アミリス オムは、サフランの苦さでアミリスの甘さを切ったウッディです。革のような乾いた匂いと金属的な苦さを持つサフランが個性で、薬草っぽいローズマリーもそこへ加わり、全体が甘くならないよう押さえている。ただし土台にはトンカビーンズがあるため、終盤は甘く落ち着く。苦く始まって甘く終わるこの流れを面白がれる人に向いた一本になります。
アミリス ファムと対になる男性向けの香りです。同じアミリスを使いながら、周りの原料が7つに増えていて、方向もはっきり違います。
比べたうえで「これだ」と思ったなら、こちらです。
この記事でわかること
- アミリス オムを作っている7つの原料と、公式が香調をどこまで出しているか
- アミリス ファムとの違い。共通する原料はどれで、どこから別の香りになるのか
- 35mL・70mL・200mLの選び分けと、価格をどう見ればいいか
- 買う前に引っかかる点。サフランの癖の強さ、持続の短さ、似た香りの流通
結論:アミリス オムは苦く始まって甘く終わるウッディ
アミリス オムを一言で言えば、甘さに苦さで芯を通した木の香りです。公式が挙げている原料はマンダリン、ローズマリー、サフラン、アミリス、シダー、トンカビーンズ、アイリスの7つ。分類はウッディ(木)で、なかでも効いているのがサフランになります。世界一高価な香辛料であるこの原料は、革のような乾いた匂いと金属的な苦さを持つ。それがアミリスの甘さを切り、ローズマリーの薬草っぽさが追い打ちをかけます。
公式が香調をトップ・ミドル・ベースに分けて出していないため、この記事も時間の流れではなく原料の組み合わせから香りを読み解きます。とはいえ土台のトンカビーンズが最後に効いてくるので、印象は苦いほうから甘いほうへ確実に動く。最初の10分で判断すると評価を誤ります。価格は70mLで195ユーロ、日本では3万円前後の買い物。オードトワレゆえ持続も長くはないので、なおさら試してから決めたほうが損は小さい。
総合評価:3.5 / 5.0 ★★★★★
メゾン フランシス クルジャン アミリス オムの基本情報
| ブランド | メゾン フランシス クルジャン |
| 商品名 | アミリス オム |
| 種類 | オードトワレ |
| 香調の分類 | ウッディ(木) |
| 主な原料 | マンダリン・ローズマリー・サフラン・アミリス・シダー・トンカビーンズ・アイリス |
| 容量 | 35mL / 70mL / 200mL |
| 価格 | 公式のヨーロッパ向け表示で195ユーロ(70mL)。日本の実売は為替と関税、正規か並行かで幅が出る |
| 日本での取扱 | 公式ブティック(表参道・銀座)と百貨店 |
ファムとの違いはどこにあるか
公式が公開している内容はこの通りです。
| 公式の表記 | |
|---|---|
| 香調の分類 | ウッディ(木) |
| 主な原料 | マンダリン・ローズマリー・サフラン・アミリス・シダー・トンカビーンズ・アイリス |
| 種類 | オードトワレ |
クルジャンはトップ・ミドル・ベースという分け方で公開していません。香調の分類と主要な原料だけを出す方針です。時間による変化を細かく説明しない代わりに、何でできているかは正確に示す、という考え方だと思います。
香水の紹介記事には、公式と違う原料が書かれていることがあります。他の媒体の記述が写し継がれていたり、古い情報が残っていたりするためです。ここに載せているのは公式が現在公開している内容です。
公式が挙げているのは7つ。マンダリン、ローズマリー、サフラン、アミリス、シダー、トンカビーンズ、アイリス。
| アミリス オム | アミリス ファム | |
|---|---|---|
| 分類 | ウッディ(木) | フローラル(花) |
| 共通 | アミリス・アイリス | 同じ |
| 特徴 | サフラン・ローズマリー・シダー | 洋ナシ・スイートピー・レモンの花 |
共通しているのはアミリスとアイリスだけ。残りはすべて違う原料です。対の香りといっても、ペアで揃うようには作られていません。
この香りの個性はサフランです。世界一高価な香辛料で、革のような乾いた匂いと金属的な苦さを持つ。これがアミリスの甘さを切っています。
ローズマリーの薬草っぽさも同じ働きをしていて、全体が甘くならないように押さえている。
トンカビーンズが土台にあるので、最後は甘く落ち着きます。苦く始まって甘く終わる構造で、最初の印象で判断すると評価を誤ります。
容量と価格の目安
公式が出している容量はこの通りです。
| 容量 | 使いどころ |
|---|---|
| 35mL | 試す・持ち歩く |
| 70mL | 日常の主軸 |
| 200mL | 定番として使い込む |
価格は、公式のヨーロッパ向け表示で195ユーロ(70mL)。日本での実売は、為替と関税、そして正規か並行かで幅が出ます。1つの数字では言い切れないのが実情です。
詰め替え用のレフィルが用意されている香りもあります。本体を買った後の2本目からは、そちらのほうが安くなります。
日本で買うときに知っておくこと
日本では公式ブティックと百貨店で買えます。路面店は表参道と銀座にあり、伊勢丹などの百貨店にも入っている。クリードのように取扱が極端に少ないブランドではありません。
ただし日本の公式サイトは存在しません。かつて使われていたドメインは第三者に売却されていて、今アクセスしても無関係なページに飛びます。検索で出てくる「公式」を名乗るページには注意が要ります。
| 正規(ブティック・百貨店) | 並行輸入 | |
|---|---|---|
| 価格 | 定価 | 1〜3割安いことが多い |
| 保証 | 国内の窓口がある | 販売店ごと |
| 保管 | 管理されている | 経路が読めない |
| 刻印・ギフト包装 | 受けられる | 対象外 |
並行輸入品も多く流通しています。香水は熱と光で変わるので、輸送と保管の経路が読めないことは実質的なリスクです。定価を大きく下回るものには理由があると考えたほうがいい。
つけ方と続き方
クルジャンの香りは輪郭がはっきりしているので、少量で足ります。原料を絞って作っているぶん、多くつけるとその少ない材料が全部強く出ることになる。
つける量と場所
- 1〜2プッシュから始める。足りなければ翌日に増やす
- 首すじ・耳の後ろ:人に届きやすい。仕事の場では控えめに
- 手首・肘の内側:動くたびに立ち上がる
- 腰まわり・膝の裏:下から穏やかに上がってくる。量を間違えにくい
香りが弱いと感じたときに足すのは、たいてい間違いです。人は自分の匂いに数分で慣れるので、自分に届かなくなった時点でも周りにはまだ届いています。自分の鼻を基準にしないことが、この価格帯の香水では特に大事になります。
肌が乾いていると持ちが落ちます。無香料のクリームを薄く塗ってからつけると、同じ量でも残り方が変わる。量を増やす前に、こちらを試したほうが安全です。
オードパルファンとオードトワレでは持続が変わります。香料の濃度が違うためで、トワレのほうが軽く、そのぶん短い。同じ香りで両方ある場合、日中の使い方で選び分けるといいと思います。
先に知っておきたい短所
まず値段です。3万円を超える買い物になるので、香りが合わなかったときの損失が大きい。この価格帯は「なんとなく良さそう」で買っていい額ではありません。
原料を絞る作り方には裏返しがあります。少ない材料で構成されているぶん、合わない材料が1つあると逃げ場がない。複雑な香水なら他の要素で紛れるところが、ここでは紛れません。
似た香りが安価に出回っています。クルジャンは模倣の対象になりやすいブランドで、「〇〇に似ている」と称する香水が多く売られている。本物を買う理由を自分の中で持っておかないと、割高に感じます。
サフランの癖が強く、最初の10分で判断されがちです。試すなら時間を置いて確かめたほうがいい。
オードトワレなので持続は長くありません。エクストレも用意されていますが、価格が上がります。
クルジャンというブランド
メゾン フランシス クルジャンは、調香師のフランシス・クルジャンが2009年に立ち上げたブランドです。ニッチ系の中では新しいほうに入ります。
クルジャンはこのブランドを作る前から知られた調香師でした。1995年、25歳のときに手がけたジャン ポール ゴルチエの「ル マル」が世界的に売れて、そこから他社向けの仕事を続けている。他人の名前で売られる香水を作ってきた人が、自分の名前で始めた店という成り立ちです。
2017年にLVMHが過半数の株式を取得しました。資本が入ったことで流通が広がり、日本でも買いやすくなっています。一方で、小さな工房だったころを知る人からは「大きくなりすぎた」という声も出ています。
香りの作り方には一貫した特徴があります。原料の数を絞って、少ない材料をはっきり立たせる。バカラ ルージュ 540が公式には3つの原料しか挙げていないのが象徴的で、複雑さより輪郭で勝負する作りです。
嗅がずに買わない
3万円前後の買い物です。原料を絞った作りなので、合わない材料が1つあると全体が駄目になる。この構造は、試さずに買うことのリスクを普通の香水より大きくします。
あわせて読みたい
- クルジャンで最初に名前が挙がる1本を知りたいなら、バカラ ルージュ 540の徹底解説もどうぞ。
- 同じブランドのクルジャン 724の香りもどうぞ。
まとめ:アミリス オムは苦さから甘さへ動く一本
メゾン フランシス クルジャン アミリス オム は3万円前後の買い物になります。原料を絞った作りなので、合わない材料が1つあると全体が駄目になります。
だからこそ、買う前に肌の上で試す順序を崩さないほうがいい。
香りの中身をもう一度整理します。効いているのはサフランで、革のような乾いた苦さがアミリスの甘さを切り、薬草っぽいローズマリーがそれを支えている。それでも土台のトンカビーンズが最後には甘く着地させるため、印象は途中で入れ替わります。試すなら時間を置いて確かめたい一本です。
買う場所は表参道と銀座の路面店、それに百貨店。日本の公式サイトは存在しないため、検索で出てくる「公式」を名乗るページには気をつけてください。並行輸入なら1〜3割安いことも多い一方、輸送と保管の経路は読めません。つける量は1〜2プッシュから始めれば、輪郭のはっきりしたこの香りを持て余さずに済みます。
メゾン フランシス クルジャン アミリス オムに近い方向で探すなら
似た方向で探すなら、この3本が候補になります。同じ香りではないぶん、何が近くて何が違うのかを書いておきます。
| 銘柄 | 価格の目安 | 近いところ | 違うところ |
|---|---|---|---|
| ル ラボ マッチャ26 | 14,300円〜 | シダーが重なる | オレンジが入り、甘い柑橘が乗る |
| オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー オー・トリプル ミエル・ダングルテール | 23,210円〜 | シダーが重なる | ムスクが入り、柔らかい残り香になる |
| バイレード ムンバイ ノイズ オードパルファム | 29,150円〜 | トンカビーンが重なる | コーヒーが入り、焙煎の苦みが出る |
3本とも系統は近いものの、残り方が違います。長く使うなら、残り香が自分の生活に合うかで決めるほうが失敗しません。
※本記事はプロモーションを含みます

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