名前を声に出すのがためらわれる香水って、ありますよね。僕にとってのそれが トム フォード ファッキン ファビュラス でした。結論から言うと、これは夜と寒い時期に振り切って使う一本で、昼のオフィスに連れていく香りではありません。ここでは僕の鼻にどう届いたか、50mLがどんな速さで減るのか、買う前に知っておきたい弱点、それから合う服装と場面までまとめました。
この記事でわかること
- 名前で身構えていた僕の鼻に、この香りがどう届いたか
- 50mLがどう減って、一本でどれくらい持つのか
- 買う前に知っておきたい弱点が2つ
- 合う服装と、選んで正解だった時間帯
TOM FORD(トム フォード) プライベート ブレンド FUCKING ファビュラス オード パルファム スプレィ 50mL
参考価格 54,450円前後
退廃的なレザーとアンバーの香りを、夜の特別な時間に纏いたい人向け。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
結論:ファッキン ファビュラス は「夜と寒い時期に振り切るための一本」
毎日の香りではありません。週に一度あるかないかの、ちょっと気合いを入れる日のための瓶です。一年以上そばに置いてきて、僕のなかでの位置づけはここに落ち着きました。
そうなった理由は濃さにあります。オード パルファムという濃度で、革の匂いと苦いアーモンドがいっぺんに来るので、薄く纏うという使い方がそもそも成立しません。一回押した時点でもう全部乗ります。中途半端に足すくらいなら、使わない日は思い切って使わない。そのほうがこの香水とはうまくいきました。
十二月の夕方、厚手のコートを着て人に会いに出た日がいちばん気持ちよかったです。襟の内側で温まって、すれ違いざまに自分でも分かる濃さになりました。汗ばむ日に屋外で使ったときは、逆に自分の通った跡が残るようで落ち着きませんでした。だから僕はこれを「振り切る日の一本」と呼んでいます。

Ryo
上品にまとめようとした瞬間に、この香水はつまらなくなる。
総合評価:4.5 / 5.0 ★★★★☆
トム フォード ファッキン ファビュラス の基本情報
数えてみたら、僕がこの瓶を押すのは多い月で四回か五回でした。夏場はまるまる一か月触らない年もあります。年に三十回使うかどうか、というのが正直なところです。
その頻度だと、50mLはほとんど減りません。買ってから一年以上たった今も、瓶の中身は三分の二あたりで止まっています。残量を見るたびに、これは僕より長生きするなと思います。うれしいような、もったいないような、少し変な気持ちになる瓶です。
値段は54,450円(税込)。50mLですから、1mLあたり千円を超えます。一押しが何円ぶんか、という計算を一度だけやってしまって、それ以来やめました。押すのをためらった時点で、この香水を手に入れた意味がなくなるからです。
トム フォードはこの香りをこう説明しています。「まるで心を酔わせて離さないような、退廃的なオリエンタル レザーの香りが、一流感を醸し出します。秘密の関係や、願いが叶った親密な時間を想起させる、このフレグランスを言い表す表現は、「FUCKING ファビュラス」という言葉しかありません。」買う前は、ずいぶん大きく出たなと思いながら読んでいました。使ってみたら、この文章はわりと正直でした。
剤形はスプレーで、商品名にも「オード パルファム スプレィ」と入っています。霧は細かいというより、ぶわっと広がるタイプでした。胸元に一回だけ押して、それ以上は足さない。僕の押し方はここに固まっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | TOM FORD(トム フォード) |
| 商品名 | プライベート ブレンド FUCKING ファビュラス オード パルファム スプレィ |
| 香調 | オリエンタル レザー |
| 濃度 | オード パルファム |
| 容量 | 50mL |
| タイプ | スプレー |
| 価格 | 54,450円(税込) |
TOM FORD(トム フォード) プライベート ブレンド FUCKING ファビュラス オード パルファム スプレィ 50mL
参考価格 54,450円前後
退廃的なレザーとアンバーの香りを、夜の特別な時間に纏いたい人向け。
香りをつくっている素材
トム フォードが名前を挙げているのは六つです。ビターアーモンドオイル、トンカ レジノイド、オリス アコード、カシュメラン、レザー アコード、クラリセージオイル。段も順番も付いていない、ただの並びになっています。実際に嗅いでも、僕の鼻には全部が一度に届きます。ひとつずつ探しに行くより、塊のまま受け取ったほうがこの香水は気持ちがいいです。
それでも意識して嗅ぎ分けると、三つに分かれて感じられました。
レザー アコードとクラリセージオイル:新しい革靴と、折った茎の湿り
革は、箱から出したばかりの靴の内側に鼻を入れたときの匂いでした。動物というより、なめしたあとの薬っぽさが混ざった、少しだけ刺さる匂いです。これがかなり近いところまで来ます。手首に一滴を置いて顔を寄せると、鼻の奥がきゅっとする感じがありました。
クラリセージオイルのほうは、茎をぱきっと折ったときの湿った青さです。ハーブと言われて思い浮かべる乾いた葉っぱの匂いとは違って、水気があります。革の匂いとこの青さが同じ大きさで並んでいるのが、僕にはこの香水のいちばん面白いところでした。
ビターアーモンドオイル:これ、本当にアーモンドなんですか
マカロンやマジパンを思い浮かべて嗅ぐと、たぶん面食らいます。僕が受け取ったのは、杏仁豆腐の匂いをうんと濃くして、甘い部分だけ抜いたあとに残る苦さでした。ときどき消毒薬を思い出す瞬間もあります。
ここが好き嫌いの分かれ目だと思っています。実際、家族に手首を差し出したときは「病院っぽい」と言われました。僕自身は、この苦さがあるから革の匂いが甘ったるくならずに済んでいると感じていて、むしろここ目当てで買った節があります。
トンカ レジノイド、オリス アコード、カシュメラン:甘いのに手には残りません
甘さははっきりあります。ただ、砂糖の甘さではありません。トンカ レジノイドは樹脂のねっとりした甘さで、口に入れるというより指に付くほうの甘さです。オリス アコードは乾いた粉で、ファンデーションの蓋を開けた瞬間にふわっと来るあの感じが近いと思います。
カシュメランは、洗いたての毛布を顔にかぶせたときの、ぬくい匂いでした。この三つがいっぺんに来るので、甘いのに手にべたつきが残らない、妙な甘さになります。甘い香水が苦手な人でも、ここは想像と違うはずです。
STEP 1|0〜30分
押した直後がいちばん濃い
霧のかかった範囲がそのまま匂う
STEP 2|〜3時間
濃さが一段落ちる
すれ違う距離でようやく分かるくらい
STEP 3|それ以降
肌と服にとどまる
襟に鼻を寄せれば翌朝も分かる
正直な注意点
買う前に知っておいてほしいところが2つあります。どちらも、知らずに買うと「思っていたのと違う」になりやすい部分でした。
ひとつめは、押す回数の加減がとにかくシビアなことです。一回で十分、二回で多い、三回は事故です。霧が広がるタイプなので、胸元を狙ったつもりでも肩や袖まで乗ります。僕は二回押した日にエレベーターの中で他人の顔が動くのを見てしまって、それ以来一回で止めています。
ふたつめは、出せる場面がかなり絞られることです。昼の職場で使った日は、会議室に入った瞬間に自分で後悔しました。革と苦いアーモンドは昼の蛍光灯の下だと浮きます。結果として、この瓶を手に取れるのは週に一度あるかどうか。50mLが減らない理由は、たぶん濃度ではなくこちらにあります。
注意
① 一吹きの加減がシビア。霧が広く濃度も高いので、二回押すと自分で持て余します
② 出せる場面が絞られる。昼の職場や距離の近い打ち合わせには向かず、手に取れるのは週に一度あるかどうかでした
合う人・合わない人
服から考えたほうが早いです。厚手のコート、レザーのアウター、襟のあるシャツ。生地に厚みと重さがある日は、この香りが服のほうから迎えにきてくれます。Tシャツ一枚の日に使うと、香りだけが体から浮いて、自分でも借り物を着ているような気分になりました。
それから、名前を人に言えるかどうか。これが地味に効いてきます。何をつけているのか聞かれる香りなので、答える場面は必ず来ます。そこで少し笑って商品名を言える人には、この一本はずっと楽しいはずです。
こんな人に合う
- ✓ 冬に厚手のコートやレザーを着る日が多い人
- ✓ 毎日ではなく、気合いを入れる日だけ強く香らせたい人
合わないかも
- × 昼の職場で日中ずっと香らせたい人
使う場所と時間
はっきり良かったのは、十二月から二月の、日が落ちてから出かける日です。コートに襟のあるシャツ、足元は革靴。外の空気で一度冷えた香りが、店に入って上着を脱いだところで一気に立ち上がります。この瞬間のためにこの瓶を買った、と毎回思います。
家で過ごす休日に押したこともありますが、こちらはあまり合いませんでした。部屋のほうに匂いが残って、夕方には自分が居座られているような気分になりました。動きのある外の時間に向いた香りなのだと思っています。

使う場面
| 仕事・オフィス | × | 昼の職場では濃すぎて、会議室に入った瞬間に自分で気づきます |
| 夜デート | ◎ | コートの襟の内側で温まったところが、この50mLを買った意味そのものでした |
| 休日 | △ | 家にいる日に押すと部屋に匂いが残って、夕方には持て余しました |
| 真夏 | × | 汗ばんだ肌だと甘さが前に出て、夏はまるまる一か月触らない年もあります |
保管で中身は変わる
夏と冬で置き場所を変えるかというと、僕は変えています。冬は出番が多いので寝室の棚、手を伸ばせば届くところに出しっぱなし。夏は箱に戻して引き出しの奥に入れます。季節で使う頻度がここまで違う香水は、置き場所も季節で決めたほうが素直です。
考えてみると、この瓶は一年以上たってもまだ三分の二残っています。僕の肌の上にいる時間より、棚にいる時間のほうが圧倒的に長いわけです。だとすれば、置いた場所の条件がそのまま中身の条件になります。年に三十回しか押さない瓶ほど、置き場所を先に決めておく意味がありました。
置き場所と影響
| 直射日光の当たる窓際 | × | 年に三十回ほどしか押さない瓶なので、窓辺では日射しを浴びている時間のほうが長くなります |
| 浴室・洗面所 | × | 出かける直前に使う日が多く置きたくなりますが、湯気と温度差を毎日浴びせることになります |
| 暖房の近く | × | 出番が冬に集中するぶん、暖房の効いた部屋に出しっぱなしにしがちです |
カゴに入れるまでに引っかかったこと
「これ、店で名前を言えるのか」。買う前の僕が最初に足を止めたのは、香りの話ですらありませんでした。ほかにも足踏みの理由があったので、いまの答えとあわせて3つ書いておきます。
まず名前です。ふざけていると思って、棚の前を何度も素通りしました。いまは言えます。ただ、少しだけ声は小さくなります。中身を嗅いでみると、この名前でなければ収まりが悪いのも分かるんですよね。革と苦いアーモンドが正面から来る香りに、上品な名前が付いていたら、むしろちぐはぐです。
次は額でした。54,450円は気軽に試せる数字ではありません。僕が納得できたのは、減らないからでした。年に三十回として、一年で使うのは瓶の三分の一もありません。何年かかけて付き合う前提なら、一回あたりで考えたときの見え方は少し変わります。
最後は、主張が強すぎて手に負えないのではという不安でした。ここは弁解しません。強いです。強さごと引き受けて買う香水なので、控えめに使う方法を探すくらいなら別の瓶を選んだほうが早いと思います。毎日使う一本を探しているなら、これは答えになりません。
買う前に迷った点
| 店で名前を言えるのか | 言えます。ただ、少しだけ声は小さくなりました | |
| 54,450円を出せるか | 年に三十回ほどしか押さず、一年で瓶の三分の一も減らないので、何年か単位で見ると印象が変わります | |
| 主張が強すぎて手に負えないのでは | 強いです。強さごと引き受ける前提で選ぶ一本でした |
まとめ
一年以上そばに置いてみて、この瓶に対する答えははっきりしました。冬の夜、コートを着て出かける日に振り切って使う一本です。体感の持続は6〜8時間あるので、夕方に押せばその日の終わりまで続きます。逆に、昼の職場や汗ばむ季節には手が伸びませんでした。
買うかどうかで迷っているなら、自分のここ一年を振り返ってみてください。夜に出かける予定が月に何度かあって、その日だけは強く香らせたいと思える人なら、50mLは長い付き合いになります。
この記事のまとめ
- ✓ 冬の夜、コートを着て出かける日にいちばん伸びます
- ✓ 体感の持続は6〜8時間で、押すのは一回まで
- ✓ 年に三十回ほどの使い方だと、50mLは何年も付き合う瓶になります
TOM FORD(トム フォード) プライベート ブレンド FUCKING ファビュラス オード パルファム スプレィ 50mL
参考価格 54,450円前後
退廃的なレザーとアンバーの香りを、夜の特別な時間に纏いたい人向け。
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