クローゼットを開けたら、去年のコートからまだ匂いがしました。しまう前に一度も着ていないのに、です。セルジュ・ルタンス アン ボワ ヴァニーユ は、そういう置き土産を残していく香水でした。結論から言うと、自分の肌より着ていたもののほうが長く香っている一本です。二度の冬を越した今なら、この残り方とどう付き合えばいいかを一通り書けます。値段の飲み込み方も、残り香で実際に困った話も含めてです。
この記事でわかること
- 腕の上での香り方と、体感で何時間もつのか
- 和食のカウンターで浮いた日の話と、その理由
- 服・マフラー・寝具に残った匂いをどう扱うか
- 50mL で 25,630円という額の飲み込み方
どこで買えるかは、ブランド名で引くのがいちばんの早道でした。
Serge Lutens Un bois vanille (アン ボワ ヴァニーユ) オードパルファム 50mL
参考価格 25,630円前後
甘い香水が好きで、バニラ系の濃厚な香りを求める人向け。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
結論:アン ボワ ヴァニーユ は「肌より服に長く残る甘い木の香り」
この香水を一言でいうと、自分の肌からいなくなったあとも、着ていたものの中に居座り続ける香水です。
理由は濃さの落ち方にあります。腕の上では最初の三十分がいちばん濃くて、そこからはゆっくり薄まっていきます。ところが繊維に移ったぶんは、ほとんど薄まりません。肌では体感で五〜六時間ほどで鼻を近づけないと分からない濃さになるのに、脱いだニットは翌日もはっきり匂います。
去年の一月に着ていたウールのコートが分かりやすい例でした。週に二回、いつもどおり一プッシュずつ吹いて着ていただけです。それを三月にクリーニングへ出さずしまい込んで、次に開けたのが十一月。ハンガーから外した瞬間に、あの甘さが袖口から立ち上がってきました。八か月です。自分の肌では五時間しか持たないものが、ウールの中では季節をまたいで生き延びていたわけです。
だからこの香水の評価は、つけた瞬間より、脱いだあとに決まります。
総合評価:4.5 / 5.0 ★★★★☆
Ryo
脱いだコートのほうが、僕より長く香っています。

セルジュ・ルタンス アン ボワ ヴァニーユ の基本情報
財布の側から話を始めます。50mL で 25,630円、1mL あたりに割ると約513円です。ここで手が止まる人は、この先の香りの話を読んでも結論は変わらないと思います。
手首と首の後ろへ一プッシュずつという僕の使い方でも、一本で一年は保ちませんでした。つまり毎日つける習慣にした瞬間、瓶の減りがそのまま毎月の出費として乗ってきます。容量は 50mL と 100mL の二つが用意されていて、100mL を選べば一度に出ていく額はもっと大きくなります。ここは正面から書いておきたいところです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | セルジュ・ルタンス |
| 香水名 | アン ボワ ヴァニーユ(Un Bois Vanille) |
| 濃度 | オード パルファム(表記は Eau de parfum) |
| 価格 | 50mL 25,630円 |
| 1mLあたり | 約513円 |
| 容量展開 | 50mL と 100mL の2サイズ |
| 香調の表記 | 層分けなし。バニラとウッド、対比をなす樹脂感という一行のみ |
| 剤形 | 記載なし |
| 体感の持続 | 肌で五〜六時間 |
香調の並べ方についても書いておきます。このブランドの商品ページには、香りを段に分けた表記が出ていません。あるのは「バニラ、ウッド、対比をなす樹脂感」という一行だけです。腕の上での感じ方も同じで、三つはいっしょに香ります。
値はときどき動きます。いまの表示を下で確かめてください。
Serge Lutens Un bois vanille (アン ボワ ヴァニーユ) オードパルファム 50mL
参考価格 25,630円前後
甘い香水が好きで、バニラ系の濃厚な香りを求める人向け。
香りをつくっている素材
ここから先は、僕の腕で拾えたものを素材ごとに並べます。順番の話ではありません。商品ページに書かれているのは「Key Notes: Vanilla, wood, with contrasting resinous and woody undertones」という一行きりで、どれが先に来てどれが後に引くかという情報は、どこにも出てこないからです。バニラ、ウッド、対比をつける樹脂感。この三つを、僕は二度の冬のあいだ同じ束として嗅いできました。
バニラ:離れた相手にも届いていた甘さ
腕から離れても消えずに届いていたのは、バニラの部分でした。名前に入っている素材なので、そこを探しながら嗅いでいたのも正直なところです。
ブランド側の説明文は、アステカ時代のメキシコを舞台に、征服者エルナン・コルテスの足跡をたどってバニラという極上の蜜に出会う、という物語仕立てで書かれています。締めは、忘れられた文明の中心へ向かうウッディな旅。売り文句としては大げさですけれど、書かれているのはそこまでです。
僕の腕での印象を言うと、製菓用のバニラエッセンスとは別ものです。近いのは、封を切ったばかりのバニラビーンズの鞘そのもの。甘いのに土っぽくて、うっすら煙たさがあります。砂糖の甘さというより、黒くて粘り気のある甘さ、と言ったほうが伝わるかもしれません。体温で膨らむ性質があるので、暖房のよく入った部屋に入った瞬間に濃く感じます。
ここは遠くまで届くというだけで、香りそのものが強いわけではありません。遠くまで来るものと、近くにしか来ないもの。僕の鼻が分けられたのは、そこまででした。
ウッド:甘さを乾かしている乾いた線
この香りが砂糖菓子で終わらないのは、ウッドが同じくらい強く香るからだと思っています。
商品ページの一行にも、バニラと並んで wood が置かれています。並んで書かれているというのが大事なところで、添え物あつかいはされていません。
肌の上での感じ方でいうと、削りたての鉛筆の芯に近い乾いた木です。湿った森の匂いではありません。この乾いた線があるおかげで、甘さがべたつかずに済んでいます。手持ちのウッディ系の香水と並べると、こちらは木の匂いをそのまま出すのではなく、甘さと同じところで鳴らしている感じがします。
僕の場合、これ単体を意識することはほとんどありません。抜いて考えたときに初めて、どれだけ効いていたかが分かる部分です。
樹脂:甘さの下に敷かれた煙たさ
三つめが樹脂感です。僕の腕では、ここがいちばん相手との距離を選びました。
商品ページの言い方は contrasting resinous、つまり「対比をなす樹脂の」です。対比という言葉をブランド自身が使っているとおり、甘さや木とは別の方向を向いた要素として置かれています。
腕を鼻に近づけて拾えるのは、琥珀色に固まった樹液のような、少しべたついた匂いです。線香をつけた部屋の残り香に近いと感じる日もあります。離れた相手には、たぶんここまでは届いていません。それでも僕の腕では、これがあるから甘さが平らにならずに済んでいます。
結局、二度の冬を越しても、この三つに順番はつけられませんでした。いっしょに香っていて、僕の鼻に遠くまで届くかどうかだけが違います。それだけの話です。
正直な注意点
この香水で困ったことは二度あって、どちらも自分の外側で起きました。ひとつは店の中、もうひとつはクローゼットの中です。
店のほうから書きます。十一月、友人に誘われて和食のカウンターに座った日のことです。出汁の匂いが立ち上がっている店内で、自分の袖口からバニラの甘さが上がってくる。板前さんの前で、これは明らかに場違いでした。しかも狭いカウンターは肩が触れる距離なので、逃げ場がありません。以来、和食と寿司の予定がある日はつけないことにしています。香りの強い料理と正面から鉢合わせすると、甘さが一方的に浮くんです。
クローゼットのほうは残り香です。これは長所と裏表なのですが、生活に食い込んでくるという意味では確実に弱点でした。マフラーは一度巻けば数日残ります。寝る前につけた日は、翌朝の枕カバーが甘い。困るのは、翌日に別の香水を使いたいときです。シャツを替えても、コートとマフラーが前日の甘さを持ち越しているので、二つが混ざったまま出勤することになります。香りをその日の気分で切り替えたい人には、これはかなりのストレスだと思います。僕は結局、この香水を着る日用のマフラーを一本決めてしまいました。
なお、繊維に移ったものが薄まっていくときも、匂いの中身が入れ替わるわけではありません。薄くなるだけで、香っているものは同じです。そこは安心していい部分でした。
注意
① 香りの強い料理の席では浮く。甘さがはっきりしているので、和食や寿司のカウンターだと一方的に目立つ
② 服と寝具に残って翌日まで居座る。マフラーや枕に移った匂いが薄まりにくく、香りを毎日変えたい人には向かない
弱点が二つとも「よく残る」という一点から出ているのは、この香水の性格そのものだと思います。
合う人・合わない人
向いているのは、甘い香りを堂々と着られる人です。
この香水は甘さを隠しません。薄めて使っても甘いものは甘いので、そこに後ろめたさがある人だと、つけるたびに量を減らして中途半端になります。逆に「自分は甘い香りが好きだ」と決めている人には、迷いなく使える一本になります。
もう一つ、秋から冬にかけて厚手のものを着ている時間が長い人。コート、ニット、マフラーという組み合わせは、この香りの受け皿としてよくできています。繊維が多いほど残り香が生きてくるので、季節がそのまま味方になります。
反対に、職場で香りを消しておきたい人には勧めません。控えめにつけたつもりでも、暖房の入った室内では体温で膨らんで、思ったより気づかれます。
こんな人に合う
- ✓ 甘い香りが好きだと自分で決めている人
- ✓ 秋冬にコートとニットで過ごす時間が長い人
合わないかも
- × 職場で香りを気づかれたくない人
自分がどちら側かは、たぶん読みながらもう分かっているはずです。

使う場所と時間
寒い日の外出が、この香水にはいちばん合いました。
理由は服の量です。厚着をするほど繊維が増えて、残り香の良さが出ます。加えて冷えた空気の中では香りの広がりが抑えられるので、甘さが暴れません。僕が気に入っているのは、十二月の休日の昼下がりに映画館へ行くときです。ウールのコートに厚手のニット、首にマフラー。暗い場内で座席に沈んだときの、自分の襟元から上がってくる甘さが好きなんです。
一日の流れはこうです。家を出る三十分前に、いつもの二か所へ一回ずつ。家を出るころが濃さのピークで、電車の中では自分でもはっきり分かります。昼を回るころには一段落ちて、隣に来た人が気づく程度。夕方に帰宅するときには肌の近くだけになっていますが、脱いだコートはまだ濃いままです。
STEP 1|0〜30分
全体がいちばん濃い
腕を下ろしていても自分ではっきり分かる
STEP 2|〜3時間
濃さが一段落ちる
近くに来た人が気づくくらいの距離
STEP 3|それ以降
肌の近くだけに薄く
着ていたものはこの時点でも濃いまま
使う場面
| 仕事・オフィス | △ | 暖房の入った室内では体温で膨らんで目立つ |
| 夜デート | ◎ | 近い距離でこそ持ち味が出る |
| 休日 | ◎ | コートとニットの季節と相性がいい |
| 真夏 | × | 汗と混ざると甘さが重くなり、薄着だと逃げ場もない |
服の素材でいうと、ウールとカシミア、それに革が合います。逆に夏の麻シャツやTシャツ一枚だと、肌に直接乗るぶん甘さが立ちすぎました。真夏に手を出す香りではない、というのは早い段階で結論が出ています。
保管で中身は変わる
夏と冬で置き場所を変えるべきか。二度の冬を越した僕の答えは「変えない」です。
季節で動かすと、そのたびに温度の違う場所を瓶に経由させることになるからです。しかもこの香水は秋冬に偏って使うので、夏のあいだは触りもせずに眠っています。50mL を毎日は使わない前提で買うと、使いきるまでに一年以上かかる計算です。その一年をどこで過ごさせるかで、使い終わりのころの香りが違ってきます。100mL を選んだ人はもっと長い。僕は年間を通して、箱ごと寝室のチェストにしまいっぱなしにしています。
置き場所と影響
| 直射日光の当たる窓際 | × | 甘さと樹脂の釣り合いで立っている香りなので、日に当てると釣り合いのほうが先に崩れる |
| 浴室・洗面所 | × | 湯気で温まった瓶は、開けた瞬間の甘さばかりが濃く出るようになる |
| 暖房の近く | × | 体温で膨らむ甘さなので、瓶ごと温められると出かけに嗅ぐ印象が変わる |
| 100mLを選んだとき | 注意 | 使い切るまでが長いぶん、置き場所の差がそのまま出る |
口コミの読み方
結論から言うと、この評判は半分あたりです。甘すぎて男がつけると重い、という声のことです。甘いのは本当で、そこを否定するつもりはありません。ただ重くなるかどうかは量で決まります。一プッシュなら乾いた木がはっきり香ってきりっとしますし、三プッシュすれば確かに重いです。僕は最初の一週間で三プッシュを試して、自分で持て余しました。量を減らしたら、同じ瓶とは思えないくらい印象が変わっています。
バニラという言葉だけで子どもっぽさを想像する人も多いはずです。これは僕の答えとしては外れです。製菓のバニラとは別ものですし、樹脂感が影をつくっているので、砂糖菓子の方向には転びませんでした。甘い香りを避けてきた人ほど、ここで一度考え直す価値があります。
値段が高い、という声については、そのとおりとしか言えません。50mL で 25,630円、1mL あたり約513円です。試して外れたら別のを、と回せる値段ではありません。甘い香りを着る覚悟があるかどうかを先に決めてから手を出す種類の一本だと思います。
口コミの読み方
| 甘すぎて男には重い | 半分あたり。重くなるかは量しだいで、一プッシュなら乾いた木できりっとする | |
| バニラが入ると子どもっぽくなるのでは | 外れ。製菓のバニラとは別もので、樹脂感が影をつくっている | |
| 50mLで25,630円は高い | 高いです。1mLあたり約513円を毎日使えるかで判断が決まる |
まとめ
セルジュ・ルタンス アン ボワ ヴァニーユ は、脱いだあとの服のほうが雄弁な一本でした。
肌の上での体感は五〜六時間ですが、コートとマフラーはそのあと何日も甘さを抱えています。八か月ぶりに出したコートが匂ったときは、さすがに笑いました。この残り方を面白いと取れるか、生活に食い込んで面倒だと取るかで、評価はきれいに割れると思います。50mL で 25,630円という額をどう見るかも、結局そこ次第です。
この記事のまとめ
- ✓ バニラ・ウッド・樹脂感の三つがいっしょに香る、甘くて乾いた香り
- ✓ 肌は体感で五〜六時間。コートやマフラーには何日も残る
- ✓ 50mLで25,630円、1mLあたり約513円を毎日使えるかで決まる
取り扱い店と今の値は、下から追えます。
Serge Lutens Un bois vanille (アン ボワ ヴァニーユ) オードパルファム 50mL
参考価格 25,630円前後
甘い香水が好きで、バニラ系の濃厚な香りを求める人向け。
※本記事はプロモーションを含みます

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