金曜の夜、照明を落としたバーのカウンターで、隣の人と肩が近くなる距離。そこで僕がよく手を伸ばすのが、ニシャネの B-612 です。買った直後は正直、地味だと思っていました。ところが半年後に棚を見たら、この一本だけ明らかに肩まで減っていたんです。結論から言うと、B-612 は自分から名乗らないのに、近づいた相手の記憶にだけ残る香りでした。香りの動き方、腕の上での持続、実際につまずいた場面まで順に書いていきます。
この記事でわかること
- トップからベースまで、腕の上で何がどう入れ替わるのか
- 僕の腕での持続と、つけ直しを入れているタイミング
- 真夏の電車と会議室でやらかした話
- 合う服装と、避けたほうがいい場面
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
結論:B-612 は「名乗らないのに残る」香り
B-612 は、香水で自分を大きく見せたい人には向きません。入口の作りがそもそも控えめだからです。最初に立つのはラベンダーとサイプレス、そこにゼラニウムが少し青さを足す感じで、甘さより先に清潔さが来ます。洗いたてのシャツを顔に近づけたときの、あの一瞬に近いでしょうか。そこから中盤でカシュメランウッドとサンダルウッド、シダーウッド、パチョリが折り重なり、肌の温度と混ざって厚みが出てきました。僕がこれまで「それ、何つけてるの」と聞かれたのは3回。3回とも相手との距離は1メートルを切っていました。離れた人には届かないかわり、近づいた人には必ず届く。B-612 の性格はここに尽きると思います。
もうひとつ付け加えておくと、この香水は服を選びませんでした。スーツの日もニットの日もパーカーの日も浮かなかったので、朝の服装を気にせず手に取れています。半年のあいだ平日と休日の区別なく使えているのは、たぶんそこが理由です。香りの主張が強い一本だと、こうはいきません。
総合評価:4.5 / 5.0 ★★★★☆
Ryo
自分では途中で分からなくなるのに、隣の人だけがずっと嗅いでいる香水です。

ニシャネ B-612 の基本情報
ニシャネはトルコのメゾンで、B-612 は「Imaginative」というコレクションに入る一本です。名前は『星の王子さま』に出てくる小惑星から取られていて、ブランドが添えている文章も、大人になるほど失われていく感受性や、子どもの頃の性質を呼び戻す、という趣旨で書かれていました。日本語の紹介文には「かんじんなことは、目に見えない」という一節まで置かれています。ここまで読んでから嗅ぐと身構えてしまうのですが、実際に腕にのせた B-612 は、そこまで文学的な顔をしません。もっと素直で、着られる香りです。
由来を先に知ると、無邪気で軽い香りを想像しがちだと思います。腕の上の印象は落ち着いた大人のウッディに寄っていたので、そのギャップだけ頭に入れてから試すと目線がずれません。日本での正規の取り扱いは NOSE SHOP で、僕もそこで実物を嗅いでから決めました。由来の物語と実際の香りの落差を、買う前に自分の腕で確かめられたのは大きかったです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | ニシャネ |
| 香水名 | B-612 |
| 濃度 | エキストレ ド パルファム |
| 容量 | 50mL |
| 価格 | 41,800円(税込) |
| 香調 | トップ:ラベンダー、サイプレス、ゼラニウム/ハート:カシュメランウッド、サンダルウッド、シダーウッド、パチョリ/ベース:ムスク、オークモス、トンカマメ |
| 剤形 | スプレー |
| 原産国 | トルコ共和国 |
| 成分 | 変性アルコール、香料 |
香りの変化
層の表記はトップがラベンダー、サイプレス、ゼラニウム、ハートがカシュメランウッド、サンダルウッド、シダーウッド、パチョリ、ベースがムスク、オークモス、トンカマメという並びです。腕にのせて放っておくと、この3段がわりとくっきり順番に入れ替わっていきました。同じ日に2度楽しめる、という言い方が近いかもしれません。
STEP 1|0〜30分
ラベンダーとサイプレス
ゼラニウムの青さが効いてくる
STEP 2|〜3時間
カシュメランウッドとサンダルウッド
シダーウッドとパチョリで体温が乗る
STEP 3|それ以降
ムスクとオークモス
トンカマメが肌に薄く残る
トップ
つけて最初の10分が、この香水でいちばん地味な時間です。ラベンダーが前に出るのですが、いわゆるポプリのラベンダーではなく、もっと乾いていて硬い。そこにサイプレスの針葉樹っぽさとゼラニウムの青さが乗るので、香りというより空気の温度が変わる感覚に近かったです。試香紙で嗅いだ段階では、正直これは選ばないなと思っていました。腕にのせて30分待てば評価がひっくり返ります。買う前にムエットだけで判断すると、たぶん外すはずです。
ハート
30分を過ぎたあたりから、カシュメランウッドが立ち上がってきます。ここが B-612 の本体です。カシュメランウッド、サンダルウッド、シダーウッド、パチョリと木が4つ並んでいるのに、木材の香りというより、厚手のニット越しに感じる体温のような温かさが出ます。トップの清潔さが完全には消えないまま温度だけが上がるので、清潔なのに色っぽい、という妙な状態になりました。僕が「それ、何つけてるの」と聞かれたのは決まってこの時間帯です。だいたい1時間半から3時間のあいだで、ここを狙って時間を逆算してつけています。
つけ方も途中で変えました。最初は手首だけにのせていたのですが、いまは胸元とうなじに1プッシュずつ落としています。木の層が体温で開いていく香りなので、体の中心に近いところのほうが素直に立ち上がってくれました。手首だと洗い物やパソコン作業で擦れて、ハートに入る前にトップが飛んでしまいます。
ベース
3時間を過ぎるとムスクとオークモス、トンカマメが強くなって、全体がふわっとやわらかくなります。トンカマメの甘さは砂糖の甘さではなく、乾いた干し草みたいな甘さでした。オークモスが少し湿った土っぽさを残すので、最後まで甘ったるくならないのが好きなところです。自分の鼻では4時間もすると分からなくなりますが、脱いだニットの襟に翌朝まで残っていたことがあって、家族に「昨日の匂いまだするよ」と言われました。

正直な注意点
良いところばかり書いても買う前の役には立たないので、僕がつまずいた点を先に出しておきます。ひとつは気温です。8月の午後に2プッシュして満員電車に乗ったら、自分の首元からハートの木が膨らんできて、心の中で謝りました。もうひとつは持続で、エキストレ ド パルファムという濃度から想像するほど長くは残りません。僕の腕では体感5〜6時間で、夜まで同じ濃さを保ちたい日は昼にもう一度足しています。
量の加減にも少し慣れが必要でした。3プッシュ以上は僕の体格だと明らかに多く、2プッシュでちょうどよく収まります。ここを間違えると、あとで書く会議室の失敗をそのまま踏むことになりました。
注意
① 真夏は重くなる。気温が上がるとハートのウッドとパチョリが膨らんで距離が近すぎる
② 持続は体感5〜6時間。濃度の表記から想像するより短く、昼のつけ直しがいる
合う人・合わない人
僕はニッチの香水を買うのが4本目でこれを選んだのですが、いま振り返ると順番として悪くありませんでした。強い甘さや樹脂の重さが苦手でも入れる一方、香水で存在感を主張したい人には物足りないはずです。ラベンダーが最初に来るので、そこが苦手だと最初の10分を耐えられません。
甘い香りが得意でない人にも勧めやすい一本だと思っています。バニラの甘さが前に出る香水を何本か手放してきた僕でも、B-612 のトンカマメは最後に薄く残る程度で気になりませんでした。分かりやすく甘い香水が好きな人には、たぶん物足りなく感じられます。
こんな人に合う
- ✓ 清潔さと色気を同時に出したい人
- ✓ 甘い香りが苦手でウッディに寄せたい人
- ✓ 近い距離で話す仕事や場面が多い人
合わないかも
- × すれ違いざまに気づかせたい人
使う場所と時間
B-612 が本領を出すのは、照明が暗くて相手との距離が近い時間帯でした。金曜21時のバーのカウンター、ジャケットの下にグレーのニットみたいな服装によく合います。逆に会議室は苦手です。一度3プッシュして行ったら、向かいに座った人が「暑いですね」と言って窓を開けたことがありました。オフィスなら1プッシュを腰のあたりに落とすくらいでちょうどいいと思いました。
時間帯でいうと夕方から夜にかけてが出番です。朝につけると、ハートの山が昼の会議に重なってしまいます。最近は出かける2時間前を目安にして、香りの山を夜に持ってくるようにしました。
使う場面
| 仕事・オフィス | ○ | 1プッシュを腰に落とすなら成立する |
| 夜デート | ◎ | 暗い照明と近い距離でいちばん化ける |
| 休日 | ○ | ニットやスウェードの起毛と相性がいい |
| 真夏 | △ | 気温が上がるとウッドが膨らんで重くなる |
保管で中身は変わる
香水は置き場所で寿命が変わります。僕は前に別の香水を窓際に置いていて、数か月でトップだけ酸っぱくなった経験があるので、B-612 は箱に戻して引き出しにしまうようにしました。とくにこの香水はトップのラベンダーとサイプレスが清潔さの入口を担っているので、そこが崩れると全体の印象が別物になってしまいます。
50mLを1年で半分ほど使う速さなので、使い切るまでの置き場所をそろえておくほうが結果として得だと考えています。引き出しに戻す一手間を挟むだけで、最後の一滴までトップの立ち方が変わりませんでした。手の届く場所に置きたい気持ちはありますが、そこは我慢しています。
置き場所と影響
| 直射日光の当たる窓際 | × | 紫外線と温度でトップが先に変わる |
| 浴室・洗面所 | × | 湿気と温度差が中身を傷める |
| 暖房の近く | × | 温度が上がる場所に置き続けると香りが痩せる |
口コミの読み方
B-612 について言われがちなことを、使ってきた側から3つだけ答えておきます。読むときは、その人がどの時間帯にどの距離で嗅いだのかを想像してみてください。話が噛み合ってくるはずです。
口コミの読み方
| 地味で印象に残らない | 試香紙かトップだけの評価。30分後のカシュメランウッドが本体 | |
| ラベンダーがおじさんっぽい | 乾いた硬いラベンダーで、ポプリ系の甘いラベンダーとは別物 | |
| 名前ほどメルヘンじゃない | その通り。星の王子さまは由来であって、香りは大人向けのウッディ |
まとめ
ニシャネ B-612 は、香水で目立ちたい人よりも、近づいた相手にだけ伝わればいいと思っている人に向く一本でした。最初の10分の地味さで判断せず、30分待ってから決めてほしいです。真夏の扱いにくさと、昼につけ直す前提の持続だけは先に飲み込んでおいてください。季節ごとに量を変えれば、秋から春はもちろん、夏でも1プッシュで回せています。
この記事のまとめ
- ✓トップの10分は地味、本体は30分後のカシュメランウッド
- ✓腕での持続は体感5〜6時間、昼にもう1プッシュが前提
- ✓暗い照明と近い距離で本領を出す、真夏だけは量を減らす
※本記事はプロモーションを含みます

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