柑橘と樹脂だけで組んだ、飾りのない香りです。出だしはベルガモットの明るく軽い印象で、そこへオリバナムの乳香が下から入り、控えめな甘さと苦みでウッディを包みます。天然香料だけで作った香りが何を捨てて何を取ったのか、それを確かめたい人に向く1本。
いまの香水は、ほとんどが合成香料を含みます。安定して同じ香りを作れて、自然界から採れない匂いも表現できるからです。そのなかでSHIRO PERFUMEのテイク イット イージー(TAKE IT EASY)は、すべて天然香料で組まれています。何が違うのかを、公式の情報から読み解きます。
この記事でわかること
- 天然香料100%という設計が、香りの幅と持続に何をもたらすか
- ベルガモットとオリバナムという二本柱の役わり
- つける場所で変わる出方と、公式が公表している持続時間
- 100mLだけという展開と、16,005円を払う前の判断材料
結論:ラインで唯一、天然香料だけで組まれた静かな一本
総合評価:4.0 / 5.0 ★★★★☆
テイク イット イージーは、SHIRO PERFUMEのなかで唯一すべて天然香料で構成された香りです。使える素材が植物から採れるものに限られるぶん、表現は柑橘と樹木という素直な組み合わせに落ち着いています。ベルガモットの明るさをオリバナムの樹脂が下から支える、上下のはっきりした作り。
個性は穏やかで、香りで驚かせたい人には物足りないかもしれません。ただ、その穏やかさは肌の上で角が立ちにくいことの裏返しでもあり、自分の匂いを主張したくない場面ではむしろ強みになります。展開が100mLの16,005円だけなので、この設計に納得できるかどうかが分かれ目です。
SHIRO テイク イット イージーの基本情報
| ブランド | SHIRO(1989年・北海道砂川で創業/自社ブランドは2009年) |
| ライン | SHIRO PERFUME(調香師の作家性を出したライン) |
| 商品名 | テイク イット イージー(TAKE IT EASY) |
| 容量 / 価格 | 100mL・16,005円 |
| 香料 | すべて天然香料。ラインで唯一の構成 |
| 香調 | ベルガモット(爽やかな印象)/オリバナム(控えめな甘さで力強いウッディを包む) |
| 系統 | 柑橘とウッディ |
| 持続 | 公式公表で約5〜6時間 |
| 買える場所 | 公式オンラインと直営店 |
このラインで唯一の天然香料100%
公式が「SHIRO PERFUMEで唯一、すべて天然香料で構成されており」と明記しています。ラインの中で例外的な立ち位置です。
天然香料だけで作ると、できることが減ります。海の匂い、雨の匂い、金属の冷たさ。そういった自然界から採れない表現は使えません。使える素材は植物から採れるものに限られます。
だからこの香りは、柑橘と樹木という素直な組み合わせになっています。制約が形を決めている。
ベルガモットとオリバナム
公式が挙げているのは、爽やかな印象を与えるベルガモットと、控えめな甘さで力強いウッディを包むオリバナム。
| 原料 | 採る場所 | 香りの質 |
|---|---|---|
| ベルガモット | 柑橘の果皮 | 明るく軽い。すぐ飛ぶ |
| オリバナム | 樹木から出る樹脂 | 乳香。甘さと苦みを併せ持つ |
オリバナムは乳香のことで、数千年前から宗教儀式に使われてきた素材です。香水では静けさや厚みを出す役として働きます。柑橘の軽さを下から支える配置になっている。
天然香料であることの利点と欠点
| 観点 | 天然香料100%の場合 |
|---|---|
| 表現の幅 | 植物から採れるものに限られる |
| 持続 | 合成に比べて短くなりやすい |
| ロット差 | 産地や年で香りが揺れることがある |
| 肌なじみ | 角が立ちにくいと言われる |
自然だから体に良い、という話ではありません。天然香料にもアレルギーの原因になる成分は含まれます。
利点は表現のほうにあります。合成で作った柑橘は輪郭がはっきりしますが、天然の柑橘には揺らぎがある。その揺らぎを穏やかさと受け取るかどうかです。
つけ方と持続
公式は、肌から15センチほど離して1〜2プッシュと案内しています。
つける場所と出方
- 首すじ・耳の後ろ:最も届く。人に伝えたいとき
- 手首:動くたびに香る
- 足首・内もも:自分だけが感じる程度
- ウエストまわり:下から穏やかに立ち上がる
公式が「しっかり香らせたいなら上半身、穏やかに楽しみたいなら下半身」とはっきり書いているのは親切です。同じ1プッシュでも、場所を変えるだけで印象が変わります。
公式が公表している持続時間は、どの香りも約5〜6時間です。
朝につけて昼過ぎに薄くなる計算になります。夕方まで残したいなら、昼に一度足す前提で考えておくと外しません。
SHIRO PERFUMEというライン
SHIRO PERFUMEは、テーマやコンセプトを設けず、世界各地の調香師がそれぞれの世界観を自由に表現したラインです。だから香りの名前が抽象的で、何の匂いなのかは名前から読み取れません。フレグランスシリーズが「サボン」「キンモクセイ」と中身をそのまま名乗るのとは逆の作りになっています。
誰が作ったかを公開しているのも、このラインの特徴です。国籍や性別、着想の元まで書かれている香りがあり、香水を作品として扱う姿勢が見えます。
SHIROの香水には2つのラインがあります。値段が4倍近く違うので、先に整理しておいたほうがいい。
| ライン | 容量と価格 | 性格 |
|---|---|---|
| フレグランス | 40mL・4,180円 | サボンなど。日常に置く価格帯 |
| パフューム | 50mL・11,203円/100mL・16,005円 | 調香師の作家性を出したライン |
サボンやキンモクセイが4,180円で買えることを知っていると、1万円を超えるこちらは同じブランドとは思えないかもしれません。実際、容量も40mLと50mL以上で違い、狙っている場所が別です。
SHIROは1989年に北海道の砂川で始まった会社です。もともとは化粧品の受託製造をしていて、自社ブランドを立ち上げたのは2009年。ガゴメ昆布や酒かすなど、日本の素材を使うことで知られています。
SHIROの香水は、水の代わりに植物の抽出液を使っています。香りによって使う素材が違い、北海道愛別町のヨモギ、北海道江丹別町の白樺、徳島県の木頭ゆずが使い分けられている。香料以外の部分に産地を持たせているのは、この会社らしいところです。
気になる点
100mLのみの展開です。小さい容量がないので、いきなり16,005円を払う判断になります。
柑橘は飛びやすい原料でもあります。天然香料であることを考えると、体感の持続は公式の5〜6時間より短く感じる可能性があります。
香りの個性も穏やかです。天然香料100%という設計思想に価値を見出せない人には、ただの柑橘とウッディに映るかもしれません。
ひとつ注意があります。公式はアトマイザーへの詰め替えを「吐出不良の原因になる」として控えるよう案内しています。小分けして持ち歩く使い方は想定されていません。
短所を並べましたが、裏返せば向く人ははっきりします。強く香らせるより近づいた人にだけ届けばいい、と考える人。天然香料だけという設計に価値を感じ、100mLを日常づかいで減らせる人。この二つに当てはまるなら、穏やかさも持続の短さも欠点になりません。
容量と買い方
日本では公式オンラインと直営店で買えます。
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 100mL | 16,005円 |
フレグランスシリーズの40mLが4,180円であることを考えると、この価格差は小さくありません。同じSHIROでも、別の買い物だと考えたほうがいい。
| 買う場所 | 価格 | 注意 |
|---|---|---|
| 直営店・公式 | 定価 | 試してから買える。返金・交換の対象 |
| 取扱のある店舗 | 定価 | パフュームは置いていない店もある |
| 通販の転売品 | 上下する | 保管状態が読めない |
16,005円を払う前に
1万6千円を超える買い物になります。店頭のテスターは紙に吹いたものが多く、肌の上でどう出るかまでは分かりません。
まとめ:天然香料だけで組んだ、SHIRO PERFUMEの例外
テイク イット イージーは、SHIRO PERFUMEで唯一すべて天然香料で組まれた香りです。使える素材が限られるぶん、柑橘と樹木という素直な構成になっています。
展開が100mLだけなので、最初から本体を買うことになります。設計思想に惹かれたなら、先にどこかで香りを確かめてから決めると確実です。
価格は100mLで16,005円。フレグランスシリーズの40mLが4,180円であることを思えば、同じブランドでも別の買い物だと考えたほうがいい。小分けの容量が用意されていないぶん最初の一歩は大きくなりますが、逆に言えば一度買えば残量を気にせず日常で使えます。
持続は公式公表で約5〜6時間。朝につけて昼過ぎに薄くなる計算なので、夕方まで置きたいなら昼に一度足す前提で考えておくと外れません。ただし公式はアトマイザーへの詰め替えを控えるよう案内しているため、足すなら本体を持ち歩くか、上半身と下半身でつける場所を変えて濃さを調整する使い方になります。柑橘と樹脂の素直な構成を、静かに纏いたい人へ。
あわせて読みたい
- 同じブランドのSHIRO ボン ウッドはどんな香りもどうぞ。
このブランドを一覧で見るならSHIRO香水の選び方へ。
※本記事はプロモーションを含みます

コメント