甘さのない、葉の青さが主役の香りです。出だしは湿った蔦の葉とペッパーの刺激、中盤からシクラメンの水気、3時間を過ぎるとローズウッドの落ち着きで着地します。甘い香水を避けてきた人が、春夏の日中に軽く使うのに向く1本。
リエルはフランス語で蔦を指します。壁を覆う蔦の葉という、香水では珍しい題材です。グリーンにペッパーを合わせた構成を見ていきます。
この記事でわかること
- 蔦の葉を題材にした香りの中身(グリーン、シクラメン、ローズウッド、ペッパー)
- 青さで始まり木で終わる、時間ごとの移り変わり
- 持続3〜5時間という短さとの付き合い方
- 100mLで25,960円という値段をどう考えるか
結論:甘さのない緑で始まり、木に着地する1本
総合評価:4.3 / 5.0 ★★★★★
主役は花ではなく葉です。公式も「グリーン系のフレッシュな香り」と説明していて、そこにシクラメンとローズウッドが深さを足す構成。ペッパーは輪郭をなぞる役で、これが抜けると緑一色の平坦な香りに落ちます。
短所ははっきりしています。持続は3〜5時間と短めで、100mLで25,960円という値段も軽くない。ただ持続が短いぶん朝は控えめに出して昼に足す調整が利きますし、蔦を題材にした香水はほとんど見かけないので、人と被らない緑を探している人なら払う価値のある1本になります。
ディプティック オードリエルの基本情報
| ブランド | ディプティック(1961年、パリ創業) |
| 商品名 | オードリエル オードトワレ |
| 容量 / 価格 | 100mL:25,960円 |
| 題材 | 蔦(フランス語でリエル) |
| 香調 | トップ:グリーンノート、ペッパー / ミドル:シクラメン / ラスト:ローズウッド |
| 系統 | グリーン(オードトワレ) |
| 持続 | 3〜5時間 |
蔦という題材
壁や木を覆う蔦は、都市でも自然でも見かける植物です。
花は目立たず、葉が主役になります。
だからこの香りも、花ではなく葉の方向です。
公式は「グリーン系のフレッシュな香り」にシクラメンやローズウッドの深い香りが加わると説明しています。
ディプティックは1961年、パリのサン・ジェルマン大通り34番地で始まりました。画家・舞台美術家・インテリアデザイナーという3人のアーティストが作った店で、もともとは布や雑貨を扱っていました。
香りの構成:グリーン、シクラメン、ローズウッド、ペッパー
| 原料 | 役割 |
|---|---|
| グリーンノート | 蔦の葉の青さ |
| シクラメン | みずみずしい花 |
| ローズウッド | 深く柔らかい木 |
| ペッパー | 刺激と輪郭 |
公式は「独特で個性的な香り」と表現しています。
葉の青さが先に立ち、みずみずしい花がその内側を埋め、木が下から支えます。ペッパーは輪郭をなぞる役で、これが抜けると緑一色の平坦な香りに落ちます。
香りの変化をレビュー:葉の青さから、ローズウッドへ
青く始まって、柔らかく終わります。緑の香りは軽いほうが映えるので、オードトワレという濃度がこの題材に合っています。
トップ:葉の青さとペッパーで立ち上がる
出だしに立つのはグリーンノートの青さです。壁を覆う蔦に顔を寄せたときの、湿った葉の匂いに近い。そこへペッパーの刺激が重なって、輪郭のはっきりした立ち上がりになります。青いだけの香りに聞こえるのはここまで、判断はまだ早い。
ミドル:シクラメンは甘さより水気が勝つ
青さが少し引くと、シクラメンのみずみずしさが中心に来ます。花からは香料がほとんど採れないため、ここは合成香料で組み立てた印象で、実在の花を写したものではありません。方向としてはスズランに近く、甘さより水気が勝つ。軽さを出すための花なので、華やかさを期待すると肩透かしになります。
ラスト:ローズウッドの落ち着きで着地する
3時間を過ぎるとローズウッドの落ち着きが前に出ます。深く柔らかい木の面だけが残り、青さもペッパーの刺激も後ろへ下がる。オードトワレの持続は3〜5時間、この木の面が消えるまでの長さだと考えると分かりやすい。青で始まった香りが木で着地する、その落差が見どころです。
この移り変わりは、紙より肌のほうがはっきり出ます。
選ぶ理由になる人
| こういう人 | 相性 |
|---|---|
| 緑の香りが好き | ◎ |
| 春夏に使いたい | ◎ |
| 人と違う香りが欲しい | ◎ |
| 甘い香りが好き | × |
| 長く香ってほしい | △ |
蔦を題材にした香水は多くありません。
人と被りにくい方向です。
そのぶん、説明が難しい香りでもあります。
服装と場面
| 場面 | おすすめ度 |
|---|---|
| 春夏 | ◎ |
| 職場 | ◎ |
| 日常 | ◎ |
| 休日の外出 | ◎ |
| 冬の夜 | △ |
いちばん収まりがいいのは春から夏、それも日が高いうちです。軽い緑は暑さの中でこそ素直に伸びるので、汗ばむ手前の肌に一吹きで足りる。冬の夜に◎が付かないのは、この軽さだと空気に負けるから。
つける場所は、シャツの内側や肘の内側あたりが扱いやすい。首元に多めに置くと青さが尖って、周りにも気づかれます。持続が短めなので、朝は控えめに出して昼に一度足すのが現実的です。
合わせやすい服
- 生成りや緑
- リネン
- カジュアル
- 自然な素材
オードトワレとオードパルファンの違い
ディプティックには、同じ名前でオードトワレとオードパルファンの両方がある香りがあります。
| オードトワレ | オードパルファン | |
|---|---|---|
| 濃度 | 低め | 高め |
| 持続 | 3〜5時間 | 5〜8時間 |
| 拡散 | 軽く広がる | 肌に近く長い |
| 価格 | 18,700円〜 | 31,460円 |
濃度が違うだけでなく、処方そのものが違うことがあります。
同じ名前でも別の香りとして扱ったほうが正確です。
軽く使いたいならオードトワレ、長く残したいならオードパルファンという分け方が現実的です。
欠点
| 短所 | 程度 |
|---|---|
| 説明しにくい | 中 |
| 持続が短い | 中 |
| 価格が高い | 大 |
| 冬は物足りない | 中 |
緑の香りは「いい匂い」以上のことを言いにくい。
何の香りかと聞かれても答えにくい部類です。
そこを面白いと感じるか、物足りないと感じるかで評価が分かれます。
キャンドルとの関係
ディプティックが最初に評判を取ったのはフレグランスキャンドルで、香水はその後です。1968年に最初のオードトワレ「ロー」を発売しました。部屋の香りから始まったブランドなので、空間に馴染む作りが今も残っています。
| キャンドル | 香水 | |
|---|---|---|
| 広がり方 | 空間全体に均一 | 肌から立ち上がる |
| 温度 | 炎の熱で一定 | 体温で変化する |
| 変化 | ほとんどない | 時間とともに移る |
| 価格 | 8,000円前後〜 | 18,700円〜 |
同じ名前の香りがキャンドルにもある場合、部屋で試してから香水に進むという順番が取れます。
ただしキャンドルと香水では設計が違うので、同じ香りに感じられるとは限りません。
サイズが決まったら、あとは買うだけです。
大きさの決め方
この香りは100mLで25,960円です。
1プッシュを約0.1mLとすると1,000回分。
オードトワレは持続が短めなので、1日に2回つけることもあります。
その使い方なら1年半ほどで使い切れます。
どこで手に入るか
日本では公式オンラインと、伊勢丹などの百貨店で買えます。
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 100mL | 25,960円 |
| 買う場所 | 価格 | 注意 |
|---|---|---|
| 公式・百貨店 | 定価 | 試してから買える |
| 正規取扱の通販 | 定価 | 扱う香りが限られる |
| 並行輸入 | 上下する | 保管状態が読めない |
通販に出ているものには並行輸入品が混ざります。香水は熱と光で劣化するので、輸送と保管の条件が見えない点は許容が要ります。
定価より極端に安いものは、中身と状態を確認できないと考えたほうがいい。
緑の香りは、店頭で肌につけると印象が変わります。
紙の上では青さだけが目立ちますが、肌では花と木の面が見えてきます。
実際の価格と在庫は、扱っている店によって変わります。同じものでも取扱の有無が分かれるので、まとめて確認しておくと早い。
店頭で試せない香りもあります。少量から肌で試す方法を持っておくと、3万円を払う前に判断できます。
あわせて読みたい
- 緑の方向を比べるならロンブル ダン ローもどうぞ。
- ブランド全体を見るならディプティックのおすすめ香水もどうぞ。
- 同じブランドのディプティック ゼラニウム オドラタ、春の到来を告げる花もどうぞ。
まとめ:蔦の葉を題材にした、被りにくい緑
リエルはフランス語で蔦。壁を覆う葉という珍しい題材です。
青で始まり、ローズウッドの落ち着きで終わります。春夏の日中がいちばん収まる。
ペッパーが入ることで、緑だけの平坦な香りになりません。
説明しにくい香りです。そこを面白いと取るかで評価が分かれます。
価格は100mLで25,960円、1プッシュを約0.1mLとすれば1,000回分にあたります。オードトワレは持続が短めなので1日に2回つけることもありますが、その使い方でも1年半ほどはもつ計算。一度に払う額は大きいものの、1回あたりに直すと毎日使える範囲に収まります。
冬の夜だけは軽さが空気に負けるので、季節を選ぶ香りではあります。裏を返せば春夏の日中には迷わず使えて、職場でも収まりがいい。紙の上では青さだけが目立つため、まず肌にのせて花と木の面が出てくるかを確かめてください。
※本記事はプロモーションを含みます

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