化粧品の広告を見ていると言い回しが妙に回りくどいことに気づきます。「〜をサポート」「〜のような肌へ」「うるおいを与えて整える」。
あれは書き手が曖昧にしているのではなく書ける範囲が決まっているからです。ルールを知ると言い回しから中身を逆算できます。
この記事でわかること
- 区分ごとに書ける範囲
- 回りくどい言い方の理由
- 「※」の中身
- 言葉から中身を逆算する
化粧品と医薬部外品では書ける範囲が違う
医薬部外品は承認された効能を書けます。有効成分ごとに何を目的とするかが決まっているためです。
化粧品はその範囲の外にあります。成分が処方の中で何をしているかは説明できても、肌がどうなるとは書けない。だから言い回しが柔らかくなります。
149品を数えると医薬部外品が82品、化粧品が67品でした。半分以上が医薬部外品なので、売り場では両方の書き方が混ざって並んでいます。
「〜のような」「〜へ導く」が多い理由
断言すると効能をうたったことになります。化粧品では書けない範囲なので、結果ではなく方向を書く形になる。
だから回りくどい表現が多い製品は化粧品だとおおむね読めます。逆にはっきり「〜を防ぐ」と書いてあれば医薬部外品の可能性が高い。
「※」の中身を見る
広告の下のほうにある小さい注記は言葉の範囲を限定する役割を持っています。「※角層まで」「※メイクアップ効果による」「※乾燥による」。
この3つは特によく出てきます。浸透は角層まで、明るく見えるのは色の効果、小じわは乾燥によるもの、という意味です。
注記を読むと見出しの言葉が思っていたより狭い範囲を指していたと分かることがあります。嘘ではなく、最初からそう書いてある。
成分名が前に出ている場合
成分名を前面に出すのは効能が書けないときの代わりでもあります。入っていること自体は事実なので書いても問題がない。
ただし何パーセント入っているかは公開されていません。名前が出ているからといって主役とは限らない。裏面の表示順で位置を確かめると構成が読めます。
言葉から中身を逆算する
| 広告の言い方 | 読み取れること |
| 「〜を防ぐ」と断言 | 医薬部外品の可能性が高い |
| 「〜のような肌へ」 | 化粧品。効能は書けない |
| 「※角層まで」 | 奥まで入るという意味ではない |
| 「※メイクアップ効果による」 | 色で見せている |
| 成分名が大きい | 効能が書けない代わりのことがある |
この対応は製品の良し悪しとは関係ありません。化粧品が劣るという話ではなく、書ける言葉が違うだけです。
有効成分の名前は限られている
149品の医薬部外品82品に出てきた有効成分は全部で10種類だけでした。アラントインが28品、グリチルリチン酸ジカリウムが27品で大半を占めます。
つまり広告で「有効成分」と書かれていたらこの10種類のどれかである可能性が高い。名前を覚えておくと売り場での判断が速くなります。
「医薬部外品」と「薬用」は同じもの
パッケージに「薬用」と書いてあればそれは医薬部外品です。別の区分があるわけではありません。
売り場では「薬用」のほうがよく目に入ります。製品名の一部として入っていることが多く、区分の表示は裏面にあるからです。
医薬品とも違います。3つの区分は書ける言葉の範囲が段階的に違うだけで、上下の優劣ではありません。目的が違えば選ぶ区分も変わります。
「無添加」は何を入れていないか
無添加という言葉には何を入れていないかの指定がありません。パラベン無添加なのか、香料無添加なのか、書いていなければ分からない。
149品ではパラベンが43品、フェノキシエタノールが54品に入っていて、どちらの表示も無いのが59品でした。ただしこの59品にも別の方法で腐りにくくしている製品が含まれます。
保湿剤を兼ねる成分で菌を育ちにくくする設計もあります。表示の上では防腐剤に見えません。無添加と書ける理由がここにあります。
「◯◯配合」と「◯◯を含む」
配合と書いてあれば入っているのは確かです。ただ量については何も言っていません。
広告の見出しに出るのは珍しい成分であることが多い。珍しいから宣伝になるのであって、量が多いからではありません。
確かめるなら裏面の表示順で位置を見る。化粧品は配合量の多い順に並ぶので、前半にあれば本当に主役です。1%以下は順不同なので後半の並びからは量が読めません。
うちのランキング記事についても同じ
このサイトで効能を断言していない箇所があるのは同じルールの中で書いているからです。書けることと書けないことがあります。
だから成分と区分を根拠として出すようにしています。数えれば分かる部分は数字で、分からない部分は分からないと書く。そこは読む側の判断材料になるはずです。
この読み方の物足りない点
言葉のルールが分かっても効くかどうかは分かりません。医薬部外品だから必ず効く、という話でもない。
それと配合量が非公開である以上、成分名からの逆算には限界があります。同じ成分名でも製品ごとの差は読めません。
僕はこの読み方を覚えてから広告に振り回される回数は減りました。ただ、選ぶ精度が上がったかというと別の話で、結局は使ってみる工程が残っています。
他人の評価の扱いは口コミの読み方の記事にまとめています。
見るところ
断言しているか、注記に何が書いてあるか、裏面の区分はどちらか。この3つで広告の言葉はだいたい分解できます。
言葉のルールを知っていると製品を疑う目ではなく、読み解く目になります。書けないことを書いていないだけなのに「隠している」と受け取るのは読み違いです。
区分の違いはメンズ美容の基本ガイドに、製品ごとの中身はランキング記事にまとめています。
※本記事はプロモーションを含みます

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