グレーのカーディガンを仕事に着ていくと、なぜか浮く日があります。同じグレーなのに、浮かない日もある。
長いこと理由が分からなかったのですが、原因は色の濃さではなく杢(もく)の粗さでした。杢とは、濃い糸と淡い糸を混ぜて紡いだときに出る、あの霜降りの表情のこと。これが粗いほど服はカジュアルに寄り、細かいほどオフィスで馴染みます。
この記事では、杢の細かさと色の濃さという二つの軸でグレーのカーディガンを3枚に絞りました。3枚の価格は2,990円、6,072円、33,400円。値段が違うと何が変わるのかも、あわせて書きます。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
杢が出ないグレーを選べば、仕事で浮かない
答えを先に書きます。仕事に着ていくグレーのカーディガンは、表面がフラットで杢の粒が見えないものを選べば失敗しません。編みが細かいほど糸の毛羽が抑えられ、遠目にはただの無地に見える。この状態がオフィスで一番強い。
逆に、ざっくりした太い糸で編んだグレーは、離れて見ても霜降りの粒が分かります。休日の服としては表情があって良いものの、シャツとスラックスの上に載せると素材だけが浮き上がる。生地の格が合っていないからです。
濃さについても基準があります。僕はシャツより明らかに濃いか、シャツと同じくらい淡いかのどちらかに寄せています。中途半端な中間のグレーが一番難しい。
| 商品 | 価格 | 杢の出方 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 無印良品 洗えるウールハイゲージVネックカーディガン(紳士) | 2990円 | ほぼ出ない(ハイゲージ) | ジャケットやコートの下に仕込む薄手 |
| 洋服の青山 毛玉になりにくい ウール100%カーディガン(毛玉CLEAR) | 6072円 | 控えめ・濃いグレー | シャツの上に1枚で成立 |
| JOHN SMEDLEY PETWORTH Vネックカーディガン 30G シルバー | 33400円 | まったく出ない(30ゲージ・シルバー) | ジャケットの下に仕込む極薄 |
表の値は通販モールで確認した実売で、時期やショップによって振れます。

杢の粗さは、腕を伸ばした距離で見分ける
店で確かめる方法は簡単です。カーディガンを持って腕をいっぱいに伸ばし、その距離で表面を見る。
このとき編み目の粒が数えられるようなら、それは仕事着ではありません。粒が溶けて一色に見えれば合格。人が僕らを見る距離は、だいたい1メートルから2メートル。手元で見た印象と、その距離での印象は別物です。
ゲージという言葉が出てきたら、数字が大きいほど編みが細かいと覚えておけば足ります。ハイゲージは目が詰まってフラット、ローゲージは目が粗くて厚い。同じウール100%でも、ゲージが違えば別のジャンルの服になります。
もう一つ、光の下で見ることも大事。蛍光灯と自然光では杢の見え方が変わります。オフィスで着るなら、店の蛍光灯の下で判断したほうが実際に近い。
なお、商品ページにゲージの数字が出ていない服も多くあります。その場合は数字を探すより、腕を伸ばした距離で自分の目に当てたほうが確実。数字は目安であって、判断そのものではありません。
濃さは「シャツより濃いか」で決める
グレーの濃淡は、単体で見ても正解が分かりません。何と重ねるかで決まるからです。
白シャツの上に着るなら、はっきり濃いグレーかチャコール。境目がくっきり出て、着ている面積の区切りが分かりやすくなります。薄いグレーを白シャツに重ねると、境目がぼやけて全体が眠くなる。
反対に、ジャケットやコートの下に仕込むだけなら淡くていい。というより、外から見えるのは襟元とVゾーンの一部だけなので、そこに淡い色が差し込まれると顔まわりが明るくなります。
つまり、一番外側に着るなら濃く、内側に仕込むなら淡く。この一行で、色選びはだいたい片が付きます。
サイズは、袖丈と着丈を先に見る
カーディガンのサイズで僕が最初に確認するのは袖丈です。シャツの上に着る服なので、カーディガンの袖口からシャツの袖が1センチほど覗く状態が一番収まりが良い。
袖が長すぎると手の甲に掛かって野暮ったく、短すぎればシャツが出すぎて着崩れて見えます。ニットの袖は洗うたびに少しずつ変わるので、最初はやや短めを選んでおくくらいでちょうどいい。
着丈は、ベルトが隠れるかどうか。仕事で着るならベルトのバックルに少し掛かる程度が扱いやすく、完全に隠れると腰の位置が下がって胴が長く見えます。座ったときに前身頃が持ち上がる点も、店では確かめにくいので頭に入れておいてください。
身幅は、シャツの上に着て前を留めた状態で腕を組んでみる。ここで背中が突っ張るなら1サイズ上げます。ニットは伸びますが、伸びた状態を前提に買うと半年で緩くなる。
Vネックの深さが、シャツの見え方を決める
グレーのカーディガンを仕事で着るなら、僕はVネックを選びます。襟元にVの空きがあると、シャツの襟とネクタイの結び目がきちんと見えるからです。
ここで見るのは、Vの深さ。浅すぎるとシャツの第一ボタンあたりで詰まり、首まわりが窮屈に映ります。深すぎれば胸が開きすぎて、ネクタイをしていない日にだらしなく見える。ちょうど鎖骨の下あたりでVの底が来る深さが、僕の手持ちでは一番使い勝手が良かった。
ラウンドネックが向くのは、Tシャツやスウェットの上に羽織る休日側です。首まわりが詰まっているぶんカジュアルに寄るので、シャツと合わせると襟が押し込まれて収まりが悪くなります。
つまり仕事用はV、休日用はラウンド。1枚で兼ねようとすると、どちらの日も少しずつ違和感が残ります。無印良品とJOHN SMEDLEYをVネックで選んだのは、仕事で浮かないことを軸にしたからです。洋服の青山の1枚は商品名にも商品ページにも襟の形の記載が無いので、ここは実物か店頭で確かめてください。
まず1枚なら、2,990円の薄手から入る
グレーのカーディガンを持っていない人に、いきなり3万円台を薦めるつもりはありません。最初は、失敗しても痛くない値段で「自分がどの使い方をするか」を確かめたほうが早い。
無印良品 洗えるウールハイゲージVネックカーディガン(紳士)は、その入口として素直な1枚です。ハイゲージで糸の毛羽を抑えて編んであるので表面がフラットになり、杢がほとんど出ない。前の節で書いた合格ラインを、2,990円で満たしてきます。グレーとダークグレーの二段階があるため、濃さの違いを同じ商品の中で比べられるのもいい。ノンミュールジングのメリノウール100%に防縮加工が入っていて、洗濯機で洗えます。
弱点ははっきりしています。商品ページ自身が生地の厚さは薄めと書いている通り、これ1枚を羽織りとして着るには頼りない。あくまでジャケットやコートの下に仕込むインナー用です。ウール100%なので毛玉は出ますし、ページにも注意書きがある。それでも、最初の1枚としては役割を果たします。
毛玉が出ること自体は欠点というより素材の性質で、後の節に書く手入れでかなり抑えられます。むしろこの価格でウール100%を洗濯機に入れられるほうが珍しい。週に何度も着て、シーズンごとに買い替える前提で扱えば、費用対効果はかなり高い1枚です。
週3回着るなら、シャツの上で1枚で成立するものを
オフィスカジュアルで週に3回も着るなら、話が変わります。ジャケットを脱いだ状態がその日の格好になるので、カーディガン1枚でシャツの上に成立してくれないと困る。仕込む前提の薄手では、ここが持ちません。
洋服の青山 毛玉になりにくい ウール100%カーディガン(毛玉CLEAR)は、その位置を埋める枠です。ウール100%で、名前の通り毛玉になりにくい加工が入っている。週に3回も袖を通すと、鞄の肩紐や椅子の背もたれと擦れた回数がそのまま毛羽になります。着る頻度が高い人ほど、この加工の有無が効いてくる。
色は定番でグレーがあり、濃さは無印のグレーよりはっきり濃い。後で挙げる淡いシルバーとは正反対の側です。白シャツに重ねたときに境目が出るのは、この濃さの側になります。
ゲージや生地の厚さの数字は商品ページに出ていないので、そこは公表なしとしておきます。厚みは手に取れば一目で分かる部分なので、店舗で確かめられるならそのほうが早い。
割り切りも必要です。ビジネス想定の作りなので、着丈も身幅もきちんと寄り。休日にラフへ羽織るには堅く、Tシャツの上には合いません。デザインは完全な無地で、服として語れる要素は無い。
さらに、同じ「毛玉になりにくいカーディガン」の名前で、シーズンや品番の違う出品が3,000円台から7,000円台まで並んでいます。安いものを見つけたら、品番と色が狙ったものと同じか確かめてから買ってください。
洋服の青山 毛玉になりにくい ウール100%カーディガン(毛玉CLEAR)
参考価格 6,072円前後
本命。オフィスカジュアルで週3回着る人、濃いグレーを1枚に絞りたい人
長く使うグレーなら、30ゲージまで行く
ここから先は趣味の領域です。ただ、僕がPORTERのビジネスバッグを長く使っているのと同じ理由で、毎日目に入るものにはお金を掛ける価値があると思っています。
JOHN SMEDLEY PETWORTH Vネックカーディガン 30G シルバーは、杢が一切出ないグレーの到達点。30ゲージのエクストラファインメリノウールで編まれていて、表面が均質になります。色名も杢を意味しない「シルバー」。この記事で書いてきた主張——杢の粗さで印象が変わり、濃さで仕事に着られるかが決まる——を、最も細かい編みと最も淡い色という反対側の極から証明してくれる1枚です。PETWORTHというモデル名で指名買いができるのも、探す手間が減って助かります。
それでも短所は多い。実売33,400円は、無印の10倍以上、青山の5倍以上です。30ゲージは極薄なので防寒はまったく期待できず、あくまで重ね着の1枚。淡いシルバーは上品すぎて、カジュアルに崩した格好には浮きます。ウールなので家庭洗濯も前提にはできません。
値段についても補足を。国内向けに示されている価格は60,500円ですが、これはメーカーが公表した定価ではなく、店側が入れた参考の値です。3万円台はそれを下回る実売になります。そして3万円台で出回っているのは並行輸入品で、メーカーの国内保証は受けられません。通販モールでは並行輸入と中古が同じ検索結果に並ぶため、ショップと商品状態を確認してから買ってください。保証まで含めて一生もの扱いにしたいなら、6万円台の国内正規流通を選ぶことになります。
在庫の見え方も書いておきます。シルバーはS〜XLまでひと通り並んでいますが、色によっては欠けているサイズがあります。狙う色が決まっているなら、サイズが揃っているうちに動いたほうがいい。
JOHN SMEDLEY PETWORTH Vネックカーディガン 30G シルバー
参考価格 33,400円前後
長く使う上位。グレーを一生ものにしたい人、ジャケットの下に仕込む薄さが要る人

3枚の向き・向かない場面
使い方から選ぶ
- ジャケットやコートの下に仕込む薄手が欲しい → 無印良品(2,990円・羽織りには不向き)
- シャツの上に1枚で週3回着る → 洋服の青山(濃いグレー・休日には堅い)
- 長く使う極薄を1枚 → JOHN SMEDLEY(30ゲージ・防寒は期待しない)
三枚とも「羽織り」と呼べるのは真ん中の1枚だけです。無印とJOHN SMEDLEYは、どちらも下に仕込むための薄さを持っている。ここを取り違えると、寒い日に後悔します。防寒はアウター側の仕事なので、本当に寒い日はダウンジャケットで解決したほうが早い。
季節をまたいで羽織るものを探しているなら、カーディガンより向いた道具もあります。夏場についてはUVカットパーカのほうへまとめました。用途が違うものを1枚で兼ねようとすると、たいてい中途半端になります。
合わせるインナーで迷うなら、襟のあるものを一度試してみてください。Vネックのカーディガンは、襟があるほうが顔まわりの収まりが良くなります。襟のあるインナーの選び方はポロシャツのコーデにまとめました。
前を留めるか、開けたままか
同じカーディガンでも、ボタンを留めるかどうかで別の服になります。ここを意識している人は意外と少ない。
全部留めると、輪郭が縦一本になってセーターに近い見え方。きちんと感は出るものの、動きは消えます。厚みのあるものを全留めすると、胴が太く見えることもある。
僕が仕事でよくやるのは、下から二つだけ留めて上を開けるやり方です。シャツの襟とVゾーンが出て、腰まわりだけ締まる。座ったときに前身頃が割れないので、一日中着ていても崩れません。
全開のまま羽織るのは、休日か、シャツの色をきちんと見せたい日。ただしこの着方は生地の落ち感に左右されます。薄手のハイゲージは前が開いたまま素直に落ちますが、厚みのあるものは前立てが外へ跳ねることがある。店で試すときは、開けた状態でも一度鏡を見てください。
ボタンを留めない日が多い人は、前立ての作りも見ておくと良い。前立てが波打つかどうかは値段より仕様で決まる部分で、生地を二枚重ねたダブル仕様なら安いものでもきれいに落ちます。ここは手で持ち上げてみれば分かるので、試着のついでに確かめてください。
毛玉は出るものとして付き合う
ウールである以上、毛玉はどの価格帯でも出ます。加工で「なりにくい」ものはあっても、ならないものは無い。
僕がやっているのは、着た日にブラシを掛けることだけです。繊維の絡まりが毛玉に育つ前に解いておく。これだけで、次のシーズンまでの見え方が変わります。
できてしまった毛玉は、指で引き抜かず毛玉取り器で刈る。引き抜くとその周りの編み地が痩せて、そこからまた毛玉ができます。
洗濯についても書いておきます。洗濯機で洗えると書いてある商品でも、ネットに入れて、平置きで干す。ハンガーで吊るすと水を含んだ重みで着丈が伸びます。3万円台のニットに関しては、家で洗おうと思わないほうがいい。
シーズンの終わりには、必ず一度きれいにしてからしまいます。皮脂が残ったまま夏を越すと、虫はそこを狙って食べる。畳んで防虫剤と一緒に箱へ入れるのが基本で、ハンガーに掛けっぱなしにすると肩が落ちます。
洗う頻度も考えどころ。グレーは汚れが目立ちにくいぶん、洗わずに着続けてしまいがちです。僕は袖口と前立てを目安にしていて、そこが暗くなってきたら洗う。全体が汚れる前に、必ずこの二か所から出ます。
一枚目をどれにするか
グレーのカーディガンは、値段で優劣が付く服ではありません。無印の薄手が向く人に3万円台のニットを渡しても、防寒にならず不満が残るだけ。
決め方は用途です。仕込むのか、1枚で着るのか。ここさえ決まれば、この記事の三枚のどれかに自然と落ちます。
この三枚は役割が分かれているので、平日に一番出番が多いのは真ん中の厚みがある1枚になるはずです。ただ、人前で脱がない日が多い人なら、順番は変わって当然です。
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※本記事はプロモーションを含みます

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