棚に並べた香水のなかで、いちばん減りが早いのがこの一本です。ディプティックの34 ブルバード サンジェルマンは、パリの本店の店内に流れている空気を、そのまま瓶に移したという成り立ちの香水。結論から言うと、値段は正直に高いのに、惜しんで棚に戻している余裕がないくらい出番が来ます。使い込んだ僕が、香りの中身と体感の持続、それから弱点まで書いていきます。
この記事でわかること
- 34 ブルバード サンジェルマンがどんな香りで、どのくらいの距離まで届くのか。
- 75mLのボトルがどんな速さで減るのか、値段をどう受け止めればいいのかを書きます。
- 買う前に知っておきたい弱点と、よく合う季節・時間帯・服装。
diptyque 34 boulevard Saint-Germain オードパルファン 75mL
参考価格 35,310円前後
カシスやシナモンの香りと、白檀やお香の落ち着いた奥行きを両方求める人向け。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
結論:34 ブルバード サンジェルマン は「店の空気ごと持ち歩く香水」
花でも果実でもなく、場所そのものを香りにした香水です。公式の説明文には、サン=ジェルマン大通り34番地のブティックの店内の香りを香水にする、という挑戦だと書かれています。約50種のキャンドルとフレグランスが並んだ店内の空気を、ヘッドスペース法という技術で捕まえて瓶に移した、というのが成り立ち。だから嗅ぐと、誰かの肌より先に部屋のほうが浮かびます。木の棚と、消したばかりのキャンドルの芯と、切り口が青い果実の枝。この三つが同じ空間に並んでいる感じがします。ほかの香水が「自分をどう見せるか」の道具だとすれば、これは「自分がどこにいるように見せるか」の道具なんですよね。
総合評価:4.5 / 5.0 ★★★★☆
点を引いたのは万人受けと持続の二つだけで、香りの中身そのものには文句がありません。総合4.5を付けておきながら、僕がいちばん驚いているのは別のところです。高い買い物をしたときほど人は大事に使うはずなのに、この香水にかぎってはまったく逆でした。棚に並んだ何本かのうち、残量が目に見えて下がっていくのは決まってこれです。
ディプティック 34 ブルバード サンジェルマン の基本情報
75mL。香水のボトルとしては大きいほうで、手に取るとずしりと重みがあります。この容量が体感で何を意味するかというと、毎日つけても一年は余裕で付き合える量、ということ。少なくとも買った日の僕はそう見積もっていました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | ディプティック |
| 商品名 | 34 ブルバード サンジェルマン オードパルファン |
| 剤形 | オードパルファン |
| 容量 / 価格 | 75mL:35,310円(税込) |
| 香調 | ブラックカラント、シナモン、サンダルウッド、インセンス |
見積もりは外れました。買ってから半年で、中身は肩の下まで落ちています。理由ははっきりしていて、朝につけた日に「もう一回この匂いを浴びたい」と思ってしまうからです。昼に上着を脱いだタイミングで足し、夕方に出直すときにもう一度足しています。そうやって一日に二度、三度と手が伸びました。1mLあたりに直すと470円をこえる香水で、これをやると、財布への刺さり方はそこそこ鋭くなります。ちなみに国内で正規に買える場所は公式サイトと一部の百貨店に限られるので、切らしてから慌てて近所で買い足す、という動きが取りにくい一本でもあります。買うときは、その前提で在庫のことまで考えておくと気が楽でした。
diptyque 34 boulevard Saint-Germain オードパルファン 75mL
参考価格 35,310円前後
カシスやシナモンの香りと、白檀やお香の落ち着いた奥行きを両方求める人向け。

香りをつくっている素材
はっきり聞き取れる素材が四つあります。しかも、その四つがいっしょに香ります。だからどの瞬間に嗅いでも顔つきはあまり変わらず、変わるのは全体の濃さだけ。この作りのおかげで、途中で別の香水になったと感じる瞬間がありませんでした。
STEP 1|0〜30分
いちばん濃い
腕を伸ばした先まで届きます
STEP 2|〜3時間
濃さがひと段階落ちる
自分の周りに収まる広がり
STEP 3|それ以降
肌の近くだけ
上着の袖口から立ち上がる程度
ブラックカラント:いちばん強く香るもの
いちばん強く香るのがブラックカラントです。ジャムのような甘い果実を想像すると、たぶん外します。実というより枝のほうで、緑の茎を折ったときのあの青い匂いが、香りの表側にずっと立っています。ここに酸がのるので、木や煙の香水にありがちな重さが出ません。僕が真冬でも真昼でも平気で使えているのは、この青さが効いているからだと思います。果実の甘さを期待して買うと、とまどうのはここだと思います。
シナモン:温度を一段上げるアクセント
シナモンは分量で言えば脇役ですが、この香水の体温を決めているのはこの素材です。スパイスといっても、料理の匂いより乾いた樹皮に近い顔をしています。おかげで香り全体が人肌より少し高い温度に置かれていて、寒い日の外気に触れたときにふわっとふくらむ。冬に強い香水だと感じる理由の半分はここでしょうね。逆に室温の高い部屋では、この温度感がやや過剰に出ることがあります。
サンダルウッドとインセンス:ずっといっしょに香る二つ
この二つは、ずっといっしょに香りつづけます。サンダルウッドは乾いた木の床の匂いで、インセンスは薄い煙の匂いです。果実と香辛料が香っているあいだも、この二つは同じ強さで香りつづけます。線香を思い浮かべる人が多いのですが、あの湿った甘さとはかなり別物で、こちらは煙のほうが乾いています。古い教会というより、閉店後に灯を消したばかりの店の中。この二つがあるから、青い果実が浮つかずに落ち着いて香るんだと思います。
Ryo
棚でいちばん高い香水が、いちばん早く減っています。
正直な注意点
香りには惚れていますが、誰にでもすすめられるかというと、そうでもありません。買ってから「聞いてない」となりやすい点が二つあります。どちらも事前に知っていれば避けられる話です。
注意
① 75mLで35,310円という値段。気に入るほど手が伸びて、減り方が財布に響きます
② 食事の席は相手と店を選ぶ。乾いた煙が料理の匂いとぶつかります
一つめが減り方と値段の関係です。買う前の僕は、この値段なら自分は大事に少しずつ使うだろうと思っていました。ところが実際は逆で、気に入ってしまうと一日に二度三度と足してしまい、残量が目に見えて減る。そして残量が減ると、次はいつ買い直すかという計算が始まります。半年で肩の下まで落ちたボトルを眺めながら、僕は一度だけ「一日一回まで」と決めた時期がありました。三日で崩れましたけどね。棚で寝かせている香水がいちばんもったいない、という結論に落ち着いています。
二つめは食事の席との相性です。乾いた煙が料理の匂いとぶつかるので、カウンターの寿司屋や、香りの繊細な和食の店には向きません。テーブルの広い洋食の店なら気になりませんでした。相手との距離が近いほど香りが届くタイプなので、店の作りと座る位置で印象がかなり変わります。食事に行く日は、いつもの半分の量にするか、そもそも別の香水に替えるのが僕のやり方です。
合う人・合わない人
万人受けを狙って作られた香水ではありません。煙と木がはっきり立っているので、好きな人はとことん好きですし、苦手な人は最初の一嗅ぎで判断がつきます。線はきれいに引けます。
こんな人に合う
- ✓ 古い本屋や木の建物の匂いが好き
- ✓ 甘さを出さずに存在感を残したい
合わないかも
- × 清潔で無難な石けん系を探している
香水を「自分を良く見せる道具」として使いたい人には、たぶん物足りません。つけた人より、まわりの空気のほうが先に変わってしまう香水だからです。反対に、香水をつけていると気づかれるのが少し気恥ずかしいという人には、かなり相性がいいと思います。果実の青さと乾いた煙は、香水の棚よりも古い建物の匂いに近いので、「いい匂いですね」ではなく「なんの匂いだろう」と言われる寄りなんですよね。あの反応が好きな人にとっては、値段を出す価値のある一本です。
使う場所と時間
使う場面
| 仕事・オフィス | ○ | 1プッシュに絞れば角が立ちません |
| 夜デート | ◎ | 距離が近い場面ほど映えます |
| 休日 | ◎ | 秋から冬の外歩きに強い |
| 真夏 | △ | 煙が汗と混ざると、ぼんやりした匂いになります |

この香水がいちばん映えるのは、十一月の日曜、午前十時前後の外です。ウールのジャケットに厚手のニット、茶色の革靴くらいの、少し重い服装がよく合います。古書店の棚のあいだを歩いて、そのまま喫茶店でコーヒーを頼むと、店の匂いと自分の香りが違和感なく混ざる。というより、どこからが店でどこからが自分か分からなくなります。あの感じを味わうためだけに、休日の午前に出かけたくなる香水です。
平日の使い方は変えていて、打ち合わせの前に腰の後ろへ1プッシュだけ。オフィスの空調は香りをよく運ぶので、休日と同じ量だと隣の席まで煙が届きます。夜に会う約束がある日は逆に増やしていいというか、距離が近い場面でこそ本領が出るタイプです。真夏だけは合いません。汗と混ざると煙がぼやけて、青い果実の酸だけが大きく出ます。この季節は日が落ちてから使うほうが素直に香りました。
保管で中身は変わる
置き場所で寿命が変わるのは香水全般の話ですが、この一本については特に神経を使っています。買い直しに手間のかかる香水なので、傷ませた時点で損が大きいからです。僕は買ったときの箱に戻して、寝室のクローゼットの棚に立てて置いています。
置き場所と影響
| 直射日光の当たる窓際 | × | 光と温度で香りの並びが崩れます |
| 浴室・洗面所 | × | 湿気と温度差がかかり続けます |
| 暖房の近く | × | 熱で中身が早く傷みます |
ボトルが素っ気ないぶん、見せる収納には向いていないと思っています。ラベルの佇まいは好きなのですが、飾って眺めるより、箱の中で温度が動かない場所にいてもらうほうが安心です。中身が変わってしまってから気づいても、あの乾いた煙はもう戻ってきません。近所で買い足せない一本だからこそ、置き場所だけは最初に決めておくことをすすめます。
口コミの読み方
感想を追っていくと、「お香っぽい」という言い方が数のうえで群を抜いています。次に多いのが値段の話で、香りそのものへの不満はそのあとにぽつぽつ出てくるくらいでした。
口コミの読み方
| 高すぎる | 1mLあたりで見ると確かに高い。減り方まで含めて考える話です | |
| お香っぽくて年配向け | 煙は乾いていて、線香の湿った甘さとは別物です | |
| 地味で分かりにくい | 近い距離でこそ届く香りなので、遠くまで届く派手さを求めると外します |
「高すぎる」については、否定するつもりがありません。数字はそのとおりです。ただ、僕の場合は減りが早かったぶん、一回あたりの気分の上がり方で元は取れたと感じています。「年配向け」は、煙という言葉から線香を連想して止まっている感想だと思っていて、実物はもっと乾いていて青いです。三つめの「地味」は評価の軸の違いで、この香水は遠くまで飛ばす作りになっていません。すれ違いざまに主張してほしい人には、たしかに物足りない一本です。
まとめ
この記事のまとめ
- 果実の青さと乾いた煙。店の空気ごと持ち歩く香水
- 秋から冬の外歩きに強く、距離の近い場面で映える
- 75mLで35,310円。気に入るほど減りが早い
ディプティックの34 ブルバード サンジェルマンは、香りで自分を飾るのではなく、自分のまわりの空気を入れ替える香水でした。ブラックカラントの青さ、シナモンの温かさ、サンダルウッドとインセンスの落ち着き。この四つがいっしょに香るので、途中で崩れません。弱点は減り方と場面の二つで、食事の席を外して、量さえ決めておけば付き合いやすい一本です。1mLあたりに直すと470円をこえる価格は確かに軽くありませんが、棚で眠らせずに使い切れる香水かどうかで考えると、僕にとっては働いてくれているほうでした。秋の休日の午前に一度使ってみると、この値段の意味はすぐに分かると思います。
diptyque 34 boulevard Saint-Germain オードパルファン 75mL
参考価格 35,310円前後
カシスやシナモンの香りと、白檀やお香の落ち着いた奥行きを両方求める人向け。
※本記事はプロモーションを含みます

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