花束をまとめて近づけられたような、甘さの散らばらない古典的な花の香りです。出だしはジャスミンやローズを含む4つの花がひとかたまりで来て、途中から土と根が下から上がり、終盤は根と葉の低い匂いだけが静かに残ります。線で切ってくる鋭さではなく、面でふくらんで届くタイプ。クルジャンの輪郭の強さが少し硬いと感じてきた人に向きます。
花の香りを7つの原料で組んだ、クルジャンの中では材料の多い部類に入る1本です。原料を絞るこのブランドにしては珍しく、古典的な作りをしています。
この記事でわかること
- 原料7つで組まれた、クルジャンでは珍しい古典的な花の作り
- 花が4つ・根と葉が3つという内訳と、時間ごとの香りの移り変わり
- 3万5千円前後という価格に対して、手放しでは勧めない理由
- 正規と並行輸入の違いと、贈り物に選ぶ前に確かめること
結論:クルジャンでは珍しい、原料7つの古典的な花
総合評価:3.8 / 5.0 ★★★★★
バカラ ルージュ 540は3つ、アポムも3つ。少ない材料で輪郭を立てるのがこの家のやり方です。7つを重ねたこの香りは、線で切ってくるのではなく面でふくらんで届く。同じ家の中で明らかに別の方角を向いた1本です。
基本情報:公式が出している香調と原料
クルジャンはトップ・ミドル・ベースの三段では公開していません。出しているのは香調の分類と主な原料だけ。他の媒体には公式と違う原料が並ぶこともあるので、ここに置いたのは今の公式の内容です。
| 公式の表記 | |
|---|---|
| 香調の分類 | フローラル(花) |
| 主な原料 | グランディフローラムジャスミン・パチュリ・ベチバー・センティフォリアローズ・すみれ・オレンジフラワー・アイリス |
| 種類 | オードパルファン |
内訳は花が4つ(ジャスミン、ローズ、すみれ、オレンジフラワー)と、下から受ける根と葉が3つ(パチュリ、ベチバー、アイリス)。花を重ねて土台で支える配分は、20世紀の花の香水の典型です。
香りの移り変わり:花から始まり、根と葉で終わる
時間の流れは花から始まり、下から根と葉が上がってきて、最後は低い匂いだけが残る形です。ここからは3段に分けて追いかけます。
トップ:花が4つぶんまとめて来る
肌に乗せた直後に出るのは花の側です。4つが別々に聞き分けられるのではなく、花束をまとめて近づけられたような広がり方をします。輪郭がくっきり切れないのは材料が多いからで、これは失敗ではなく狙いのほうです。
ミドル:下から土と根が上がってくる
土台側はパチュリ、ベチバー、アイリスの3つ。しばらくすると土と根の匂いが下から上がってきます。花の甘さはここで座りが良くなる。支えのない花は軽いまま浮いて消えますが、この香りは重心が低いぶん甘さが散らばりません。
ラスト:残るのは根と葉の低い匂い
終盤まで居座るのは根と葉の側です。低い匂いだけが続くので、一日の終わりには最初とかなり違う顔になっている。強く香る種類ではないぶん、人が覚えるのはこの静かな部分でしょう。
どんな日に、何を着てつけるか
収まりが良いのは春から初夏と秋口です。気温が中くらいなら、花と土台がだいたい同じ速さで立ち上がります。真夏の屋外では甘い側だけが先に飛び出しやすく、真冬は全体が肌に張りついて動かない。
服はきれいめに寄せたほうが釣り合います。シャツやジャケットの日には古典的な花がよく合う。スウェットの日に同じ量をつけると、香りだけが場から浮きます。
時間帯は昼のほうが向いています。人と会う予定の日に、家を出る前にひと吹き。夜の食事の席は料理の匂いとぶつかるので手前で止める。土台が低く残るので、夕方に足す必要はありません。
どの容量を選ぶか
公式が出している容量はこの通りです。
| 容量 | 使いどころ |
|---|---|
| 35mL | 試す・持ち歩く |
| 70mL | 日常の主軸 |
| 200mL | 定番として使い込む |
価格は、公式のヨーロッパ向け表示で205ユーロ(70mL)。日本での実売は、為替と関税、そして正規か並行かで幅が出ます。1つの数字では言い切れないのが実情です。
詰め替え用のレフィルが用意されている香りもあります。本体を買った後の2本目からは、そちらのほうが安くなります。
プレゼントに選ぶ前に
香水を贈り物にするのは、本来かなり難しい選択です。身につけるものの中でも好みの幅が狭く、しかも受け取った側は合わなくても言い出しにくい。
贈る前に確かめておくこと
- 普段どんな香りを使っているか。系統が分かれば外しにくい
- 香水を日常的に使う人か。使わない人に贈ると置物になる
- 職場で香りを制限されていないか。医療や飲食では使えないことがある
- 容量は小さめでいい。35mLでも使い切るには半年以上かかる
クルジャンを贈り物に選ぶ理由があるとすれば、名前が通っていることです。香水に詳しくない相手でも、ブランドを知っている確率が比較的高い。
ただし価格が価格なので、関係によっては相手を困らせます。3万円台の香水を受け取ると、返礼を考えさせてしまう。贈る相手との距離を、香りの好み以上に先に考えたほうがいい。
正規と並行輸入の違い
日本では公式ブティックと百貨店で買えます。路面店は表参道と銀座にあり、伊勢丹などの百貨店にも入っている。クリードのように取扱が極端に少ないブランドではありません。
ただし日本の公式サイトは存在しません。かつて使われていたドメインは第三者に売却されていて、今アクセスしても無関係なページに飛びます。検索で出てくる「公式」を名乗るページには注意が要ります。
| 正規(ブティック・百貨店) | 並行輸入 | |
|---|---|---|
| 価格 | 定価 | 1〜3割安いことが多い |
| 保証 | 国内の窓口がある | 販売店ごと |
| 保管 | 管理されている | 経路が読めない |
| 刻印・ギフト包装 | 受けられる | 対象外 |
並行輸入品も多く流通しています。香水は熱と光で変わるので、輸送と保管の経路が読めないことは実質的なリスクです。定価を大きく下回るものには理由があると考えたほうがいい。
量と持続時間
クルジャンの香りは輪郭がはっきりしているので、少量で足ります。原料を絞って作っているぶん、多くつけるとその少ない材料が全部強く出ることになる。
つける量と場所
- 1〜2プッシュから始める。足りなければ翌日に増やす
- 首すじ・耳の後ろ:人に届きやすい。仕事の場では控えめに
- 手首・肘の内側:動くたびに立ち上がる
- 腰まわり・膝の裏:下から穏やかに上がってくる。量を間違えにくい
香りが弱いと感じたときに足すのは、たいてい間違いです。人は自分の匂いに数分で慣れるので、自分に届かなくなった時点でも周りにはまだ届いています。自分の鼻を基準にしないことが、この価格帯の香水では特に大事になります。
手放しでは勧めない理由
まず値段です。3万円を超える買い物になるので、香りが合わなかったときの損失が大きい。この価格帯は「なんとなく良さそう」で買っていい額ではありません。
原料を絞る作り方には裏返しがあります。少ない材料で構成されているぶん、合わない材料が1つあると逃げ場がない。複雑な香水なら他の要素で紛れるところが、ここでは紛れません。
似た香りが安価に出回っています。クルジャンは模倣の対象になりやすいブランドで、「〇〇に似ている」と称する香水が多く売られている。本物を買う理由を自分の中で持っておかないと、割高に感じます。
原料が多いぶん、クルジャンらしい輪郭の鋭さは薄い。このブランドを選ぶ理由が香りに出にくい1本です。
古典的な花の香りは競合が多く、1万円台にも完成度の高いものがあります。
先に試す方法がある
3万5千円前後の買い物です。原料を絞った作りなので、合わない材料が1つあると全体が駄目になる。この構造は、試さずに買うことのリスクを普通の香水より大きくします。
あわせて読みたい
- クルジャンで最初に名前が挙がる1本を知りたいなら、バカラ ルージュ 540の徹底解説もどうぞ。
- 同じブランドのクルジャン アクア ヴィテの香りもどうぞ。
まとめ:クルジャンの中では例外の、古典的な花
メゾン フランシス クルジャン フェミナン プルリエル は3万5千円前後の買い物になります。原料を絞った作りなので、合わない材料が1つあると全体が駄目になります。
贈り物にするなら、相手の好みを確かめる手段を先に持っておくほうが確実です。
香りの内訳は花が4つと、下から支える根と葉が3つ。出だしは花束をまとめて近づけられたような広がりで、途中から土と根が上がってきて、終盤は低い匂いだけが静かに続きます。少ない材料で輪郭を立てるこの家の中では、明らかに別の方角を向いた作りでした。
クルジャンらしい鋭さを求めて買うと、この1本では物足りなく感じます。ただ、面でふくらむ古典的な花を探しているなら、その作りがそのまま長所になる。強く香る種類ではないので、昼に人と会う日、シャツやジャケットに合わせて1〜2プッシュ。まずは35mLか、店頭で試してから決めるのが確実でしょう。
クルジャン フェミナン プルリエルに近い方向で探すなら
似た方向で探すなら、この3本が候補になります。同じ香りではないぶん、何が近くて何が違うのかを書いておきます。
| 銘柄 | 価格の目安 | 近いところ | 違うところ |
|---|---|---|---|
| メゾン マルジェラ レプリカ バブル バス オードトワレ | 12,210円〜 | パチョリ・ジャスミン・ローズが重なる | ココナッツが入り、甘さが丸くなる |
| ル ラボ ネロリ36 | 14,300円〜 | オレンジ・ジャスミン・ローズが重なる | ネロリが入り、苦みのある白い花が乗る |
| ディプティック サン・ジェルマン大通り34番地 | 28,490円〜 | パチョリ・ローズが重なる | サンダルウッドが入り、ミルキーな白檀が乗る |
3本とも系統は近いものの、残り方が違います。長く使うなら、残り香が自分の生活に合うかで決めるほうが失敗しません。
※本記事はプロモーションを含みます

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