七万円を超える瓶を、本当に毎日押す気になるのか。買う前からずっと引っかかっていたのは、香りの好みよりそこでした。結論から言うと、アムアージュ エンクレイヴ は寒くなってからの半年、僕の棚でいちばん減った一本になりました。僕の腕での香り方と体感の持続、買うときに何と迷ったか、それから弱点まで正直に書きます。
この記事でわかること
- スパイスから薔薇と樹脂へ、僕の鼻が受け取った三つの層の移り方
- 僕の腕での体感の持続と、朝に押す場所と回数
- 買うときに何と迷って、棚の定位置がどう入れ替わったか
- 買う前に知っておきたい弱点が二つ
Amouage(アムアージュ) Enclave(エンクレイヴ) Eau de Parfum 100mL
参考価格 73,707円前後
峡湾の夕景のような涼しさと大地の温もりを両方まといたい人向け。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
結論:エンクレイヴ は「海風の入る、火のある部屋」
半年つけ続けて残った感想は、涼しさと暖かさが同じ瞬間に来る香水だ、というものでした。最初に鼻へ届くのはスパイスの乾いた冷たさで、そこから十五分ほどすると薔薇と樹脂の厚みが下から持ち上がってきます。冷たいまま終わりませんし、暖かいだけにもなりません。公式の説明に「陸と海がぶつかるところの、暖かい隠れ家に閉じ込められた涼しさ」という一節があって、嗅いだあとに読むとそのままでした。
友人からは「暖房の効いた部屋で、窓を少しだけ開けたときの匂い」と言われたことがあります。自分では半年かかっても言葉にできずにいたところを、他人のほうが先に当ててくるんですね。この一言を聞いてから、僕はこの香水を冬の外出に固定するようになりました。
買うときに最後まで迷ったのは、同じ棚にある煙っぽいウッディ系の一本です。寒い季節にどちらを使うかで迷いました。そちらは静かで、着ているものを選びません。対してこちらは、着ている服ごと引っ張っていく力があります。二か月ほど並行して使ったあと、棚の定位置は入れ替わりました。決め手になったのは香りの優劣より、朝に手が伸びた回数のほうでした。
総合評価:4.5 / 5.0 ★★★★☆
アムアージュ エンクレイヴ の基本情報
箱から出して最初に出た言葉は「重い」でした。百ミリリットルの瓶は手のひらにずしりと乗って、片手で持ったまま押すのが少し怖いくらいです。キャップも大ぶりなので、棚の前列に置くと後ろの瓶が完全に隠れます。うちでは二列目の中央に置いて、使うときだけ前へ出す形に落ち着きました。毎朝手に取るものとしては、ひと手間多い瓶です。
作りの話をひとつだけ書いておきます。油分の濃度が二十五パーセントあって、仕込んだあとにマセレーションを三週間、そこからマチュレーションをさらに三週間かけてから瓶に入る一本です。数字を知る前から「押した量のわりに香りが痩せない」と感じていたので、後から読んで腑に落ちました。一回に押す量を覚えるまで、僕はしばらくかかっています。
濃度の表記はオードパルファムです。ルネッサンス コレクションという括りに入っていて、手元にあるのは百ミリリットル、実売は七万円台でした。朝に一回、寒い日で二回という押し方なら、この容量は数年単位で付き合うことになります。買い足しながら回していく一本ではないので、最初にじっくり選ぶ価値はありました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | Amouage(アムアージュ) |
| 商品名 | Enclave(エンクレイヴ) |
| 濃度 | Eau de Parfum(オードパルファム) |
| 容量 | 100mL |
| 価格 | 73,707円 |
| コレクション | Renaissance Collection |
| 油分濃度 | 25% |
| 熟成 | マセレーション3週間+マチュレーション3週間 |
| 香調 | トップ:カルダモン・スペアミント・ピンクペッパー・シナモン/ハート:ローズ・パチュリ・オリバナム・ベチバー/ベース:サフィアーノ・アンバーエクストリーム・ラブダナム |
Ryo
最初の十五分だけ、別の香水を嗅いでいる気分になります。そこを越えてからが本番です。

Amouage(アムアージュ) Enclave(エンクレイヴ) Eau de Parfum 100mL
参考価格 73,707円前後
峡湾の夕景のような涼しさと大地の温もりを両方まといたい人向け。
香りの変化
一日のうちに顔が三回変わります。しかも、その変わり方がかなりはっきりしています。朝に押してから寝るまで、同じ瓶から出たものだと気づかないくらい印象が動くので、嗅いだタイミングで評価が割れるのも分かる一本です。層ごとに、僕の腕で何が起きたかを書いていきます。
STEP 1|0〜30分
カルダモンとスペアミントの冷たさ
ピンクペッパーが上から刺さります
STEP 2|〜3時間
ローズとオリバナムの厚み
パチュリとベチバーが足元を支えます
STEP 3|それ以降
ラブダナムの乾いた甘さ
肌のすぐそばまで下りて、翌朝も残ります
トップ
押した直後の十五分は、スパイスの棚の前に立っているような賑やかさです。カルダモンの青い冷たさ、スペアミントのすっとした涼しさ、ピンクペッパーのちりちりした刺激、シナモンの乾いた甘さ。この四つが横並びで、どれかが先に出るというより、まとめて一度に来ます。
僕の腕ではスペアミントの冷たさがいちばん大きく出ました。ミントと聞いて歯磨き粉を思い浮かべると外します。もっと乾いていて、葉を指でつぶしたときの青さに近いほうです。そこにシナモンが混ざるので、涼しいのに温度が下がりきらないという、なかなか説明しにくい状態になります。
ここを面白がれるかどうかが、この一本と長く付き合えるかの分かれ目です。売り場で三十秒だけ嗅いで判断すると、まず間違いなくこのスパイスの印象だけを持ち帰ることになります。そこがもったいないところです。
ハート
三十分を過ぎたあたりから、下の層が持ち上がってきます。ローズアブソリュート、パチュリ、オリバナム、ベチバー。薔薇と書くと甘い花を想像しますが、ここでの薔薇は花屋の匂いではありませんでした。オリバナムの樹脂と混ざって、石の床が冷えた建物の中にいるような、少し冷たい薔薇になっています。
パチュリとベチバーが足元を固めているのも大きいところです。土と根の匂いが下にあるおかげで、薔薇が浮かずに腰を落ち着けます。陸と海がぶつかる場所、という言い方をしたくなるのはちょうどこの時間帯でした。
僕がこの香水を買った理由は、結局ここに集約されます。トップの賑やかさは入口にすぎなくて、三時間ほど続くこの薔薇と樹脂の層が本体です。人と向かい合って座っている時間に香っているのも薔薇と樹脂です。相手に届くのは、だいたいこの2つです。
ベース
夕方以降に残るのは、ラブダナムの樹脂の甘さと、サフィアーノ、アンバーエクストリームの厚みです。甘いといっても砂糖の甘さではなく、琥珀を手のひらで温めたときのような乾いた甘さのほうです。ここまで来ると香りは肌のすぐそばまで下りていて、自分ではほとんど分からなくなります。
自分では分からなくなるのに、脱いだシャツからは翌朝もはっきり匂います。ニットやコートに至っては、二日後でも残っていました。この残り方こそ、この香水の個性だと思います。良くも悪くも、着たもののほうに記憶が残るタイプです。
体感の持続は、僕の腕で九時間前後でした。朝の七時に押して夕方まで自分の鼻で追える日もあれば、昼過ぎには分からなくなる日もあります。ただ、自分で分からないだけで、相手にはちゃんと届いているはずです。そこで足すと、まず確実に押しすぎます。
正直な注意点
半年つけてみて、これは弱点だとはっきり思ったところが二つあります。どちらも好みの範囲を超えて、買ったあとに生活の側で引っかかってくる話です。
ひとつめは、立ち上がりの十五分が賑やかすぎること。スパイスが四つ同時に来るので、狭い場所ではまわりにも届きます。朝の混んだ電車に乗る日は、家を出る三十分前に押して、いちばん派手な時間を家の中で終わらせるようにしました。
ふたつめは、残り方が強いところです。服に移った匂いが翌日になっても消えないので、次の日に別の香りをつけたい日に困ります。僕は同じニットを二日続けて着るのをやめました。香りをこまめに着替えたい人には、ここがかなり面倒に感じられるはずです。
注意
① 立ち上がりの十五分が賑やか。スパイスが四つ同時に来るので狭い場所では隣にも届きます。家を出る三十分前に押すと落ち着きます
② 服に残りすぎる。ニットやコートには二日後まで匂いが残り、翌日に別の香りをつけたい日に困ります
合う人・合わない人
勧める相手と勧めない相手は、わりとはっきり分かれます。分かれ目は薔薇が好きかどうかではなく、香りに何をさせたいかのほうでした。
向いているのは、寒い季節にこれ一本と決めたい人です。冷たさと暖かさが同時に出ます。外の気温が低い日ほど、きれいに香ります。それから、人と向かい合って座る時間が長い人。相手に届くのは薔薇と樹脂で、これが長く香り続けるからです。一本を長く育てたい人にも合います。百ミリリットルは押す回数を決めて付き合えば数年もつので、たくさん持ち替える使い方とは別の方向に向いた容量です。
反対に、香りを毎日変えたい人には勧めません。服に残るぶん、昨日の匂いが今日に混ざります。真夏に外で使う一本として買うのも違うと思いました。気温が高い日はスパイスと樹脂が同時に膨らんで、自分でも持て余します。
こんな人に合う
- ✓ 寒い季節にずっと使える一本がほしい人
- ✓ 人と向かい合って座る時間が長く、近い距離で香らせたい人
合わないかも
- × その日の気分で香りを毎日着替えたい人
使う場所と時間
朝の押し方はもう固定されています。シャワーのあと、シャツを着る前に胸の中心へ一回だけ。冷え込んだ日は首の後ろにもう一回足します。肌の上で温まってから襟元を通って上がってくるので、直接シャツへ吹くよりこちらのほうが素直に育ちました。
いちばん活きたのは、十一月から二月にかけての外出です。コートを着て歩いて、店に入って上着を脱いだ瞬間に、首元からふわっと立ち上がってくるんですよ。あの一瞬のためにこの香水を押している、と言ってもいいくらいでした。逆に六月から九月にかけては、瓶をほとんど開けていません。
服はウールのニット、厚手のコート、起毛したシャツあたりが素直に受け止めてくれました。リネンや薄いコットンに合わせると、服より香りのほうが重くなって浮きます。色でいえば濃紺や炭色のような沈んだ色と相性がよく、明るいベージュの上着に合わせた日は自分でもちぐはぐに感じました。
場面では、夕方以降の会食や、人の家に招かれた日に強かったです。昼の会議のように人が詰まる部屋では、押す量を半分に落とさないと自分でも気になりました。
使う場面
| 仕事・オフィス | △ | 人が詰まる部屋では量を半分にしないと自分でも気になります |
| 夜デート | ◎ | コートを脱いだ瞬間に首元から立ち上がるのが、この香水いちばんの見せ場です |
| 休日 | ○ | ウールのニットや起毛のシャツには素直に乗ります |
| 真夏 | × | 気温が上がるとスパイスと樹脂が同時に膨らんで持て余します |

保管で中身は変わる
旅行用のアトマイザーに少し移して、車のドアポケットに入れっぱなしのまま夏を越したことがあります。秋になって押してみたら、最初のスペアミントの冷たさがきれいに消えていました。残っていたのは樹脂の甘さだけで、知らない香水を嗅いでいるようでした。真っ先に飛ぶのはトップだという話を、あれで身をもって覚えています。
本体の瓶は、いまは箱に戻して寝室のクローゼットの下段に置いています。百ミリリットルを数年かけて使う前提でいるので、温度の上下に当たった日数がそのまま積み上がるからです。一日や二日なら何も起きないでしょう。ただ、こちらは残りをこれから長く使う側になります。
暖房の吹き出し口の近くも避けています。冬がこの香水の本番で、つまり暖房を使う季節ほど出し入れが増えるわけです。手の届くところに置きたい気持ちと、置いてはいけない場所が真正面からぶつかる時期でもあります。いまは寝る前に箱へ戻すところまでを、ひとつの動作としてまとめました。
置き場所と影響
| 直射日光の当たる窓際 | × | 真っ先に抜けるのはトップのスペアミントで、冷たさだけが消えた別物になります |
| 浴室・洗面所 | × | 押すのが朝の身支度どきなので手近に置きたくなりますが、毎日湯気を浴びることになります |
| 暖房の近く | × | 冬が本番の香水なので出し入れが増える季節と重なり、温風に当たる日数が積み上がります |
口コミの読み方
七万円台の瓶をレジへ持っていく前、僕が最後まで指を止めていたのは値段でした。一回押すたびに何円ぶん減るのか、という計算を本気でやっています。先に答えを書くと、この計算はあまり意味がありませんでした。百ミリリットルを朝一回で回していくと、減る速度は思っていたよりずっと遅いんです。半年たって残量を見たとき、値段への不安はいつのまにか消えていました。
次に引っかかっていたのが、冬しか出番がないのではという心配です。これは当たっていました。六月から九月のあいだ、僕はこの瓶をほとんど開けていません。ただ、出番が半年しかないことと、その半年で毎朝手が伸びることは別の話でした。押した回数で数えると、一年中使えて月に数回しか押さない一本より、こちらのほうがよほど働いています。
三つめは強さです。油分の濃度が二十五パーセントと聞くと身構えますよね。僕も買う前は完全に身構えていた側でした。実際に押してみると、賑やかなのは最初の十五分で、そこを越えれば薔薇と樹脂が肌の近くへ落ち着きます。強さを決めているのは濃度より押す回数だ、というのが半年後の実感です。一回を半分に落とせば、人の多い部屋でも困りませんでした。
最後まで残っていたのは、薔薇という言葉への警戒でした。甘い花の香りを想像していて、自分に似合うのか自信がなかったんです。腕に乗せると、ここでの薔薇はオリバナムの樹脂と組んで冷たい側へ寄っていきます。花屋の匂いとは別物でした。甘さを期待して買うと肩透かしを食らうぶん、甘い薔薇が苦手な人にはむしろ入口の広い一本です。
買う前に迷った点
| 七万円台に見合うのか | 朝一回で回すと百ミリリットルは驚くほど減りません。半年使って値段の不安は消えました | |
| 冬しか使えないのでは | 当たっています。六月から九月は開けていません。ただ出番のある半年は毎朝手が伸びました | |
| 濃度二十五パーセントは強すぎないか | 賑やかなのは最初の十五分だけ。強さは濃度より押す回数で決まりました |
まとめ
アムアージュ エンクレイヴ は、涼しさと暖かさを一本の中で同時に出してくる香水でした。スパイスで賑やかに始まって、薔薇と樹脂の厚みに着地する。この落差が面白くて、寒い季節のあいだ僕の棚の定位置になりました。
買うなら、最初の十五分で判断しないことだけ覚えておいてください。売り場で嗅げる時間と、この香水が本領を出す時間がずれています。三十分待てるなら、印象はかなりの確率で変わるはずです。
弱点は二つ。立ち上がりが賑やかすぎることと、服に残りすぎることでした。どちらも生活の側で回避できる範囲です。僕は家を出る三十分前に押すことと、同じニットを二日続けて着ないことの二つで折り合いをつけています。冬の外出が多い人なら、百ミリリットルを数年かけて使い切る価値はあると思います。
この記事のまとめ
- スパイスの冷たさで始まり、薔薇と樹脂の厚みに着地する三段構えです
- 体感の持続は僕の腕で九時間前後。服には二日後まで残ります
- 弱点は立ち上がりの賑やかさと残り方の強さ。出かける三十分前に押すと収まります
Amouage(アムアージュ) Enclave(エンクレイヴ) Eau de Parfum 100mL
参考価格 73,707円前後
峡湾の夕景のような涼しさと大地の温もりを両方まといたい人向け。
※本記事はプロモーションを含みます

コメント