工事をせずに使える回線が増えました。端末が届いたその日から通信できるので、引っ越し直後の数週間をしのぐ手段としては確実です。ただ、これを常用の回線にできるかどうかは条件で変わります。どこが分かれ目かを整理します。
固定回線と何が違うのか
通信の速さだけを比べても判断できません。性質が違う部分を先に並べます。
| 固定回線 | モバイル回線 | |
|---|---|---|
| 開通まで | 工事が要る。数週間〜2か月かかることもある | 端末が届けばその日から |
| 工事 | 建物の許可が要る | 不要 |
| 安定性 | 天候や混雑の影響を受けにくい | 時間帯と場所で変動する |
| 持ち出し | できない | できる |
| 解約時 | 撤去の話が出ることがある | 端末を返すか買い取るか |
在宅の仕事で効いてくるのは安定性の欄です。平均の速度が足りていても、会議中に数秒落ちると相手に伝わります。速さより、落ちない時間が続くかどうかのほうが大事になる。
逆に、工事のハードルはモバイルが圧倒的に低い。賃貸で工事の許可が下りない、建物に設備が来ていない、という状況では、そもそも固定回線という選択肢が消えます。
在宅の仕事で足りるかは、何をやるかで決まる
作業の種類によって、必要なものが変わります。
| やること | モバイル回線で足りるか |
|---|---|
| メール・書類・チャット | 足りる |
| 動画を観る・資料を落とす | だいたい足りる |
| ビデオ会議に出る(聞く側) | 場所しだい |
| ビデオ会議で画面を共有する | 安定した場所でないと厳しい |
| 大きなファイルを繰り返し上げる | 向かない |
分かれ目はビデオ会議です。ここは上りの速度と、途切れないことの両方が要ります。受け取るだけなら耐えますが、こちらから映像や画面を送り続ける使い方は負荷が違う。
同じ部屋の中でも、端末を置く場所で結果が変わります。窓際と部屋の奥では届き方が違うので、契約したら最初に何か所か試して、一番安定する位置を決めておく。
向くのは2つの条件に当てはまる人
ここが結論です。
1つ目は工事ができない部屋に住んでいる人。許可が下りない、設備が来ていない、共用部の都合で引けない。この場合は比較の対象になりません。モバイル一択になります。
2つ目は数年以内に引っ越す予定がある人。固定回線は開通に時間がかかり、解約時にも手続きが要ります。2年おきに動く人だと、その手間が毎回発生する。モバイルなら住所が変わっても端末を持っていくだけで済みます。
逆に、持ち家で長く住む予定があるなら固定回線のほうが良い。初期の工事さえ越えれば、そのあとは安定して速い状態が続きます。
「安いから」という理由だけで選ぶのは勧めません。月額の差は数百円から千円程度で、会議が1回落ちたときの損失のほうが大きくなることがあります。
工事なしで今月から使いたいなら
BIGLOBE WiMAX +5G
端末が届いた日から使える形のサービスです。上に書いたとおり、この方式が向くのは工事ができない部屋か、数年以内に引っ越す予定がある人に限られます。契約前に、住む場所が提供エリアに入っているかを必ず確認してください。
料金・キャンペーン・提供エリアは変更されます。申込前に公式サイトで最新の条件をご確認ください。
契約する前に確認しておくこと
後から変えられない部分があります。
申し込む前の4点
- 提供エリア … 住所単位で確認する。同じ市内でも差が出る
- 契約期間と解約の条件 … 途中で切ると費用がかかる場合がある
- 端末の扱い … 返すのか、買い取るのか。分割の残債が残る形もある
- 通信量の上限 … 一定量を超えると速度が落ちる条件があるか
エリア確認は必ず住所で行います。地図が色で塗られていても、建物の向きや階数で届き方が変わる。使えるかどうかは、実際に置いてみるまで確定しません。
通信量の条件も見落としやすい部分です。上限なしと書かれていても、短期間に大量に使うと制限がかかる形になっていることがある。在宅の仕事で毎日使うなら、その条件が自分の使い方に当たらないかを見ておく。
うまくいかないときに疑うところ
短所の話です。契約してから困る典型を並べます。
まず時間帯による変動。夜に遅くなるのは、同じ電波を使う人が増えるからです。これは自分ではどうにもできません。昼に仕事をする人には影響が小さく、夜に作業する人には効いてきます。
次に建物の構造。鉄筋のマンションや、窓が少ない部屋では届きにくくなります。端末を窓際に移す、置く高さを変える、といった対処で改善することもありますが、限界はある。
天候の影響も受けます。強い雨の日に不安定になるという報告は昔から多い。毎日ではないにせよ、重要な会議の日に当たると困ります。
この3つはどれも契約前には分からないという点が共通しています。だから、固定回線が引けるならそちらを選ぶ、引けないならモバイルを試す、という順番になります。
両方を持つという手もある
固定回線を主にして、モバイルを予備に置く形です。
月に千円台で維持できる小容量の契約を1つ持っておくと、固定回線が落ちたときに切り替えられます。在宅で仕事をしていると、回線が落ちた瞬間に何もできなくなるので、止まった時間がそのまま損失になる。
外で作業する日があるなら、そのときにも使えます。喫茶店の無料の回線を仕事で使うのは避けたいところなので、自分の回線を持っていくほうが安全でした。
ただ、両方を契約すれば当然その分の費用がかかります。回線が落ちて困る仕事かどうかで、判断が分かれる部分です。
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ここまでを短く
モバイル回線が向くのは、工事ができない部屋に住んでいる人と、数年以内に引っ越す予定がある人です。それ以外は固定回線のほうが安定します。
在宅の仕事で分かれ目になるのはビデオ会議。受け取るだけなら足りますが、画面を共有し続ける使い方は場所を選びます。
時間帯・建物・天候の影響は契約前には分かりません。だから固定回線が引けるかどうかを先に確かめて、引けないときの手段として考えるのが順番です。
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