スパイスの効いた、甘くない柑橘です。出だしは柑橘とペパーミントの明るさにアブサンの苦みが混じり、中盤からクローブとオールスパイスの辛さが立ち、最後は甘く乾いた木に着地します。クリードの定番ではなく、人と重ならない尖った1本を探している人に向く香りです。
2017年に出た比較的新しい香りです。クリードの古典的なイメージからすると、かなり攻めています。辛いという評価が定着していますが、原料を見ると辛さの出どころは1つではありません。
この記事でわかること
- 辛さの出どころが2段階に分かれていること
- 国内の価格帯と、容量ごとの選び分け
- 正規と並行輸入の違い、偽造品への注意
- 4万円前後を外さないための、先に試す方法
結論:辛さが2段階で来る、クリードらしくない1本
総合評価:3.8 / 5.0 ★★★★☆
ヴァイキングは、辛さが2段階で来る香りです。トップのピンクペッパーで一度刺激が走り、それが引いたあとに中盤のオールスパイスとクローブで別の辛さが立ち上がる。着地はトンカビーンズとシダーウッドの甘く乾いた木で、最初と最後では別の香りに聞こえるほど振れ幅が大きい。
弱いところもはっきりしています。クローブとオールスパイスが強く、閉じた空間では持て余す。クリードの定番を期待した人からは「らしくない」という声も出ます。ただし裏を返せば、その尖り方こそが人と重ならない1本を探している人には効く部分。国内の価格は3万円台から6万円台で、試せる場所も限られるので、少量から試す手段を先に確保しておくと合わなかったときの損失が小さく済みます。
クリード ヴァイキングの基本情報
| ブランド | クリード(公式の説明では1760年にロンドンで創業) |
| 商品名 | クリード ヴァイキング |
| 発売 | 2017年 |
| 容量 | 50mL/100mL/240mL/500mL(240mL以上は詰め替え用でスプレーなし) |
| 価格帯 | 3万円台〜6万円台(50mLで4万円前後、100mLで5万円台) |
| 香調 | トップ:ベルガモット・レモン・オレンジ・ペパーミント・ピンクペッパー・アブサン/ミドル:オールスパイス・クローブ・ジャスミン・ラベンダー・オリスバター・ブルガリアンローズ/ベース:シダーウッド・トンカビーンズ・ベチバー・ホワイトムスク |
| 系統 | スパイシー ウッディ(辛さから甘く乾いた木へ) |
| 公式の位置づけ | 流れに逆らう男のための大胆な香り |
| 国内取扱 | インターモード川辺(2023年8月に新宿伊勢丹で再上陸) |
辛さはどこから来ているか
公式が公開している原料はこの通りです。
| 公式が挙げている原料 | |
|---|---|
| トップ | ベルガモット・レモン・オレンジ・ペパーミント・ピンクペッパー・アブサン |
| ミドル | オールスパイス・クローブ・ジャスミン・ラベンダー・オリスバター・ブルガリアンローズ |
| ベース | シダーウッド・トンカビーンズ・ベチバー・ホワイトムスク |

香水の紹介記事には、公式と違う原料が書かれていることがあります。古い処方の情報がそのまま引き継がれていたり、他の媒体の記述が写されていたりするためです。ここに載せているのは公式が現在公開している内容です。
公式はこれを、流れに逆らう男のための大胆な香りだと位置づけています。
辛さの源は2段階あります。トップのピンクペッパーと、中盤のオールスパイスとクローブです。最初の刺激が引いたあとに、別の辛さが出てくる構造になっている。クローブは歯科医院で使われる丁子油の匂いで、ここが好みの分かれ目になります。
見落とされやすいのがトップのアブサンです。ニガヨモギから作る酒の原料で、苦く薬草的な香りを持ちます。柑橘とペパーミントの明るさに、この苦みが混じっているのが最初の印象を作っている。
中盤にはブルガリアンローズとジャスミン、オリスバターも入っています。辛い香りという評判からは想像しにくいところで、花が辛さの角を丸めている。
ベースはシダーウッドとトンカビーンズ、ベチバー、ホワイトムスク。トンカビーンズは杏仁やバニラに近い甘さを持つ豆で、最後は甘く乾いた木に着地します。最初と最後で別の香りに聞こえるほど変化が大きい香りです。
いくらで買えるか
公式が出している容量はこの通りです。
| 容量 | 使いどころ |
|---|---|
| 50mL | 日常の主軸 |
| 100mL | 定番として使い込む |
| 240mL | 詰め替え用の大容量 |
| 500mL | 詰め替え用の大容量 |
大容量は詰め替え用のボトルで、スプレーが付きません。使い続けると決めた香りに移るときの選択肢です。まず1本目を選ぶ段階なら、スプレー付きの容量から。
クリードは日本で買うと高いブランドです。正規の取扱では、容量にもよりますが3万円台から6万円台が中心の帯になります。50mLで4万円前後、100mLで5万円台という見当をしておくと大きくは外れません。香水としては最上位の価格帯で、ニッチ系と呼ばれるブランドの中でも高いほうに入ります。
この家の歴史をどう見るか
クリードは公式の説明によれば1760年にロンドンで始まった家の名前です。もともとは仕立て屋で、手袋に香りを移す仕事から香水へ移っていったとされています。現在まで一族が経営を続けてきたことを掲げていて、そこがこのブランドの語り方の中心になっています。
ただしこの歴史については異論もあります。香水を本格的に作り始めたのは20世紀後半からではないか、という指摘が香水研究の側から出ている。買う前に知っておいて損はない話です。香り自体の質と、掲げている物語は別のものとして見たほうがいい。
作りそのものは評価が定まっています。天然原料の比率が高く、同じ名前の香りでも製造ロットによって微妙に違う。工業製品として完全に均一ではないところを、欠点と取るか個性と取るかで評価が割れます。
どこにどうつけるか
クリードは香料の濃度が高く、少量で足ります。普段どおりの感覚で3プッシュも4プッシュも使うと、確実に多すぎます。
つける量と場所
- 1〜2プッシュから始める。足りなければ次の日に増やす
- 首すじ・耳の後ろ:人に届きやすい。仕事の場では控えめに
- 手首・肘の内側:動くたびに立ち上がる
- 腰まわり・膝の裏:下から穏やかに上がってくる。量を間違えにくい
つけた直後の30分は、自分でも強く感じます。そこで判断せず、1時間後の残り方で量を決めるといい。
香りが弱いと感じたときに足すのは、たいてい間違いです。人は自分の匂いに数分で慣れるので、自分に届かなくなった時点でも周りにはまだ届いています。「弱くなった気がする」で足していくと、外から見た量は倍になっている。自分の鼻を基準にしないことが、この価格帯の香水では特に大事になります。
肌が乾いていると持ちが落ちます。無香料のクリームを薄く塗ってからつけると、同じ量でも残り方が変わる。量を増やす前に、こちらを試したほうが安全です。
持続は香りによって差が大きい。柑橘が主役のものは3〜4時間で輪郭がぼやけ、木や樹脂が土台にあるものは半日以上残ります。外出前に一度だけつけて持たせたいなら、後者を選んだほうが現実的です。
弱いところも書いておく
まず値段です。3万円を超える買い物になるので、香りが合わなかったときの損失が大きい。この価格帯は「なんとなく良さそう」で買っていい額ではありません。
試せる場所が限られます。国内の正規取扱は都市部の百貨店が中心で、地方だと現物を嗅がずに買うことになりがちです。香水を嗅がずに買うのは、本来いちばん避けたい買い方になります。
中盤のクローブとオールスパイスが強いので、閉じた空間では持て余します。オフィスや会食の場に向く香りではありません。
クリードの中では評価が分かれる部類です。「クリードらしくない」という声が出る香りなので、ブランドの定番を期待して買うと違和感が残ります。
買う場所が決まったなら、あとは選ぶだけです。
国内での買い方
クリードは2023年8月に新宿伊勢丹で日本へ再上陸しました。国内の代理店はインターモード川辺で、正規品はここを通ったものになります。ただし取扱店はごく限られていて、地方では現物に触れる機会がほとんどありません。
そのため、日本で流通しているクリードの多くは並行輸入品です。個人や業者が海外から仕入れたもので、これ自体は違法ではない。ただ、正規と並行では扱いが変わります。
| 正規(伊勢丹など) | 並行輸入 | |
|---|---|---|
| 価格 | 定価。3〜6万円台 | 2〜4割安いことが多い |
| 保証 | 国内の窓口がある | 販売店ごと |
| 保管 | 管理されている | 経路が読めない |
| 刻印サービス | 受けられる | 対象外 |
価格差は小さくありません。ただし香水は熱と光で変わるので、輸送と保管の経路が読めないことは実質的なリスクです。極端に安いものには理由があると考えたほうがいい。
偽造品も存在します。クリードは世界的に模造の多いブランドで、ボトルの作り込みまで似せたものが出回っています。定価の半額を大きく下回るような値付けは、まず疑ってかかったほうがいい。
先に試す方法がある
4万円前後の買い物です。しかも国内で試せる場所が限られている。この2つが重なると、嗅がずに買って外す確率が上がります。少量から試す手段を持っておくと、失敗したときの損失が桁で変わります。
あわせて読みたい
- クリードで最初に名前が挙がる1本を知りたいなら、クリード アバントゥスの徹底検証もどうぞ。
- 同じブランドのクリード クイーン オブ シルクの香りもどうぞ。
まとめ:辛さが2段階で来る、試してから決めたい1本
クリード ヴァイキング は4万円前後の買い物になります。国内で試せる場所が限られるぶん、嗅がずに買う人が多い香りです。
少量から試す手段を先に確保しておくと、合わなかったときの損失が小さくなります。
香りの中身をもう一度並べておきます。出だしは柑橘とペパーミントに、ピンクペッパーとアブサンの苦みが重なる。中盤でオールスパイスとクローブの辛さが立ち、同じ層にいるジャスミンとブルガリアンローズが辛さの角を丸めています。着地はトンカビーンズとシダーウッドの、甘く乾いた木。
弱点も隠さず書いておくと、クローブとオールスパイスが強いぶんオフィスや会食には向きません。クリードの定番を期待すると「らしくない」と感じるはずです。裏返せば、人と重ならない1本を探している人にはその尖り方が武器になる。つける量は1〜2プッシュから始めて、1時間後の残り方で決めると外しにくい。
このブランドを一覧で見るならクリード香水の選び方へ。
クリード ヴァイキングに近い方向で探すなら
この香りが気に入ったなら、次に試す候補も挙げておきます。同じ香りではありません。価格も方向も違うので、どこが近くてどこが違うかを先に書きます。
| 銘柄 | 価格の目安 | 近いところ | 違うところ |
|---|---|---|---|
| メゾン マルジェラ ウェン ザ レイン ストップス オードトワレ | 12,210円〜 | ベルガモット・ローズが重なる | パチョリが入り、土っぽさが出る |
| オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー オー・トリプル ミエル・ダングルテール | 23,210円〜 | シダー・ムスクが重なる | 容量と価格の刻みが違う |
| バイレード ムンバイ ノイズ オードパルファム | 29,150円〜 | トンカビーンが重なる | コーヒーが入り、焙煎の苦みが出る |
価格が近いものから試すか、方向をずらして試すか。手持ちに無い方向を選んだほうが、結果的に使う回数は増えます。
※本記事はプロモーションを含みます

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