象が変わります。チュベローズ、ジャスミン、ローズ。白い花と赤い花が3つ並んでいて、ここは濃厚です。緑の香りだと思って嗅いでいると、この移り変わりに驚くことになる。
ベースはシダーウッド、アンブロキサン、ムスク、ベチバー。花が引いた後は乾いた木に着地します。
なお、この香りをジンに例える記述を見かけます。ジンの原料であるジュニパーベリーが入っているという説明ですが、公式が現在挙げている原料にジュニパーベリーはありません。ユーカリの清涼感がそう感じさせているのだと思われます。
いくらで買えるか
公式が出している容量はこの通りです。
| 容量 | 使いどころ |
|---|---|
| 100mL | 定番として使い込む |
クリードは日本で買うと高いブランドです。正規の取扱では、容量にもよりますが3万円台から6万円台が中心の帯になります。50mLで4万円前後、100mLで5万円台という見当をしておくと大きくは外れません。香水としては最上位の価格帯で、ニッチ系と呼ばれるブランドの中でも高いほうに入ります。
この家の歴史をどう見るか
クリードは公式の説明によれば1760年にロンドンで始まった家の名前です。もともとは仕立て屋で、手袋に香りを移す仕事から香水へ移っていったとされています。現在まで一族が経営を続けてきたことを掲げていて、そこがこのブランドの語り方の中心になっています。
ただしこの歴史については異論もあります。香水を本格的に作り始めたのは20世紀後半からではないか、という指摘が香水研究の側から出ている。買う前に知っておいて損はない話です。香り自体の質と、掲げている物語は別のものとして見たほうがいい。
作りそのものは評価が定まっています。天然原料の比率が高く、同じ名前の香りでも製造ロットによって微妙に違う。工業製品として完全に均一ではないところを、欠点と取るか個性と取るかで評価が割れます。
つけ方の勘どころ
クリードは香料の濃度が高く、少量で足ります。普段どおりの感覚で3プッシュも4プッシュも使うと、確実に多すぎます。
つける量と場所
- 1〜2プッシュから始める。足りなければ次の日に増やす
- 首すじ・耳の後ろ:人に届きやすい。仕事の場では控えめに
- 手首・肘の内側:動くたびに立ち上がる
- 腰まわり・膝の裏:下から穏やかに上がってくる。量を間違えにくい
つけた直後の30分は、自分でも強く感じます。そこで判断せず、1時間後の残り方で量を決めるといい。
香りが弱いと感じたときに足すのは、たいてい間違いです。人は自分の匂いに数分で慣れるので、自分に届かなくなった時点でも周りにはまだ届いています。「弱くなった気がする」で足していくと、外から見た量は倍になっている。自分の鼻を基準にしないことが、この価格帯の香水では特に大事になります。
肌が乾いていると持ちが落ちます。無香料のクリームを薄く塗ってからつけると、同じ量でも残り方が変わる。量を増やす前に、こちらを試したほうが安全です。
持続は香りによって差が大きい。柑橘が主役のものは3〜4時間で輪郭がぼやけ、木や樹脂が土台にあるものは半日以上残ります。外出前に一度だけつけて持たせたいなら、後者を選んだほうが現実的です。
弱いところも書いておく
まず値段です。3万円を超える買い物になるので、香りが合わなかったときの損失が大きい。この価格帯は「なんとなく良さそう」で買っていい額ではありません。
試せる場所が限られます。国内の正規取扱は都市部の百貨店が中心で、地方だと現物を嗅がずに買うことになりがちです。香水を嗅がずに買うのは、本来いちばん避けたい買い方になります。
中盤の花が濃いので、緑の香りを期待して買うと印象が違います。試さずに買うと外しやすい1本です。
公式が出している容量が100mLだけです。試しに小さいものを買う、という選び方ができません。
買う場所が決まったなら、あとは選ぶだけです。
日本での購入方法
クリードは2023年8月に新宿伊勢丹で日本へ再上陸しました。国内の代理店はインターモード川辺で、正規品はここを通ったものになります。ただし取扱店はごく限られていて、地方では現物に触れる機会がほとんどありません。
そのため、日本で流通しているクリードの多くは並行輸入品です。個人や業者が海外から仕入れたもので、これ自体は違法ではない。ただ、正規と並行では扱いが変わります。
| 正規(伊勢丹など) | 並行輸入 | |
|---|---|---|
| 価格 | 定価。3〜6万円台 | 2〜4割安いことが多い |
| 保証 | 国内の窓口がある | 販売店ごと |
| 保管 | 管理されている | 経路が読めない |
| 刻印サービス | 受けられる | 対象外 |
価格差は小さくありません。ただし香水は熱と光で変わるので、輸送と保管の経路が読めないことは実質的なリスクです。極端に安いものには理由があると考えたほうがいい。
偽造品も存在します。クリードは世界的に模造の多いブランドで、ボトルの作り込みまで似せたものが出回っています。定価の半額を大きく下回るような値付けは、まず疑ってかかったほうがいい。
先に試す方法がある
6万円前後の買い物です。しかも国内で試せる場所が限られている。この2つが重なると、嗅がずに買って外す確率が上がります。少量から試す手段を持っておくと、失敗したときの損失が桁で変わります。
あわせて読みたい
- クリードで最初に名前が挙がる1本を知りたいなら、クリード アバントゥスの徹底検証もどうぞ。
- 同じブランドのクリード アクア フィオレンティーナの香りもどうぞ。
まとめ:緑で始まり、花で決まる1本
クリード ロイヤル メイフェア は6万円前後の買い物になります。国内で試せる場所が限られるぶん、嗅がずに買う人が多い香りです。
少量から試す手段を先に確保しておくと、合わなかったときの損失が小さくなります。
香りの流れをもう一度たどっておきます。ユーカリの清涼感が最初に来て、チュベローズとジャスミンとローズが中盤を占め、シダーウッドやムスクやベチバーが乾いた木の土台をつくる。緑だけを期待して買うと、中盤で受け取るものが変わってきます。
濃度が高い香りなので、1〜2プッシュから始めるのが安全です。国内では並行輸入品も多く流通していて、正規との価格差は2割から4割ほど。ただし輸送と保管の経路が読めないぶん、極端に安いものは避けたほうがいい。どこで買うかまで決めてから注文したい1本です。
※本記事はプロモーションを含みます

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