タンバリンズ ベイザーインザレイク、ヨモギと霧の湖

ほろ苦いヨモギを真ん中に据えた、甘さのない薬草の香りです。出だしはクラリセージとラベンダーの湿った緑、中盤で苦みに香煙の温もりが重なり、最後はしっとりした苔だけが薄く残ります。人に見せる華やかさではなく、静かでいたい日のために選ぶ1本。

ヨモギを香水にする、というのは韓国のブランドらしい選択です。あちらでは蒸し風呂の薬草としても使われる素材で、日本より身近にある。タンバリンズのベイザーインザレイク(BATHER IN THE LAKE)を読み解きます。

この記事でわかること

  • ヨモギを核にした香りの正体と、公式が掲げる「浄化」という主題
  • トップからラストまでの移り変わりと、持続の目安
  • 向いている場面と、地味に映ってしまう場面
  • 50mLの価格と、日本で買うときの注意点
目次

結論:ベイザーインザレイクの主題は「浄化」

総合評価:4.3 / 5.0 ★★★★

香りの良さ ★★★★
苦みが核。好みは分かれるが主題は一本通っている
ユニセックス度 ★★★★
甘さに寄らない薬草と苔の構成
持続時間 ★★★★
5〜7時間。拡散は穏やかで職場でも使える距離感
被りにくさ ★★★★★
試せる店は少ないが、その分すれ違わない

公式の説明は「緑の残像が色濃く立ち昇る夜明け、爽やかなクラリセージとラベンダーが出逢い、芳しいハーブの香りを与えます」。

そして「ほろ苦いヨモギと温もりのあるインセンスは霧の森の中の静けさのなかにしっとり柔らかい苔の余韻を残し、誰もいない澄んだ穏やかな湖の上を泳ぐような心が浄化される体験をもたらします」。

浄化という言葉が出てくるのがこの香りの主題です。

タンバリンズ ベイザーインザレイクの基本情報

ブランドタンバリンズ(2017年に始まった韓国のブランド)
商品名ベイザーインザレイク
分類オードパルファン
容量 / 価格50mL:18,600円
香調トップ:クラリセージ、ラベンダー / ミドル:ヨモギ、インセンス / ラスト:苔
系統薬草系(ハーブとインセンス)
題材浄化。夜明けの湖
持続おおむね5〜7時間

香りの変化:湿った緑から、苔の余韻へ

この説明は夜明けから余韻までの時間の順に並んでいます。どの素材がどの場面を受け持つのか、香りの見取り図から。

原料役割
ヨモギほろ苦い薬草。香りの核
クラリセージハーブ。乾いた甘さ
ラベンダー清潔感の記号
インセンス香煙。温もり
しっとりした余韻

トップ:クラリセージとラベンダーの湿った緑

肌に乗せた直後に立つのはクラリセージとラベンダーです。乾いた甘さと清潔感が先に来て、まだ日の差さない時間の湿った空気を思わせる。公式が「緑の残像が色濃く立ち昇る夜明け」と呼ぶのは、この十数分でしょう。

ミドル:ほろ苦いヨモギが真ん中に据わる

緑が落ち着くと、ほろ苦いヨモギが真ん中に据わります。薬草の苦みへ香煙の温もりが重なり、公式の言う霧の森の静けさに寄っていく。SHIROもヨモギを使いますが、あちらは香水の水として。こちらは香りそのものの素材で、中心の苦みを避けて通れません。好き嫌いが分かれるのはこの時間帯です。

ラスト:残るのはしっとりした苔だけ

苦みが引いた後に残るのは、しっとりとした苔の余韻だけです。公式が「誰もいない澄んだ穏やかな湖の上を泳ぐような心が浄化される体験」と呼ぶのはここで、ずいぶん静かなところへ着地する。自分だけが気づく程度の、薄い膜になります。

どこで効くか

夜明けを題材にした香りなので、出かける前の支度で肌に乗せるのが素直です。緑と湿り気が馴染むのは春から秋の、まだ空気が動いていない朝。

場面向き理由
春から秋緑と湿度が季節に合う
静かな時間浄化という主題に沿う
職場拡散が穏やか
華やかな席地味に映る

華やかな席では地味に映ります。人に見せる香りではなく、静かでいたい日のための一本と考えると外しません。

服の上からではなく肌に直接。布に乗せると苦みだけが立ちます。

量の目安

  • 2プッシュ。薬草系は控えると存在が消える
  • 朝に使うと設計に沿う
  • 肌に直接。服だと苦みが立つ

公式が挙げている3語

タンバリンズは香りの説明を3つの言葉に絞って出しています。

この香りの3語
ヨモギ/霧がかかった湖/しっとりとした苔

原料名と情景を混ぜて書き、何の匂いかを厳密に説明しない。受け取る側の解釈に委ねる姿勢が、名前の付け方にも表れています。

つけ方と続き方

オードパルファンなので、1〜2プッシュで足ります。

つける場所の目安

  • 首すじ・耳の後ろ:最も届く。人に伝えたいとき
  • 手首:動作のたびに香る
  • 腰まわり:下から穏やかに立ち上がる
  • 服:残りやすいが、本来の出方はしない

オードパルファンの持続はおおむね5〜7時間です。朝につければ夕方まで残る計算になります。

韓国のブランドは、欧州の老舗に比べて拡散が穏やかに作られている傾向があります。満員電車や会議室で持て余しにくい反面、すれ違いざまに気づかせる力は弱い。近い距離にいる人にだけ届く、と考えておくと期待を外しません。

つけ直すなら昼過ぎが目安です。ただし自分の鼻は最初の30分で慣れてしまうので、「消えた」と感じても他人にはまだ届いていることがあります。足す前に一度、服の袖などで確かめるほうが安全です。

作っているブランド

タンバリンズは2017年に始まった韓国のブランドです。アイウェアのジェントルモンスターと同じグループが手掛けていて、店舗も展示空間のような作りをしています。

香水のボトルが彫刻のような形をしていることでも知られます。中身と同じくらい外側に予算をかけているブランドで、そこを気に入るかどうかが評価を分けます。

価格帯は欧州のニッチ系と並ぶところまで上がりました。1万円台後半から2万円台という設定は、ジョー マローンやディプティックと同じ帯です。つまり価格で選ばれることを前提にしていない。世界観と香りそのもので勝負する、という立ち位置になります。

残念なところ

試せる場所が限られます。日本での取扱店舗はまだ少なく、地方では現物に触れる機会がほぼありません。

情報も少ない。欧州の老舗と違って、原料の産地や調香師まで公開されている香りは限られます。

転売品にも注意が要ります。韓国から個人輸入した品が国内で流通していますが、輸送中の温度も保管状態も読めません。香りは熱と光で変わるので、定価より極端に安いものは理由を確認したほうがいい。

ヨモギは日本人にとって草餅やお灸の記憶と結び付きます。香水としてまとうことに違和感を覚える人もいるでしょう。

インセンスも好みが割れる素材です。

短所はどれも「万人向けではない」の一言に集まります。裏を返せば、試せる店が少ないぶん人と重なりにくい。ヨモギとインセンスを面白いと受け取れた人にとっては、代わりの効かない一本になります。買うなら公式オンラインか直営店から。

容量と買い方

日本では公式オンラインと直営店で買えます。

容量価格
50mL18,600円

小容量(11mL・14mL)が用意されている香りもあります。全種類にあるわけではないので、試したい香りに小さいサイズがあるかは先に確認したほうがいい。

ヨモギという主題からも分かるとおり、これは万人向けを狙った香りではありません。個性の強い香りを選ぶときの容量の考え方はひとつで、惚れ込んだ量だけ買う。日常の主役にするつもりで50mLを迎えるか、たまの気分転換なら小容量のある香りから試すか。自分の使い方を先に決めると、この18,600円の意味がはっきりします。

3つのモールで比べる

タンバリンズ ベイザーインザレイク(BATHER IN THE LAKE)

買う前に確かめる

2万円近い買い物になります。韓国のフレグランスは日本で試せる店舗がまだ限られていて、実物に触れずに買う人が多い。

まとめ:浄化を主題にした、静かな薬草の一本

ベイザーインザレイクは、ヨモギとお香と苔という浄化に結び付く素材だけで組まれた香りです。

華やかさはありません。静かな時間に使う一本として、狙いは明確です。

時間の流れをもう一度たどると、クラリセージとラベンダーの湿った緑で始まり、ほろ苦いヨモギと香煙が中盤を担い、最後は苔の余韻だけが薄く残ります。持続はおおむね5〜7時間。朝に肌へ乗せれば夕方まで付き合う計算になります。すれ違いざまに気づかせる力は弱い代わり、満員電車や会議室で持て余しません。

50mLで18,600円という設定は、欧州のニッチ系と並ぶ価格帯です。試せる店舗はまだ限られていて、実物に触れないまま判断する人も多い。だからこそ基準は好みひとつで、ヨモギの苦みを面白いと受け取れたなら日常の主役として迎えればいいし、迷いが残るなら小容量のある香りから試すという道もあります。人に見せる香りではないと分かったうえで選ぶ人には、狙いのはっきりした一本です。

あわせて読みたい

タンバリンズ香水の選び方では、系統ごとに整理しています。

タンバリンズ ベイザーインザレイクに近い方向で探すなら

この香りが気に入ったなら、次に試す候補も挙げておきます。同じ香りではありません。価格も方向も違うので、どこが近くてどこが違うかを先に書きます。

銘柄価格の目安近いところ違うところ
ル ラボ ラヴァンド3114,300円〜ラベンダーが重なるネロリが入り、苦みのある白い花が乗る
ディプティック オー ド ミンテ オードパルファン18,700円〜ラベンダーが重なるマリンが入り、水っぽさが出る
イソップ カースト23,870円〜セージが重なるローズマリーが入り、ハーブの苦みが出る

香りは重ねる相手でも印象が変わります。手持ちと並べて、いちばん出番が無さそうな方向を埋めるのが結局いちばん使えます。

※本記事はプロモーションを含みます

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この記事を書いた人

「かっこよくなりたい」を、ファッション・香水・美容・ガジェット・インテリア・仕事・健康まで丸ごと。大事にしているのは、実際に自分で買って使った"本音レビュー"——良い点も悪い点も包み隠さずお伝えします。テーマは「人生を豊かに生き抜く」。MEN'S EDIT を運営、YouTubeでも動画で発信中です。

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