AGAの薬は、市販と処方でまったく別の物です。自分の判断で買えるのはミノキシジルを配合した外用の第1類医薬品まで。フィナステリドなどの内服薬は医師の診察を受けて処方される医療用医薬品で、薬局の棚に並ぶことはありません。
「AGA 薬」と検索すると、ドラッグストアの発毛剤とクリニックの飲み薬が同じ画面に並びます。他人が撮った写真でつむじの地肌に気づいて、その晩に調べ始めた人ほど、この2つを一続きの話として読んでしまう。僕も最初はそうでした。区分が違えば、買い方も、記事で書ける範囲も変わります。
並べるのは市販の第1類医薬品3本です。剤形で選ぶか、副成分込みで選ぶか、ミノキシジル単剤で絞るか。この条件で振り分けました。効くか効かないかを僕が断定する記事ではありません。承認されている効能は「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」まで。その線の内側で、選ぶための材料を整理します。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
自分で買える薬はある。ミノキシジル外用の第1類医薬品がそれにあたる
最初に肯定で答えます。AGAの薬のうち、処方箋なしで自分の判断で買えるものは存在します。それが、ミノキシジルを配合した外用の第1類医薬品です。
効能・効果は承認された文言で「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」。ここは各製品の表記そのままで、言い換えないほうがいい部分です。「AGAが治る」でもなければ「必ず生える」でもない。承認されているのはこの文言の範囲であって、それ以上でもそれ以下でもありません。
第1類医薬品というのは、薬剤師から情報提供を受けたうえで購入する医薬品の区分です。店頭ならカウンター越しに薬剤師の説明があり、通販でも問診への回答と薬剤師の確認手続きが挟まります。カートに入れてすぐ発送、とはいかない。この手間は不便ではなく、そういう区分の薬だという設計です。

なお、市販で買える医薬品がミノキシジル外用だけかというと、そうではありません。カルプロニウム塩化物を配合した第3類医薬品の発毛促進薬(カロヤン プログレ EX O/EX D、NFカロヤンガッシュなど)も現行で売られています。区分も成分も違うので同じ土俵では比べられませんが、「市販=ミノキシジルしかない」と思い込む必要はない、ということだけ書いておきます。
市販と処方は、どこで線が引かれているのか
もう一方の世界が処方薬です。フィナステリドなどの内服薬がこちらにあたります。
これらは医師の診察を受けて処方される医療用医薬品で、薬局の棚に並ぶことはありません。なぜ医師の管理下でしか使えないかというと、適応の判断も、続けるかどうかの判断も、途中でやめる判断も、個人の状態を見ないと決められないからです。副作用の説明や、体調の変化を診る前提もセットになっている。
だから僕は、この記事で処方薬の効き方を書きません。書けないというより、書くべきではない領域です。気になるなら受診して、医師から説明を受けて決める。オンライン診療という選択肢も広がっていますが、あれも仕組みとしては「画面越しに診察を受けて処方を判断してもらう」ものであって、注文して届く通販ではないという点は同じです。
| 区分 | 買い方 | この記事での扱い |
|---|---|---|
| 第1類医薬品(ミノキシジル外用) | 薬剤師の情報提供を受けて購入する | 3本を条件別に振り分ける |
| 第3類医薬品(カルプロニウム塩化物) | 薬局や通販で購入できる | 市販に別の選択肢もある、として触れるだけ |
| 医療用医薬品(フィナステリド等) | 医師の診察を受けて処方される | 効き方は書かない。受診して決める領域 |
区分が分かると、情報の読み方も変わります。ネット上で見かける「これで生えた」という書き込みの多くは、区分も濃度も使用期間もバラバラのものを一緒くたにしている。ここから先は、市販の第1類医薬品3本に話を絞ります。
第1類医薬品を買う前に押さえること
- 薬剤師の情報提供を受けたうえで購入する医薬品
- 対象は成人男性(20歳以上)。女性と20歳未満は使用しない
- 他の育毛剤・外用剤とは併用しない
- 頭皮にきず・湿疹・炎症があるときは使わない
- 壮年性脱毛症以外の脱毛症、原因の分からない脱毛、急激・斑状の脱毛には使用しない
まず1本試すなら、エアゾールという形から入る手がある
大正製薬のリアップジェットは、ミノキシジルを100mL中1.0g、つまり1%配合した第1類医薬品です。他にパントテニールエチルエーテル1.0g、トコフェロール酢酸エステル0.08g、l-メントール0.3gが入っています。
この製品の特徴は濃度より剤形にあります。名前のとおりエアゾールタイプで、内容量100mLのうち薬液が67mL、残りの33mLが噴射剤。噴射部を頭皮に押しあてては離しながら、薄くなった部分に少しずつ乗せていく形です。同じ場所へ連続して噴射しないこと、強く押しつけたり引っかいたりしないことが、公式の注意書きに明記されています。用法は成人男性が1日2回、1回1mL。1mLは15噴射に相当します。
外用剤で最初につまずくのが、液だれです。頭頂部に垂らした薬液が生え際まで流れて額に落ちる、あるいは枕につく。この面倒くささで続かなくなる人は多い。エアゾールなら狙った範囲に短時間で乗せられるので、朝の身支度に組み込みやすいという現実的な利点があります。垂れてきた薬液を追いかける手間が減る。
薬液は67mL。1日2回×1mLなので、およそ1か月分です。まず1本使い切って、続けられる習慣かどうかを見極めたい。塗るタイプに苦手意識があって、剤形のほうを重視したい。そういう条件の人にとっては、ここが入口になります。
濃度については正直に書きます。1%は、市販で選べる中では低いほうです。だから「安いから1%」ではなく「この剤形で試したいから1%」という選び方でないと、理屈が合わなくなる。濃度を優先するなら、次に挙げる5%の製品を最初から選ぶほうが素直です。
5%を選ぶとき、判断の軸は「副成分入りか、単剤か」
市販の一般用医薬品として選べるミノキシジル濃度は、5%が最大です。一般用医薬品の臨床試験で効果と安全性が確認されているのは1%と5%までで、これより濃いものは確認されていません。そして5%の製品は1つではないので、次に迷うのが「どれを選ぶか」になります。
軸はシンプルで、ミノキシジル以外に何が入っているか。ここだけです。
副成分まで含めて任せたいなら、8成分入りのほう
大正製薬のリアップX5チャージは、100mL中にミノキシジル5.0gを配合した第1類医薬品で、包装は60mL。特徴は有効成分がミノキシジルだけではないところで、ピリドキシン塩酸塩、トコフェロール酢酸エステル、l-メントール、ジフェンヒドラミン塩酸塩、グリチルレチン酸、ヒノキチオール、パンテノールを加えた計8つの有効成分で構成されています。
グリチルレチン酸のように頭皮の状態に向けた成分が含まれているので、ミノキシジル一本槍ではなく、頭皮環境の側も同じ製品でまとめたい人向けの設計と読めます。用法はリアップジェットと同じく、成人男性が1日2回、1回1mL。60mLなので、こちらもおよそ1か月で使い切る計算です。
価格の見え方には注意が要ります。希望小売価格と、通販での実売価格には開きがあります。同じ製品でも購入先によって支払額が変わるので、最初に出た1店で決める必要はありません。
濃度は市販最大の5%を確保しつつ、副成分もひとまとめにしておきたい。ケア用品を何本も並べたくない。そういう条件なら、この1本が中心になります。
中身をミノキシジルに絞りたいなら、単剤のほう
アンファーのスカルプD メディカルミノキ5 スタンダードタイプも、100mL中ミノキシジル5.0g配合の第1類医薬品で、包装は60mL。効能・効果は「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」で、用法も成人男性が1日2回、1回1mLと同じです。
違いは中身の構成にあります。こちらは有効成分がミノキシジル単剤で、添加物もグリセリン、1,3-ブチレングリコール、エタノール、リン酸というシンプルな構成。頭皮に触れる成分の数を増やしたくない人、あるいは頭皮ケアはシャンプーやコンディショナーなど別のもので組み立てていて、外用剤にはミノキシジルの役割だけを持たせたい人には、この割り切りがそのまま利点になります。
購入時に一点だけ。楽天のアンファー公式店は販売ページが選択式で、60mLの単品のほかに、ミニパウチが付いたセットも選べます。表示価格は選んだ内容で変わるので、どの店から入るにしても、頼んだのが60mLの単品かどうかをカートで確認してから進めるようにしてください。
濃度は落としたくない。けれど成分の構成はできるだけ絞りたい。頭皮のコンディションは別のアイテムで管理している。この3つが当てはまるなら、単剤という選択が筋になります。
アンファー スカルプD メディカルミノキ5 スタンダードタイプ 60mL(第1類医薬品)
参考価格 5,000円前後
5%の外用をなるべく安く続けたい人。濃度は落とさず月額を下げる枠

買う前に読む「してはいけないこと」
3本とも第1類医薬品なので、共通の注意があります。ここは製品を選ぶ話より優先されます。
対象は成人男性(20歳以上)です。女性と20歳未満は使用できません。これは「非推奨」ではなく使用しないこととされている項目なので、家族と共用するようなものではないと考えてください。
もう一つ、脱毛の種類にも条件があります。壮年性脱毛症以外の脱毛症(円形脱毛症、甲状腺疾患による脱毛など)の人、原因の分からない脱毛の人、脱毛が急激だったり髪が斑状に抜けている人は使用できません。心当たりがあるなら、買う前に受診してください。
他の育毛剤・外用剤との併用も不可です。効きを上げようとして複数を重ね塗りする、という発想は成立しません。また、頭皮にきず、湿疹、炎症があるときは使わないこと。フケやかゆみが強く出ているなら、まずそちらを収めるのが先です。僕自身は頭皮のベタつきが先に来るタイプだったので、薬用スカルプシャンプーで頭皮の状態を整えるところから手を付けました。土台が荒れている状態で外用剤を足しても、変数が増えるだけで、何が効いているのか切り分けられなくなる。
購入手続きについても現実的な話を書いておきます。第1類医薬品は通販でも薬剤師の確認が入るため、注文したその日に発送、とは限りません。使い切るタイミングから逆算して、少し早めに手配するくらいでちょうどいい。
続ける前提で考えないと、判断そのものができない
ここからは限界の話です。
公式の記載は濃度で分かれます。1%のリアップジェットは「効果がわかるようになるまで少なくとも6ヵ月間」、5%のリアップX5チャージとメディカルミノキ5は「少なくとも4ヵ月間」。そして3本とも、誰にでも効果があるわけではないこと、使用を中止すると徐々に元に戻ることが明記されています。ここは、買う前に飲み込んでおくべき前提です。
数週間で判断はできない。全員に同じ結果が出るわけでもない。やめれば戻る方向に向かう。つまり、この薬を選ぶというのは「少なくとも4〜6か月の習慣と、毎月の出費を引き受ける」という意思決定であって、1本買って終わる買い物ではありません。3本とも1日2回×1mLの用法で、リアップジェットは薬液67mL、あとの2本は60mL。どれもおよそ1か月で使い切ります。続けるなら毎月買い直すことになります。
ここを直視しないまま始めると、2か月目あたりで「変化がない」と感じて止める。そして止めたことで判断材料も残らない。いちばんもったいない終わり方だと思います。
頭皮側でできることは、薬とは別に積める
外用剤の話とは別に、日常のケアで詰められる部分もあります。頭皮の皮脂や乾燥、洗い方、スタイリング剤の残り。このあたりは薬の区分とは関係なく、自分でコントロールできる領域です。
僕は薄毛が気になり始めてから、まず洗うものと乾かし方を見直しました。ベタつきが強い頭皮にシリコン多めのコンディショナーを重ねていたのを改めただけでも、日中の重さは変わった。効果を保証する話ではなく、単純に頭皮の状態が読みやすくなるという意味です。土台が安定していれば、外用剤を始めたときの変化も比較しやすくなります。
頭皮側の整え方
- 無印の薬用スカルプシャンプーベタつく頭皮で使った検証。洗うものから見直したい人へ
- 薬用スカルプコンディショナー重くならない仕上がりを探していた人向け
- メンズヘアケア 完全ガイド髪質からスタイリングまで通しで整理しています
自分がどの区分の話をしているのかを、常に確かめる
AGAの薬という言葉は広すぎて、市販の外用剤と処方の内服薬が同じ袋に入ったまま語られがちです。自分の判断で買えるのは市販の第1類医薬品まで。承認された効能は「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」まで。処方薬の領域は、医師の診察を受けたうえで決めるもの。
市販の3本は、剤形で選ぶか、副成分込みで選ぶか、単剤で絞るか。この3つの軸で分かれます。どれを選ぶにしても、購入時には薬剤師の説明があり、添付文書に使用上の注意が書かれています。棚から取って終わり、ではない薬なので、そこは読んでから決めてください。
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