「香水をほめられたいわけじゃない。でも、無防備な人だとは思われたくない」。そんな一本を探している方に、シャネル N°19 はよくハマります。結論から言うと、甘さをひとつも使わずに大人の顔をつくる香りです。素材ごとの役割から、僕の体感での持続、似合う場面まで書いていきます。
この記事でわかること
- N°19 がどんな香りで、なぜ硬いと言われるのか
- ガルバナムとアイリスの役割
- 僕の体感での持続とつける量
- 似合う場面と、外したい場面
シャネルは売り場に並行輸入が混ざりやすいブランドです。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
結論:N°19 は引き算でできた大人の香り
結論から書きます。N°19 は、甘さという分かりやすい武器を最初から持っていない香りです。フローラルと聞いて多くの人が思い浮かべる花束みたいな華やかさとは、そもそも向いている方向が違います。青い茎の苦さと、粉っぽい静けさ。この硬さが、そのまま品の良さになっています。
商品説明にも「A floral, woody, green scent with perfect balance.」とあります。フローラルとウッディとグリーンが競り合わずに並んでいる、という意味ですね。バランスという言葉は説明書きだと退屈に見えますよね。でもこの香水に関しては、本当にそのままの意味でした。どれかひとつが前に出て自己主張してこないんです。
だから紙に吹いた段階では、正直あまり分かりません。肌にのせてしばらく放っておくと評価がひっくり返る、そういうタイプです。僕も買った当初は持て余していて、今では出番のほうが多くなりました。
総合評価:4.5 / 5.0 ★★★★☆
Ryo
ほめられるための香水ではなく、なめられないための香水です。

シャネル N°19 の基本情報
基本のところを先に押さえておきます。ここで扱っているのは品番119530、オードゥ パルファムの100mLです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | シャネル(CHANEL) |
| 商品名 | N°19 オードゥ パルファム(N°19 Eau de Parfum) |
| 品番 | 119530 |
| 容量 / 価格 | 100mL:27,610円(税込) |
| 香調 | ガルバナム、アイリス、ローズ、イランイラン、すずらん |
| 系統 | フローラル・ウッディ・グリーン |
ひとつだけ注意してほしいのが、名前の近い別の品があることです。シャネルには「N°19 オードゥ トワレット」と「N°19 プードレ オードゥ パルファム」という兄弟がいて、どれも N°19 を名乗っています。中身も濃度も別物なので、買うときは品番か、パッケージのオードゥ パルファムの表記まで見てください。ここを間違えると「思っていた香りと違う」が起きます。
名前の由来も面白いんです。ガブリエル・シャネルが自分で世に出し、自分で身につけていた最後の香水がこの N°19 で、19 という数字は彼女の誕生日である8月19日から来ています。自分の誕生日を名前にした香水を、自分でつけ続けていたわけですね。そう聞いてから、この硬さが少し違って見えるようになりました。
香りをつくっている素材
公式の説明で名前が挙がっているのは、ガルバナム、アイリス、ローズ、イランイラン、すずらんの5つです。大事なのは、この5つが同時に鳴っているということ。順番に出てくるのを待っていると肩透かしを食うので、素材ごとに担当している役割で見ていきます。

ガルバナム:この香りの背骨
「vibrant green galbanum」と書かれているとおり、N°19 の輪郭をつくっているのがガルバナムです。植物の茎をぽきっと折ったときの、あの青くて少し苦い匂い。青りんごのような食べられる青さではなくて、もっと硬い、水気を含んだ茎そのものの匂いです。
この素材が、N°19 が「きつい」「硬い」と言われる原因の大半を引き受けています。ただ、きついのは量を間違えたときだけ。1プッシュを腰のあたりに落とすくらいの控えめな量にすると、苦さが角を落として、清潔感の方向に転びます。
僕がこの香水で失敗した回は、だいたい量が多い日でした。ガルバナムは足せば足すほど攻撃的になる素材だと思っておくと、ぐっと扱いやすくなります。
アイリス:角を丸める粉っぽさ
「soft, powdery iris」と説明されているとおり、アイリスは粉っぽさの担当で、ガルバナムの青さが刺さりすぎないように受け止めています。ファンデーションのパフのような、乾いた粉の質感。この粉があるおかげで、N°19 は草っぽいだけの香りにならずに済んでいます。
そしてこのアイリスが、いわゆる「大人っぽい」と言われる部分の正体です。粉っぽさは肌の近くで香るので、自分ではだんだん分からなくなります。ところが近くにいる人にはちゃんと届いている。この距離感がずるいんですよね。ハグの距離まで来て、やっと本当の姿が見える香りです。
ローズとイランイラン、すずらん:中央を埋める花
花の部分を担っているのが、ローズとイランイラン、それにすずらんの3つです。ただしこの3つ、主役として前に出てきません。ガルバナムの青さとアイリスの粉っぽさの間にある隙間を、静かに埋める役に徹しています。
だから「フローラル」の文字を見て華やかな花束を想像すると、面食らいます。花はちゃんと入っているのに、花で押してこない。この設計が N°19 の性格そのものです。華やかさを削った先に残った品の良さが売り物だと考えると、腑に落ちるはずです。
つけてからの体感は、だいたいこんな配分になります。
STEP 1|0〜30分
硬さと苦さが前に出て、自分でもはっきり分かる
ここでつけすぎると一日中うるさくなります
STEP 2|〜3時間
角が取れて、粉っぽい静けさが中心になる
香りの届く範囲が腕1本ぶんまで縮みます
STEP 3|それ以降
肌の近くだけに薄く残る
すれ違いざまに気づかれるくらいの濃さです
正直な注意点
いいところばかり書いても仕方がないので、弱いところも書きます。
ひとつめは、真夏との相性の悪さです。気温が上がって汗が混ざると、グリーンの苦さが涼しさより重さのほうに出ます。同じ量でも夏場は主張が2割増しに感じるので、僕は7月から8月はほとんど出番を作っていません。
もうひとつは持続です。体感で4〜5時間。強く香っている時間はもっと短くて、実質2時間くらいでしょうか。朝つけて夜まで、という使い方には向きません。夜に人と会う日は、夕方にもう一度つけ直す前提で考えておくと安心です。
金額のハードルもあります。100mLで27,610円(税込)。試さずに買うにはそれなりの覚悟がいりますし、100mLという容量は使い切るまでが長い。少なくとも数年つき合う相手だと思って選んだほうがいいです。
注意
① 真夏は重くなる。気温と汗でグリーンの苦さが立ちすぎて、清潔感より圧のほうが出ます
② 強く香る時間が短い。体感4〜5時間で、夜まで持たせたい日は夕方のつけ直しが要ります
合う人・合わない人
この香水がハマる人は、はっきりしています。甘い香りを一通り試して、そろそろ飽きてきた人。香水で目立つより、身だしなみの一部として整えたい人。このどちらかに当てはまるなら、かなりの確率で長くつき合える一本になります。
レディース寄りに紹介されることが多い香水ですが、僕は性別で線を引く必要はないと思っています。甘さも花の押しつけもないので、男性がつけても浮きません。むしろ硬さのぶん、スーツやシャツとの相性は男性のほうが良いくらいです。
逆に、すれ違いざまに振り向いてほしいタイプの方には物足りないはずです。N°19 は距離を詰めた人にだけ分かる香りなので、遠くに飛ばす仕事はしてくれません。
こんな人に合う
- ✓ 甘い香りに飽きて、硬い香りを探している人
- ✓ 仕事の日も休みの日も同じ一本で通したい人
- ✓ レディースとメンズの線引きを気にしない人
合わないかも
- × すれ違った人に必ず気づいてほしい人
- × 香水は甘いものだと思っている人
使う場所と時間
いちばん強いのは、平日の日中です。会議でも面談でも、香りが先に着席してしまうことがありません。距離が縮まったときにだけ気づかれるので、オフィスで浮く心配がほぼないんですよね。
服装で言うと、白いシャツにグレーのスラックス、革のベルト。装飾を足さない服のほうがきれいに乗ります。逆に、光沢のある素材や柄物と合わせると、香りだけが真面目で少しちぐはぐになります。
季節は春先から初秋まで。とくに空気が乾いている時期は、グリーンの苦さがそのまま清潔感として出てくれます。夜のデートに使うなら量を半分に。この香水の色気は、香りの強さよりも肌との距離でつくられているからです。
使う場面
| 仕事・オフィス | ◎ | 香りが先に着席しない距離感 |
| 夜デート | ○ | 量を半分にすると品よく決まります |
| 休日 | ◎ | シンプルな服ほどきれいに乗る |
| 真夏 | × | 苦さが重さに転びます |
保管で中身は変わる
香水は思っているより繊細で、置き場所を間違えると数か月で表情が変わります。とくに N°19 は100mLという大きな瓶なので、使い切るまでの期間が長いぶん、保管の影響がそのまま積み重なっていきます。
僕がやっているのは、外箱に戻して寝室の引き出しにしまうだけ。地味ですが、これがいちばん確実です。箱は遮光のために付いていると考えてください。
置き場所と影響
| 直射日光の当たる窓際 | × | 紫外線と温度で数か月のうちに角が立ちます |
| 浴室・洗面所 | × | 湯気と温度差を毎日浴びることになります |
| 暖房の近く | × | 熱で軽い部分から先に飛びます |
| 100mLを机の上に出しっぱなし | × | 使い切るまでが長いぶん、置き場所の差が積み重なります |
口コミの読み方
N°19 は評価が割れやすい香水です。ただ、割れ方には理由があって、読み解くと自分に合うかどうかの判断材料になります。
多いのが「地味」という感想です。ただ、これには売り場で紙に吹いた印象で書かれたものがかなり混じっています。この香水は肌の上でアイリスの粉っぽさが出てからが本番なので、紙の試香では損をするタイプです。
次に「古くさい」。甘さがないぶん、今どきの香水の記号から外れて見えるのは事実です。ただ、それは流行の甘さに乗っていないという話であって、香り自体が古びているわけではありません。むしろ甘い香りが飽和している場面ほど、この硬さが際立ちます。
口コミの読み方
| 地味に感じる | 紙の試香で判断されている場合がほとんどで、肌にのせてからが本番です | |
| 古くさい | 流行の甘さに乗っていないだけで、甘い香りが多い場面ほど逆に目立ちます | |
| 値段が高い | 1回に使う量が少なくて済むので、100mLを使い切る年数で割ると印象が変わります |
まとめ
N°19 は、最初の一本には向きません。甘い香りを一通り通過して、そろそろ香りで足し算をするのに疲れてきた人が手を出すと、たぶん長く残ります。僕にとってもそういう位置づけの香水です。
弱点は真夏と、強く香る時間の短さ。ここを納得したうえで選べば、仕事の日にも私服の日にも同じ顔で使える、珍しく守備範囲の広い一本になってくれます。
この記事のまとめ
- ガルバナムの青さとアイリスの粉っぽさが同時に鳴る、甘さのないグリーンフローラル
- 体感の持続は4〜5時間。強く香るのは最初の2時間ほど
- 真夏だけは外して、春先から初秋の乾いた空気で使うのが正解
シャネルは店によって取り扱いがまちまちなので、買う前にブランド名から今の在庫と価格を確かめてみてください。
※本記事はプロモーションを含みます

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