夕方になると頭が匂う。朝は洗っているのに、というのがこの悩みの厄介なところです。洗浄力の強いものに変えても収まらないことがある。原因が3つあって、それぞれ対処が違うからです。
皮脂そのものは匂わない
出たばかりの皮脂に匂いはほとんどありません。匂うのは、そこから先で起きることです。
1つは酸化。空気に触れて時間が経つと、皮脂が変質します。使い古した油に近い匂いになる。
もう1つは分解。頭皮にいる菌が皮脂を分解する過程で、匂いの成分が出ます。
つまり匂いは「皮脂の量」ではなく「皮脂が変わるまでの時間」の問題です。だから同じ量でも、条件次第で匂ったり匂わなかったりする。
時間が経つと匂う場合
朝は無臭で、夕方に出るタイプです。酸化が主な原因になります。
| 条件 | 効き方 |
|---|---|
| 外を歩く時間が長い | 紫外線と熱で酸化が早まる |
| 帽子をかぶる | 熱がこもって進む |
| 整髪料をつける | 油分が乗って増える |
| 汗をかく | 広がって混ざる |
この型は、朝の洗い方を変えても効きません。出てからの時間の問題だからです。
対処としては、日中に一度リセットする。汗を拭く、帽子を脱いで熱を逃がす、といった単純なことで変わります。
整髪料を根元につけないだけでも、夕方の匂いは軽くなります。
洗ったのに匂う場合
洗った直後から匂う、あるいは翌朝に匂うタイプ。すすぎ残しか、乾かし方が原因のことが多い。
残りやすい場所
- 後頭部の下のほう
- 耳のうしろ
- うなじの生え際
- つむじの周り
自分では見えない場所ほど残ります。泡が見えなくなっても、そこから1分は流してください。
濡れたまま放置するのが一番まずい。菌が増える条件がそろいます。
自然乾燥で寝ている人は、ここを変えるだけで匂いが消えることがあります。根元から先に乾かすのがコツです。
シャンプーの量が多すぎるのも、残る原因になります。多く出すほど、すすぎに時間がかかる。
髪の長さにもよりますが、短髪なら1回分の目安は500円玉より小さいくらいで足ります。
足りないと感じるのは、たいてい泡立ちが悪いからです。お湯だけで1分流してから使うと、少ない量でも泡立ちます。
洗い方を変えても続く場合
1日で皮脂が過剰に出ているタイプです。この場合、落とす側をいくら強くしても追いつきません。
むしろ落としすぎると、足りない分を補おうとして出る量が増えることがある。
見るところは、洗ってから何時間でべたつくか。半日持たないなら、量そのものの問題です。
この型は生活側の影響も出ます。脂質の多い食事、睡眠不足、汗をかかない生活。どれも皮脂の出方に関わります。
洗浄成分の系統を変えるのは、ここまで見てからで十分です。
1日の中で、どの時間帯に強く出るかも見てください。
昼過ぎから出るなら、朝の洗い方か日中の環境。夕方から出るなら、皮脂の酸化。夜遅くまで出ないなら、そもそも量は多くありません。
時間帯が分かると、打つ手が絞れます。全部を一度に変える必要はなくなります。
自分の匂いを確かめる方法
自分の頭の匂いは、慣れていて分かりません。だから確かめる手順が要ります。
確かめ方
- 乾いた指の腹で頭皮をこすって嗅ぐ
- 枕カバーを朝いちばんに嗅ぐ
- 帽子の内側を脱いだ直後に嗅ぐ
- ドライヤーの風が返ってくるときに嗅ぐ
枕カバーは分かりやすい指標です。毎日同じものを使っていると分からないので、洗ったばかりのものに変えた翌朝に嗅いでください。
帽子の内側は、匂いが濃縮されて出ます。そこが強いなら、日中に熱がこもっている証拠です。
乾かし方で変わる部分
匂いの相談で、最も効くのに見落とされているのが乾かし方です。
| 乾かし方 | 菌の増えやすさ | 髪型への影響 |
|---|---|---|
| 自然乾燥で寝る | 高い | つぶれる |
| 毛先から乾かす | 中 | 根元が湿ったまま |
| 根元から乾かす | 低い | 立ち上がる |
| 冷風で仕上げる | 低い | 形が残る |
根元が乾いていない状態が、一番よくありません。毛先は乾いて見えても、地肌が湿っていることがある。
手を髪の中に入れて、地肌に触れてみてください。ひやっとするなら、まだ乾いていません。
最後に冷風を当てると、熱で開いた状態が締まって形も残ります。匂いの対策と髪型の対策が、ここでは一致します。
乾かす時間が惜しいなら、タオルで水気を取る工程を丁寧にやると短縮できます。
匂いが出やすい生活の型
同じ洗い方でも、日中の過ごし方で差が出ます。
匂いが出やすくなる条件
- 帽子やヘルメットを長時間かぶる
- 整髪料を根元までつけている
- 汗をかいたあと拭かずに放置する
- 枕カバーを1週間以上替えていない
- 夜ではなく朝だけ洗っている
朝だけ洗う人は、1日ぶんの皮脂を乗せたまま寝ています。枕に移り、翌日それが頭に戻る。
枕カバーは、思っている以上に匂いを溜めます。数日で替えるだけで印象が変わることがあります。
整髪料を根元につけると、落としきれずに残りやすい。つけるのは毛先だけで足ります。
隠す方向には限界がある
香りのついたものを重ねると、元の匂いと混ざって余計に気になることがあります。
特にヘアフレグランスを根元につけるのは避けてください。油分が乗って、酸化する材料が増えます。つけるなら毛先です。
消臭を謳うものも、出続けている皮脂には追いつきません。出方そのものを変えないと、時間で戻ります。
それと、周りが気にしているかどうかと自分が気になるかは別の話です。確かめる方法を持っておくと、気にしすぎで洗いすぎる悪循環に入りません。
洗う回数を増やすほど乾燥して、かえって皮脂が出る。この往復が一番遠回りになります。
あわせて読みたい
- フケも出ているなら頭皮の乾燥とフケもどうぞ。
- 製品での対処を見るなら夕方の頭皮のニオイ向けの検証もどうぞ。
まとめ
匂うのは皮脂そのものではなく、酸化と菌による分解です。
夕方に出るなら酸化。洗った直後や翌朝ならすすぎと乾かし方。
洗い方を直しても続くなら、皮脂の量そのものを見ます。
香りを重ねると混ざります。根元に油分を足さないでください。
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