雨上がりの土曜、美容室の椅子に座った直後に、担当の美容師さんから「今日、シャンプー変えました?」と聞かれました。つけていたのはこの香水です。結論から言うと、フレデリック マル アンジェリック スー ラ プルイ は、香水と気づかれないほうの香水でした。半年つきあってみると、この香りが働く場所と働かない場所がはっきり分かれました。そのあたりを、単価の話や買う前に知っておきたい弱点も含めて書いていきます。
この記事でわかること
- トップからベースまで、腕の上で実際にどう変わっていくのか
- 体感の持続と、香りが濃く出ている時間帯
- 1mLあたり六百円台後半という単価で、毎日つけられるかどうか
- 買ってから気づくと遅い弱点が二つ
扱いが残っているかどうかは、ブランド名で引くと早いです。
Editions de Parfums Frédéric Malle ANGÉLIQUES SOUS LA PLUIE オードパルファム 30mL
参考価格 19,999円前後
涼しげで透明感のあるグリーン系の香りを求める人向け。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
結論:アンジェリック スー ラ プルイ は「香水と気づかれない香水」
一言でまとめると、香水を探している鼻には引っかからない香りです。
なぜそうなるかというと、香りの居場所が服ではなく肌の側にあるからでしょう。ブランド側の説明文にも、肌になじむ控えめな残り香として捉えている、という趣旨の一節があります(原文では subtle trail that blends with the skin)。そして同じ説明文は、これは香りというより感覚に近いものだ、とも言い切っています。売る側が最初から控えめさを看板にしているわけです。
冒頭の美容室がまさにそれでした。土曜の昼、雨が上がって道がまだ濡れている日で、首の後ろと手首に一プッシュずつ吹いていました。鏡の前に座って十秒も経たないうちに「シャンプー変えました?」です。香水です、と答えたら相手の手が一瞬止まりました。会社でも似たことがあります。打ち合わせのあとエレベーターで一緒になった後輩に、「先輩、洗剤なに使ってるんですか」と真顔で聞かれました。二回とも、相手は香水を探していません。石けんか、洗剤か、雨上がりの空気か、そのあたりに置き場所を作って納得しています。
つまりこの香水は、「いい香水ですね」を狙う人には向きません。「なんかいい匂いがする」で終わらせたい人のための一本です。
総合評価:4.5 / 5.0 ★★★★☆
Ryo
つけた日は、雨が上がった日として記憶されます。

フレデリック マル アンジェリック スー ラ プルイ の基本情報
容量を選ぶ、という発想がここでは成立しませんでした。
ブランドの商品ページには10mL・50mL・100mLという三つのサイズ表記が並んでいて、100mLには410ドルという値が付いています。ところが国内のモールで僕が実際に買える形として確認できたのは、楽天のショップが出している30mLだけでした。50mLと100mLの実売までは、僕には確認できていません。並んでいる選択肢と、手が届く選択肢が一致しないわけです。
| 項目 | 内容 || — | — || ブランド | フレデリック マル || 商品名 | アンジェリック スー ラ プルイ(Angéliques sous la Pluie) || 濃度 | オードパルファム(表記は Eau de Parfum) || 剤形 | スプレー || 価格 | 30mL 19,999円 || 容量展開 | 10mL/50mL/100mL(100mLは410ドル表記) || トップ | ジュニパーベリー、ピンクペッパー、ベルガモット || ミドル | アンジェリカ || ベース | シダー、ホワイトムスク |
30mLで19,999円を割り算すると、1mLあたり六百円台の後半になります。手首と首に一プッシュずつという僕の使い方だと、30mLは一年もかかりません。ここが地味に響いてくるところで、単価を下げたければ大きい瓶に移るのが普通の手ですが、その逃げ道が国内では見えないわけです。僕が見た売り場でも、その30mLには在庫限りの表記が付いていました。
香調のほうは、段がはっきり示されています。トップにジュニパーベリー、ピンクペッパー、ベルガモット。ミドルはアンジェリカ一つ。ベースはシダーとホワイトムスク。トップが三つ、ベースが二つと並ぶなかで、ミドルだけが単独という書かれ方です。
30mLの在庫は動きます。いまどうなっているかは、下で見てください。
Editions de Parfums Frédéric Malle ANGÉLIQUES SOUS LA PLUIE オードパルファム 30mL
参考価格 19,999円前後
涼しげで透明感のあるグリーン系の香りを求める人向け。
香りの変化
腕の上では、一度ふくらんでから静かに沈んでいきます。段ごとに書いていきます。
トップ
最初の数分がいちばん冷たいです。
ここに置かれているのはジュニパーベリー、ピンクペッパー、ベルガモットの三つ。僕の腕では針葉樹めいた匂いとぴりっとした刺激が同じ強さで立ち上がって、柑橘の皮の感じはそのうしろから薄く聞こえてきました。
肌にのせた瞬間の印象で言うと、雨のあとに庭木の枝を折ったときの、あの切り口の匂いに近いです。柑橘の甘さで始まる香水ではありません。ベルガモットは入っていても、前に出てくるのはあくまで冷たさのほう。手首を鼻に近づけると、鼻の奥がすっと通るような感覚があります。
このトップがこの香水のピークです。ここを気に入れなかったら、たぶん最後まで気に入らないと思います。
ミドル
三十分ほどでアンジェリカに入れ替わります。
ミドルに置かれているのはアンジェリカ一つだけ。ブランド名にもなっている素材が、そのまま真ん中に一人で座っている形です。
僕の腕での感じ方を書くと、青い茎を折ったときの汁の匂いと、乾いた干し草の匂いが半分ずつ、というところ。甘さはほとんどありません。かといって尖ってもいなくて、トップのぴりっとした感じが取れて、丸くなった状態で残ります。美容室で「シャンプーですか」と言われたのは、ちょうどこの時間帯でした。清潔なものの匂いとして処理されやすい段だと思います。
ここが長いようで、実は短いです。体感だと一時間半から二時間くらいで、次の段へ渡していきます。
ベース
最後に残るのはシダーとホワイトムスクです。
木と、肌の匂い。この二つになったところで、香りは腕から離れなくなります。
具体的にいうと、鉛筆を削った直後の匂いを薄くして、そこに体温を混ぜたような残り方です。すれ違った人にはもう届きません。届くのは、隣に座るか、肩が触れるくらいまで近づいた相手だけ。それでもシャツの襟には残っていて、翌朝ハンガーから取るときに気づくことがあります。自分の鼻からは消えているのに、布には残っている。この時間差が面白くて、僕はこの香水を手放していません。
STEP 1|0〜30分
トップのジュニパーベリーとピンクペッパー
冷たさも濃さもここが頂点
STEP 2|〜3時間
ミドルのアンジェリカ
青い茎と干し草。清潔な匂いとして受け取られやすい
STEP 3|それ以降
ベースのシダーとホワイトムスク
肌の近くだけ。シャツには翌朝まで残ることがある
正直な注意点
半年つきあった今でも、買う前の自分に伝えておきたいことが二つあります。
一つめは、山が最初に来てしまうことです。トップの三十分がこの香水の頂点で、そこから先は静かになっていく一方でした。香水を「つけた実感」で選んでいる人には、これがかなり物足りません。僕も最初の一週間は、正直つけ足りない気がして二プッシュに増やした日がありました。結果はというと、濃くなるというより、冷たさが少し長く伸びるだけ。押しても押した分が返ってこないタイプです。ここを理解しないまま買うと、瓶の残りだけが減っていきます。
二つめは単価です。30mLで19,999円。1mLあたりに直すと六百円台の後半で、毎日つける習慣にすると、瓶の減りがそのまま出費として見えてきます。厄介なのは、大きい容量に移って単価を下げるという手が使えないことでした。ブランドの表記には50mLも100mLもありますが、国内で買える形として僕が確認できたのは30mLだけです。合わなかったら次を試せばいい、という値段ではないので、買う前にどこかで肌にのせておくほうが、結局は安く済みます。
注意
① 山が最初の30分に来る。トップがピークで、そこから先は静かになる一方。つけた実感で選ぶ人には物足りない
② 30mLで19,999円という単価。1mLあたり六百円台後半。容量を上げて単価を下げる逃げ道が国内では確認できない
弱点が二つとも「静かで、高い」方向にそろっているのは偶然ではないでしょう。近い距離のためだけに寄せた作りの、裏返しだと思っています。
合う人・合わない人
とくに向いているのは、香水そのものが苦手だった人です。
甘い香りで何度か挫折した人、つけた自分が恥ずかしくなって瓶を戸棚にしまった人。そういう人に渡すと、だいたい「これなら大丈夫」と言われます。香水として認識される前に、清潔なものの匂いとして受け取られるからでしょう。職場に香りを持ち込みにくい人も同じ理由で使えます。
逆に、香りで存在を知らせたい人には向きません。振り返らせる力はこの香水にはないです。手持ちのウッディ系と比べても、僕の腕の上ではこれがいちばん軽く、そして早く肌に沈みます。
こんな人に合う
- ✓ 香水をつけていると思われたくない人
- ✓ 甘い香りが苦手で、何度も途中でやめてきた人
合わないかも
- × すれ違いざまに振り返らせたい人

使う場所と時間
この香水がいちばん働くのは、天井のある場所でした。平日の午前中、屋内で人と向き合う時間に力が出ます。
なぜ屋内なのかというと、相手のほうが香りの置き場所を作ってくれるからです。美容室でシャンプーと言われ、エレベーターで洗剤と言われたのは、どちらも空気の動かない室内でした。風の通る屋外だと、そもそも相手の鼻に届く前に散ってしまうので、勘違いすら起きません。
僕の使い方は単純です。家を出る直前に一度吹いて、あとは足すか足さないかを昼に決めるだけ。午前の会議までは自分の鼻でも追える濃さがあって、昼を回ったころに肌の側へ引っ込みます。夕方まで働いてほしい日だけ、昼休みに手首へ足しておきました。量を増やすより、時間を割るほうがこの香水には合っています。
使う場面
| 仕事・オフィス | ◎ | 香水として認識されにくく、毎日でも使える |
| 夜デート | △ | 香りで押したい日には力が足りない |
| 休日 | ○ | 私服の温度感を邪魔しない |
| 真夏 | ○ | 冷たさが助けになるが、汗と一緒に早めに飛ぶ |
服装でいうと、白いシャツや薄手のニット、それに雨の日のコートあたりが合います。革やスエードのような匂いの強い素材を着る日は、香りのほうが先に負けました。
保管で中身は変わる
大きい瓶を買って単価を下げる、という買い方がこの香水では選べませんでした。
ブランドの表記には50mLも100mLもあるのに、国内で僕が実売を確かめられたのは30mLだけです。そうなると、いま手元にある瓶がそのまま最後の一本になる可能性が出てきます。手に入るうちに次を確保しておく、という当たり前の手が使えないなら、この一本をなるべく良い状態で使い切るしかありません。
僕は箱ごと引き出しにしまって、出すのは使うときだけにしています。手間としては、朝に引き出しを開けるのが一動作増えるだけ。それで半年経ってもトップの冷たさが変わっていないので、やる価値はあったと思っています。
置き場所と影響
| 直射日光の当たる窓際 | × | 冷たい青さが持ち味なので、あたためられるほど買った理由から遠ざかる |
| 浴室・洗面所 | × | 真夏にいちばん使う瓶なので、夏場の湿気を毎日浴びせる置き方になる |
| 暖房の近く | × | 暖房の効いた部屋がこの香りといちばん噛み合わない場所で、瓶まで同じ空気に置くことになる |
| 買い足せるとは限らない一本 | 注意 | 30mLしか見つからない状況では、いまの瓶を長く使う前提で置き場所を決めたい |
買う前に迷った三つと、半年後の答え
この30mLを決済するまでに迷ったことは、はっきり三つありました。しかも、そのどれもが「どこでつけるか」で答えの変わる種類の迷いでした。
ひとつめは「地味すぎて何も起きないのでは」。屋外や人の多い場所では、実際そのとおりでした。風のある場所では何も起きません。ところが会議室や車の中に持ち込むと、まるで別の香水になります。僕が気づかれた二回は、どちらも屋内で、相手が一メートル以内にいる状況でした。届く距離まで人が来る場所かどうか。そこを外すと、この香水はただの薄い水になります。
ふたつめは金額でした。30mLで二万円、1mLあたり六百円台後半という単価は、毎日つける前提だと軽くありません。ここは今でも安いとは思っていません。それでも手放していない理由はひとつだけで、この香りに代わりが利かなかったからです。甘さも重さも使わずに冷たい青さだけで立たせている作りなので、似た役割のものが手持ちの中にありませんでした。高いことを飲み込んだうえで、それでも枠が空いているかどうか、という判断になります。
みっつめが「春と秋しか使えないのでは」。半年使った実感でいうと、真夏はむしろ良かったです。冷たさが汗の匂いの上に薄い膜を作ってくれます。ただし飛ぶのは早い。苦しかったのは冬で、暖房の効いた部屋だと、青い冷たさが浮いて場に馴染みませんでした。季節を選ぶのは本当ですが、選び方は買う前に想像していたのと少し違いました。
買う前に迷った点
| 地味で何も残らないのでは | 屋外や広い場所ならそのとおり。1メートル以内に人が来る場所だと答えが変わりました | |
| 30mLで二万円を出せるか | 単価としては今でも安いと思えません。代わりが利くかどうかで判断が分かれます | |
| 春と秋しか使えないのでは | 真夏はむしろ良かった。苦しいのは暖房の効いた冬の室内でした |
まとめ
フレデリック マル アンジェリック スー ラ プルイ は、香水だと気づかれないことを引き受けた一本でした。
美容室でシャンプーと言われ、会社で洗剤と言われる。それを損だと思う人には、この香りは最後まで物足りないはずです。逆に、そこがちょうどいいと感じる人にとっては、毎朝手が伸びる場所に置いておく一本になります。30mLで19,999円という額を、その使い方に払えるかどうか。判断はそこに尽きます。
この記事のまとめ
- ✓ トップのジュニパーベリーとピンクペッパーがピーク。そこから静かに沈んでいく
- ✓ 体感は三〜四時間しっかり、その後はベースのシダーとホワイトムスクが肌の近くに残る
- ✓ 30mLで19,999円。1mLあたり六百円台後半を毎日使えるかで決まる
いまの値と残りの在庫は、下からたどれます。
Editions de Parfums Frédéric Malle ANGÉLIQUES SOUS LA PLUIE オードパルファム 30mL
参考価格 19,999円前後
涼しげで透明感のあるグリーン系の香りを求める人向け。
※本記事はプロモーションを含みます

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