スパイスで汗の気配を混ぜた、甘くない薔薇です。出だしはシトラスと薔薇の素直な明るさ、30分ほどでクミンが表に出て肌の体温が混ざり、3時間を回ると残るのは木と煙。薔薇の香水を女性のものだと感じて避けてきた人に向く1本です。
名前の31は、配合した原料の数だと公式が説明しています。主役はグラースのセンティフォリアローズ。そこへ汗を思わせるクミンを重ねて甘さを崩し、男女問わず身にまとえる薔薇にする。それが公式の掲げた目的です。
この記事でわかること
- ローズ31の香りの正体(薔薇にクミンを重ねた、甘くないスパイシーな薔薇)
- クミンが出てくる時間帯と、肌質で印象が変わる理由
- 夜と秋冬に寄せたい理由と、職場・食事の席で使いにくい事情
- 15mL・50mL・100mLの価格と、どこで買うかの選び分け
結論:クミンで甘さを崩した、男女問わず持てる薔薇
総合評価:4.3 / 5.0 ★★★★☆
ローズ31を一言でいうなら、汗を思わせるクミンで甘さを崩した薔薇です。主役はグラースのセンティフォリアローズですが、花束の輪郭は中盤でゆるみ、3時間も経てばガイアックウッドの煙とシダーが前に出ます。薔薇を女性の香りだと思って避けてきた人ほど、この崩し方が効く1本。
好みははっきり分かれますが、分かれるぶん、ハマる人には深く刺さります。皮脂の多い肌ほどクミンの動物的な面が濃く出るので、他人がつけていたときの印象は当てになりません。だから15mLが1万4千円台で用意されているのは大きい。数日かけて自分の肌で確かめてから、大きい瓶に進んでください。
ル ラボ ローズ31の基本情報
| ブランド | ル ラボ(2006年・ニューヨーク発) |
| 商品名 | ル ラボ ローズ31 |
| 名前の由来 | 配合した原料の数が31 |
| 容量 / 価格 | 15mL:14,300円 / 50mL:32,230円 / 100mL:47,190円 |
| 主な原料 | センティフォリアローズ、クミン、オリバナム、シダー、アンバー、ガイアックウッド、シトラス |
| 香調 | トップ:シトラス、薔薇 / ミドル:クミン、スパイス、薔薇 / ラスト:ガイアックウッド、シダー、オリバナム |
| 系統 | スパイシーな薔薇(中性的) |
公式が書いている目的:男女問わず使える薔薇
グラースの薔薇を、男女問わず身にまとえる香りにすること。
公式はこれを目的として明示しています。つまり最初から、女性向けの薔薇を作るつもりがありませんでした。
薔薇そのものは中性的な素材ですが、甘い方向に振ると女性向けの印象が強まる。だから、甘さ以外の方向へ引っ張る必要がありました。
ル ラボは2006年にニューヨークで始まったブランドです。注文を受けてから店頭で調合し、そのラベルに日付と名前を入れる。この売り方そのものがブランドの中身になっています。
原料と配合:決め手はクミン
| 原料 | 役割 |
|---|---|
| センティフォリアローズ | 主役。グラースの薔薇 |
| クミン | スパイス。汗のような要素 |
| オリバナム | 乳香。乾いた樹脂 |
| シダー | 乾いた木 |
| アンバー | 暖かい甘さ |
| ガイアックウッド | 煙のある木 |
| シトラス | 明るさ |
決定的なのはクミンです。料理に使うスパイスで、香水に入ると汗のような動物的な印象を出します。少量なら肌の匂いに寄り、量が増えると料理を思わせる。薔薇の甘さにこれを重ねると、花束の輪郭がゆるみます。
残りは、香りが甘い方向へ流れないように押さえる役です。乾いた樹脂のオリバナム、煙を含むガイアックウッド、シダーの乾いた木。アンバーが暖かい甘さを下に敷き、シトラスだけが明るさを担います。
名前の数字は配合した原料の数だと公式は説明しています。サンタル33なら33種類です。
香りの変化:花の顔から、木と煙へ
クミンがいつ出てくるかで、この香水の印象は決まります。
トップ:シトラスと薔薇で、まだ花の顔
最初に立つのはシトラスの明るさと、薔薇の素直な面です。ここだけを嗅げば、値の張る花の香水と区別がつきません。甘さもまだ表側に残っています。
ただしこの顔は長く続かない。明るさの下ではクミンが出番を待っていて、数分で薔薇の縁がにじみ始めます。
ミドル:クミンが出て、香りに体温が混ざる
30分から2時間、ここがこの香水の本体です。クミンとスパイスが表に出て、薔薇の甘さと絡む。花なのか人の肌なのか、嗅いでいる側が判断に迷う帯ができます。
皮脂の多い肌ほど、この帯の動物的な面が濃く出ます。汗の気配だと受け取る人もいれば、そこが色気だと言う人もいる。好き嫌いが分かれるのは、ほぼこの時間帯の話です。
薔薇を薔薇のまま楽しみたい人には向きません。香水に人間らしさを求める人ほど、この帯が効きます。
ラスト:残るのは薔薇ではなく木と煙
3時間を回るあたりから、前に出るのはガイアックウッドの煙とシダーです。オリバナムの乾いた樹脂もこちら側に残り、香り全体が乾いた方向へ収束していきます。
このころには薔薇の印象はかなり薄い。残り香だけを嗅いだ人は、薔薇の香水だとは思わないはずです。
中盤の体温を買うのか、後半の乾いた木を買うのか。この1本の評価は、そのどちらを気に入るかでほぼ決まります。
使う場面と付け方:夜と秋冬に寄せる
| 場面 | おすすめ度 |
|---|---|
| 夜の外出 | ◎ |
| 秋冬 | ◎ |
| 職場 | △ |
| 食事の席 | △ |
| 夏 | △ |
◎が並ぶのは、日が落ちてからの外出と、秋から冬にかけての時期です。夏に△がつくのは、汗のような要素を持つ香りに、本物の汗が重なるからです。
食事の席が△なのは、クミンが料理の匂いと混ざるからです。職場の△も、好き嫌いのはっきり分かれる香りを毎日持ち込むには向かないという意味。
合わせやすい服
- 黒や濃紺
- レザー
- ウール
- きれいめの服
服は黒や濃紺、レザーやウールのように面の落ち着いたものが合います。きれいめの格好ほど、香りの収まりがよくなります。
置く場所は手首か肘の内側から。皮脂の多いところほどクミンが強く出るので、いきなり胸元へ広く吹くと自分でも持て余します。量は控えめで足ります。
難点
| 短所 | 程度 |
|---|---|
| クミンの好みが分かれる | 大 |
| 肌質で出方が変わる | 大 |
| 職場では使いにくい | 中 |
| 価格が高い | 大 |
この香水は、人によって印象が大きく変わります。
皮脂が多い肌では、クミンの動物的な面が強く出ます。
他人がつけているのを嗅いで良いと思っても、自分の肌では違う香りになる可能性がある。
必ず自分の肌で試してください。これはこの香水で特に重要です。
価格の理由:グラースの薔薇は5月の手摘み
主役のセンティフォリアローズは、南フランスのグラースで採れる薔薇です。採れるのは5月の数週間だけ、しかも朝のうちの手摘みなので、人件費がそのまま原料の価格になります。
「グラースの薔薇」と書かれた香水が高いのは、この事情によるものです。他の産地に替えれば価格は下がりますが、香りの質も変わる。
通販は売る場所によって価格が上下します。今いくらかを見てから決めてください。
他の薔薇の香水との違い
| 方向 | 印象 |
|---|---|
| 甘い薔薇 | 花束。女性向けの印象 |
| スパイシーな薔薇 | この1本。中性的 |
| ウッディな薔薇 | 落ち着く |
| みずみずしい薔薇 | 軽く清潔 |
マティエール プルミエールのラディカル ローズもスパイスの方向ですが、あちらはサフランです。
クミンとサフランでは、同じスパイスでも印象がかなり違う。
両方試すと、方向の違いが分かりやすい。
買い方
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 15mL | 14,300円 |
| 50mL | 32,230円 |
| 100mL | 47,190円 |
15mLがあるのがこのブランドの良いところです。3万円を出す前に、1万4千円台で試せます。
| 買う場所 | 価格 | 注意 |
|---|---|---|
| 直営店・公式 | 定価 | ラベルに名入れができる |
| 百貨店の取扱店 | 定価 | 店舗が限られる |
| 通販の並行輸入 | 上下する | 保管状態が分からない |
香水は熱と光で劣化します。通販の並行輸入は輸送と保管の条件が読めないので、その点を割り切れる人向けです。
肌質による差が大きい香りです。店頭で数分嗅ぐだけではクミンの出方が読めないので、15mLで数日試してください。
店頭で試せない香りもあります。少量から肌で試す方法を持っておくと、3万円を払う前に判断できます。
あわせて読みたい
- 別の薔薇と比べるならマティエール プルミエール ラディカル ローズもどうぞ。
- 肌で香りが変わる話香水が似合わないと感じる理由もどうぞ。
- 同じブランドのル ラボ ビガラード18、香港に捧げた柑橘とウッドの綱引きもどうぞ。
まとめ:この1本の評価は中盤のクミンで決まる
公式が「男女問わず身にまとえる薔薇」を目的として明示している香りです。
クミンが入ることで、花束ではなく肌の香りに近づきます。
肌の油分で出方が変わるので、必ず自分の肌で試してください。
クミンが苦手なら、この香水も合わない可能性が高い。
時間で追うと、素直な薔薇でいるのは最初の数分だけです。30分から2時間はクミンが表に出て、花なのか人の肌なのか判断に迷う帯になる。3時間を回ったあとに残るのは、ガイアックウッドの煙とシダーの乾いた木です。中盤の体温を買うか、後半の乾いた木を買うか。この1本の評価は、そこでほぼ決まります。
使う場面は夜の外出と秋冬に寄せると収まりがよく、職場や食事の席では気をつかいます。毎日の香りにはしにくいぶん、ここぞという日の1本としては強い。価格も15mLで14,300円と安くはありませんが、小さい瓶から入れば3万円を賭ける前に肌との相性を確かめられます。
ほかの銘柄と迷うなら、ル ラボ香水の選び方もあわせてどうぞ。
※本記事はプロモーションを含みます

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