甘さのない、緑とスパイスの香りです。出だしはバジルとシャンパンの泡で冷たく、中盤からブラックペッパーが乾いて尖り、最後はアンバーが体温に近い温かさだけを残します。清涼系をひととおり着けてきて、それだけでは物足りなくなった人に向く1本。
ノンフィクションのフォーゲットミーノット(FORGET ME NOT)は、韓国・ソウルのブランドが作る、50mLで18,400円のオードパルファンです。公式自身が「その第一印象を覆すように」と書いていて、バジルを浮かべたシャンパンからペッパーとアンバーへ移ります。
この記事でわかること
- バジルとシャンパンからペッパー、アンバーへ移る香りの変化
- 前半と後半で別物になる理由と、店頭のテスターで判断できないわけ
- 持続時間・つける量・拡散が穏やかな理由
- 50mLで18,400円という価格の位置づけと、正規の流通で買う理由
結論:清涼で入って官能で終わる、落差が主題の1本
総合評価:4.3 / 5.0 ★★★★☆
この香りの主題は落差そのものです。バジルとシャンパンアコードの冷たい清涼から、ブラックペッパーの乾いた刺激を通り、クリーミーなアンバーの温かさへ降りていく。公式自身が「その第一印象を覆すように」と書いているとおり、前半と後半は別の香りとして設計されています。
だから店頭のテスターだけでは決められません。肌にのせて数時間おく必要があります。ペッパーの刺激で好みははっきり分かれますが、分かれるということは、合った人には代わりが見つからないということでもある。清涼系に飽きた鼻ほど、後半のアンバーが効いてきます。
ノンフィクション フォーゲットミーノットの基本情報
| ブランド | ノンフィクション(2019年・韓国ソウル) |
| 商品名 | フォーゲットミーノット(FORGET ME NOT)オードパルファン |
| 容量・価格 | 50mL:18,400円 |
| 香調 | トップ:バジル、シャンパンアコード / ミドル:ブラックペッパー / ラスト:アンバー |
| 系統 | スパイシーグリーン(公式表記) |
香りの変化をレビュー:シャンパンからペッパーへ
公式の説明は「スパイシーペッパー、アンバー、グリーンノートの独創的な調和がこれまでにない神秘的かつ魅惑的なムードに導くスパイシーグリーンの香り」。
始まりは「バジルの葉を浮かべた爽やかなシャンパン。清涼さで満たされたグラス」。そこから「緊張感を与えるピリッとしたペッパーとクリーミーなアンバー」へ移ります。
爽やかに入って官能に着地する。この落差がこの香りの主題です。
トップ:バジルとシャンパンの泡は冷たい
バジルの青さとシャンパンアコードが同時に来ます。切った葉の水気と、注いだばかりの泡。温度は冷たい側で、乾いた感じはまだない。ここだけなら夏の食前酒のような一本です。
ミドル:ブラックペッパーが乾いて尖る
泡の水気が引くと、ブラックペッパーが前に出ます。挽いた粒の乾いた刺激が鼻の奥を突いてくる。緑は消えず、後ろで輪郭だけになる。公式の言う緊張感はこの乾き方です。
ラスト:アンバーが体温に近い温かさを残す
アンバーが下から支えに入り、尖りが丸くなります。クリーミーという公式の言葉どおり、乾いた質感がわずかに湿る。残るのは肌と区別のつかない温かさだけ。
香りの落差を図で見る
| 段階 | 原料 | 役割 |
|---|---|---|
| 最初 | バジル、シャンパンアコード | 清涼。緑と泡 |
| 中盤 | ブラックペッパー | 刺激。緊張感 |
| 最後 | アンバー | クリーミーな温かさ |

三段の並びは、そのまま温度の移り変わりです。図は上から下へ、冷たい側から温かい側へ降りていきます。
つけ方と持続時間
オードパルファンなので、1〜2プッシュで足ります。
つける場所の目安
- 首すじ・耳の後ろ:最も届く。人に伝えたいとき
- 手首:動作のたびに香る
- 腰まわり:下から穏やかに立ち上がる
- 服:残りやすいが、本来の出方はしない
オードパルファンの持続はおおむね5〜7時間です。朝につければ夕方まで残る計算になります。
韓国のブランドは、欧州の老舗に比べて拡散が穏やかに作られている傾向があります。満員電車や会議室で持て余しにくい反面、すれ違いざまに気づかせる力は弱い。近い距離にいる人にだけ届く、と考えておくと期待を外しません。
つけ直すなら昼過ぎが目安です。ただし自分の鼻は最初の30分で慣れてしまうので、「消えた」と感じても他人にはまだ届いていることがあります。足す前に一度、服の袖などで確かめるほうが安全です。
使う場面と量
| 場面 | 向き | 理由 |
|---|---|---|
| 春夏 | ◎ | 緑と泡が季節に合う |
| 夜の外出 | ◎ | 後半のアンバーが効く |
| 職場 | ○ | 前半は清涼。量を絞れば可 |
| 食事の席 | △ | バジルが料理を連想させる |
春から夏は、緑と泡がそのまま季節に噛み合います。シャツ一枚の日なら手首に一度で足りて、袖をまくるたびに清涼さが顔を出す。夜は首すじか耳の後ろへ寄せ、職場では1プッシュを腰まわりに置く。下から穏やかに立ち上がるので、会議室でも角が立ちません。食事の席だけは避けたい。バジルは料理にも使う素材なので、皿の匂いと並ぶと香水として読まれにくくなります。
量の目安
- 1〜2プッシュ。ペッパー系は増やすと刺激が立つ
- 前半だけで判断しない。2時間後を見る
- 食事の前後は控える
使う場面が決まったら、あとは買うだけです。
容量ごとの使い分け
| 容量 | 使いどころ |
|---|---|
| 30mL | 試す・持ち歩く |
| 50mL | 日常の主軸 |
| 100mL | 定番にする |
このブランドのこと
ノンフィクションは2019年にソウルで始まったブランドです。フレグランスとボディケアを軸に、店舗の設計まで含めて世界観を作り込んでいます。
香りの名前が「サンタルクリーム」「オープンアームズ」のように情景や状態を指す言葉で付けられているのが特徴で、何の匂いかを名前から読み取れるものと、読み取れないものが混在しています。
韓国のフレグランスブランドが日本で存在感を持ち始めたのは、ここ数年のことです。スキンケアやメイクで先に市場を取り、そこから香りへ広げてきた。価格帯も欧州のニッチ系と並ぶところまで上がっています。1万円台後半から2万円台という設定は、ジョー マローンやディプティックと同じ帯です。つまり価格で選ばれることを前提にしていない。世界観と香りそのもので勝負する、という立ち位置になります。
残念なところ
試せる場所が限られます。日本での取扱店舗はまだ少なく、地方では現物に触れる機会がほぼありません。
情報も少ない。欧州の老舗と違って、原料の産地や調香師まで公開されている香りは限られます。
転売品にも注意が要ります。韓国から個人輸入した品が国内で流通していますが、輸送中の温度も保管状態も読めません。香りは熱と光で変わるので、定価より極端に安いものは理由を確認したほうがいい。
前半と後半で別物になるので、店頭のテスターでは判断できません。肌にのせて数時間おく必要があります。
スパイスの刺激も好みが分かれます。ペッパーが苦手なら避けたほうがいい。
ただし、どれも裏返せる弱点です。取扱店舗が少ないぶん人と被りにくく、前半と後半で別物になるぶん一日のうちに二度楽しめる。ペッパーで好みが割れることも、合った人には代わりの利かない一本になるという意味でもあります。判断まで数時間かかる点だけ、買う前に織り込んでおいてください。
どの容量を買うか
日本では公式オンラインと一部の百貨店・セレクトショップで買えます。
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 50mL | 18,400円 |
並行輸入や個人輸入の品も出回りますが、保管状態が読めません。香りは熱と光で変わるので、正規の流通で買うほうが確実です。
スパイシーな香りは、つける量の加減がそのまま印象の加減になります。最初の1本として迎えるなら、少なめに使う日が続く前提で、50mLは思っているより長く付き合う量だと考えておいてください。減らないことは失敗ではなく、この系統との正しい距離感です。
買う前に確かめる
1万8千円近い買い物になります。韓国のフレグランスは日本で試せる店舗がまだ限られていて、実物に触れずに買う人が多い。
あわせて読みたい
- 評価が割れる香りの実際を知りたいなら、ザ・ベージュのレビューもどうぞ。
- 同じブランドのノンフィクション フォーレストは温泉の香りもどうぞ。
まとめ:清涼から官能へ、落差そのものが商品
フォーゲットミーノットは、清涼から官能へ転じる設計の香りです。バジルとシャンパンで始まり、ペッパーとアンバーで終わります。
落差そのものが商品なので、前半だけで判断すると意味がありません。試すなら肌にのせて時間を置くこと。
価格は50mLで18,400円。ジョー マローンやディプティックと同じ帯で、安さで選ばれることを前提にしていない設定です。2019年にソウルで始まったブランドが、世界観と香りそのもので勝負しにきた一本、と読むと納得がいきます。
使い方は難しくありません。春夏の日中は手首に一度、夜の外出なら首すじか耳の後ろ。職場では1プッシュを腰まわりに置けば、下から穏やかに立ち上がって角が立ちません。避けたいのは食事の席くらいで、バジルが料理を連想させるためです。拡散が穏やかなぶん満員電車や会議室では持て余しにくい。近い距離の人にだけ届く香りだと思っておけば、期待を外しません。
ノンフィクション フォーゲットミーノットオードパルファンに近い方向で探すなら
この香りが気に入ったなら、次に試す候補も挙げておきます。同じ香りではありません。価格も方向も違うので、どこが近くてどこが違うかを先に書きます。
| 銘柄 | 価格の目安 | 近いところ | 違うところ |
|---|---|---|---|
| SHIRO PERFUME チェリッシュ マイ ラブ | 11,203円〜 | アンバーが重なる | ライチが入り、甘い果実が乗る |
| タンバリンズ ホワイトダージリンオードパルファン | 18,600円〜 | 同じグリーン・ティーの方向 | サンダルウッドが入り、ミルキーな白檀が乗る |
| オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー オー・トリプル グロゼイユ・ドゥ・スカンジナーヴ・エ・トマト・デュ・ペルー | 23,210円〜 | 同じグリーン・ティーの方向 | ローズマリーが入り、ハーブの苦みが出る |
価格が近いものから試すか、方向をずらして試すか。手持ちに無い方向を選んだほうが、結果的に使う回数は増えます。
※本記事はプロモーションを含みます

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